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004 新たな仲間
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この家に住まわせてほしい。
それはとんでもなく無茶な頼みだった。
なぜなら――。
「すまんが見ての通り手狭でな……」
狭いのだ。我が家は。
この家に住んでいるのは俺とユリィの2人だが、それでも狭い。
どのくらい狭いかというと、寝間にベッドが1つしかおけないくらいだ。
しかも大きなベッドではなく、1人用のシングルベッドである。
だから、俺とユリィは一緒のベッドで寝ていた。
「なんでもしますなの! 少しの間だけでもお願いしますなの!」
それでもアーシャは譲らなかった。
ちゃぶ台に額をこすりつけて懇願してくる。
「そうは云われてもなぁ……」
「今のままだとアーシャちゃんの行く場所がないのも確かですが……」
俺はユリィと目を合わせ、互いに困惑の表情を浮かべた。
「仮に住まわせてあげるとして――」
「いいなの!? いいなの!?」
「いや、まだいいとは言っていない」
咳払いをする。
大きく息を吐いて、改めて話した。
「仮に住まわせるとして、アーシャはどこで寝るんだ?」
「ベッドで一緒には駄目なの? アーシャ、小さいから邪魔にならないなの」
「既に窮屈だからなぁ。それに女と同じベッドってのはちょっと」
「お兄様、私も女ですが?」
睨んでくるユリィ。
俺は「そういう意味じゃない」と苦笑い。
「ユリィは兄妹だからいいんだよ。アーシャはそうじゃないだろ?」
「じゃ、じゃあ、アーシャはここで寝るなの!」
「居間で? 土間よりマシとはいえ、底冷えするぞ」
「大丈夫なの! ここでこうやって丸まって寝るなの!」
アーシャが実演し始めた。
居間の隅に移動し、身体をくるりと丸める。
尻尾で顔を隠し、耳をペタリと寝かせた。
「いいのか? そんなんで。風邪をひくぞ?」
「大丈夫なの! だから、お願いしますなの!」
いよいよ土下座を始めるアーシャ。
もはや、断るなんて言語道断という雰囲気だ。
「やれやれ、仕方ないか」
「そうですね……」
根負けした。
「いいなの!? いいなの!?」
「ああ、こんな家で良ければ住まわせてやろう」
「やったーなの! ありがとうございますなの!」
結果、俺とユリィはアーシャを住まわせることにした。
「ただし、条件がある」
もっとも、無料で住まわすつもりはない。
なんせ、この家の家賃は月に10,000ゴールドもするのだ。
それを無料だなんてとんでもない。
「お兄様!?」
驚くユリィ。
一方、アーシャは気にしていない様子。
「アーシャに出来ることならなんでもするなの!」
「なぁに、別に大したことじゃないさ」
「何をすればいいなの? ペロペロなの?」
「ペ、ペロペロ!? なんとも意味深な……! それも悪くは――」
「お・に・い・さ・ま?」
「ゴホン。アーシャ、君に提示する交換条件だが、それは……」
ユリィとアーシャが「それは?」と口を揃える。
一呼吸してから、俺は続きを言った。
「それは、俺達のギルドに入って、共に活動してもらうことだ!」
アーシャが攻撃スキルを使えることは知っている。
しかも、ゴブリンを一撃で焼き殺す威力のものをだ。
そんな彼女が仲間に加われば、狩りはよほど快適になるだろう。
「おお! それは素晴らしいお考え! 流石です! お兄様!」
ユリィが手を叩いて賛同する。
一方、この提案を受けたアーシャは――。
「分かったなの! アーシャ、ギルドに入るなの!」
あっさりと承諾してくれた。
「よし、決まりだ! 今日はもう遅いから、明日にでも組合で手続きしよう」
「分かったなの!」
「そういえばアーシャちゃん、ギルドが何か分かるのですか?」
「お家で教わったから分かるなの! 冒険者の組織なの! それに、アーシャはお母さんとお父さんと一緒に、何度も街に行ったことがあるなの!」
なるほど、常に結界の中で過ごしていたわけではないのか。
なんにせよ、理解が早くて助かるというものだ。
「折角だし改めて自己紹介しておこうか」
俺はアーシャに向けて手を差し出した。
「俺はラウド・ブライト。ラウドと呼んでくれてかまわない」
「アーシャはアーシャ・ローナンなの! よろしくなの! ラウドお兄ちゃん!」
アーシャが俺の手に応じた。
俺の横で、ユリィが驚いた顔をしている。
「お、お兄ちゃん!? お兄様はユリィのお兄様です!」
「ほぇ? それは分かっているなの」
「何を云っているんだ? ユリィ」
「い、いえ、何も……すみません……」
ユリィは顔をぶんぶんと横に振る。
そして、アーシャと握手を交わした。
「私はユリィ・ブライト。よろしくね、アーシャちゃん」
「よろしくお願いしますなの! ユリィちゃん!」
こうして、俺達に新たな仲間が加わった。
攻撃スキルを使える頼もしい混血種アーシャだ。
===============
【本日の収穫】
金銭:15,120ゴールド
(内訳:クエスト報酬、ドロップ)
物品:???(未鑑定品)
【本日の支出】
金銭:14,000ゴールド
(内訳:帰還の魔石、ポーション、生活費)
【結果】約1,000ゴールド儲かった!
