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チャプター1
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1
ダーク・レイディアントはバイクに跨ったまま、遠くを見ていた。
彼の双眸にうつるのは、満月の光が照らす静寂の世界である。人口のおよそ九割を死に追いやり、地球全体を焦土にしかねないほどの大戦争、そこから立ち直りつつある大自然の、静かで確かな息遣いを感じられる場所だ。
輝きの消えた街と、鬱蒼とした山々、そこにうねりを伴って伸びる道路。その合間に、動く紅白の光を見たのが数分前のことだ。
彼は法面の陰で息を潜めていた。革のジャケットにグローブ、ズボン、ブーツ。着ている物のほとんどが黒で、暗闇にシルエットを残して溶け込んでいる。
そうやって待っていると、向こう側の道路にまた光点が見えた。
ダークは視覚を拡張現実モードにする。
視界にコマンドラインめいたテキストの羅列が走り、枠が光点を囲むと、そこだけを拡大表示した。
光点の正体は車両の一団だった。数台のファストバックセダンと一台の中型トラックだ。育ちすぎた木の根で、亀裂と隆起だらけになった道路の上を、縦に横に揺れながら走っている。
ダークは車列の行く先へと目を向けた。
道路は、山の中腹くらいに建つ高層の建物へと伸びていた。彼はその建物がかつて何なのか、覚えがあった。
最終戦争以前は、高いところから街や山を一望できる絶景を売りにしたホテルだった。
だが今、そんなところに向かう者といえば、人権許可証の発行を認められず異端民とされた人々や、かれらを取り締まる<イトリ>の連中くらいだろう。
再び車列に目を戻す。
車はどれも高級モデルで、遠目から見ても抜かりなく整備してあるのがわかった。
イトリでも異端民でもないのは察しがつく。
ダークはすこし緊張が解けて、息を吐いた。
シルバーグレーのヘルメットを被り直すと、バイクのエンジンを再始動させる。
Vツインの鼓動が、轟いた。
⦿
カツェは、二人の子どもたちと共に、近衛兵らの護衛を受けながら進んでいた。
上空には満月が浮かんでいるが、月光と車のヘッドライト以外に明かりは無い。深い森を覆う暗黒に、彼女はにわかに口の乾きを覚えた。
が、受け渡し地点まではあとすこし。
どうか円滑に事が運びますように。
そう思った時、
「母さん」
と後席から声がした。キィの声だ。
カツェは振り向き、大人びた我が子の顔を見た。
キィは言う。
「なんか変な気がする……順調すぎるような……」
「……そうだね……。けど行くしかない。それに――」
カツェは言いながら、車を運転する近衛兵長を見た。
「みんなが護ってくれる」
彼女の言葉に、近衛兵長は微笑で答える。
またキィが言う。
「でも、最悪の事態になった時は……ギガンテラを起動するよ。その隙に母さんだけでも逃げて」
「あなたたちはどうするの?」
「……後から追いかけるよ。それに……万が一やられても、僕とリュイは殺されることはないはずだから」
キィはそう言って、隣で眠るリュイを見つめた。カツェも同じように、リュイの寝顔に目を向けた。
やがて車列は高層ホテル跡地の受け渡し地点に到着する。
近衛兵たちとカツェは、車を降り、雑草に占拠された庭に立つ。
薄ら寒い風が、カツェの尼削ぎの黒髪を揺らした。
オーバルの眼鏡を指で押し上げ、目つきを鋭くする。
向こうの使者はまだ来ていないようだ。
「まもなく予定時刻です」
近衛兵が言った。
「ええ。皆も気をつけて」
カツェが答えると、キィも降りてくる。心配げな表情だ。
彼女は小さな笑顔を浮かべ、言った。
「きっと大丈夫。だから車に戻りなさい」
「けど……」
キィが呟くと、カツェは彼の頬を撫で、唇を重ねた。
「リュイを護ってあげて」
彼女は言った。
キィは頷いて、車に戻る。
約束の時刻が、とうとうやって来た。
だが、現れたのは、濃紺に赤の差し色をあしらったBDUの部隊だった。
彼らはカービンの銃口をこちらに向け、一瞬のうちにカツェたちを包囲した。
⦿
ダークは、高層ホテルの廃墟近くを通るルートを走っていた。
が、その途中、硝煙と血が交じったようなにおいに鼻を突かれて止まった。闇の中に目を向けると、弱まりつつある熱反応を検知する。
