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2、作戦
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2話 作戦
なんだかんだで、俺は七瀬と仲良くなった。
お昼とかも慎二はいつも女の子と食べてるので、七瀬は俺を誘ってくれる。
「佐藤はお弁当なんだな」
「うん、節約」
「自分でつくってるの?」
「まぁ…一応」
「マジで?!凄!その卵焼き一口食べてみたい!」
あーと口を開ける七瀬に俺は仕方なく卵焼きを口に入れてあげる。
「はい、あー」
「ん!」
もぐもぐと食べる七瀬。すると、七瀬は一気に笑顔になった。
「美味い!」
「本当?良かった」
「うん!もう一口!」
そう言って俺の卵焼きをつまんで口に入れる。
「ち、ちょっと!もう…」
「フフフ!」
得意気に笑う七瀬に俺も思わず微笑む。
「七瀬!なんか如月が呼んでる!」
「ん!今行く!それじゃ」
七瀬は昼休みに大体いつも呼び出される。理由は大体、告白。
(やっぱり七瀬もモテるんだな…)
俺は一気に寂しくなった。今までと同じに戻っただけなのに。
慎二はやっぱり女の子と一緒にいる。
(俺達って恋人なんだよね?…)
「どうにかしないと……」
家に帰って俺は早速、作戦を立てた。
作戦名は『慎二を女の子から取り返そう!』だ。安直すぎるがそんなことはどうでもいい!
「まずは…そうだ!慎二には恋人がいるっていう噂を広めよう!」
学校について俺はクラスの噂好きな奴に話しかけた。
「あのさ、知ってる?慎二って恋人がいるらしいよ」
「え?マジで?!」
「う、うん。この間デートとしてる所見たんだ」
「マジかよ!なぁなぁ!」
噂好きな奴はすぐに友達の方に向かった。
(いくらなんでも口軽すぎだろ…)
呆れも半分くらいあったが、今は作戦に集中!
慎二に恋人がいるという噂は1日で学校中に広まった。
「慎二!恋人がいるって本当?」
「嘘だよね?!だって…私たち放課後もいっぱい遊んだりしたし…」
「慎二、本当に幸せなの?」
クラスには女の子が駆けつけて慎二に確認をしていた。
(お願い!ここはもう正直に恋人がいるって言って!)
恋人がいるのは事実だし、慎二ならきっと言ってくれる。
「……フフ、皆んなどうしたの?いるわけないでしょ?」
その言葉を聞いた途端に、女の子達は全員、声を揃えて「だよね~」と安心していた。
一方、俺はその言葉を聞いた途端に「だよね」と落ち込んでいた。
(そりゃそうか…あーあ、なんか逆に俺が苦しめられてるじゃん)
本当は言ってほしかった。「いるよ」の一言でもいい。
女の子から取り返せることも大事だけど、ちゃんと恋人として扱われたいというのもあったんだ。
「作戦失敗だ……」
(でもまだ、頑張らなきゃね!)
「そうだ!お弁当!七瀬も美味しいって言ってくれたし慎二はいつも購買だから作ってあげよう!」
そして、慎二にはお弁当をつくることをなんとか許可してもらった!
「よーし!張り切るぞ」
朝、5時に起きて卵焼きだったり慎二が好きなおかずをつくる。
そのあと、俺は海苔でご飯に愛してるという文字をのせた。
(フフフ!世間で言う愛妻弁当ってやつだよね!)
俺は出来上がった弁当を包みワクワクしながら学校に向かった。
午前の授業をなんとか乗り切りついにお昼!
「慎二!」
「あ、雪。皆んなちょっと待ってて」
俺は勇気を出して女の子に囲まれている慎二に話しかけた。
「はい、これ!」
「ありがとう…にしても急にどうしたの?」
「だって慎二いつもパンとかだし、たまにはお弁当でもどうかな?って」
「雪…」
なんか恥ずかしくなってきた。
「うわっ!」
「ありがとう、大好きだよ」
「うん!俺も!でも、あんまり女の子とイチャイチャしないでね?慎二の恋人は俺なんだから!」
「はいはい」
やっぱり、なんだか面倒くさそうに答える慎二だが今日は許そう!
(お弁当にも愛を込めたしね!)
