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007 5月:初クエスト
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冒険者として活動するには、冒険者資格が必要になる。
冒険者資格を得る方法は2つある。
1つ目は定期的に開かれている実技試験で合格すること。
2つ目は冒険者学校を卒業することだ。
例えば僕が冒険者ギルドに行って、「冒険者になりたいっす!」と言ったからとて、二つ返事で、「ほな今から冒険者でよろしく」とはいかない。
ただ、冒険者学校の学生には例外があった。
一時的に冒険者資格を得られる、という制度だ。
この制度を利用するには、担任教師の許可であったり、必ずPT単位で活動しなければならないであったり、とにかく、何かと条件があるのだけれど、幸いにも僕達は利用可能だった。
「大型連休の間、G級冒険者として、命を大事に活動して下さいね」
ミストラル先生が僕に許可証を渡す。
僕はそれを受け取り、エマに渡そうとしたが、マリが横から掻っ攫った。
「流石はシーフ、手が早い」
「魔法剣士だから! 私が転向したのは魔法剣士!」
マリの腰には、エストックという細身の剣が装備されている。
服装も、魔法衣は売り払い、革で出来た軽装の鎧に変わっていた。
ミストラル先生と同じくらいに肌を露出しているが、色気はない。
その姿をマジマジと眺めた後、僕は呟いた。
「やっぱりシーフだな」
「魔法剣士だってば!」
◇
冒険者は〈冒険者ギルド〉で依頼を受注する。
だが、僕達が集合場所に選んだのは、学生寮の前だった。
「冒険者ギルドの場所も知らないとか、師匠、やばすぎだよ!?」
「レイさん、今度、街の案内をいたしましょうか?」
僕は、冒険者ギルドがどこにあり、どんな建物なのか知らなかった。
街を出歩いたのは、入学式の前、この街に着いてすぐの頃のみ。
あの時以来、寮と校舎を往来する日々を過ごしていた。
「エマと2人で街を歩くのはすごく楽しそうだ。
もしかして、それってデートに入るのかな?
前に誰かが恋バナで、そういうのをデートと呼んでいたけど」
「デ、デート……! 私とレイさんが……!」
エマの頬が赤くなった。
俯いて、「うふふふふ」と笑っている。
「だから私を仲間外れにすなー!」
マリがぎゃーぎゃーと喚きだしたので、移動を開始した。
◇
冒険者ギルドの前にやってきた時、僕は大きな声で言った。
「この建物、観た事ある!」
中に入った後、改めて言った。
「やっぱり気のせいだった」
冒険者ギルドの外観は、大きな酒場といった感じだ。
内観も酒場っぽくて、テーブル席がたくさんあるけれど、生憎ながら、飲食物の提供は行われていない。
奥には受付カウンターがあって、綺麗な受付嬢が立っていた。
「ここに居る人達は、皆、冒険者なのかい?」
「そうだよー!」
周囲を見渡しながら、受付カウンターに向かって歩く。
老若男女の冒険者が居て、皆が、何かしらの武器を携え、幾度となく修羅場を潜っていそうな雰囲気を醸し出していて、いかにも、「自分は只者じゃないぜ」と言いたげな風貌をしている。
「ここにいる全員が私達の先輩! カッコイイよねー!」
「たしかにカッコイイ」
しかし、思い描いていた冒険者とは違うなぁ、と思った。
僕の思い描く冒険者といえば、ビクトル先生だ。
ガリガリの細身体型に、爆発したかのようなもじゃもじゃの髪。
先生は丸眼鏡を掛けていたけれど、これは別になくてもいい。
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
受付カウンターに着いた僕達を、受付嬢が歓迎してくれた。
14歳のお子様が相手でも、完璧な営業スマイルで、お辞儀までしてくれる。
子供扱いされなかったことが嬉しくて、ついニヤけてしまった。
「冒険者学校の学生さんですか?」
「そうです! 私達、先生から許可を取ってここに来ました!
