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第一章
始動 その10
しおりを挟むキエェェェェェェェーーーシャベッターーーー
あまりの予想外に暫らく固まってしまった。
「あ、あの?ハル様?どうしました?」
固まっていたため声も出せずにいた俺に再び落とし穴から話しかけられた。
ここはファンタジーな世界、ここはファンタジーな世界、ここはファンタジーな世界、よし。
その言葉を何回も繰り返して少しの落ち着きを取り戻した。
内心は慌てまくっていたが外見には出さなかった、はずだ。
「ゴホン、いや、ごめんごめん、少し考え事をしてしまって。待たせたね」
「え?い、いえ、こちらこそごめんなさい。ハル様のお考え中に声をかけてしまって」
「あ、いや、大丈夫だよそんなに畏まらなくても」
俺がそう言った時かぶせ気味で返答してきた。
「いえ、いいえ、いけません。ハル様は私をお作りになった御方、云わば創造主、そのハル様に馴れ馴れしく接する事など出来ませんわ」
えっと、なんだろ?なんか凄い熱のこもった声から察するとスッゴク狂信的な感じがするんだけど‥‥‥
まあ、いいか。この子を作ったのは確かに俺だしな。意思の疎通がとれるのは助かる。
「それで、何で近づいちゃダメなんだい?」
「え?だって私には毒がありますから間違ってハル様を傷つけてしまったら大変ですもの」
「ああ、そう言う事か。それなら平気だよそうあれと作ったのは俺だからね」
そう言う事か何かもっと別の理由かと思った。
そうだ、鑑定で見てみるか。
そう思って気楽に鑑定を唱えて罠の方を見てみる。
罠D
落とし穴型 罠
スキル シビレ毒
製作者 ハル
え?これだけ?まあ、罠だしそんな物か?でも”罠D”ってどういう事だ?前のA、B、C、は‥‥‥あ、あれか。ホーンラビット追いかけていったロープの罠の事か。確か3本?3体?どっちだ?まあいいかとにかくABCはアレの事だろうな。
何か罠Dが小声でブツブツ言っている‥‥‥
「あああー。ハル様が私を見ている。私の全てをーーー」
が、聞かなかった事にする。
罠Dとかじゃ呼びにくいし名前でも付けておくか。落とし穴だしわかりやすく”おと子”とか?いや、なんか嫌だ。英語だと何だっけ?ピットホールだっけ?なんかのゲームでそう言っていたような?他にはD、4番目うーん。
‥‥‥フォーリー、良し。4番目だしそれでいこう。
「よし、君の名前はフォーリーだ。よろしくフォーリー」
そう言った途端落とし穴が光った。あまりの眩しさに目を閉じてしまったが光は直ぐに収まった。
「ああ、ハル様私を作っていただいてそして名までお与えくださるなんて、ありがとうございますハル様、頂いた名前に恥じないようこの身が朽ちるまでお供しますわ」
「あ、ああ。よろしく頼む」
若干引いてしまった。
「えっと、それで早速で悪いんだけどこれからこの先の湧き水の所まで行きたいのだけど、一緒に来てくれるかな?」
「もちろんどこへでもお供しますわ」
罠D改めフォーリーは即効で快諾してくれた。
ロープはボックスに入ってるし特に問題はないな。このまま行くか。
一応、ポーに索敵してもらってから湧き水の場所に向かって歩き始める。
もう少しで湧き水の場所という所でまたデスハンドが現れた。
今度は二体だけのようだ。遠くの方から駆け寄って来る姿は昨日、懐いていたあのデスハウンドと重なるものがある。
しかし、あのモフリ具合は昨日のデスハウンドかもしれない。いや、ポチ(←脳内にて今、命名)に違いない。よし秘かに作っておいたこのモンスターの餌でまた使役をしてモフモフするぞ。
そう思ってボックスをゴソゴソしているとすぐ隣にいたフォーリーがデスハウンドめがけて素っ飛んでいった。
「この、クソ獣がご主人さまに近づくなー」
そう言いながら最初に見た時よりも大きな落とし穴を開けてデスハウンド二体を飲み込んだ。そして落とし穴の蓋が閉まると中からフォーリーの声が聞こえてくる。
「オラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアーーーーーー」
オラが聞こえた後にドウッと打撃音が聞こえてきて、キャインとデスハウンドの鳴き声が聞こえてくる。
仲ではどんな悲惨な光景が広がっているのだろうか?いや、想像するのはやめておこう。暫らくするとフォーリーの声もデスハンドのキャインという悲鳴も聞こえなくなった。
するとフォーリーの口(?)からペッと吐き出される様に魔力石X2とけものの皮X2が俺の足元に飛んできた。
なんかもの凄く血塗れなんですけど‥‥‥
少しひきつっているとフォーリーが近くまで来てなんか褒めてほしそうにこちらをチラチラ見てくる。
「お、おう、フォーリーよくやったぞ。凄いな、でも今度は出来るだけサクッと倒してくれると嬉しいかな。ハ、ハハ」
若干引きつっていたかもしれないが何とか言えた。
血塗れのアイテムはボックスから水を出して血を洗い落としてからしまいました。
まあこんな事があと数回会ってから何とか湧き水の場所に着いた頃には精神的に凄い疲弊した。
そして、最後の方はデスハンドに別な意味で現れないでくれと願いました。
++++++++++++++++++++++
投稿間隔が空いてしまってスイマセン。
_(_^_)_
少し忙しくて‥‥‥(;'∀')
小説を書くのは楽しいので続けていきたいと思います。よろしくお願いします。
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