彼はバイクのホルダーに固定した装備ベルトから剣を抜き、熱源へ近づく。
すると、足元にタイヤの跡があるのを発見した。道路の脇、踏み越えられた草はまだ青々としている。
轍の先には、木々に隠れるようにしてトラックが停まっていた。
それに近づくにつれ、血のにおいが濃くなる。
運転席には誰もいない。助手席にも。
ダークは荷台に回り込んで、開けた。
すると、ずっと無表情だったダークの顔がにわかに引きつる。
十数人分の銃殺体がそこに捨て置かれていたのだ。
かれらは皆、迷彩服あるいはトレッキングウェアめいた頑丈そうな活動服を着ていて、脇には使い古したプレートキャリアやチェストリグが転がっている。
制服や制式装備と言うには不揃いだが、兵站の統一に努めているのは想像に難くない。
野盗とは違う。ダークはそう思った。
荷台に上がり、彼は死体をよく調べてみる。すると、皆、左二の腕に同じ紋章を描いたワッペンを着けているのがわかった。
<マキュラ>の民兵である。
ダークは眉間にしわを寄せ、民兵たちの亡骸に向けて弔いの仕草をした。
そしてトラックから飛び降りると、バイクへ戻り装備ベルトを巻きつける。
再びエンジンをかけ、フルスロットルで走り出した。
直後、ホテルの庭から銃声とマズルフラッシュが連続して発せられるのが見えた。
この距離では自分が着く前に戦闘は終わっているだろう。車列の者たちが勝っていればいいが、そうでなければ――。
冷たい風を受けながらダークは考える。
すると、コーナーを曲がり終えたところで、横一文字のヘッドライトが放つ光を目にし、あの車列にいたセダンの姿を見た。
すれ違いざま、後席に乗る眼鏡の女性と目が合う。
しかし、ダークもセダンも、止まることなく走り去った。
ダークは高層ホテルの間近まで至る。
予想とは裏腹に、戦闘はまだ続いていた。だいぶ下火にはなっているものの、車列の兵員と、イトリの部隊がまだ撃ち合いをしている。
だがイトリのほうが優勢のようだ。
バイクを降り、ヘルメットを脱いだダークは、己の脚で走り出し、崩れて半分ほどの高さになった塀を跳び越えた。
この跳躍で、ダークはイトリと車列の兵士との間に降り立つ。
両者は銃撃を止めた。
両サイドから張り詰めた視線を感じる。
風の吹く音と、炎上したトラックの燃え盛る音が耳についた。
「レイディアント……?」イトリ兵が呟いた。「いや、違う……」
「何者だ……?」
車列の兵士も、小さな声で言った。
ダークはイトリ兵に目を向け、ゆっくりと立ち上がる。
イトリ兵が腰だめに銃口を向けた。
「なんだ貴様? どんな目的でここに来た?」
だがダークは答えない。
「口が利けんのか?」と、イトリ兵。
ダークは行動で答える。
手を装備ベルトに納めた拳銃へと近づけた。
イトリ兵が銃を前に突き出す。
「おおっと、貴様我々が誰か知らんようだな」
「知っているさ」
ダークは言った。
「統合保安局の異端者取締部隊、通称イトリ。その制服の紺は<正当民>の安らかな眠りを、赤は<異端民>の流血を表すものだろう?」
「よく勉強しているじゃないか。だが赤の意味は半分違う」
イトリ兵が制服の赤い箇所を指差す。
「この赤は我々が正当民のために流す血でもある。我々が日夜反乱分子と戦って平和を護っている証だ」
「戦って平和を……? 迫害して平和を横取りしていると言ったほうがより適切だろう」
「迫害か……おまえら異端民はほんとうに被害者面が上手いな」
言いながら、イトリ兵は腰だめの銃を持ち上げ、銃床を肩につける。
「くたばれ異端民!」
イトリの銃が火を噴いた。
弾丸がダークの胸目がけて飛び、甲高い音を立てて跳ね返った。
ダーク以外の、その場の全員が驚嘆の声を漏らす。
次の瞬間、ダークは拳銃を抜き撃った。
銃弾がイトリ兵の右手に命中し、指を吹き飛ばす。
同時にダークは走り出し、イトリの弾の雨に晒される。
その全てをはじき返して、部隊の懐に入り込んだ。
最も手近な兵の胴にエルボーを当てる。
骨の折れる音と内臓が破裂する音がした。
続けて背後に回り込んできた敵兵を返り討つ。
身を引き、カービンを構えた両腕の間に手を入れた。
拳銃の照準が、相手の下顎を捉える。
発砲すると、そのイトリ兵はヘルメット内に己の脳をブチまけて絶命した。
またダークは銃撃を受ける。
撃ってきた方に目を向けると、すこし離れたところに敵兵が二人いた。