これが許可証です! クエスト、お願いします!」
マリが交付された許可証を受付嬢に渡す。
「たしかに確認しました。グレード1の学生さんということですので、お願い出来るクエストはコチラとなっております」
僕達の冒険者資格は機能が限定されたものであり、一般的な冒険者と何もかも同じ、というわけではない。
許可証のグレードはそのことを表していて、僕達の場合、G級の中でもより簡単なクエストしか受けられなかった。
「これが……クエスト票!」
「クエスト票は知っているんだ? 師匠」
「学校で習ったからね」
カウンターに、クエストの詳細を書いた紙が置かれる。
クエスト票と呼ばれるもので、冒険者はこれを見て仕事を選ぶ。
「やっぱり簡単なのしかないねー!」
エマが「ですね」と同意する。
「そんなに簡単なのしかないの?」
「これらの敵なら、私でも1人で倒せます」
僕には簡単かどうか分からなかった。
というのも、モンスターのことをまるで知らないからだ。
スライムやら、ゴブリンやら、名前は知っているが見たことはない。
「どうせなら、もう少し歯ごたえのある敵がいいな」
エマが1人でも倒せるような敵に興味はない。
僕の言葉に、「賛成」とマリが声を弾ませた。
「この際、クエストを受けずに狩場へ行っちゃう!?」
「危険ですよ、それは」
僕達は受付カウンターの前で、ああだこうだと話し合う。
クエストを受けよう、受けずに狩場へ行こう、やはりクエストを……。
最初は笑顔で「若いっていいですね」などと笑っていた受付嬢も、話し合いが膠着し、長引くにつれて、「まだですか?」と苛立っていた。
そんな時、僕達の背後から声が聞こえる。
「誰かー! 卵の運搬を手伝ってくれねーかー!」
振り返ると、一回りほど年の離れた男の4人組が立っていた。
その内の一人が、ギルド内の冒険者に向けて叫んでいるようだ。
「ヤークックの卵だ! 敵は俺達が倒すから、運搬だけ頼む!
謝礼はクエスト報酬の3割! 暇な奴、俺達に協力してくれ!」
どうやら手伝いを募集しているようだ。
「ヤークックって?」
分からないことはエマに訊く。
「怪鳥と呼ばれる大きな鳥で、その卵は超高級食材です。
ヤークックのランクは、たしかE級だったと記憶しています」
僕達が話していると、4人組が振り返った。
「君達、冒険者学校の学生さんかい?」
僕が「そうです」と頷くと、先ほど叫んでいた人が言った。
「よかったら卵の運搬を手伝ってくれないか?
敵は倒せるが、運搬までは手が回らなくて困っているんだ」
「わかりました、手伝いましょう」
僕が即答すると、エマとマリが慌てて止めに入った。
「危険だって! 師匠!」
「そうですよ。私達には荷が重いです」
「卵を運ぶだけじゃないの? もしかして、運ぶのに技術が必要なの?」
「卵を運ぶこと自体は簡単です。ただ、周りには、F級やE級の魔物がたくさん居て、とても私達の手に負える相手ではありませんよ」
「大丈夫! 魔物は俺達が駆除するからさ!
