14 / 40
第一章 第二幕 魔法騎士学院
十四話 俺の相部屋が……女ぁぁぁ?!
しおりを挟む
「じゃあ……僕はこっちだから」
「うん、また明日」
宿舎は三階になってて、一階がみんなが食事を取る食堂、二階が自由スペースになっている。
自由スペースでは、沢山の本が並び読書スペースやカードゲームをするような娯楽スペースもある。
そして三階が俺たちが寝泊りする宿泊スペースになっている。
沢山の部屋がある中、俺はイシャールと別れ自分の部屋三百一号室に向かう。
ちなみにイシャールは三百十八号室、俺とは反対側の部屋だ。
せっかく友達になったのに、部屋が遠いのは残念だが仕方ない。
部屋は相部屋で、あわよくばイシャールと一緒だったらよかったとか思ってた。
もう人、来てるかな。
俺は意を決して扉を開けた。
もう一人はもう来ているようだった。
灰色の髪でボブくらいだろうか。反対側だけ耳に髪をかけ小さな横顔が見える。
身長も小さいようだ。
今来たばかりなのか、服やら私物を出してタンスにしまっていた。
よし、声をかけよう。
「お、俺はエデン。ルームメイトとして三年間よろしく」
背を向ける男の子に俺は大きめの声で挨拶した。
「あ……私、ニカ。よろしく」
その子はハスキーボイスで表情一つ変えずにそう言った。
っていうか……わ・た・し?!
「えぇぇぇ?!」
「……うるさい」
ニカはこっちを見ずに耳を手でふさぐ。
え、ちょっと待って。
この子女の子?!
なんで男子宿舎にいるの?
「あの……ここ、男子宿舎だけど」
「……知ってる」
はぁぁぁ?!
ますます意味わかんない。
わかってて何で男子宿舎に?
「俺、先生に言って来る」
俺は間違って女子がこっちに来ている事を先生に伝えに行こうとした。
するとそれを止めるように、俺の服の端をクイっと引っ張った。
「……アザールに言われた。だから大丈夫」
アザール学院長に?
でもなんで?
「な、なんでアザール学院長に?」
「知り合いだから。私は男子と一緒でも大丈夫だろって。女子の部屋が足りなかったみたい」
そう淡々と話すニカは顔色一つ変えずに持ち物をタンスに詰める。
「私のタンス……これ。エデンはこっち」
そう言うとニカは服を脱ぎだした。
「え? ちょ、ちょっと待った!」
「……なに」
「何、やってんの?」
「着替える。エデンも着替えた方がいい」
そう言いながら上着を床に置くニカ。
「ちょ……俺、洗面所行ってるね」
ど、どうなってんだよ?
女の子と相部屋でしかも俺がいるのに勝手に服脱ぎだすとか。
洗面所に引っ込んだはいいけど、どのタイミングで出るか迷う。
もう……着替えたかな。
俺はこっそり部屋を覗いだ。
「ふぅ――」
もう着替え終わっているようだ。
ってか、もう寝てるし。
はぁ――
俺ももう寝よう。
今日は色々あって疲れてるし。
こうして俺はなぜか女の子と相部屋になり、一緒の空間で過ごす事となった。
ってか――寝れねぇ!
