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028 人生初のモテ期に困惑
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翌朝、俺は謁見の間に居た。
レシピの作成が深夜までかかったからだ。
故に、昨日は城の最上級客間で泊まっていた。
今回作ったレシピの数は、なんと数十万枚。
この量を1日で仕上げただけでも驚異的というものだ。
我ながら良くやったと自画自賛したい。
「それでは陛下、これにて失礼します」
「本当にありがとう、ジーク! お主は英雄であーる!」
「いえ、お役に立てるならこのくらい」
「大したお礼は出来ぬが……お主の通う<ミスティア訓練学校>まで、極上の馬車で送らせてもらおう。普段は皇帝しか乗ることのない皇族専用の馬車じゃ」
「いや、別にそこまでされなくとも」
「いやいや、これは命令じゃ。これくらいのことはさせてもらうのであーる」
「わかりました、ではお言葉に甘えます。ありがとうございます」
俺はヘトヘトになりながら、謁見の間を後にしようとした。
しかし、その時、頭に一つの案が浮かんだ。
足を止め、クルリと振り返る。
「エドワード皇帝陛下、一つ頼み事が」
「どうした?」
「実は学校のことなんですが――」
◇
皇族専用と云うだけのことはあり、俺を待っていたのは史上類を見ない煌びやかな馬車だった。
客車の外見は当然ながら、内装にも凝った装飾のオンパレード。さらに、牽引する二頭の馬も、陽光を反射するほどに艶やかな毛並みを誇る、容姿に優れた最高の白馬なのだ。御者の格好もそれらに合わせたエレガントなものだし、運転技術も超一流である。
「お前達、しっかり目に焼き付けろよ。こんなすげー馬車、二度と乗れないだろうからな」
「「ゴブーッ!」」
広々とした客車の中で、俺とゴブリンズはくつろいでいた。
「今どの辺りなんだろうな」
この客車には窓が付いていない。
おそらく安全上の理由だろう。
だから、現在の場所が不明だった。
不慣れ故に、そのことが不安に感じる。
変な所へ連れて行かれないだろうか、と。
「む?」
しばらくして、最高の乗り心地を誇る馬車が止まった。
この国に信号や踏切はないはずだが……。
なんてふざけたことを思っていると、扉が開いた。
「ジーク様、<ミスティア訓練学校>に到着いたしました」
学校に着いたのだ。
メニューを開き、現在が8時40分であることを確認する。
「ありがとうございました」
御者に礼を言い、ゆっくりと客車を降りた。
「皇族専用の馬車からジーク君が出てきた!?」
「あの人……エドワード皇帝とどういう関係なの?」
「ちょっと、凄すぎない? ありえないでしょ」
「皇帝陛下から直々に呼び出されて、さらにあの待遇って……」
降りるなり、周囲の視線が突き刺さった。
これだけ目立つ馬車で登場すれば、こうなるのは仕方ない。
エドワードが馬車を提案した時点で、この流れは予想出来ていた。
予想出来てはいたが……やはり恥ずかしいな。
「お前達、俺がいなくても部屋に戻れるか?」
「「ゴブッ!」」
ゴブリンズが首を縦に振った。
どちらも「任せろ」と言いたげな表情だ。
「よろしい。じゃあ、部屋で待機していてくれ」
「「ゴブー!」」
ゴブリンズは校舎横の寮へ走って行った。
寮に向かう道すがらには多くの学生がいたが、例外なく道を譲る。
ゴブリンに対してだ。
俺のペットということで、ゴブリンズでさえこの扱いである。
悪い気はしないが、少し神聖化されすぎている気がした。
「やれやれ、目立つのは好きじゃないんだけどなぁ」
頭をポリポリと掻きながら、俺は校舎の中に入った。
「あの、ジーク君」
「ん?」
校舎に入るなり、知らない女から声をかけられる。
制服を着ていることから、俺と同じ学生だと分かった。
見た感じ、年は同じか少し下といったところ。
水色の長い髪が特徴的な女で、上目遣いでこちらを見ている。
「こ、固定PTとか、組んでる、かな?」
「固定PT? 今は誰とも組んでないよ」
固定PTとは、固定メンバーで組むPTのこと。
対して、その場限りの即席PTを野良PTと呼ぶ。
サナPTのような、いつものメンバーで構成されているのが固定PT。
一方、大討伐戦における俺とオデッサのようなPTが野良PTだ。
「よ、よかったら、私と、固定PT、どう、かな?」
女は頬を赤らめながら言う。
これはもしかして、ある種の告白か?