君達はただついてきて、怪鳥の卵を運ぶだけでいいんだ。
学生が相手だからって、謝礼は変えないよ。報酬の3割だ。
悪い話じゃないと思うんだが、どうだ?」
「僕は手伝おうと思う。困っている人は助けてあげないと」
僕の住んでいた村は、助け合いの精神で成り立っていた。
もしもその精神がなければ、毎日の食卓に同じ物が並んでいただろう。
ヨネさんの家の大根も、ミエさんの家のトマトも食べられなかったはず。
だから、困っている人が居れば、率先して助ける。
「危険なのは分かったから、2人は無理しないでいいよ」
「いやいや! 私だって付き合うから! 死なば諸共だよ!」
「私も非力ですがお供します」
僕達のPTは、名前も知らない連中のクエストを手伝うことになった。
冒険者資格を得る方法は2つある。
1つ目は定期的に開かれている実技試験で合格すること。
2つ目は冒険者学校を卒業することだ。
例えば僕が冒険者ギルドに行って、「冒険者になりたいっす!」と言ったからとて、二つ返事で、「ほな今から冒険者でよろしく」とはいかない。
ただ、冒険者学校の学生には例外があった。
一時的に冒険者資格を得られる、という制度だ。
この制度を利用するには、担任教師の許可であったり、必ずPT単位で活動しなければならないであったり、とにかく、何かと条件があるのだけれど、幸いにも僕達は利用可能だった。
「大型連休の間、G級冒険者として、命を大事に活動して下さいね」
ミストラル先生が僕に許可証を渡す。
僕はそれを受け取り、エマに渡そうとしたが、マリが横から掻っ攫った。
「流石はシーフ、手が早い」
「魔法剣士だから! 私が転向したのは魔法剣士!」
マリの腰には、エストックという細身の剣が装備されている。
服装も、魔法衣は売り払い、革で出来た軽装の鎧に変わっていた。
ミストラル先生と同じくらいに肌を露出しているが、色気はない。
その姿をマジマジと眺めた後、僕は呟いた。
「やっぱりシーフだな」
「魔法剣士だってば!」
◇
冒険者は〈冒険者ギルド〉で依頼を受注する。
だが、僕達が集合場所に選んだのは、学生寮の前だった。
「冒険者ギルドの場所も知らないとか、師匠、やばすぎだよ!?」
「レイさん、今度、街の案内をいたしましょうか?」
僕は、冒険者ギルドがどこにあり、どんな建物なのか知らなかった。
街を出歩いたのは、入学式の前、この街に着いてすぐの頃のみ。
あの時以来、寮と校舎を往来する日々を過ごしていた。
「エマと2人で街を歩くのはすごく楽しそうだ。
もしかして、それってデートに入るのかな?
前に誰かが恋バナで、そういうのをデートと呼んでいたけど」
「デ、デート……! 私とレイさんが……!」
エマの頬が赤くなった。
俯いて、「うふふふふ」と笑っている。
「だから私を仲間外れにすなー!」
マリがぎゃーぎゃーと喚きだしたので、移動を開始した。
◇
冒険者ギルドの前にやってきた時、僕は大きな声で言った。
「この建物、観た事ある!」
中に入った後、改めて言った。
「やっぱり気のせいだった」
冒険者ギルドの外観は、大きな酒場といった感じだ。
内観も酒場っぽくて、テーブル席がたくさんあるけれど、生憎ながら、飲食物の提供は行われていない。
奥には受付カウンターがあって、綺麗な受付嬢が立っていた。
「ここに居る人達は、皆、冒険者なのかい?」
「そうだよー!」
周囲を見渡しながら、受付カウンターに向かって歩く。
老若男女の冒険者が居て、皆が、何かしらの武器を携え、幾度となく修羅場を潜っていそうな雰囲気を醸し出していて、いかにも、「自分は只者じゃないぜ」と言いたげな風貌をしている。
「ここにいる全員が私達の先輩! カッコイイよねー!」
「たしかにカッコイイ」
しかし、思い描いていた冒険者とは違うなぁ、と思った。
僕の思い描く冒険者といえば、ビクトル先生だ。
ガリガリの細身体型に、爆発したかのようなもじゃもじゃの髪。
先生は丸眼鏡を掛けていたけれど、これは別になくてもいい。
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
受付カウンターに着いた僕達を、受付嬢が歓迎してくれた。
14歳のお子様が相手でも、完璧な営業スマイルで、お辞儀までしてくれる。
子供扱いされなかったことが嬉しくて、ついニヤけてしまった。
「冒険者学校の学生さんですか?」
「そうです! 私達、先生から許可を取ってここに来ました!
