41 / 121
本編 ~ 第四章 ~
33話 バラバラの三人衆 ~格別なメシ~
しおりを挟む
その男は無表情で話しかけてきた。
「あいつって⋯⋯?」
私がそういうと、男は首を横に振り私達の前から立ち去り、プレハブの中へ入っていった。
「なんなのよ」
無愛想にも程がある。男の態度に気分を害した私は、そのプレハブに近寄ろうとした。
「やめとけ」
するとプリンが私の腕を掴みそう言った。
なんで? って思ったけど、プリンは私の反応を見る前に、そのプレハブを避けるようにそそくさと歩き始めた。
仕方なく私はプリンの後を追うことにした。プレハブの方をチラッと見ると、男が中から私達が去るのを見守るように立っていた。
私は無愛想な男に苛立っていたため、その中から見る男に舌を出して、プリンが歩いて行ったほうに走っていった。
「ちょっとプリン! 待ってよ」
なんでかわかんないけど、プリンはプレハブから早く離れたそうだ。
私達はそのまま菜園に向かうべく、東の方へ歩いて行った。
「はぁ~まだ着かないのぉ?」
しばらく歩き続けていたせいか、私の足はくたくたで棒になっていた。
「まだだ。あれから2日しか経ってねぇだろ。我慢して歩け」
そう。私達は2日も歩き続けていたのだ。
いくらゲームの中だとはいっても眠気は襲ってくるし、ろくなご飯だって食べてない。
菜園まではあと3日はかかるらしいし、これからどうするんだろう。
「あ~もうダメ! 全く歩けない!」
とうとう限界が訪れた私の足は歩みを止めた。私はそれと同時に地面に座り込み、プリンを見上げた。
「ちっ⋯⋯仕方ねぇな。この辺でキャンプ張るか」
ようやくプリンが休む気になったみたいで、私達は荒野の隅にある小さな洞穴で、キャンプを張ることにした。
「あ~まじで疲れた~」
菜園まで辿り着けるのかな。お腹空いたし⋯⋯。
すると、ゴツゴツした石やら湿った土が広がる地面に寝転がっている私の横から、いい匂いが漂ってきた。
「なんかいい匂い~なにやってんの?」
プリンのほうを見ると道中で捕まえたらしいリスを、火にかけていた。
「え? そんなのいつ捕まえたわけ?」
私は、道中疲れてプリンに付いていくのが必死だったために、プリンがリスを捕まえていたのにも、気が付かなかった。
「お前のもある。さっさと食ってさっさと寝ろ。明日から一気に菜園まで行くぞ」
そう言ってプリンは私に、こんがり焼けたリスの丸焼きを手渡した。
私はお腹が減りすぎて倒れそうだったため、そのリスの丸焼きにかぶりついた。
「うんまぁ! やっぱ疲れた時のメシは最高だねっ!」
うん、凄い格別。
リスの丸焼きとかゲームでもあったけど、凄い格安で売られてるし、正直買ったことない。
ゲームやってる分には、お腹空かないしね。体力回復としてもスチムパックとか、プカコーラで充分だし。
リスだから無駄に放射能浴びてて、それ食べるとRADやばいしね。
でもそんなの関係なく、凄い美味い!
なんでかわかんないけど、たかがリスの丸焼きに私は、むしゃむしゃかぶりつくように、ペロッと食べてしまった。
「ハハッ⋯⋯すげぇ食いっぷりだな」
もう何日も何も食べてない子供のように、リスの丸焼きにかぶりつく私を見て、プリンは爆笑してる。
「お前ッ⋯⋯ちゃんとメシ食ってんだろ? その食べっぷり⋯⋯最高だな」
プリンは私を見てお腹を抱えながら笑ってる。
そんなに変な食べ方だったかな? それにしても笑いすぎでしょ。
私はプリンをキツイ目付きで覗き見た。
「そんなに笑わなくてもいいじゃん!」
するとプリンは笑いすぎて潤んでいた涙を拭き、私の頭をポンっと軽く叩き、優しい笑顔を見せた。
「⋯⋯今日はゆっくり寝ろ」
私達は小さな洞穴の中で肌寒い風に当たりながら、一つの寝袋に包まれ眠りについた。
「あいつって⋯⋯?」
私がそういうと、男は首を横に振り私達の前から立ち去り、プレハブの中へ入っていった。
「なんなのよ」
無愛想にも程がある。男の態度に気分を害した私は、そのプレハブに近寄ろうとした。
「やめとけ」
するとプリンが私の腕を掴みそう言った。
なんで? って思ったけど、プリンは私の反応を見る前に、そのプレハブを避けるようにそそくさと歩き始めた。
仕方なく私はプリンの後を追うことにした。プレハブの方をチラッと見ると、男が中から私達が去るのを見守るように立っていた。
私は無愛想な男に苛立っていたため、その中から見る男に舌を出して、プリンが歩いて行ったほうに走っていった。
「ちょっとプリン! 待ってよ」
なんでかわかんないけど、プリンはプレハブから早く離れたそうだ。
私達はそのまま菜園に向かうべく、東の方へ歩いて行った。
「はぁ~まだ着かないのぉ?」
しばらく歩き続けていたせいか、私の足はくたくたで棒になっていた。
「まだだ。あれから2日しか経ってねぇだろ。我慢して歩け」