帰り、俺は慎二を校門で待っていた。すると、慎二が走ってくる。
「雪!」
「慎二!早く帰ろう?」
「これ、お弁当!『愛してる』って何あれ?」
「あ、食べてくれたんだ!頑張ったんだよ!」
「もういい、お弁当これからいらない」
「え?ちょっと!」
一緒に帰る約束だったのに慎二は走って帰ってしまった。
またもや作戦は失敗のようだ…
なんだかんだで、俺は七瀬と仲良くなった。
お昼とかも慎二はいつも女の子と食べてるので、七瀬は俺を誘ってくれる。
「佐藤はお弁当なんだな」
「うん、節約」
「自分でつくってるの?」
「まぁ…一応」
「マジで?!凄!その卵焼き一口食べてみたい!」
あーと口を開ける七瀬に俺は仕方なく卵焼きを口に入れてあげる。
「はい、あー」
「ん!」
もぐもぐと食べる七瀬。すると、七瀬は一気に笑顔になった。
「美味い!」
「本当?良かった」
「うん!もう一口!」
そう言って俺の卵焼きをつまんで口に入れる。
「ち、ちょっと!もう…」
「フフフ!」
得意気に笑う七瀬に俺も思わず微笑む。
「七瀬!なんか如月が呼んでる!」
「ん!今行く!それじゃ」
七瀬は昼休みに大体いつも呼び出される。理由は大体、告白。
(やっぱり七瀬もモテるんだな…)
俺は一気に寂しくなった。今までと同じに戻っただけなのに。
慎二はやっぱり女の子と一緒にいる。
(俺達って恋人なんだよね?…)
「どうにかしないと……」
家に帰って俺は早速、作戦を立てた。
作戦名は『慎二を女の子から取り返そう!』だ。安直すぎるがそんなことはどうでもいい!
「まずは…そうだ!慎二には恋人がいるっていう噂を広めよう!」
学校について俺はクラスの噂好きな奴に話しかけた。
「あのさ、知ってる?慎二って恋人がいるらしいよ」
「え?マジで?!」
「う、うん。この間デートとしてる所見たんだ」
「マジかよ!なぁなぁ!」
噂好きな奴はすぐに友達の方に向かった。
(いくらなんでも口軽すぎだろ…)
呆れも半分くらいあったが、今は作戦に集中!
慎二に恋人がいるという噂は1日で学校中に広まった。
「慎二!恋人がいるって本当?」
「嘘だよね?!だって…私たち放課後もいっぱい遊んだりしたし…」
「慎二、本当に幸せなの?」
クラスには女の子が駆けつけて慎二に確認をしていた。
(お願い!ここはもう正直に恋人がいるって言って!)
恋人がいるのは事実だし、慎二ならきっと言ってくれる。
「……フフ、皆んなどうしたの?いるわけないでしょ?」
その言葉を聞いた途端に、女の子達は全員、声を揃えて「だよね~」と安心していた。
一方、俺はその言葉を聞いた途端に「だよね」と落ち込んでいた。
(そりゃそうか…あーあ、なんか逆に俺が苦しめられてるじゃん)
本当は言ってほしかった。「いるよ」の一言でもいい。
女の子から取り返せることも大事だけど、ちゃんと恋人として扱われたいというのもあったんだ。
「作戦失敗だ……」
(でもまだ、頑張らなきゃね!)
「そうだ!お弁当!七瀬も美味しいって言ってくれたし慎二はいつも購買だから作ってあげよう!」
そして、慎二にはお弁当をつくることをなんとか許可してもらった!
「よーし!張り切るぞ」
朝、5時に起きて卵焼きだったり慎二が好きなおかずをつくる。
そのあと、俺は海苔でご飯に愛してるという文字をのせた。
(フフフ!世間で言う愛妻弁当ってやつだよね!)
俺は出来上がった弁当を包みワクワクしながら学校に向かった。
午前の授業をなんとか乗り切りついにお昼!
「慎二!」
「あ、雪。皆んなちょっと待ってて」
俺は勇気を出して女の子に囲まれている慎二に話しかけた。
「はい、これ!」
「ありがとう…にしても急にどうしたの?」
「だって慎二いつもパンとかだし、たまにはお弁当でもどうかな?って」
「雪…」
なんか恥ずかしくなってきた。
「うわっ!」
「ありがとう、大好きだよ」
「うん!俺も!でも、あんまり女の子とイチャイチャしないでね?慎二の恋人は俺なんだから!」
「はいはい」
やっぱり、なんだか面倒くさそうに答える慎二だが今日は許そう!
(お弁当にも愛を込めたしね!)
帰り、俺は慎二を校門で待っていた。すると、慎二が走ってくる。
「雪!」
「慎二!早く帰ろう?」
「これ、お弁当!『愛してる』って何あれ?」
「あ、食べてくれたんだ!頑張ったんだよ!」
「もういい、お弁当これからいらない」
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一緒に帰る約束だったのに慎二は走って帰ってしまった。
またもや作戦は失敗のようだ…
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