ダークは仕留めた敵兵をそちらへ蹴飛ばし、牽制する。
彼らが回避したところに、銃撃をお返しした。
一人は銃撃で斃したが、もう一人はプレートキャリアで命拾いした。
ダークは拳銃を納め、背中の剣を抜く。
一直線に走り、剣の射程まで至ると、相手が構えた銃を斬り捨て、返す太刀で敵を斬った。
斬撃は肩口から入り、心臓を両断して反対側の脇腹へ抜けた。
そして、残った連中も一掃したところで剣の血を払い、車列の兵に近づく。どうやら生き残りは彼だけのようだ。
「……助けてくれたのか……?」彼は言った。
「通りがかっただけだ」
ダークは答え、手を差し伸べる。
膝立ちだった車列の兵は彼の手を握り、立ち上がった。
「とにかく助かった、ありがとう。だが問題は――」
言いながら彼はホテルの上層階を見て、車のトランクを開ける。
そこから兵が取り出したのは、一挺のグレネードランチャーだった。口径三十七ミリ、中折式の単発で、予備弾を収納したベルトも一緒に出てきた。
彼は弾帯を肩に掛け、ランチャーに装弾する。
上の方から銃声と、破壊音がした。
ダークはホテルを見上げ、
「まだ敵がいるのか」
と言った。
「ああ……それと保護対象も」
車列の兵は言った。
ダークと生き残りの兵士は、ホテル内に入り込み、階段室へ向かった。
内部は埃とカビの臭いがするものの、一階部分と比べて荒れてはいなかった。階段室にはダークらが足を踏み入れる前から無数の足跡があり、二人はそれを追って上へ行く。
途中、兵士が言った。
「しかし、いったい何者なんだ? あなたも……サイボーグだろう?」
「いかにも」ダークは答えた。「あなたたちこそどうして同胞と争う?」
ダークは兵士の銃を見る。
「そのカービンはイトリの……統合保安局軍の制式装備のはず。プレートキャリアや服装にもヤツらとの共通パターンがある」
「……我々は……世界総督夫人の近衛兵団だ」
彼は答えた。
「最終戦争の後、<終戦の三英傑>の一人が統合保安局を設立して、今の社会ができたのは知ってるだろう?」
「ブリッツのことか……」
「ああ……彼の妻と子どもたちの護衛が、私たちの任務だ」
「……ブリッツの妻が謀反を企てたということか?」
ダークの問いに、近衛兵は頷いた。
「社会秩序と治安維持のためと言っているが、ブリッツのやっていることはマイノリティの弾圧と分断政治だ。保安局にも、そのことに不満を持っている者がいる」
「だからここでマキュラとの接触を図ったと」
「どうしてそれを――?」
「ここに来る途中、マキュラの兵士たちを……かれらの死体を見た」
「……くそ、道理で……」
ダークは何も言わず、顔を前へ向ける。
二人の足音が響く。
「……さっきの質問に答えてもらおうか」近衛兵が言った。「あなたは何者なんだ? どうしてレイディアントみたいな格好をして、レイディアントと同じ武器を使うんだ?」
「わたしは――」
答えようとした次の瞬間、近衛兵の顔が青ざめた。
ダークは立ち止まり、そして視界の外からの異音に背筋を凍らせる。
振り返ると、灰色の泥に似た何かがこちらを見ていた。怪物としか言いようのない巨躯と異形である。
窓からの月明かりに照らされた怪物は、ぬるついた表皮と、赤い球状の双眸を持っていた。
そしてそこから、敵意を感じる。
「いかん!」近衛兵がグレネードランチャーを構えた。「暴走してる!」
が、ランチャーが火を噴く前に、灰色の怪物が動いた。
怪物の不定形の体が槍状に伸びる。
ダークはそれを剣で逸らし、壁に当てた。
だが槍から更に槍が枝分かれして、近衛兵の胸を貫いた。
グレネードランチャーが手からこぼれ、ちぎれた弾帯が落ちる。
怪物は近衛兵の死体をダークに投げつけた。
ダークは死体を受け止め、手すりに背を叩きつけられる。
彼の骸をどかし、さらなる追撃を避ける。
ジャンプして怪物の体に乗り、剣を突き立てた。
が、手応えは無い。
敵の体から飛び降り、踊り場へ逃れる。
怪物の体がまた変形し、今度は鎌状の触腕となった。
その斬撃を剣で受け止め、はじき飛ばし、触腕を断つ。
触腕は床に落ちてのたうち回った後、本体が吸収した。
ダークは階段を駆け上がる。
怪物が緩慢な動作で追ってくる。その巨体の蠢きひとつで、ダークとの距離は一瞬のうちに縮まった。
どうにかして近衛兵のグレネードランチャーを回収しなければ。
