生産系チートが生き残るのは大変すぎる。

まさちち

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第一章

始動 その8

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 取り合えず手に入れた魔力石とネバネバの瓶をボックスの中にしまい込んでから洞窟の中に戻る。

 デスハンド達も洞窟の中に入る様に言ったのだが外でお座り状態になり入ろうとしなかった。まあ、犬とか外に小屋作ったりしてるし中より外の方が良いのかな?今度小屋でも立ててあげるか。

 そんな事を考えながらデスハンド達みんなの頭を順々になでて「お前達のおかげで助かったよ」と言いながらウサギ肉を置いて洞窟の中に入る。

さて、ロープ作りを再開するかと思っていつもの作業場に戻ろうとした時肩に乗っているポーが少し不満そうな声で話し出す。
≪むー、オイラだってハルに色々教えてあげたりしてるのに≫

その声にポーの方を向くとポーはプイっとそっぽを向く。
ん?なんだ?何で怒っているんだ?‥‥‥あ、もしかしてデスハンド達を褒めてた事か?でも、そんな事で怒るかな?そう思いながらも一応声をかけてみる。

「あー、ポーのお陰であのカエル達に先制攻撃されなかったよありがとうポー」

 そう言いながらポーの方を見ているとそっぽを向いたままだが耳が真っ赤なのがよくわかる。きっと顔とかもそうなっているのだろう。

「ま、まあ、そこいら辺のことはオイラに任せてくれりょ」

う、最後の方かんだ。カワイイー

なにやらほんわかしてポーの頭をそっと撫でる。耳がさらにあかくなる。
「な、なんだ、ハルはオイラがいないとダメなんだからな。ほ、ほら、作業の続きをするんだろ?オイラは向こうで休んでる」
そう言ってこっちを見ることなくさっきまで寝ていた木の上に戻っていった。

やっぱり話す事が出来るって言うのは良いな。一人だったらと思うと少し背筋が寒くなった。そんな考えを振りほどくように顔を強く振ると少し気合を入れてロープ作りを始める。

 するとしばらくした頃頭にメッセージが浮かんだ。
”ウサギ罠A,B,CのLVが上がりました。”

まあ、ここまでは今まで何回か出てきていたが完全にスルーしていたのだが、奴らも元気にやってるなーぐらいに思っていた。

しかし今回はその続きがあった。
”ウサギ罠A,B,Cが新しいスキル、”ボックス共有”を覚えました。”
ん?ボックス共有?ってなんだとか思っていると大量の魔力石とウサギ肉、ウサギの皮、ネバネバの入った瓶、獣の骨、獣の牙とか色々なものがボックスに入って来た。
なんか一気に入って来たので頭の中に出て来るメッセージで少し酔いそうになった。

どうやら、あのウサギを追っていった罠達が持っていたドロップ品が俺の所に流れ込んできたらしい。実際魔力石は助かる。後、鑑定したこともないアイテムって言うのも良いねー楽しみだ。

早速さっきのネバネバの入った瓶も含めてアイテム鑑定をする。

鑑定

ネバネバの入った瓶・・・カエルの粘液

ムラサキ色の小ビン・・・カエルの毒

キノコ・・・・・・・・・キノコ(食用)

キノコ・・・・・・・・・キノコ(毒)
 
キノコの胞子・・・・・・キノコの栽培用

コウモリの羽・・・・・・コウモリの羽

獣の骨・・・・・・・・・ジャイアントラットの骨

獣の牙・・・・・・・・・ジャイアントラットの牙

獣の皮・・・・・・・・・ホーンラビットの皮

獣の皮・・・・・・・・・ジャイアントラットの皮

と、まあこんな感じだ。

再びボックスに全部入れ直す。

 ホーンラビットばっかり狩っていると思ったのだが意外に色々な物を狩っているんだな。
まあ、あの見た目だとかなり目立つだろうし。

 そして俺はあの最後に見たホーンラビットの罠を思い出していた。そう、両端輪っかのロープの形態をだ。
少し苦笑いを浮かべてからロープ作りに戻った。

 手に入った素材はそのうち何かの役には立つだろう。食用のキノコは水が手に入ったら直ぐに役立つのは間違いない。

 再びロープ作りに没頭する事数時間。結構な長さが出来上がった。

 明日これを湧き水の場所まで持っていって湧き水の近くに生えている木に括りつければ上出来なのだけど、デスハウンド達に頼めば簡単に行きそうだ。

さて、寝るかな。


 洞窟の明かりを魔法球に触れて少し落とすと直ぐに眠りに落ちた。

朝起きだして伸びをして身体をほぐす。
土の上で寝るのは慣れない。布団が恋しい。

そんな事を考えながらボックスから水を取り出して飲み、ポーがもはや自分専用のキャップの蓋をキラキラした目で俺に差し出しているのでその蓋にも入れてあげる。

 外のデスハウンド達にも水をあげようと思い、木材と魔力石で底の浅いお皿を二つ作ってそれを持ちながらそっと顔を出して、デスハウンド達を探すのだが見当たらない。

あれ?朝飯でも狩りにってるのか?そう思って洞窟の中に戻りポーに話しかける。
「ポー、デスハウンド達が居ないんだけどどこ行ったかわかるか?」
≪んー、ちょっと待ってて≫
そう言うと小さな指を額に当てて目を瞑る。
≪んー、ん?あれ?あれ?居ない、この近くには反応がないよ?≫
「え?凄く遠くに行ってるって事?」
≪あー、もしくは他のモンスターにやられちゃったか、テイム状態が切れたかかな?≫
「え?テイム状態が切れるってあるの?」
≪いや、オイラその辺はよくわからないけど、ハルって元々モンスターテイマーじゃないんでしょ?≫

言われて初めて気が付いた。そう言えばポーが俺の事モンスターテイマーなのかって聞いてたっけ。
「あーじゃあ、モンスターテイマーじゃないのが、モンスターをテイムするのってどうすればできるんだろ?」
≪どうだろ?薬品とかアイテムとか使うのかな?≫

いや、俺に聞かれてもわからんけど?うーん、デスハウンド達の様子が変わったのって確か俺がウサギ肉をあげてからだったよな?でも、そのあと何回もあげてるし?

そう思いながらボックスを開いてリストを確認する。
普通にウサギ肉ってあるけど?ん?

リストを見ていくうちに下の方に調理されたウサギ肉って言うのが出てきた。
ん?ああ、あれか、料理しようとして食べれそうな草を取ってきてウサギ肉に刷り込ませたりくるんでたりしたやつか。

そこに鑑定をしてみると調理した肉のなかに”モンスターの餌(肉食系)”と出てきた。更に詳しく鑑定すると説明文が出てきた。

モンスターの餌(肉食系)を与えると日が変わるまで使役する事が出来る。

なるほど、あの時慌てていてこれを引っ張り出していたのか。
むむ、いいボディーガードが出来たと思ったのに。

いや、そんなことよりもっとモフモフしておけばよかった。

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