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地獄から光が差した

それから…

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父と話し合いをした時に私は心に決めていた事を話すならと思った

「お願いがある。私スイミングスクールに通いたい。学校でも合唱部に入りたい。お父さんが店にいない時、家に帰らなきゃ行けない時に合唱部やスイミングスクールに通っていれば家に帰らなくてもいいし、何より友達がいるから・・・」

これは前々から考えていた事

学校にスイミングスクールの水着を着ている子が何人かいて

「お揃いの水着なの?」

と聞いたら

「これはスイミングスクールの水着だよ。春休みから始めたんだ」

と教えてくれた

「スイミングスクールって毎日あるの?」
「どれぐらいお金かかる?」
「何時から始まるの?」

今思うと小学生がお金の事を聞くのは変だと思う

それでもうちは貧乏だったから高いお金なら親にお願いできないと考えていたから月謝は私にとって切実だった

「そんなに興味あるならパンフレット貰ってきてあげるよ」

そう言ってくれたのはEちゃんだった

Eちゃんもスイミングスクールに通っていた
Eちゃん自身はスポーツがあまり好きではないので嫌々通っているという

Eちゃんはすぐパンフレットを貰って来てくれた

…が月謝のところを確認するとやはり高い
その上、水着やバッグなど揃えるものも高い

なのでパンフレットを受け取ってもすぐ親には言い出せなかった
言うタイミングを見計らっていた

今回の母の事がなければ父にお願いなんて出来なかったと思う

「離婚なんてしないで!その代わりにお願いがある」

私が出した答えはこれだった

「店に帰って来れる日は店に帰る。でも仕事でどうしても店に帰れない時、家に帰りたくないからスイミングスクールに通いたい。でもスイミングスクールも高いから1番安いコースでいい。その代わり、学校の合唱部に入部したい。前に先生に誘われたから…。学校にいる時間を長くしたい」

必死に父に訴えた

父は

「みほこがそうしたいなら、スイミングも合唱もやってみな。でも遊ぶ時間がなくなるぞ?それでもいいのか?」

と聞いてきた

「合唱部には友達がいるし、スイミングにも友達が通ってるから…」

と答えた

「家にいるよりはそっちの方がいいな。よし!みほこの好きなようにやってみな。お金は心配するな」

母と違って父は私の事を考えてくれる
きちんと目を見て話してくれる

ただそれだけでうれしかった

みほこはスイミングスクールに通う事になり、合唱部への入部も決めた
当時のみほこは選抜水泳部にも入っていたし、陸上部にも助っ人という形で入部していた
家にいたくないのでなるだけ家に帰らなくていいように片っ端からスポーツに打ち込んだ

そしてこの台風が去った後、店に初めてのお客さんが来た
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