彼はそう思いながら、怪物の攻撃から逃げ続ける。
逃げれば逃げるほど、ダークは上の階へと追いやられ、ランチャーから遠ざかっていった。
最上階まで至り、扉の剥がれた通路へと駆け込む。
その時、何かにつまづいて転げてしまった。
受け身を取り、一回転して衝撃を逃しつつ膝立ちでそれを見やる。
イトリ兵の死体だった。銃撃を受けたにしては損壊がひどい。かといって爆発物でやられた様子でもない。
つまり――。
足を止めていると、怪物が追いついてきた。
怪物は出入り口につっかえて、壁に亀裂を走らせた。
が、すぐに体を細くし、こちらへと伸びてくる。
ダークは怪物の先端を斬り落とし、走る。
怪物はすぐには追ってこなかった。
横目でやつを見やると、怪物はイトリ兵の死体を、その不定形の体で覆っていた。
ダークはやつが何をしているのか、察した。
死体を食っているのだ。
怪物は斬り落とされて乾いた泥のようになった己の一部を踏み砕き、追いかけてくる。
そういえば、と彼は走りながら思い出した。
保護対象もいると近衛兵は言っていた。おそらくファーストレディの子どもたちだ。
厄介な敵に、保護しなければならない誰か。
怪物に食われていなければいいが。
ダークは適当な部屋に飛び込み、眼前の窓を撃った。
数秒遅れて、怪物も扉を破ると、その勢いで窓の外に首を飛び出させた。
それから灰色の怪物は動きが鈍くなり、やがて止まった。
ダークの思惑通りである。
怪物は彼がガラスを破って外に逃げたと思い込んだようだ。
その実ダークはバスルームに身を潜め、来た道を戻るルートを辿れるよう機を窺っていた。
鏡越しに見える怪物の体、その末端は、ヒトの脚にも見える形をしていた。巨大な両足が癒着し、尾のような形態となっている。
思わず顔をしかめた。
ダークは呼吸を整え、出入り口へと忍び足で向かう。
廊下まであと一息だ。
ここまで来れば――。
ダークは武器を握りしめ、怪物の尾を跳び越えた。
硬いブーツの底が、大きな音と共に廊下を叩く。
灰色の尾が持ち上がり、膨張して目が形成された。
それが視界の端にうつったとほぼ同時に、ダークは走り出す。
階段室に戻ってくると、踊り場から踊り場へ飛び降り、ランチャーへと近づく。
やがて目当てのグレネードランチャーが見えた。
彼はそれを拾い、怪物に砲口を向けようと振り返った。
次の瞬間、ダークは怪物の体当たりを喰らって壁に背を打ちつける。
拍子に、ランチャーを誤射してしまい、まるで見当違いのところへ弾を飛ばした。
グレネードランチャーの弾が炸裂して青白い電撃のような光を放つ。
それを目の当たりにして、彼は怪物の正体を察した。
ヤツはおそらくナノマシンだ。
そう思うと、怪物の巨体がすこし小さく感じた。
ダークは怪物の刺突攻撃を躱し、弾帯を引っ掴む。
窓を割って、飛び降りた。
地面にクレーターを作って着地し、ランチャーの薬室を開放する。
せり上がった空薬莢を取り出し、弾帯にマウントしてある次弾を装填した。
夜の暗い影が、さらに暗さを増す。
ダークは真上に照準を合わせ、撃った。
弾は怪物の体、その右側に命中し、スパークを発生させる。
怪物の全身が歪み、末端が千切れるのが見えた。
ダークは駆け出し、落下してきた怪物を避けつつ、再装填する。これが最後の一発だ。
振り返ると、怪物の左側はまだ生きていた。
ぐずついた右側の体を引きずり、鎌の触腕を振るってくる。
それを回避し、ダークは怪物に最接近した。
砲口を押し当て、引き金を引く。
この攻撃で、怪物は形を完全に崩壊させた。
乾いた泥のようにひび割れ、ぼろぼろと砕けてゆく。
球状の目も、光を失い地面に転がって、割れた。
ダークはグレネードランチャーを手放し、両肩の力が抜けてゆくのを感じる。
すると、崩れたナノマシンの泥の中から二つの人影を発見した。
そのうちの一人に近寄り、顔を覗き込む。
赤い髪の青年だった。が、鼻と口から血を流して、すでに事切れていた。
ダークは心臓が跳ねるのを感じた。
彼は青年に手を伸ばそうとして、引っ込めると、目を伏せた。
それから息を吐きだして、もう一人を見た。
子どもだった。クリームイエローのフーディーを着た、おそらく女の子だ。
その子は、意識を失っていたものの、まだ息があった。
彼は子どもを泥中から抱き上げ、思う。
この子たちが、あの近衛兵が言っていた保護対象だろう。
