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第一章 第二幕 魔法騎士学院

十五話 負けたチームは退学だ!

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「遅いぞお前ら。ちょっとたるんでるんじゃないか?」


 その声と同時に庭園に散らばっていたクラスメイトたちは、直ちにアザール学院長の元へ集まった。


「よぉし。今日は四人一組で対戦をしてもらう」


 四人一組か。
 その言葉を聞くなり、誰とチームを組むかでざわつき始めた。


「負けたチームは――」


 声のトーンを高くし、クラスメイトを黙らせる。


「退学だ」


 またか。
 先ほどまで楽しそうにチーム決めをしていたクラスメイトたちは、誰をチームに入れるべきか悩み始めた。
 その様子を見てアザール学院長はニヤリと口元を引き上げ、見守っていた。

 もちろん俺はイシャールとユミールとチームを組む。
 二人もそのつもりのようだ。
 俺たち三人が固まっていると、三人グループやまだ決まっていない人たちから声をかけられる。


「ねぇ……エデン君、一緒に組まない?」


 女の子二人組だ。
 笑顔で近づき体をくねらせている。


「ごめん、もうチーム決まってるから」


 もちろん断った。
 その瞬間、体をくねらせていたのをやめふくれたように背を向けた。


「なぁんだ、行こ行こ」


 その後も俺とイシャールとチームに入れようと、数名に声をかけられたが全て断った。
 ユミールは、下心丸出しの男子共に誘われていたがやんわり断ったようだ。
 鼻の下を伸ばしてあからさまだったな。
 もっと気づかれないように近寄ればいいのに。

 とか、思いつつ隅に一人残されている女の子に目がいった。

 そこにいるのはニカだった。
 まだチーム決まってないのかな?

 俺たちはまだ三人だし、もし決まってないなら声かけてみよう。
 そう思いニカに近づいた。


「ニカ。まだチーム決まってないなら俺たちのチームに入る?」
「……入る」


 これで四人だな。
 俺たちはアザール学院長に、チームが決まった事を伝え自分たちの番を待つ事にした。


「アザール学院長、チームが決まりました」
「エデンにイシャール、ユミール、それに……ニカじゃねぇか。へぇこのチームに入るのか」


 二人は知り合いなのかな?
 相部屋もアザール学院長が決めたって言ってたし。

 でもそこを聞くのもちょっと気が引けるよな。
 言いたくないのかもしれないし。

 ニカが話したら聞いてもいいだろうけど。
 それまで俺から聞くのはよそう。


「よし、みんな決まったか~」


 その声に反応し返事をする。
 四人で一組。全部で四チームだ。
 それぞれ対戦して、負けたチーム……つまり二チームが退学という事になる。
 あまりにも大きい損失だ。

 何を考えているのかわからないけど、やるしかない。
 退学なんてしたくないしな。


「よし。じゃあまずガロウチームとホノカチーム、前に出ろ」


 ガロウチームは男四人、ホノカチームは女四人だ。
 男対女の対決。

 どっちかが退学になるのか。
 考えたくないが、どっちも生き残るって道はないんだ。


「お前ら真剣にやれよ~じゃあ、よぉい、始め!」
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