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1章
side ブルース 後編
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孤児に普通の仕事などよっぽどの変わり者以外雇わない。それでも頼み込んで働かせてもらったりしたのだが咳が出てしまい、うつる病と疑われてダメになる。そんなのを三回も続ければ噂が広まりどこも雇ってくれなくなる。もう一五歳になる身の振り方を考えないと。
そんな時一時は来なくなっていた下っ端共がまた来るようになった。どうやらここいらのボスが変わったらしい。敵対していた他のグループに殺されたそうだ。
院長先生は前と同じで一切屈しなかった。スミーと二人で下っ端の後をつけて行くと大きい家に着いた。家の前に門番が立っていて下っ端はヘコヘコと頭をさげながら入って行った。
門番を避けて壁の穴から中に入って建物に近づいて中の様子を窺う。
「そんな事一つも出来ねえから下っ端のまんまなんだよテメーらは、今から行ってその孤児院に火かけて全部燃やしちまえ」
「え、でもそんな事したら金がとれなくなっちまいますよ」
「俺に楯突いたらどうなるか見せしめだ」
小声でスミーに話す。
「スミーお前は戻ってこの事を院長先生に知らせてくれ」
「ブルース君はどうするの?」
こいついつもはトロイくせにこういう時は頭が働くな。
「俺は、こいつ等を倒してここいらのボスになる。院にはもう戻らない」
「じゃあ、僕も一緒にやるよ」
「暴力嫌いの院長先生に会えなくなっちゃうぞ?」
「でも、院の為にするんでしょ?僕は頭が良くないから分からないけどブルース君について行けば院の為になる事が出来る気がするから」
「スミー、よし俺も何をどうしたら上手く行くかは分からないが院を守る為に行動しよう。まずはこいつらをぶちのめす」
俺は近くにあった大きな石を窓にぶち当てた。窓の近くにいた男がそのまま直撃で倒れる。窓から俺達が入ってきて、いち早く立ち直った男が叫ぶ。
「テメーらどこの手の奴らだ?ウドファミリーのウド様に何の用だ?」
「あ?お前がボスなの?丁度いいやお前倒してここいらのボスは俺がやるわ」
「ああん?クソガキが舐めやがって、オイこのガキ丸裸にして広場に吊るしてこい」
音を聞きつけた奴らが集まってきた。
「おお、いいねそれ採用だ。お前を丸裸にして吊るしてやるよ」
「お前らとっとと倒してこい!」
一斉に飛び掛かって来る。どこで拾ってきたのかスミーは細長い木の棒で戦っている。
「いつまで遊んでるんだ。面倒クセーもう殺してもいいぞ、お遊びは終わりだ」
そう言うとみんな腰から剣を抜き構えた。
「う、ちとやばいかな?」
「平気だよ。ちょっと待っててね」
言い終わらない前に踏み込むと相手の腕を打って剣を奪って戻ってきた。
「ブルース君の前にあるゴミはすべて僕が排除しておくよ」
何処で習ったのか凄まじい剣さばきで次々と倒していく。最後に残ったボスに近づく。
「ま、待て、待ってくれ。その腕を買って俺の右腕にしてやるどうだ悪い話じゃないぞ」
「はあ?なんで俺達がお前の下に就かなきゃいけないんだよ逆ならまだしも」
「そ、そうでした、小僧の下で働かせてください」
「ハァ、俺な嘘が見抜けるんだよ。お前の話しは最初から全部嘘だ」
思いっきり殴って気絶させた。
「スミー、倒れてるやつらみんな殺しちまったのか?」
「ほとんどは、急所外してるから生きてると思うよ。何人かは綺麗に入ったからダメかも」
「……そうか」
そう言うと、近くにあったナイフを拾って、ボスという男の首に突き刺した。
「スミー、これでもう俺達はあそこには戻れない。あの場所と俺達は無関係だいいな」
「ブルース君、わかってるよでも、汚れ仕事は僕がやるよ。ブルース君はドンドン先に進んでね」