再び青年の亡骸に目をやる。
そして、呟いた。
「……すまない……」
ダーク・レイディアントはバイクに跨ったまま、遠くを見ていた。
彼の双眸にうつるのは、満月の光が照らす静寂の世界である。人口のおよそ九割を死に追いやり、地球全体を焦土にしかねないほどの大戦争、そこから立ち直りつつある大自然の、静かで確かな息遣いを感じられる場所だ。
輝きの消えた街と、鬱蒼とした山々、そこにうねりを伴って伸びる道路。その合間に、動く紅白の光を見たのが数分前のことだ。
彼は法面の陰で息を潜めていた。革のジャケットにグローブ、ズボン、ブーツ。着ている物のほとんどが黒で、暗闇にシルエットを残して溶け込んでいる。
そうやって待っていると、向こう側の道路にまた光点が見えた。
ダークは視覚を拡張現実モードにする。
視界にコマンドラインめいたテキストの羅列が走り、枠が光点を囲むと、そこだけを拡大表示した。
光点の正体は車両の一団だった。数台のファストバックセダンと一台の中型トラックだ。育ちすぎた木の根で、亀裂と隆起だらけになった道路の上を、縦に横に揺れながら走っている。
ダークは車列の行く先へと目を向けた。
道路は、山の中腹くらいに建つ高層の建物へと伸びていた。彼はその建物がかつて何なのか、覚えがあった。
最終戦争以前は、高いところから街や山を一望できる絶景を売りにしたホテルだった。
だが今、そんなところに向かう者といえば、人権許可証の発行を認められず異端民とされた人々や、かれらを取り締まる<イトリ>の連中くらいだろう。
再び車列に目を戻す。
車はどれも高級モデルで、遠目から見ても抜かりなく整備してあるのがわかった。
イトリでも異端民でもないのは察しがつく。
ダークはすこし緊張が解けて、息を吐いた。
シルバーグレーのヘルメットを被り直すと、バイクのエンジンを再始動させる。
Vツインの鼓動が、轟いた。
⦿
カツェは、二人の子どもたちと共に、近衛兵らの護衛を受けながら進んでいた。
上空には満月が浮かんでいるが、月光と車のヘッドライト以外に明かりは無い。深い森を覆う暗黒に、彼女はにわかに口の乾きを覚えた。
が、受け渡し地点まではあとすこし。
どうか円滑に事が運びますように。
そう思った時、
「母さん」
と後席から声がした。キィの声だ。
カツェは振り向き、大人びた我が子の顔を見た。
キィは言う。
「なんか変な気がする……順調すぎるような……」
「……そうだね……。けど行くしかない。それに――」
カツェは言いながら、車を運転する近衛兵長を見た。
「みんなが護ってくれる」
彼女の言葉に、近衛兵長は微笑で答える。
またキィが言う。
「でも、最悪の事態になった時は……ギガンテラを起動するよ。その隙に母さんだけでも逃げて」
「あなたたちはどうするの?」
「……後から追いかけるよ。それに……万が一やられても、僕とリュイは殺されることはないはずだから」
キィはそう言って、隣で眠るリュイを見つめた。カツェも同じように、リュイの寝顔に目を向けた。
やがて車列は高層ホテル跡地の受け渡し地点に到着する。
近衛兵たちとカツェは、車を降り、雑草に占拠された庭に立つ。
薄ら寒い風が、カツェの尼削ぎの黒髪を揺らした。
オーバルの眼鏡を指で押し上げ、目つきを鋭くする。
向こうの使者はまだ来ていないようだ。
「まもなく予定時刻です」
近衛兵が言った。
「ええ。皆も気をつけて」
カツェが答えると、キィも降りてくる。心配げな表情だ。
彼女は小さな笑顔を浮かべ、言った。
「きっと大丈夫。だから車に戻りなさい」
「けど……」
キィが呟くと、カツェは彼の頬を撫で、唇を重ねた。
「リュイを護ってあげて」
彼女は言った。
キィは頷いて、車に戻る。
約束の時刻が、とうとうやって来た。
だが、現れたのは、濃紺に赤の差し色をあしらったBDUの部隊だった。
彼らはカービンの銃口をこちらに向け、一瞬のうちにカツェたちを包囲した。
⦿
ダークは、高層ホテルの廃墟近くを通るルートを走っていた。
が、その途中、硝煙と血が交じったようなにおいに鼻を突かれて止まった。闇の中に目を向けると、弱まりつつある熱反応を検知する。
彼はバイクのホルダーに固定した装備ベルトから剣を抜き、熱源へ近づく。
すると、足元にタイヤの跡があるのを発見した。道路の脇、踏み越えられた草はまだ青々としている。