===============
◇
夜になり、俺達は床に就いた。
寝間にある安っぽいシングルベッドに、ユリィと2人。
壁に密着している方にユリィが陣取り、反対側が俺。
背中をくっつけるようにして寝ているが、極めて窮屈だ。
「〈帰還の魔石〉を使っていなかったら1万の儲けか……凄いな、冒険者は」
独り言のつもりで呟いた。
「はい。今までとは比べものにならない実入りです」
ところが、返事があった。
「すまん、起こしたか?」
「いえ、なんだか眠れなくて起きていました」
「そうか」
目を開く。
古びた木の壁が見えるだけ。
飾り気のない木の壁が妙に寂しげだ。
「いずれは母さんと父さんを呼ぼうな」
「はい! いつか必ず!」
俺達の両親は片田舎の村に住んでいる。
都市に住めないような貧困者の集落だ。
そんな場所だから、魔物が出没することもある。
俺達が冒険者になったのは、両親を楽にさせたかったからだ。
そして、いつか立派な冒険者になって、両親を街に呼びたい。
「明日も頑張ろうな。改めてになるけど、おやすみ」
「…………」
返事がなかった。
もう寝てしまったのだろうか。
なんて思った、その時だ。
「――!」
突然、背後からユリィに抱きつかれた。
背中に胸が押し当てられている。
決して大きくはないユリィの胸が。
「今日は……こうして眠ってもよろしいですか?」
「別にいいけど、どうしたんだ?」
「その、なんとなく、落ち着かなくて」
「ふむ。まぁ、問題ないから好きにしてくれ」
「ありがとうございます。おやすみなさい、お兄様」
「おう、おやすみ」
おやすみの言葉を交わし、眠りに就こうとする。
しかし、今度はアーシャが驚かせてくるのだった。
「やっぱり寂しいなの……」
アーシャは立ち上がって、テクテクとこちらに歩いてくる。
ベッド横――つまり俺の真横まで来ると、俺の額を小突いてきた。
トントン、トントン。
「アーシャも入っていいなの?」
「ええ!? 見ての通りクソ狭いぞ」
「かまわないなの。独りは寂しいなの」
なんとも断りづらい。
「な、なら仕方がないか」
押しに負けて承諾してしまう。
その瞬間、ユリィが俺の腹をつねってきた。
これが思わぬ痛さで、「アヒャン!」と変な声が出る。
「ちょ、ユリィ、何するんだよ」
「Zzz……Zzz……」
なんと寝たふりだ。
どうやらアーシャの侵入を承諾したのが駄目だったらしい。
しかし、もはや後の祭りというものだ。
「お邪魔しますなの」
アーシャがベッドに入ってくる。
詰めろとばかりに、小さな身体で俺を押す。
俺が後ろに詰めると、今度はユリィがお腹をつねってくる。
「おやすみなさいなのー」
そして、アーシャは眠りに就いた。
何食わぬ顔で俺に抱きつき、瞬く間に寝息を奏で始める。
「……眠れねぇ」
眠るのに一苦労する俺であった。
それはとんでもなく無茶な頼みだった。
なぜなら――。
「すまんが見ての通り手狭でな……」
狭いのだ。我が家は。
この家に住んでいるのは俺とユリィの2人だが、それでも狭い。
どのくらい狭いかというと、寝間にベッドが1つしかおけないくらいだ。
しかも大きなベッドではなく、1人用のシングルベッドである。
だから、俺とユリィは一緒のベッドで寝ていた。
「なんでもしますなの! 少しの間だけでもお願いしますなの!」
それでもアーシャは譲らなかった。
ちゃぶ台に額をこすりつけて懇願してくる。
「そうは云われてもなぁ……」
「今のままだとアーシャちゃんの行く場所がないのも確かですが……」
俺はユリィと目を合わせ、互いに困惑の表情を浮かべた。
「仮に住まわせてあげるとして――」
「いいなの!? いいなの!?」
「いや、まだいいとは言っていない」
咳払いをする。
大きく息を吐いて、改めて話した。
「仮に住まわせるとして、アーシャはどこで寝るんだ?」
「ベッドで一緒には駄目なの? アーシャ、小さいから邪魔にならないなの」
