スタートライン

もちだ すしの

文字の大きさ
上 下
37 / 240

37

しおりを挟む



「いってきまーす!」

結局あの後家まで送ってもらい普段勉強しない俺は疲れてすぐに寝てしまっていて気づけば朝になっていた。でもぐっすりと寝られたおかげでめずらしく余裕のある朝だ。

家を出て学校に向かっていると少し先に光生が立っていて走ってかけよる。

「光生!おはよう!」

俺に気づくと光生はニコッと笑う。

「おはよ。」

「誰か待ってるの?」

「涼しかいないでしょ。ほら行こ。」

当たり前のようにそんなことを言われるとやっぱり嬉しい。機嫌よく隣を歩く俺を見て光生は不思議そうな顔をする。

「なんか今日元気だね。」

「まーねー!ぐっすり寝られたし!」

「昨日えっちなことしていっぱい出したから?」

「っ!!ちょっと、急にやめてよ!変態!」

「ははっ、変態って。」

楽しそうに笑う光生を見てやっぱり大好きだなぁなんて思ってしまう。そんな気持ちを伝えたくなって光生の袖をつかむと立ち止まってくれる。

「……また今度しようね。」

少し背伸びをして顔を耳に近づけ小声でこそっと言うと光生は固まっていた。俺は先に歩いて行きチラッと振り返る。

「このままだとおいていくからねー!」

「ねぇ!今度っていつ?今日?明日?」

突然その場から大きい声で話す光生に俺は慌てて止めに行く。

「ちょっと!声が大きいって!!」

「テスト週間毎日家で勉強教えてあげる。」

「だめ!放課後は教室で勉強する!」

「は?なんで?」

「だって絶対勉強にならないもん。今日から教室で教えて!」 

「やだ。」

「えー!俺、光生に教えてもらわないとテストできない!」

そんなわがままを言うと光生は大きなため息をついて俺の髪をわしゃわしゃと少し強めに撫でた。

「はいはい、教室ね。わかりました。」

「へへっ、ありがと!」

「ん。」

「あっ!学校遅れる!光生早く!」

話していたらいつのまにか時間はギリギリになっていて結局俺たちは急いで学校に向かった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

聖也と千尋の深い事情

フロイライン
BL
中学二年の奥田聖也と一条千尋はクラス替えで同じ組になる。 取り柄もなく凡庸な聖也と、イケメンで勉強もスポーツも出来て女子にモテモテの千尋という、まさに対照的な二人だったが、何故か気が合い、あっという間に仲良しになるが…

目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件

水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて── ※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。 ※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。 ※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。

人の恋路を邪魔しちゃいけません。

七賀ごふん
BL
この学校には恋仲を引き裂く悪魔がいる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 男子校に転入した智紀は優しいクラスメイト、七瀬と出会う。しかし会った初日に、彼の裏の顔とゲスい目的を知ってしまい…。 天真爛漫転校生×腹黒で強気な生徒会長。 会長の弟くんの話は別作品で公開中。 表紙:七賀ごふん

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

私の事を調べないで!

さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と 桜華の白龍としての姿をもつ 咲夜 バレないように過ごすが 転校生が来てから騒がしくなり みんなが私の事を調べだして… 表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓ https://picrew.me/image_maker/625951

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

処理中です...