轍の先には、木々に隠れるようにしてトラックが停まっていた。
それに近づくにつれ、血のにおいが濃くなる。
運転席には誰もいない。助手席にも。
ダークは荷台に回り込んで、開けた。
すると、ずっと無表情だったダークの顔がにわかに引きつる。
十数人分の銃殺体がそこに捨て置かれていたのだ。
かれらは皆、迷彩服あるいはトレッキングウェアめいた頑丈そうな活動服を着ていて、脇には使い古したプレートキャリアやチェストリグが転がっている。
制服や制式装備と言うには不揃いだが、兵站の統一に努めているのは想像に難くない。
野盗とは違う。ダークはそう思った。
荷台に上がり、彼は死体をよく調べてみる。すると、皆、左二の腕に同じ紋章を描いたワッペンを着けているのがわかった。
<マキュラ>の民兵である。
ダークは眉間にしわを寄せ、民兵たちの亡骸に向けて弔いの仕草をした。
そしてトラックから飛び降りると、バイクへ戻り装備ベルトを巻きつける。
再びエンジンをかけ、フルスロットルで走り出した。
直後、ホテルの庭から銃声とマズルフラッシュが連続して発せられるのが見えた。
この距離では自分が着く前に戦闘は終わっているだろう。車列の者たちが勝っていればいいが、そうでなければ――。
冷たい風を受けながらダークは考える。
すると、コーナーを曲がり終えたところで、横一文字のヘッドライトが放つ光を目にし、あの車列にいたセダンの姿を見た。
すれ違いざま、後席に乗る眼鏡の女性と目が合う。
しかし、ダークもセダンも、止まることなく走り去った。
ダークは高層ホテルの間近まで至る。
予想とは裏腹に、戦闘はまだ続いていた。だいぶ下火にはなっているものの、車列の兵員と、イトリの部隊がまだ撃ち合いをしている。
だがイトリのほうが優勢のようだ。
バイクを降り、ヘルメットを脱いだダークは、己の脚で走り出し、崩れて半分ほどの高さになった塀を跳び越えた。
この跳躍で、ダークはイトリと車列の兵士との間に降り立つ。
両者は銃撃を止めた。
両サイドから張り詰めた視線を感じる。
風の吹く音と、炎上したトラックの燃え盛る音が耳についた。
「レイディアント……?」イトリ兵が呟いた。「いや、違う……」
「何者だ……?」
車列の兵士も、小さな声で言った。
ダークはイトリ兵に目を向け、ゆっくりと立ち上がる。
イトリ兵が腰だめに銃口を向けた。
「なんだ貴様? どんな目的でここに来た?」
だがダークは答えない。
「口が利けんのか?」と、イトリ兵。
ダークは行動で答える。
手を装備ベルトに納めた拳銃へと近づけた。
イトリ兵が銃を前に突き出す。
「おおっと、貴様我々が誰か知らんようだな」
「知っているさ」
ダークは言った。
「統合保安局の異端者取締部隊、通称イトリ。その制服の紺は<正当民>の安らかな眠りを、赤は<異端民>の流血を表すものだろう?」
「よく勉強しているじゃないか。だが赤の意味は半分違う」
イトリ兵が制服の赤い箇所を指差す。
「この赤は我々が正当民のために流す血でもある。我々が日夜反乱分子と戦って平和を護っている証だ」
「戦って平和を……? 迫害して平和を横取りしていると言ったほうがより適切だろう」
「迫害か……おまえら異端民はほんとうに被害者面が上手いな」
言いながら、イトリ兵は腰だめの銃を持ち上げ、銃床を肩につける。
「くたばれ異端民!」
イトリの銃が火を噴いた。
弾丸がダークの胸目がけて飛び、甲高い音を立てて跳ね返った。
ダーク以外の、その場の全員が驚嘆の声を漏らす。
次の瞬間、ダークは拳銃を抜き撃った。
銃弾がイトリ兵の右手に命中し、指を吹き飛ばす。
同時にダークは走り出し、イトリの弾の雨に晒される。
その全てをはじき返して、部隊の懐に入り込んだ。
最も手近な兵の胴にエルボーを当てる。
骨の折れる音と内臓が破裂する音がした。
続けて背後に回り込んできた敵兵を返り討つ。
身を引き、カービンを構えた両腕の間に手を入れた。
拳銃の照準が、相手の下顎を捉える。
発砲すると、そのイトリ兵はヘルメット内に己の脳をブチまけて絶命した。
またダークは銃撃を受ける。
撃ってきた方に目を向けると、すこし離れたところに敵兵が二人いた。
ダークは仕留めた敵兵をそちらへ蹴飛ばし、牽制する。
彼らが回避したところに、銃撃をお返しした。
一人は銃撃で斃したが、もう一人はプレートキャリアで命拾いした。