女の仕草からしても、そのように感じられる。
「ごめん、申し出は嬉しいけどお断りさせてもらうよ」
「そ、そっか、そうだよね、いきなりでごめんね」
「いや、こちらこそ期待に応えられなくて悪いな」
女は「ううん」と言い、駆け足で離れていった。
こんなシチュエーション、生まれて初めてだぞ。
実力測定1位のレオンを瞬殺。
興奮冷めやらぬ内に皇帝直々の呼び出し。
そして皇族専用馬車による通学。
入学式から1週間も経っていないのに目立ち過ぎたな。
「やれやれ」
ため息をつきながら、俺は8組の扉を開けた。
すると、そこには既に三人が居て――。
「ジーク! あの馬車何!? 超凄いじゃん!」
「同感。私も驚いた。凄いね、ジーク。何者?」
すぐさまアリサとクルスが反応する。
外野と変わらぬ反応で、これまた俺は苦笑い。
「ジークさん、エドワード皇帝陛下とお話していかがでしたか?」
ミユも食いついてくる。
まさに時の人って感じだな。
つくづく、やれやれだぜ。
「いかがでしたかと言われても……別に普通だよ」
「ふ、普通!? あの厳格で有名なエドワード様がですか?」
「厳格で有名なんだ?」
俺の前では陽気な爺さんだぞ。
普段のエドワードは一体どんな感じなのだ。
一欠片の想像もつかなかった。
「それにしても、あれはどうかならないものか」
「いいじゃんいいじゃん! 皆ジークのファンなんだよ!」
俺とアリサが話しているのは、教室の外に居る女達についてだ。
学生の半分に及ぶ20人近い女子が、こちらを見てキャッキャしている。
一瞬でも目が合えば「今目が合った!」と騒ぐ始末。
売れっ子スターじゃねぇんだぞ……。
ミユのような、よく話す人間に好意を持たれたら嬉しい。
だが、よく知りもしない人間にモテたところで困惑するだけだ。
しかも、相手は俺の性格ではなく、ステータスを見ている。
レオンを瞬殺したとか、皇帝から直々に呼ばれたとか、そういう面。
「まぁ、数日経てばほとぼりも冷めるだろう」
「人生で唯一のモテ期なのにクールだねぇ、ジーク!」
「別に普通のことだよ」
茶化すアリサを突っぱね、俺は机に突っ伏した。
「オラオラ、教室の前で群れんな。イチャコラしたいなら休み時間か放課後にでもやりな。同じ寮に住んでんだから強引に押しかけりゃいいんだよ。光に寄せられた蚊みたいにうじゃうじゃしても迷惑なだけだぞ」
女学生の群れをかき分け、エレノアが教室に入ってきた。
「全く、面倒な生徒を受け持つことになったもんだ。あんたのせいで教室に入るのも一苦労だよ」
エレノアがうんざりそうに言う。
もちろん、俺に向かっての発言だ。
俺は「すみません」と苦笑いで頭をペコリ。
「それはいいとして、ジーク、あんたやってくれたね」
「え、何がですか?」
「何がですかだって?」
エレノアは俺の前に来ると、俺の顎をくいっとつまみ上げた。
そして、もう片方の手を使って、俺の頬を撫でてくる。
「あんた、皇帝陛下にお願いしただろ」
何のことか理解した。
アリサが「何のお願い!?」と激しく食いつく。
他の二人も興味津々の様子。
「昨日は座学を受け損ねたから、今日の座学は昨日と同じ内容にするか、又は放課後に特別講習を行うようにしてほしいってね」
殆ど一字一句違わぬ内容だ。
「うひゃあ! ジーク、勉強熱心ー! ガリ勉だー!」
「尊敬する。私は座学嫌い」
アリサとクルスが言う。
俺は「それほどでも」と頭を掻いた。
その瞬間、エレノアの手が俺の頬を優しくぶった。