「生きてる奴は聞け。ここいらは俺がもらう、従う気のない奴は今すぐここから出ていけ。従うならこのまま雇ってやる。しばらく考える時間をやるまた後で聞きに来る」
「残る奴なんかいるのかな?」
「わかんねえ?でも、無理やり入れても続かねえだろ?」
「ふ~ん」
しばらくたってから広間に戻ると結構な人数が残っていた。スキルを発動して見てみると何名かは反発している奴がいた。そいつらを前に出させる。
「お前は、何で残ったんだ?」
「お前を見定めてから決める。ただの暴力だけではボスは務まらないからな。お前に素質が無いとわかったら出ていく。馬鹿には付いていけないから」
「そうか、他の奴もそうか?」
何人か頷いた。一人飛び出して近づきにこやかに話し始めた。
「私はボスの事を評価してますよ度胸もいいし腕っぷしも強いですからねー、私を近くに置いて雑用にでも使ってくれないでしょうか?」
「スミー、こいつはいらね」
みんな俺が何を言ってるか理解する前に俺の目の前の男の首が落ちる。
「俺は、嘘がわかる。俺に話す時は気を付けろ。俺に対する意見や反発はいいが嘘だけは許さん」
この時の事が周りのボス達に知れ渡る敵対した奴をすべて虐殺していった非情な男と知れ渡ったらしい。だが、拠点的にたいしてうまみの無い場所なので誰も波風を立てなかった。
それから、少しずつ自分のシマを増やしていった。ある時は賭けで奪ったり戦争で奪ったりもした。
あの覚悟を決めた日から何年経ったか、院長先生が俺の屋敷に来た。
「ブルースさん、なんだかブルースさんの親だって人が来てるんですがどうします?」
「……俺に親などいない」
「ですよねー、叩き出だしてやりますね」
「いや、暴力はダメだぞ。穏便に帰ってもらえ」
「は?はい、わかりました」
玄関の上の窓からコッソリ外を覗いていると部下たちに押し出されている院長先生が見えた。髪に白いものが混じってきて子供の頃見ていた大きな身体はなんだか小さく見えた。
「ブルース、スミー、お前達がどこで何をしていようとも家族であることに変わりはないからな。いつでも戻ってこい待っているぞ」
昔と変わらない大きな声、懐かしい声でそう言うと帰って行った。
「お父さん。ごめんなさい」
小声で一度だけ謝罪をした。スミーもどこかで今の話を聞いているだろ。今日は深酒しそうだな。俺もだがな。
それから何年も経ってやっとスラムの半分近くを手に入れる事が出来た。少し浮かれて馬車に乗っているといつものアレが出た、咳だここのとこ落ち着ていたから薬を忘れていた。
馬車を止めて外に出て治まるのを待っていたら、スミーの声が聞こえてきた。が今日の咳はなんだかしつこいななどと思ったら。身体が光りだして咳が楽になった。
「あの、俺回復師してる者です。その咳は喉の気管が狭まって起きる現象です。治療をさせてもらえないでしょうか?」
声のする方を見ると二人の子供に若い男がいた。スキルを発動して若い男を見てみる。嘘はついていない。
その後治療だとか言ってヒールを受けた。受けた後なんだか呼吸が楽になった。少し興味が出てきて話していたら、何年も前に見たあの色が見えた。真っ白な院長先生と同じ色、濁りの無い白。話し終わって馬車に戻るとスミ-が話しかけてきた。
「ブルース君なんだか楽しそうだね?」
「フフ、さっきの奴面白い奴だったな」
「そうだね、なんか院長先生を思い出しちゃったよ」
こいつは、スキルも無いのに、勘がいいのか感性がいいのか?
「そうだな」
「だから、切りたくなくて寸止めしようと思ったら三人も飛び出してくるんだもんびっくりしたよ」
「お前が、寸止めとか珍しいな」
「そういえばそうだね」
「フフ、もうかかわる事はないだろうがな」
「そうかな?またすぐ会いそうな気がする」
「本当にどうしたんだ?お前?」
「フフフ」
スミーの言う通り会う機会は直ぐに来た。ヒデがスミーに伝言を頼んだのだが、あの工場を買う奴がいるとは思わなかった。周りはすべて俺の土地だ、そんな所を買うとは何考えてるんだ?