ダークは拳銃を納め、背中の剣を抜く。
一直線に走り、剣の射程まで至ると、相手が構えた銃を斬り捨て、返す太刀で敵を斬った。
斬撃は肩口から入り、心臓を両断して反対側の脇腹へ抜けた。
そして、残った連中も一掃したところで剣の血を払い、車列の兵に近づく。どうやら生き残りは彼だけのようだ。
「……助けてくれたのか……?」彼は言った。
「通りがかっただけだ」
ダークは答え、手を差し伸べる。
膝立ちだった車列の兵は彼の手を握り、立ち上がった。
「とにかく助かった、ありがとう。だが問題は――」
言いながら彼はホテルの上層階を見て、車のトランクを開ける。
そこから兵が取り出したのは、一挺のグレネードランチャーだった。口径三十七ミリ、中折式の単発で、予備弾を収納したベルトも一緒に出てきた。
彼は弾帯を肩に掛け、ランチャーに装弾する。
上の方から銃声と、破壊音がした。
ダークはホテルを見上げ、
「まだ敵がいるのか」
と言った。
「ああ……それと保護対象も」
車列の兵は言った。
ダークと生き残りの兵士は、ホテル内に入り込み、階段室へ向かった。
内部は埃とカビの臭いがするものの、一階部分と比べて荒れてはいなかった。階段室にはダークらが足を踏み入れる前から無数の足跡があり、二人はそれを追って上へ行く。
途中、兵士が言った。
「しかし、いったい何者なんだ? あなたも……サイボーグだろう?」
「いかにも」ダークは答えた。「あなたたちこそどうして同胞と争う?」
ダークは兵士の銃を見る。
「そのカービンはイトリの……統合保安局軍の制式装備のはず。プレートキャリアや服装にもヤツらとの共通パターンがある」
「……我々は……世界総督夫人の近衛兵団だ」
彼は答えた。
「最終戦争の後、<終戦の三英傑>の一人が統合保安局を設立して、今の社会ができたのは知ってるだろう?」
「ブリッツのことか……」
「ああ……彼の妻と子どもたちの護衛が、私たちの任務だ」
「……ブリッツの妻が謀反を企てたということか?」
ダークの問いに、近衛兵は頷いた。
「社会秩序と治安維持のためと言っているが、ブリッツのやっていることはマイノリティの弾圧と分断政治だ。保安局にも、そのことに不満を持っている者がいる」
「だからここでマキュラとの接触を図ったと」
「どうしてそれを――?」
「ここに来る途中、マキュラの兵士たちを……かれらの死体を見た」
「……くそ、道理で……」
ダークは何も言わず、顔を前へ向ける。
二人の足音が響く。
「……さっきの質問に答えてもらおうか」近衛兵が言った。「あなたは何者なんだ? どうしてレイディアントみたいな格好をして、レイディアントと同じ武器を使うんだ?」
「わたしは――」
答えようとした次の瞬間、近衛兵の顔が青ざめた。
ダークは立ち止まり、そして視界の外からの異音に背筋を凍らせる。
振り返ると、灰色の泥に似た何かがこちらを見ていた。怪物としか言いようのない巨躯と異形である。
窓からの月明かりに照らされた怪物は、ぬるついた表皮と、赤い球状の双眸を持っていた。
そしてそこから、敵意を感じる。
「いかん!」近衛兵がグレネードランチャーを構えた。「暴走してる!」
が、ランチャーが火を噴く前に、灰色の怪物が動いた。
怪物の不定形の体が槍状に伸びる。
ダークはそれを剣で逸らし、壁に当てた。
だが槍から更に槍が枝分かれして、近衛兵の胸を貫いた。
グレネードランチャーが手からこぼれ、ちぎれた弾帯が落ちる。
怪物は近衛兵の死体をダークに投げつけた。
ダークは死体を受け止め、手すりに背を叩きつけられる。
彼の骸をどかし、さらなる追撃を避ける。
ジャンプして怪物の体に乗り、剣を突き立てた。
が、手応えは無い。
敵の体から飛び降り、踊り場へ逃れる。
怪物の体がまた変形し、今度は鎌状の触腕となった。
その斬撃を剣で受け止め、はじき飛ばし、触腕を断つ。
触腕は床に落ちてのたうち回った後、本体が吸収した。
ダークは階段を駆け上がる。
怪物が緩慢な動作で追ってくる。その巨体の蠢きひとつで、ダークとの距離は一瞬のうちに縮まった。
どうにかして近衛兵のグレネードランチャーを回収しなければ。
彼はそう思いながら、怪物の攻撃から逃げ続ける。
逃げれば逃げるほど、ダークは上の階へと追いやられ、ランチャーから遠ざかっていった。
最上階まで至り、扉の剥がれた通路へと駆け込む。