「なーにがそれほどでもよ。職員室に入るなり言われてこっちはいい迷惑なんだ。皇帝陛下からの指示なら断れないしよぉ。かといって給料が増えるわけでもない。あんたのおかげで無駄な労力が増えたってわけよ」
「いやぁ、エレノア教官の座学が楽しくてつい……」
これは本音だ。
なんだかんだで、俺は座学を楽しんでいた。
座学は勉強というより、ファンタジー小説を読み聞かせされている気分だ。
「そんなおべっかが通用するかってんだ。勉強したきゃ図書館に行きな。ここは敵をぶっ殺す技術を鍛える為の学校だよ」
エレノアの言うことに間違いはない。
自分本位の要望で、彼女の仕事を増やしたのも事実。
不機嫌になられるのも無理はないな。
「でも――」
エレノアが言う。
まだ何か話が続くようだ。
「勉強に打ち込む姿勢は嫌いじゃないよ。私だって真剣に話を聞かれたら嬉しいからね。皇帝陛下の命令でもあるし、今回は特別に昨日と同じ講義をしてやるよ。欠伸でもしようもんなら首を刎ねるから覚悟して聴きな」
「はい! ありがとうございます!」
エレノアは一瞬だけ微笑むと、教壇に立った。
それと同時に、アリサとクルスが机に突っ伏す。
「1514年の<第一次魔獣災>から約900年後、<第二次魔獣災>があってだな、<第一次魔獣災>の教訓から冒険者育成に注力していた人類は当初奮戦したわけだけど、結局は辛くなって<失われた技術>により作られた古代兵器<アルテマフレア>を……」
こうして、今日も楽しい座学が始まるのであった。
レシピの作成が深夜までかかったからだ。
故に、昨日は城の最上級客間で泊まっていた。
今回作ったレシピの数は、なんと数十万枚。
この量を1日で仕上げただけでも驚異的というものだ。
我ながら良くやったと自画自賛したい。
「それでは陛下、これにて失礼します」
「本当にありがとう、ジーク! お主は英雄であーる!」
「いえ、お役に立てるならこのくらい」
「大したお礼は出来ぬが……お主の通う<ミスティア訓練学校>まで、極上の馬車で送らせてもらおう。普段は皇帝しか乗ることのない皇族専用の馬車じゃ」
「いや、別にそこまでされなくとも」
「いやいや、これは命令じゃ。これくらいのことはさせてもらうのであーる」
「わかりました、ではお言葉に甘えます。ありがとうございます」
俺はヘトヘトになりながら、謁見の間を後にしようとした。
しかし、その時、頭に一つの案が浮かんだ。
足を止め、クルリと振り返る。
「エドワード皇帝陛下、一つ頼み事が」
「どうした?」
「実は学校のことなんですが――」
◇
皇族専用と云うだけのことはあり、俺を待っていたのは史上類を見ない煌びやかな馬車だった。
客車の外見は当然ながら、内装にも凝った装飾のオンパレード。さらに、牽引する二頭の馬も、陽光を反射するほどに艶やかな毛並みを誇る、容姿に優れた最高の白馬なのだ。御者の格好もそれらに合わせたエレガントなものだし、運転技術も超一流である。
「お前達、しっかり目に焼き付けろよ。こんなすげー馬車、二度と乗れないだろうからな」
「「ゴブーッ!」」
広々とした客車の中で、俺とゴブリンズはくつろいでいた。
「今どの辺りなんだろうな」
この客車には窓が付いていない。
おそらく安全上の理由だろう。
だから、現在の場所が不明だった。
不慣れ故に、そのことが不安に感じる。
変な所へ連れて行かれないだろうか、と。
「む?」
しばらくして、最高の乗り心地を誇る馬車が止まった。
この国に信号や踏切はないはずだが……。
なんてふざけたことを思っていると、扉が開いた。
「ジーク様、<ミスティア訓練学校>に到着いたしました」
学校に着いたのだ。