「既に窮屈だからなぁ。それに女と同じベッドってのはちょっと」
「お兄様、私も女ですが?」
睨んでくるユリィ。
俺は「そういう意味じゃない」と苦笑い。
「ユリィは兄妹だからいいんだよ。アーシャはそうじゃないだろ?」
「じゃ、じゃあ、アーシャはここで寝るなの!」
「居間で? 土間よりマシとはいえ、底冷えするぞ」
「大丈夫なの! ここでこうやって丸まって寝るなの!」
アーシャが実演し始めた。
居間の隅に移動し、身体をくるりと丸める。
尻尾で顔を隠し、耳をペタリと寝かせた。
「いいのか? そんなんで。風邪をひくぞ?」
「大丈夫なの! だから、お願いしますなの!」
いよいよ土下座を始めるアーシャ。
もはや、断るなんて言語道断という雰囲気だ。
「やれやれ、仕方ないか」
「そうですね……」
根負けした。
「いいなの!? いいなの!?」
「ああ、こんな家で良ければ住まわせてやろう」
「やったーなの! ありがとうございますなの!」
結果、俺とユリィはアーシャを住まわせることにした。
「ただし、条件がある」
もっとも、無料で住まわすつもりはない。
なんせ、この家の家賃は月に10,000ゴールドもするのだ。
それを無料だなんてとんでもない。
「お兄様!?」
驚くユリィ。
一方、アーシャは気にしていない様子。
「アーシャに出来ることならなんでもするなの!」
「なぁに、別に大したことじゃないさ」
「何をすればいいなの? ペロペロなの?」
「ペ、ペロペロ!? なんとも意味深な……! それも悪くは――」
「お・に・い・さ・ま?」
「ゴホン。アーシャ、君に提示する交換条件だが、それは……」
ユリィとアーシャが「それは?」と口を揃える。
一呼吸してから、俺は続きを言った。
「それは、俺達のギルドに入って、共に活動してもらうことだ!」
アーシャが攻撃スキルを使えることは知っている。
しかも、ゴブリンを一撃で焼き殺す威力のものをだ。
そんな彼女が仲間に加われば、狩りはよほど快適になるだろう。
「おお! それは素晴らしいお考え! 流石です! お兄様!」
ユリィが手を叩いて賛同する。
一方、この提案を受けたアーシャは――。
「分かったなの! アーシャ、ギルドに入るなの!」
あっさりと承諾してくれた。
「よし、決まりだ! 今日はもう遅いから、明日にでも組合で手続きしよう」
「分かったなの!」
「そういえばアーシャちゃん、ギルドが何か分かるのですか?」
「お家で教わったから分かるなの! 冒険者の組織なの! それに、アーシャはお母さんとお父さんと一緒に、何度も街に行ったことがあるなの!」
なるほど、常に結界の中で過ごしていたわけではないのか。
なんにせよ、理解が早くて助かるというものだ。
「折角だし改めて自己紹介しておこうか」
俺はアーシャに向けて手を差し出した。
「俺はラウド・ブライト。ラウドと呼んでくれてかまわない」
「アーシャはアーシャ・ローナンなの! よろしくなの! ラウドお兄ちゃん!」
アーシャが俺の手に応じた。
俺の横で、ユリィが驚いた顔をしている。
「お、お兄ちゃん!? お兄様はユリィのお兄様です!」
「ほぇ? それは分かっているなの」
「何を云っているんだ? ユリィ」
「い、いえ、何も……すみません……」
ユリィは顔をぶんぶんと横に振る。
そして、アーシャと握手を交わした。
「私はユリィ・ブライト。よろしくね、アーシャちゃん」
「よろしくお願いしますなの! ユリィちゃん!」
こうして、俺達に新たな仲間が加わった。
攻撃スキルを使える頼もしい混血種アーシャだ。
===============
【本日の収穫】
金銭:15,120ゴールド
(内訳:クエスト報酬、ドロップ)
物品:???(未鑑定品)
【本日の支出】
金銭:14,000ゴールド
(内訳:帰還の魔石、ポーション、生活費)
【結果】約1,000ゴールド儲かった!