その時、何かにつまづいて転げてしまった。
受け身を取り、一回転して衝撃を逃しつつ膝立ちでそれを見やる。
イトリ兵の死体だった。銃撃を受けたにしては損壊がひどい。かといって爆発物でやられた様子でもない。
つまり――。
足を止めていると、怪物が追いついてきた。
怪物は出入り口につっかえて、壁に亀裂を走らせた。
が、すぐに体を細くし、こちらへと伸びてくる。
ダークは怪物の先端を斬り落とし、走る。
怪物はすぐには追ってこなかった。
横目でやつを見やると、怪物はイトリ兵の死体を、その不定形の体で覆っていた。
ダークはやつが何をしているのか、察した。
死体を食っているのだ。
怪物は斬り落とされて乾いた泥のようになった己の一部を踏み砕き、追いかけてくる。
そういえば、と彼は走りながら思い出した。
保護対象もいると近衛兵は言っていた。おそらくファーストレディの子どもたちだ。
厄介な敵に、保護しなければならない誰か。
怪物に食われていなければいいが。
ダークは適当な部屋に飛び込み、眼前の窓を撃った。
数秒遅れて、怪物も扉を破ると、その勢いで窓の外に首を飛び出させた。
それから灰色の怪物は動きが鈍くなり、やがて止まった。
ダークの思惑通りである。
怪物は彼がガラスを破って外に逃げたと思い込んだようだ。
その実ダークはバスルームに身を潜め、来た道を戻るルートを辿れるよう機を窺っていた。
鏡越しに見える怪物の体、その末端は、ヒトの脚にも見える形をしていた。巨大な両足が癒着し、尾のような形態となっている。
思わず顔をしかめた。
ダークは呼吸を整え、出入り口へと忍び足で向かう。
廊下まであと一息だ。
ここまで来れば――。
ダークは武器を握りしめ、怪物の尾を跳び越えた。
硬いブーツの底が、大きな音と共に廊下を叩く。
灰色の尾が持ち上がり、膨張して目が形成された。
それが視界の端にうつったとほぼ同時に、ダークは走り出す。
階段室に戻ってくると、踊り場から踊り場へ飛び降り、ランチャーへと近づく。
やがて目当てのグレネードランチャーが見えた。
彼はそれを拾い、怪物に砲口を向けようと振り返った。
次の瞬間、ダークは怪物の体当たりを喰らって壁に背を打ちつける。
拍子に、ランチャーを誤射してしまい、まるで見当違いのところへ弾を飛ばした。
グレネードランチャーの弾が炸裂して青白い電撃のような光を放つ。
それを目の当たりにして、彼は怪物の正体を察した。
ヤツはおそらくナノマシンだ。
そう思うと、怪物の巨体がすこし小さく感じた。
ダークは怪物の刺突攻撃を躱し、弾帯を引っ掴む。
窓を割って、飛び降りた。
地面にクレーターを作って着地し、ランチャーの薬室を開放する。
せり上がった空薬莢を取り出し、弾帯にマウントしてある次弾を装填した。
夜の暗い影が、さらに暗さを増す。
ダークは真上に照準を合わせ、撃った。
弾は怪物の体、その右側に命中し、スパークを発生させる。
怪物の全身が歪み、末端が千切れるのが見えた。
ダークは駆け出し、落下してきた怪物を避けつつ、再装填する。これが最後の一発だ。
振り返ると、怪物の左側はまだ生きていた。
ぐずついた右側の体を引きずり、鎌の触腕を振るってくる。
それを回避し、ダークは怪物に最接近した。
砲口を押し当て、引き金を引く。
この攻撃で、怪物は形を完全に崩壊させた。
乾いた泥のようにひび割れ、ぼろぼろと砕けてゆく。
球状の目も、光を失い地面に転がって、割れた。
ダークはグレネードランチャーを手放し、両肩の力が抜けてゆくのを感じる。
すると、崩れたナノマシンの泥の中から二つの人影を発見した。
そのうちの一人に近寄り、顔を覗き込む。
赤い髪の青年だった。が、鼻と口から血を流して、すでに事切れていた。
ダークは心臓が跳ねるのを感じた。
彼は青年に手を伸ばそうとして、引っ込めると、目を伏せた。
それから息を吐きだして、もう一人を見た。
子どもだった。クリームイエローのフーディーを着た、おそらく女の子だ。
その子は、意識を失っていたものの、まだ息があった。
彼は子どもを泥中から抱き上げ、思う。
この子たちが、あの近衛兵が言っていた保護対象だろう。
再び青年の亡骸に目をやる。
そして、呟いた。
「……すまない……」
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