メニューを開き、現在が8時40分であることを確認する。
「ありがとうございました」
御者に礼を言い、ゆっくりと客車を降りた。
「皇族専用の馬車からジーク君が出てきた!?」
「あの人……エドワード皇帝とどういう関係なの?」
「ちょっと、凄すぎない? ありえないでしょ」
「皇帝陛下から直々に呼び出されて、さらにあの待遇って……」
降りるなり、周囲の視線が突き刺さった。
これだけ目立つ馬車で登場すれば、こうなるのは仕方ない。
エドワードが馬車を提案した時点で、この流れは予想出来ていた。
予想出来てはいたが……やはり恥ずかしいな。
「お前達、俺がいなくても部屋に戻れるか?」
「「ゴブッ!」」
ゴブリンズが首を縦に振った。
どちらも「任せろ」と言いたげな表情だ。
「よろしい。じゃあ、部屋で待機していてくれ」
「「ゴブー!」」
ゴブリンズは校舎横の寮へ走って行った。
寮に向かう道すがらには多くの学生がいたが、例外なく道を譲る。
ゴブリンに対してだ。
俺のペットということで、ゴブリンズでさえこの扱いである。
悪い気はしないが、少し神聖化されすぎている気がした。
「やれやれ、目立つのは好きじゃないんだけどなぁ」
頭をポリポリと掻きながら、俺は校舎の中に入った。
「あの、ジーク君」
「ん?」
校舎に入るなり、知らない女から声をかけられる。
制服を着ていることから、俺と同じ学生だと分かった。
見た感じ、年は同じか少し下といったところ。
水色の長い髪が特徴的な女で、上目遣いでこちらを見ている。
「こ、固定PTとか、組んでる、かな?」
「固定PT? 今は誰とも組んでないよ」
固定PTとは、固定メンバーで組むPTのこと。
対して、その場限りの即席PTを野良PTと呼ぶ。
サナPTのような、いつものメンバーで構成されているのが固定PT。
一方、大討伐戦における俺とオデッサのようなPTが野良PTだ。
「よ、よかったら、私と、固定PT、どう、かな?」
女は頬を赤らめながら言う。
これはもしかして、ある種の告白か?
女の仕草からしても、そのように感じられる。
「ごめん、申し出は嬉しいけどお断りさせてもらうよ」
「そ、そっか、そうだよね、いきなりでごめんね」
「いや、こちらこそ期待に応えられなくて悪いな」
女は「ううん」と言い、駆け足で離れていった。
こんなシチュエーション、生まれて初めてだぞ。
実力測定1位のレオンを瞬殺。
興奮冷めやらぬ内に皇帝直々の呼び出し。
そして皇族専用馬車による通学。
入学式から1週間も経っていないのに目立ち過ぎたな。
「やれやれ」
ため息をつきながら、俺は8組の扉を開けた。
すると、そこには既に三人が居て――。
「ジーク! あの馬車何!? 超凄いじゃん!」
「同感。私も驚いた。凄いね、ジーク。何者?」
すぐさまアリサとクルスが反応する。
外野と変わらぬ反応で、これまた俺は苦笑い。
「ジークさん、エドワード皇帝陛下とお話していかがでしたか?」
ミユも食いついてくる。
まさに時の人って感じだな。
つくづく、やれやれだぜ。
「いかがでしたかと言われても……別に普通だよ」
「ふ、普通!? あの厳格で有名なエドワード様がですか?」
「厳格で有名なんだ?」
俺の前では陽気な爺さんだぞ。
普段のエドワードは一体どんな感じなのだ。
一欠片の想像もつかなかった。
「それにしても、あれはどうかならないものか」
「いいじゃんいいじゃん! 皆ジークのファンなんだよ!」
俺とアリサが話しているのは、教室の外に居る女達についてだ。
学生の半分に及ぶ20人近い女子が、こちらを見てキャッキャしている。