===============
◇
夜になり、俺達は床に就いた。
寝間にある安っぽいシングルベッドに、ユリィと2人。
壁に密着している方にユリィが陣取り、反対側が俺。
背中をくっつけるようにして寝ているが、極めて窮屈だ。
「〈帰還の魔石〉を使っていなかったら1万の儲けか……凄いな、冒険者は」
独り言のつもりで呟いた。
「はい。今までとは比べものにならない実入りです」
ところが、返事があった。
「すまん、起こしたか?」
「いえ、なんだか眠れなくて起きていました」
「そうか」
目を開く。
古びた木の壁が見えるだけ。
飾り気のない木の壁が妙に寂しげだ。
「いずれは母さんと父さんを呼ぼうな」
「はい! いつか必ず!」
俺達の両親は片田舎の村に住んでいる。
都市に住めないような貧困者の集落だ。
そんな場所だから、魔物が出没することもある。
俺達が冒険者になったのは、両親を楽にさせたかったからだ。
そして、いつか立派な冒険者になって、両親を街に呼びたい。
「明日も頑張ろうな。改めてになるけど、おやすみ」
「…………」
返事がなかった。
もう寝てしまったのだろうか。
なんて思った、その時だ。
「――!」
突然、背後からユリィに抱きつかれた。
背中に胸が押し当てられている。
決して大きくはないユリィの胸が。
「今日は……こうして眠ってもよろしいですか?」
「別にいいけど、どうしたんだ?」
「その、なんとなく、落ち着かなくて」
「ふむ。まぁ、問題ないから好きにしてくれ」
「ありがとうございます。おやすみなさい、お兄様」
「おう、おやすみ」
おやすみの言葉を交わし、眠りに就こうとする。
しかし、今度はアーシャが驚かせてくるのだった。
「やっぱり寂しいなの……」
アーシャは立ち上がって、テクテクとこちらに歩いてくる。
ベッド横――つまり俺の真横まで来ると、俺の額を小突いてきた。
トントン、トントン。
「アーシャも入っていいなの?」
「ええ!? 見ての通りクソ狭いぞ」
「かまわないなの。独りは寂しいなの」
なんとも断りづらい。
「な、なら仕方がないか」
押しに負けて承諾してしまう。
その瞬間、ユリィが俺の腹をつねってきた。
これが思わぬ痛さで、「アヒャン!」と変な声が出る。
「ちょ、ユリィ、何するんだよ」
「Zzz……Zzz……」
なんと寝たふりだ。
どうやらアーシャの侵入を承諾したのが駄目だったらしい。
しかし、もはや後の祭りというものだ。
「お邪魔しますなの」
アーシャがベッドに入ってくる。
詰めろとばかりに、小さな身体で俺を押す。
俺が後ろに詰めると、今度はユリィがお腹をつねってくる。
「おやすみなさいなのー」
そして、アーシャは眠りに就いた。
何食わぬ顔で俺に抱きつき、瞬く間に寝息を奏で始める。
「……眠れねぇ」
眠るのに一苦労する俺であった。
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