これが許可証です! クエスト、お願いします!」
マリが交付された許可証を受付嬢に渡す。
「たしかに確認しました。グレード1の学生さんということですので、お願い出来るクエストはコチラとなっております」
僕達の冒険者資格は機能が限定されたものであり、一般的な冒険者と何もかも同じ、というわけではない。
許可証のグレードはそのことを表していて、僕達の場合、G級の中でもより簡単なクエストしか受けられなかった。
「これが……クエスト票!」
「クエスト票は知っているんだ? 師匠」
「学校で習ったからね」
カウンターに、クエストの詳細を書いた紙が置かれる。
クエスト票と呼ばれるもので、冒険者はこれを見て仕事を選ぶ。
「やっぱり簡単なのしかないねー!」
エマが「ですね」と同意する。
「そんなに簡単なのしかないの?」
「これらの敵なら、私でも1人で倒せます」
僕には簡単かどうか分からなかった。
というのも、モンスターのことをまるで知らないからだ。
スライムやら、ゴブリンやら、名前は知っているが見たことはない。
「どうせなら、もう少し歯ごたえのある敵がいいな」
エマが1人でも倒せるような敵に興味はない。
僕の言葉に、「賛成」とマリが声を弾ませた。
「この際、クエストを受けずに狩場へ行っちゃう!?」
「危険ですよ、それは」
僕達は受付カウンターの前で、ああだこうだと話し合う。
クエストを受けよう、受けずに狩場へ行こう、やはりクエストを……。
最初は笑顔で「若いっていいですね」などと笑っていた受付嬢も、話し合いが膠着し、長引くにつれて、「まだですか?」と苛立っていた。
そんな時、僕達の背後から声が聞こえる。
「誰かー! 卵の運搬を手伝ってくれねーかー!」
振り返ると、一回りほど年の離れた男の4人組が立っていた。
その内の一人が、ギルド内の冒険者に向けて叫んでいるようだ。
「ヤークックの卵だ! 敵は俺達が倒すから、運搬だけ頼む!
謝礼はクエスト報酬の3割! 暇な奴、俺達に協力してくれ!」
どうやら手伝いを募集しているようだ。
「ヤークックって?」
分からないことはエマに訊く。
「怪鳥と呼ばれる大きな鳥で、その卵は超高級食材です。
ヤークックのランクは、たしかE級だったと記憶しています」
僕達が話していると、4人組が振り返った。
「君達、冒険者学校の学生さんかい?」
僕が「そうです」と頷くと、先ほど叫んでいた人が言った。
「よかったら卵の運搬を手伝ってくれないか?
敵は倒せるが、運搬までは手が回らなくて困っているんだ」
「わかりました、手伝いましょう」
僕が即答すると、エマとマリが慌てて止めに入った。
「危険だって! 師匠!」
「そうですよ。私達には荷が重いです」
「卵を運ぶだけじゃないの? もしかして、運ぶのに技術が必要なの?」
「卵を運ぶこと自体は簡単です。ただ、周りには、F級やE級の魔物がたくさん居て、とても私達の手に負える相手ではありませんよ」
「大丈夫! 魔物は俺達が駆除するからさ!
君達はただついてきて、怪鳥の卵を運ぶだけでいいんだ。
学生が相手だからって、謝礼は変えないよ。報酬の3割だ。
悪い話じゃないと思うんだが、どうだ?」
「僕は手伝おうと思う。困っている人は助けてあげないと」
僕の住んでいた村は、助け合いの精神で成り立っていた。
もしもその精神がなければ、毎日の食卓に同じ物が並んでいただろう。
ヨネさんの家の大根も、ミエさんの家のトマトも食べられなかったはず。
だから、困っている人が居れば、率先して助ける。
「危険なのは分かったから、2人は無理しないでいいよ」
「いやいや! 私だって付き合うから! 死なば諸共だよ!」
「私も非力ですがお供します」
僕達のPTは、名前も知らない連中のクエストを手伝うことになった。
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