一瞬でも目が合えば「今目が合った!」と騒ぐ始末。
売れっ子スターじゃねぇんだぞ……。
ミユのような、よく話す人間に好意を持たれたら嬉しい。
だが、よく知りもしない人間にモテたところで困惑するだけだ。
しかも、相手は俺の性格ではなく、ステータスを見ている。
レオンを瞬殺したとか、皇帝から直々に呼ばれたとか、そういう面。
「まぁ、数日経てばほとぼりも冷めるだろう」
「人生で唯一のモテ期なのにクールだねぇ、ジーク!」
「別に普通のことだよ」
茶化すアリサを突っぱね、俺は机に突っ伏した。
「オラオラ、教室の前で群れんな。イチャコラしたいなら休み時間か放課後にでもやりな。同じ寮に住んでんだから強引に押しかけりゃいいんだよ。光に寄せられた蚊みたいにうじゃうじゃしても迷惑なだけだぞ」
女学生の群れをかき分け、エレノアが教室に入ってきた。
「全く、面倒な生徒を受け持つことになったもんだ。あんたのせいで教室に入るのも一苦労だよ」
エレノアがうんざりそうに言う。
もちろん、俺に向かっての発言だ。
俺は「すみません」と苦笑いで頭をペコリ。
「それはいいとして、ジーク、あんたやってくれたね」
「え、何がですか?」
「何がですかだって?」
エレノアは俺の前に来ると、俺の顎をくいっとつまみ上げた。
そして、もう片方の手を使って、俺の頬を撫でてくる。
「あんた、皇帝陛下にお願いしただろ」
何のことか理解した。
アリサが「何のお願い!?」と激しく食いつく。
他の二人も興味津々の様子。
「昨日は座学を受け損ねたから、今日の座学は昨日と同じ内容にするか、又は放課後に特別講習を行うようにしてほしいってね」
殆ど一字一句違わぬ内容だ。
「うひゃあ! ジーク、勉強熱心ー! ガリ勉だー!」
「尊敬する。私は座学嫌い」
アリサとクルスが言う。
俺は「それほどでも」と頭を掻いた。
その瞬間、エレノアの手が俺の頬を優しくぶった。
「なーにがそれほどでもよ。職員室に入るなり言われてこっちはいい迷惑なんだ。皇帝陛下からの指示なら断れないしよぉ。かといって給料が増えるわけでもない。あんたのおかげで無駄な労力が増えたってわけよ」
「いやぁ、エレノア教官の座学が楽しくてつい……」
これは本音だ。
なんだかんだで、俺は座学を楽しんでいた。
座学は勉強というより、ファンタジー小説を読み聞かせされている気分だ。
「そんなおべっかが通用するかってんだ。勉強したきゃ図書館に行きな。ここは敵をぶっ殺す技術を鍛える為の学校だよ」
エレノアの言うことに間違いはない。
自分本位の要望で、彼女の仕事を増やしたのも事実。
不機嫌になられるのも無理はないな。
「でも――」
エレノアが言う。
まだ何か話が続くようだ。
「勉強に打ち込む姿勢は嫌いじゃないよ。私だって真剣に話を聞かれたら嬉しいからね。皇帝陛下の命令でもあるし、今回は特別に昨日と同じ講義をしてやるよ。欠伸でもしようもんなら首を刎ねるから覚悟して聴きな」
「はい! ありがとうございます!」
エレノアは一瞬だけ微笑むと、教壇に立った。
それと同時に、アリサとクルスが机に突っ伏す。
「1514年の<第一次魔獣災>から約900年後、<第二次魔獣災>があってだな、<第一次魔獣災>の教訓から冒険者育成に注力していた人類は当初奮戦したわけだけど、結局は辛くなって<失われた技術>により作られた古代兵器<アルテマフレア>を……」
こうして、今日も楽しい座学が始まるのであった。
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