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もちだ すしの

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187 光生side

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「俺いつも光生のことばっかり考えてるよ!もうご飯食べたかなとか今ごろ莉緒ちゃんと遊んでるのかなとか次はいつ一緒にお風呂入れるかなとか寝る前なんて光生にギュッてされながら寝たいなって毎日思ってるんだー!」

涼は、んふふっと笑いながら幸せそうな顔を見せてくれるから少しだけ自分に自信がつく。

「ふふっ、そんなこと思ってくれてたなんて俺はすっごい幸せ者だね。」

今日がずっと続けばいいのに。もういっそのことこのままこの時間が終わらないでいてくれたらなんて本気で思ってしまう。

「……ねぇ、光生しか触れない場所もう1回触ってほしい……」

上目遣いをしながら俺の腕をギュッと握る涼に自分が今どれだけかわいい顔をしているか見せてあげたい。それに俺しか触れない場所なんて平気で言っているけどその一言が俺にとって大事な宝物になっていることにきっと気づいていない。

「毎日涼に貰ってばっかりだ。」

「え?何か言った?」

「ふふっ、内緒。」

小さな声で呟く俺に聞き返す涼には一生秘密だ。そんな涼は目が合えばえへへっと笑ってくれる。

「なんか照れちゃうね……光生といつも一緒にいるのにまだ慣れない…ずっと緊張する……」

恥ずかしそうにごめんねと謝る涼にいつも通り、心臓は簡単に鷲掴みにされる。ゆっくりと腰を動かし奥を突くとキュウッとお尻を締めえろい吐息を出す。

「ぁあんっ………きもちいぃ……」

「ふふっ、気持ちいいの?かわいい。」

そのトロンとした顔も全て俺だけのものだ。

「うんっ……これ気持ちよくて大好き……」

そんなことを教えてくれる涼は突然慌てだす。

「あっ!いや、その、、光生がしてくれるから大好きなだけでいつもは自分でお尻触ったりしないからねっ!!」

「ふふっ、1人でしてても別に引かないって。」

むしろ興奮するのにフルフルと首を横に振る涼はギュッと抱きついてくる。

「本当だよ…1人でしないもん……こんなところ自分でも触ったことないし光生だけだもん……」

はぁ、かわいすぎる。やばいくらいにかわいすぎるけど涼は俺が喜ぶことを簡単に振りまきすぎだ。

「ねぇ、そんなに簡単にかわいい顔見せるのも俺が調子乗るようなこと言うのもだめ。」

「………光生だって見せてるじゃん、、」

どこに怒ったのか涼はフンッと顔をそらす。

「ん、ごめんごめん。俺が悪かったからこっち向いて。」

「やだ!!俺がなんで怒ってるか絶対にわかってないでしょ!!」

まさかの図星をつかれ黙り込む俺に涼の機嫌はさらに悪くなる。

「ほらやっぱりわかってない!」

怒られているこんな時でさえも拗ねている顔が見たくて頬にそっと手を添えれば振り払われてしまった。

「ねぇ、涼の顔見たい。だめ?」

「だめっ!!今日はもう見せない!!」

枕を勢いよく取った涼は自分の顔にギュッと押し当てる。どうやら本当に見せてくれないらしい。でもいつものようにすぐに機嫌を直してくれない涼がかわいくてしょうがない。

「ふふっ、本当かわいい。」

「もうそればっかり!!ていうかなんで今の状況で笑うの!?」

だってかわいすぎて我慢しても顔が緩んでしまうんだからしょうがない。でも本格的にまずい雰囲気になってきたしこれ以上怒らせると本当にやばい。枕をギュッと顔に当てている片方の手を強引に引き離し指を絡ませて手を繋いでみる。

「ふふっ、涼と久しぶりに手繋いだ。」

温かくてスベスベな涼の手が大好きだ。それに怒っているのに手を握り返してくれる涼ににやける顔が止まらない。こんな時でもどこまでもかわいくて優しい。

「ほら、そんなに枕当ててたら息しづらいし苦しいでしょ。それともそんなにその枕が好きなの?」

繋いだ手を揺らしながら話しかければ俺の方に顔を向けて枕をずらしチラッと見てくる。

「………この枕、光生の匂いするから大好き…」

「……なんでそんなかわいいことするの。」

もう今すぐに無理矢理にでも枕を奪い取ってめちゃくちゃにしてもいいだろうか。必死に我慢をするけどずっと繋がっている場所はどんどん熱くなっていく。

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