わからん?会って話した方が速いな。早速、冒険者ギルドに向かった。ギルドに入ると、静まり返りこちらに注目してきた。
「ブルースさん、スミーさんこっちだよ」
気の抜ける声で呼ばれてそちらを見ると、ヒデとこないだの子供達に縦ロールの女がいた。
俺以外の奴と普通に話すスミーを見てまた驚いたが。ヒデの計画にはもっと驚いた。軌道に乗れば本当にスラムが無くなっちまうかもしれない。
もしかしたらと思っていたが、この子供は孤児院の子供達か。雑談的に院の事を聞いてみようと質問してみたら、お父さんが亡くなっていた事とお母さんの病気をヒデが治してくれた事を聞いた。ヒデには返しようがないデカい借りが出来ちまった。まあそれは、少しずつ返していこう。
しかし、自分の命より大切なものが一つ無くなっていた。もう頑張ってもあの大きな手で頭をなでてくれないんだな。
などと考えながら酒を飲む。今日はきっと深酒をしてしまうだろうな。
酔う前にお父さん、お母さんに会わせてくれてありがとう。ヒデをお母さんのもとに連れてきてくれてありがとう。
女神様に感謝を。
フフフ、相当酔払ってるな。じゃなきゃこんなこと言えないな。
そんな時一時は来なくなっていた下っ端共がまた来るようになった。どうやらここいらのボスが変わったらしい。敵対していた他のグループに殺されたそうだ。
院長先生は前と同じで一切屈しなかった。スミーと二人で下っ端の後をつけて行くと大きい家に着いた。家の前に門番が立っていて下っ端はヘコヘコと頭をさげながら入って行った。
門番を避けて壁の穴から中に入って建物に近づいて中の様子を窺う。
「そんな事一つも出来ねえから下っ端のまんまなんだよテメーらは、今から行ってその孤児院に火かけて全部燃やしちまえ」
「え、でもそんな事したら金がとれなくなっちまいますよ」
「俺に楯突いたらどうなるか見せしめだ」
小声でスミーに話す。
「スミーお前は戻ってこの事を院長先生に知らせてくれ」
「ブルース君はどうするの?」
こいついつもはトロイくせにこういう時は頭が働くな。
「俺は、こいつ等を倒してここいらのボスになる。院にはもう戻らない」
「じゃあ、僕も一緒にやるよ」
「暴力嫌いの院長先生に会えなくなっちゃうぞ?」
「でも、院の為にするんでしょ?僕は頭が良くないから分からないけどブルース君について行けば院の為になる事が出来る気がするから」
「スミー、よし俺も何をどうしたら上手く行くかは分からないが院を守る為に行動しよう。まずはこいつらをぶちのめす」
俺は近くにあった大きな石を窓にぶち当てた。窓の近くにいた男がそのまま直撃で倒れる。窓から俺達が入ってきて、いち早く立ち直った男が叫ぶ。
「テメーらどこの手の奴らだ?ウドファミリーのウド様に何の用だ?」
「あ?お前がボスなの?丁度いいやお前倒してここいらのボスは俺がやるわ」
「ああん?クソガキが舐めやがって、オイこのガキ丸裸にして広場に吊るしてこい」
音を聞きつけた奴らが集まってきた。
「おお、いいねそれ採用だ。お前を丸裸にして吊るしてやるよ」
「お前らとっとと倒してこい!」
一斉に飛び掛かって来る。どこで拾ってきたのかスミーは細長い木の棒で戦っている。
「いつまで遊んでるんだ。面倒クセーもう殺してもいいぞ、お遊びは終わりだ」
そう言うとみんな腰から剣を抜き構えた。
「う、ちとやばいかな?」
「平気だよ。ちょっと待っててね」
言い終わらない前に踏み込むと相手の腕を打って剣を奪って戻ってきた。
「ブルース君の前にあるゴミはすべて僕が排除しておくよ」
何処で習ったのか凄まじい剣さばきで次々と倒していく。最後に残ったボスに近づく。
「ま、待て、待ってくれ。その腕を買って俺の右腕にしてやるどうだ悪い話じゃないぞ」
「はあ?なんで俺達がお前の下に就かなきゃいけないんだよ逆ならまだしも」
「そ、そうでした、小僧の下で働かせてください」
「ハァ、俺な嘘が見抜けるんだよ。お前の話しは最初から全部嘘だ」
思いっきり殴って気絶させた。
「スミー、倒れてるやつらみんな殺しちまったのか?」
「ほとんどは、急所外してるから生きてると思うよ。何人かは綺麗に入ったからダメかも」
「……そうか」
そう言うと、近くにあったナイフを拾って、ボスという男の首に突き刺した。
「スミー、これでもう俺達はあそこには戻れない。あの場所と俺達は無関係だいいな」
「ブルース君、わかってるよでも、汚れ仕事は僕がやるよ。ブルース君はドンドン先に進んでね」
「生きてる奴は聞け。ここいらは俺がもらう、従う気のない奴は今すぐここから出ていけ。従うならこのまま雇ってやる。しばらく考える時間をやるまた後で聞きに来る」
「残る奴なんかいるのかな?」
「わかんねえ?でも、無理やり入れても続かねえだろ?」
「ふ~ん」
しばらくたってから広間に戻ると結構な人数が残っていた。スキルを発動して見てみると何名かは反発している奴がいた。そいつらを前に出させる。