そう。私達は2日も歩き続けていたのだ。
いくらゲームの中だとはいっても眠気は襲ってくるし、ろくなご飯だって食べてない。
菜園まではあと3日はかかるらしいし、これからどうするんだろう。
「あ~もうダメ! 全く歩けない!」
とうとう限界が訪れた私の足は歩みを止めた。私はそれと同時に地面に座り込み、プリンを見上げた。
「ちっ⋯⋯仕方ねぇな。この辺でキャンプ張るか」
ようやくプリンが休む気になったみたいで、私達は荒野の隅にある小さな洞穴で、キャンプを張ることにした。
「あ~まじで疲れた~」
菜園まで辿り着けるのかな。お腹空いたし⋯⋯。
すると、ゴツゴツした石やら湿った土が広がる地面に寝転がっている私の横から、いい匂いが漂ってきた。
「なんかいい匂い~なにやってんの?」
プリンのほうを見ると道中で捕まえたらしいリスを、火にかけていた。
「え? そんなのいつ捕まえたわけ?」
私は、道中疲れてプリンに付いていくのが必死だったために、プリンがリスを捕まえていたのにも、気が付かなかった。
「お前のもある。さっさと食ってさっさと寝ろ。明日から一気に菜園まで行くぞ」
そう言ってプリンは私に、こんがり焼けたリスの丸焼きを手渡した。
私はお腹が減りすぎて倒れそうだったため、そのリスの丸焼きにかぶりついた。
「うんまぁ! やっぱ疲れた時のメシは最高だねっ!」
うん、凄い格別。
リスの丸焼きとかゲームでもあったけど、凄い格安で売られてるし、正直買ったことない。
ゲームやってる分には、お腹空かないしね。体力回復としてもスチムパックとか、プカコーラで充分だし。
リスだから無駄に放射能浴びてて、それ食べるとRADやばいしね。
でもそんなの関係なく、凄い美味い!
なんでかわかんないけど、たかがリスの丸焼きに私は、むしゃむしゃかぶりつくように、ペロッと食べてしまった。
「ハハッ⋯⋯すげぇ食いっぷりだな」
もう何日も何も食べてない子供のように、リスの丸焼きにかぶりつく私を見て、プリンは爆笑してる。
「お前ッ⋯⋯ちゃんとメシ食ってんだろ? その食べっぷり⋯⋯最高だな」
プリンは私を見てお腹を抱えながら笑ってる。
そんなに変な食べ方だったかな? それにしても笑いすぎでしょ。
私はプリンをキツイ目付きで覗き見た。
「そんなに笑わなくてもいいじゃん!」
するとプリンは笑いすぎて潤んでいた涙を拭き、私の頭をポンっと軽く叩き、優しい笑顔を見せた。
「⋯⋯今日はゆっくり寝ろ」
私達は小さな洞穴の中で肌寒い風に当たりながら、一つの寝袋に包まれ眠りについた。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
AIRIS
フューク
SF
AIが禁止され、代わりに魔法という技術が開発された2084年
天才的な青年により人間と変わらない見た目を持ち、思考し、行動するロボットが作られた
その名はアイリス
法を破った青年と完璧なAIアイリスは何処へ向かっていくのか
【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
異世界坊主の成り上がり
峯松めだか(旧かぐつち)
ファンタジー
山歩き中の似非坊主が気が付いたら異世界に居た、放っておいても生き残る程度の生存能力の山男、どうやら坊主扱いで布教せよということらしい、そんなこと言うと坊主は皆死んだら異世界か?名前だけで和尚(おしょう)にされた山男の明日はどっちだ?
矢鱈と生物学的に細かいゴブリンの生態がウリです?
本編の方は無事完結したので、後はひたすら番外で肉付けしています。
タイトル変えてみました、
旧題異世界坊主のハーレム話
旧旧題ようこそ異世界 迷い混んだのは坊主でした
「坊主が死んだら異世界でした 仏の威光は異世界でも通用しますか? それはそうとして、ゴブリンの生態が色々エグいのですが…」
迷子な坊主のサバイバル生活 異世界で念仏は使えますか?「旧題・異世界坊主」
ヒロイン其の2のエリスのイメージが有る程度固まったので画像にしてみました、灯に関しては未だしっくり来ていないので・・未公開
因みに、新作も一応準備済みです、良かったら見てやって下さい。
少女は石と旅に出る
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893967766
SF風味なファンタジー、一応この異世界坊主とパラレル的にリンクします
少女は其れでも生き足掻く
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893670055
中世ヨーロッパファンタジー、独立してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる