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本編 ~ 第五章 ~
40話 機械的な出会い ~安定の生活~■挿絵あり■
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「あれじゃない? 菜園!」
発見 グリーンヒルズ菜園 EXP100
やっと着いた。
どうやらここは無事みたい。
見た限りだとロボットも健在で荒らされている様子もない。
「ね、ここは大丈夫みたいだね?」
私がそう言うと珍しくプリンは優しい笑顔で頷いた。
最近まであんな事が立て続けに起こったんだ。
何も起こっていないこの平和な菜園を見て、私達は久々に笑顔になれた気がした。
「何も起こってないからって警戒を緩めんなよ。まずはここを調べるぞ」
プリンはそう言うと、菜園の中に入っていった。
菜園の周りは少しボロいけど白い柵で囲まれていて、水道ポンプもあるし、畑も作物もある。
外に作物を育てられる畑が少しと、その横に少し大きな建物があり、その中には室内で育てられるような沢山の植木鉢が机の上に並んでいた。
建物はビニールで囲まれている為、作物も育ちやすい環境になっている。
まぁ、この辺はゲームとあまり変わってないな。
この菜園では6体のロボットが管理していて、その内の2体が管理官ロボットになっている。
白いロボットがグリーン管理官、そして黒いロボットが副監理官、この2体は室内の管理をする為に、主に建物の中にいる。
あとのグレーのロボット4体は外の畑を管理していて、水やりや収穫などして作物を育てて、街に供給ラインを繋いで育てた作物を売りさばいているロボットもいる⋯⋯はずなんだけど。
こんな世界でもう供給ラインなんて繋ぐ必要ないよね? そこら辺はどうなっているのかわからないけど、とにかく私も中に入ってみることにする。
ここなら防衛もしやすいし、外周の柵を強化してもっと高い防壁を作って、敵を近づけないようにする事だって出来る。
いち早く菜園の中に入っていったプリンの後を追い、私も菜園の中を探索することにする。
まずは外周から。ここら辺は巨大化した虫やら壊れたロボットが襲ってくるから、まずはそれを退治しないと。
と、そんなことを考えているとやっぱり巨大化した虫のお出まし。
薄っぺらい羽をバタつかせ、小さい胴体を空中に浮かせ牽制している。
クラハという生物だ。
私は来る途中で拾った鉄パイプを構えた。
なぜ銃じゃないのかは、単純に弾が無駄だから。
こんな世界では弾は貴重。弾を餌に取引をするほどだから。
私はこの世界にきて沢山の敵に出会った。
だからもう虫くらいじゃ驚かない。
プリンにも沢山助けてもらったけど、もう助けてもらわなくても、一人でも生きていけるように強くならなくちゃいけない。
私はあの蛇女の事件から少しは成長した⋯⋯はず。
いつまでもプリンに助けてもらってちゃ、またいつあんな事になるかもわからない。
だから私は⋯⋯自分一人でも戦う!
「はぁ!!」
私は数匹いた巨大化した虫を鉄パイプで次々と殴っていき、あっという間に倒した。
一匹ずつ、慎重に。攻撃を食らってRAD中毒になりたくないからね。
そしてプリンが建物の中を調べているうちに、建物の裏側に回って敵がいないか確認することにした。
「ようこそ! グリーンヒルズ菜園へ!」
うわ! びっくりした。どうやら管理ロボットが話しかけてきたらしい。
っていうか、遅いし。
さっきから私達、すごい探索してたのに今更話しかけてくる? 普通⋯⋯。
まじで心臓止まるかと思ったわ。
「あんたが管理官ロボットだったよね?」
私は冷静さを取り戻し、ロボットにそう尋ねた。
「えぇ! いかにも! 私がこのグリーンヒルズ菜園の管理官のグリーン管理官です! 以後、お見知りおきを!」
そうだった。
このロボット、妙に礼儀正しくてテンションが高いんだった。
こんなロボットと一緒に過ごすのか⋯⋯。
「どうしたのですか? 大丈夫ですか? このレモネードを飲めば元気がでますよ! おひとつどうぞ!」
「え、遠慮しとく」
「そうですか⋯⋯それは残念です」
まぁ、このロボットの相手は後でいいや。とりあえず探索を再開しよう。
「あのさ、今探索するからまたあとで⋯⋯」
「はい! わかりました! では用事がある時は話しかけてくださいね!」
ふぅ。とりあえず建物の裏側に回って⋯⋯と、思ったら建物の中からプリンが出てきた。
「おう、そっちはどうだ?」
「どうだって、見てわかるでしょ? ロボットと話してたの」
「探索もしないでか?」
仕方ないでしょ。ロボットからいきなり話しかけられたんだから。
まぁでも探索の手間が省けたからいいか。
プリンが裏側も見てくれたみたいだし、周りにも敵はいないみたいだし。
これからようやく安心した生活が送れるんだね。
「よし、探索終わったし、とりあえずロボットに事情を話に行くか」
確かに。
話さなきゃいけないよね。
いくらロボットっていってもこれから一緒に暮らすんだし。
私はプリンと一緒に管理官ロボットの元へ向かった。
発見 グリーンヒルズ菜園 EXP100
やっと着いた。
どうやらここは無事みたい。
見た限りだとロボットも健在で荒らされている様子もない。
「ね、ここは大丈夫みたいだね?」
私がそう言うと珍しくプリンは優しい笑顔で頷いた。
最近まであんな事が立て続けに起こったんだ。
何も起こっていないこの平和な菜園を見て、私達は久々に笑顔になれた気がした。
「何も起こってないからって警戒を緩めんなよ。まずはここを調べるぞ」
プリンはそう言うと、菜園の中に入っていった。
菜園の周りは少しボロいけど白い柵で囲まれていて、水道ポンプもあるし、畑も作物もある。
外に作物を育てられる畑が少しと、その横に少し大きな建物があり、その中には室内で育てられるような沢山の植木鉢が机の上に並んでいた。
建物はビニールで囲まれている為、作物も育ちやすい環境になっている。
まぁ、この辺はゲームとあまり変わってないな。
この菜園では6体のロボットが管理していて、その内の2体が管理官ロボットになっている。
白いロボットがグリーン管理官、そして黒いロボットが副監理官、この2体は室内の管理をする為に、主に建物の中にいる。
あとのグレーのロボット4体は外の畑を管理していて、水やりや収穫などして作物を育てて、街に供給ラインを繋いで育てた作物を売りさばいているロボットもいる⋯⋯はずなんだけど。
こんな世界でもう供給ラインなんて繋ぐ必要ないよね? そこら辺はどうなっているのかわからないけど、とにかく私も中に入ってみることにする。
ここなら防衛もしやすいし、外周の柵を強化してもっと高い防壁を作って、敵を近づけないようにする事だって出来る。
いち早く菜園の中に入っていったプリンの後を追い、私も菜園の中を探索することにする。
まずは外周から。ここら辺は巨大化した虫やら壊れたロボットが襲ってくるから、まずはそれを退治しないと。
と、そんなことを考えているとやっぱり巨大化した虫のお出まし。
薄っぺらい羽をバタつかせ、小さい胴体を空中に浮かせ牽制している。
クラハという生物だ。
私は来る途中で拾った鉄パイプを構えた。
なぜ銃じゃないのかは、単純に弾が無駄だから。
こんな世界では弾は貴重。弾を餌に取引をするほどだから。
私はこの世界にきて沢山の敵に出会った。
だからもう虫くらいじゃ驚かない。
プリンにも沢山助けてもらったけど、もう助けてもらわなくても、一人でも生きていけるように強くならなくちゃいけない。
私はあの蛇女の事件から少しは成長した⋯⋯はず。
いつまでもプリンに助けてもらってちゃ、またいつあんな事になるかもわからない。
だから私は⋯⋯自分一人でも戦う!
「はぁ!!」
私は数匹いた巨大化した虫を鉄パイプで次々と殴っていき、あっという間に倒した。
一匹ずつ、慎重に。攻撃を食らってRAD中毒になりたくないからね。
そしてプリンが建物の中を調べているうちに、建物の裏側に回って敵がいないか確認することにした。
「ようこそ! グリーンヒルズ菜園へ!」
うわ! びっくりした。どうやら管理ロボットが話しかけてきたらしい。
っていうか、遅いし。
さっきから私達、すごい探索してたのに今更話しかけてくる? 普通⋯⋯。
まじで心臓止まるかと思ったわ。
「あんたが管理官ロボットだったよね?」
私は冷静さを取り戻し、ロボットにそう尋ねた。
「えぇ! いかにも! 私がこのグリーンヒルズ菜園の管理官のグリーン管理官です! 以後、お見知りおきを!」
そうだった。
このロボット、妙に礼儀正しくてテンションが高いんだった。
こんなロボットと一緒に過ごすのか⋯⋯。
「どうしたのですか? 大丈夫ですか? このレモネードを飲めば元気がでますよ! おひとつどうぞ!」
「え、遠慮しとく」
「そうですか⋯⋯それは残念です」
まぁ、このロボットの相手は後でいいや。とりあえず探索を再開しよう。
「あのさ、今探索するからまたあとで⋯⋯」
「はい! わかりました! では用事がある時は話しかけてくださいね!」
ふぅ。とりあえず建物の裏側に回って⋯⋯と、思ったら建物の中からプリンが出てきた。
「おう、そっちはどうだ?」
「どうだって、見てわかるでしょ? ロボットと話してたの」
「探索もしないでか?」
仕方ないでしょ。ロボットからいきなり話しかけられたんだから。
まぁでも探索の手間が省けたからいいか。
プリンが裏側も見てくれたみたいだし、周りにも敵はいないみたいだし。
これからようやく安心した生活が送れるんだね。
「よし、探索終わったし、とりあえずロボットに事情を話に行くか」
確かに。
話さなきゃいけないよね。
いくらロボットっていってもこれから一緒に暮らすんだし。
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