「お前は、何で残ったんだ?」
「お前を見定めてから決める。ただの暴力だけではボスは務まらないからな。お前に素質が無いとわかったら出ていく。馬鹿には付いていけないから」
「そうか、他の奴もそうか?」
何人か頷いた。一人飛び出して近づきにこやかに話し始めた。
「私はボスの事を評価してますよ度胸もいいし腕っぷしも強いですからねー、私を近くに置いて雑用にでも使ってくれないでしょうか?」
「スミー、こいつはいらね」
みんな俺が何を言ってるか理解する前に俺の目の前の男の首が落ちる。
「俺は、嘘がわかる。俺に話す時は気を付けろ。俺に対する意見や反発はいいが嘘だけは許さん」
この時の事が周りのボス達に知れ渡る敵対した奴をすべて虐殺していった非情な男と知れ渡ったらしい。だが、拠点的にたいしてうまみの無い場所なので誰も波風を立てなかった。
それから、少しずつ自分のシマを増やしていった。ある時は賭けで奪ったり戦争で奪ったりもした。
あの覚悟を決めた日から何年経ったか、院長先生が俺の屋敷に来た。
「ブルースさん、なんだかブルースさんの親だって人が来てるんですがどうします?」
「……俺に親などいない」
「ですよねー、叩き出だしてやりますね」
「いや、暴力はダメだぞ。穏便に帰ってもらえ」
「は?はい、わかりました」
玄関の上の窓からコッソリ外を覗いていると部下たちに押し出されている院長先生が見えた。髪に白いものが混じってきて子供の頃見ていた大きな身体はなんだか小さく見えた。
「ブルース、スミー、お前達がどこで何をしていようとも家族であることに変わりはないからな。いつでも戻ってこい待っているぞ」
昔と変わらない大きな声、懐かしい声でそう言うと帰って行った。
「お父さん。ごめんなさい」
小声で一度だけ謝罪をした。スミーもどこかで今の話を聞いているだろ。今日は深酒しそうだな。俺もだがな。
それから何年も経ってやっとスラムの半分近くを手に入れる事が出来た。少し浮かれて馬車に乗っているといつものアレが出た、咳だここのとこ落ち着ていたから薬を忘れていた。
馬車を止めて外に出て治まるのを待っていたら、スミーの声が聞こえてきた。が今日の咳はなんだかしつこいななどと思ったら。身体が光りだして咳が楽になった。
「あの、俺回復師してる者です。その咳は喉の気管が狭まって起きる現象です。治療をさせてもらえないでしょうか?」
声のする方を見ると二人の子供に若い男がいた。スキルを発動して若い男を見てみる。嘘はついていない。
その後治療だとか言ってヒールを受けた。受けた後なんだか呼吸が楽になった。少し興味が出てきて話していたら、何年も前に見たあの色が見えた。真っ白な院長先生と同じ色、濁りの無い白。話し終わって馬車に戻るとスミ-が話しかけてきた。
「ブルース君なんだか楽しそうだね?」
「フフ、さっきの奴面白い奴だったな」
「そうだね、なんか院長先生を思い出しちゃったよ」
こいつは、スキルも無いのに、勘がいいのか感性がいいのか?
「そうだな」
「だから、切りたくなくて寸止めしようと思ったら三人も飛び出してくるんだもんびっくりしたよ」
「お前が、寸止めとか珍しいな」
「そういえばそうだね」
「フフ、もうかかわる事はないだろうがな」
「そうかな?またすぐ会いそうな気がする」
「本当にどうしたんだ?お前?」
「フフフ」
スミーの言う通り会う機会は直ぐに来た。ヒデがスミーに伝言を頼んだのだが、あの工場を買う奴がいるとは思わなかった。周りはすべて俺の土地だ、そんな所を買うとは何考えてるんだ?
わからん?会って話した方が速いな。早速、冒険者ギルドに向かった。ギルドに入ると、静まり返りこちらに注目してきた。
「ブルースさん、スミーさんこっちだよ」
気の抜ける声で呼ばれてそちらを見ると、ヒデとこないだの子供達に縦ロールの女がいた。
俺以外の奴と普通に話すスミーを見てまた驚いたが。ヒデの計画にはもっと驚いた。軌道に乗れば本当にスラムが無くなっちまうかもしれない。
もしかしたらと思っていたが、この子供は孤児院の子供達か。雑談的に院の事を聞いてみようと質問してみたら、お父さんが亡くなっていた事とお母さんの病気をヒデが治してくれた事を聞いた。ヒデには返しようがないデカい借りが出来ちまった。まあそれは、少しずつ返していこう。
しかし、自分の命より大切なものが一つ無くなっていた。もう頑張ってもあの大きな手で頭をなでてくれないんだな。
などと考えながら酒を飲む。今日はきっと深酒をしてしまうだろうな。
酔う前にお父さん、お母さんに会わせてくれてありがとう。ヒデをお母さんのもとに連れてきてくれてありがとう。
女神様に感謝を。
フフフ、相当酔払ってるな。じゃなきゃこんなこと言えないな。
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