すぐ横に女の子がいて寝れるわけがない。
俺はしばらく心臓を高鳴らせながら、なんとか目を瞑り無理やり眠りにつくのだった。
そして翌朝。
「……おはよう」
ニカは先に起きていた。
「おは……はぁぁぁ?!」
そしてなぜだろう。
下着姿なんだが。
俺は咄嗟に布団にもぐり見ないようにした。
「何してるの」
「いや、服! 服着てよ」
布団の中でごもりながらそう言う。
すると今気が付いたかのように言い返す。
「あ……ほんとだ」
恐る恐る布団をめくると……。
どうやら着替え終わっているようだ。
はぁ、先が思いやられるな。
「エデン。送れるよ……アザール怖いよ」
「――?!」
時計を見ると既に七時を回っていた。
アザール学院長の授業は七時半から。
遅れたらやばい。
確実に退学だ。
昨日そんな事言ってたし。
俺は急いで着替えを済ませ、庭園に向かった。
「うん、また明日」
宿舎は三階になってて、一階がみんなが食事を取る食堂、二階が自由スペースになっている。
自由スペースでは、沢山の本が並び読書スペースやカードゲームをするような娯楽スペースもある。
そして三階が俺たちが寝泊りする宿泊スペースになっている。
沢山の部屋がある中、俺はイシャールと別れ自分の部屋三百一号室に向かう。
ちなみにイシャールは三百十八号室、俺とは反対側の部屋だ。
せっかく友達になったのに、部屋が遠いのは残念だが仕方ない。
部屋は相部屋で、あわよくばイシャールと一緒だったらよかったとか思ってた。
もう人、来てるかな。
俺は意を決して扉を開けた。
もう一人はもう来ているようだった。
灰色の髪でボブくらいだろうか。反対側だけ耳に髪をかけ小さな横顔が見える。
身長も小さいようだ。
今来たばかりなのか、服やら私物を出してタンスにしまっていた。
よし、声をかけよう。
「お、俺はエデン。ルームメイトとして三年間よろしく」
背を向ける男の子に俺は大きめの声で挨拶した。
「あ……私、ニカ。よろしく」
その子はハスキーボイスで表情一つ変えずにそう言った。
っていうか……わ・た・し?!
「えぇぇぇ?!」
「……うるさい」
ニカはこっちを見ずに耳を手でふさぐ。
え、ちょっと待って。
この子女の子?!
なんで男子宿舎にいるの?
「あの……ここ、男子宿舎だけど」
「……知ってる」
はぁぁぁ?!
ますます意味わかんない。
わかってて何で男子宿舎に?
「俺、先生に言って来る」
俺は間違って女子がこっちに来ている事を先生に伝えに行こうとした。
するとそれを止めるように、俺の服の端をクイっと引っ張った。
「……アザールに言われた。だから大丈夫」
アザール学院長に?
でもなんで?
「な、なんでアザール学院長に?」
「知り合いだから。私は男子と一緒でも大丈夫だろって。女子の部屋が足りなかったみたい」
そう淡々と話すニカは顔色一つ変えずに持ち物をタンスに詰める。
「私のタンス……これ。エデンはこっち」
そう言うとニカは服を脱ぎだした。
「え? ちょ、ちょっと待った!」
「……なに」
「何、やってんの?」
「着替える。エデンも着替えた方がいい」
そう言いながら上着を床に置くニカ。
「ちょ……俺、洗面所行ってるね」
ど、どうなってんだよ?
女の子と相部屋でしかも俺がいるのに勝手に服脱ぎだすとか。
洗面所に引っ込んだはいいけど、どのタイミングで出るか迷う。
もう……着替えたかな。
俺はこっそり部屋を覗いだ。
「ふぅ――」
もう着替え終わっているようだ。
ってか、もう寝てるし。
はぁ――
俺ももう寝よう。
今日は色々あって疲れてるし。
こうして俺はなぜか女の子と相部屋になり、一緒の空間で過ごす事となった。
ってか――寝れねぇ!
すぐ横に女の子がいて寝れるわけがない。
俺はしばらく心臓を高鳴らせながら、なんとか目を瞑り無理やり眠りにつくのだった。
そして翌朝。
「……おはよう」
ニカは先に起きていた。
「おは……はぁぁぁ?!」
そしてなぜだろう。
下着姿なんだが。
俺は咄嗟に布団にもぐり見ないようにした。
「何してるの」
「いや、服! 服着てよ」
布団の中でごもりながらそう言う。
すると今気が付いたかのように言い返す。
「あ……ほんとだ」
恐る恐る布団をめくると……。
どうやら着替え終わっているようだ。
はぁ、先が思いやられるな。
「エデン。送れるよ……アザール怖いよ」
「――?!」
時計を見ると既に七時を回っていた。
アザール学院長の授業は七時半から。
遅れたらやばい。
確実に退学だ。
昨日そんな事言ってたし。
俺は急いで着替えを済ませ、庭園に向かった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる