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バレンタイン特別企画⑤ユーリウス
しおりを挟む~お昼休み~
「あと残り四人! この調子で頑張るぞー。おー」
小さく拳を振り上げて、決意を固める私。
今は昼休み。せっかくの長い時間を有効活用しないと。
「だから、お昼も早めに切り上げたんだけど……」
いつもなら食堂に姿を表すイリアスとユーリウスが今日は姿を見せなかった。
「イリアスはフェリクスの言った通り、生徒会の仕事で忙しいみたいね。さっき、教室に行ったら、生徒会室に行ったって、クラスのひとが教えてくれたし。イリアスはわかったけど、じゃあユーリウスはどこにいったのかしら。早く捕まえないとお昼休みが終わっちゃう」
さっきから校舎の中を巡って、探し求めてはいるんだけど――。
ちょうどその時、たまたま通りかかった中庭が目に入り――。
「まさか――」
この冬の日に中庭で寝てるなんてことないわよね。
否定しても、一度過ぎった考えは捨てきれなかった。
「とりあえず確認だけしてみましょう」
中庭へと足を踏み入れる。
校舎の中ではわからなかったけれど、日の光があたれば、けっこう暖かなものね。朝よりは気温も上がってるし、小春日和と呼ぶにぴったりな陽気ね。
しばらく中庭を進み、そんなことを思って奥まで来てみれば、木の幹を背にして、誰かが座わっているのが目に映る。
「ここからじゃ顔は見えないけど――」
木の幹の後ろに回り込んでみれば、案の定そこには、日の光の中、眠っているユーリウスの姿が――
「全くこんなところにいたのね」
おそらく授業をさぼってここにいたのを、お昼になったのも気付かず眠り込んでしまったに違いない。
そして、日向ぼっこしているのはユーリウス独りだけではなかった。
木を背もたれにして眠っているユーリウスの足の上には猫がいた。
入学式の時にはあんなに小さかった仔猫が、もう大人と変わらない大きさにまで成長している。
日の光の中、猫と一緒に昼寝を楽しむユーリウスの図がこれまた絵になること。
私はしゃがみ込んで、その穏やかな顔つきをじっと見つめる。
「こうしてると、普段の危険な感じが全然しないわね」
その時、ぱちりとユーリウスの目が開いた。
「きゃっ!」
ぐいと手を引っ張られたかと思ったら、私はユーリウスの足を跨ぐように座らされていた。
その拍子にユーリウスの腿に丸まっていた猫が驚いて飛び退き、どこかに行ってしまう。
「なにが危険だって?」
「こういうところよ!」
私は顔を赤くしてじたばたと暴れる。けれど、後ろまでユーリウスの腕ががっちりと回っているせいで抜け出せない。
「離してよっ」
「やだ」
膨れっ面をするも、一向に離す気配はない。
腕力でユーリウスに勝てるはずもなく。
体力の無駄だと諦めた私は、早々に暴れるのをやめた。
「カレン、うちに遊びに来てよ」
唐突なユーリウスからの誘い。
イケメンと至近距離で話すことになり、内心ドキドキしながら、口を開く。
「この間、行ったでしょ」
「いつの時の話? もう何ヶ月も前じゃん」
返事に渋っていると、ユーリウスが言葉を続ける。
「あいつの家には何回も言ってるくせに」
少し口を曲げるユーリウス。
『あいつ』とはイリアスのことだろう。月に一度お互いの家を行き来している交流を今尚続けている。
「そ、それは、もう小さい頃からの習慣というか。やめるのも変な感じだからよ」
イリアスの話が出たことで、また別の意味でドキドキしてくる。本当、私、イリアスを思い浮かべただけで、どうかしてる。
「じゃあ、俺の家に来るのも習慣にしてよ」
「そ、それは……」
「良いだろ?」
下から首を傾げて訊いてくるイケメンの絵面の良さについ頷いてしまいそうになるが、なんとか思いとどまる。
「だ、駄目よっ」
「なんで? まだ二回しか来てくれなくて、俺、寂しいんだけど」
「うっ……!」
「理由教えてよ、カレン」
「そ、それは――」
貞操の危機があるからよっ!!
口に出す代わりに、内心声を大にして叫ぶ。
思い出すだけで、顔に熱が集まってくる。
そう、あれはまさしく二回目の訪問の時のこと。改めて婚約者として挨拶をしに行き、そのついでに屋敷の中を案内すると言われ、ユーリウスについて行けば、極自然な流れでいつの間にかユーリウスの部屋にいて――。
警戒しなかった私も悪いけど、まさかあんなことしてくるなんて思わないわよ! 途中でユーリウスのお母様が呼びに来たから良かったものの、もし来なかったら、あのまま貞操を失っていたかも――。
突然のキスの嵐に翻弄されてるうちに、服が半分脱ぎかけていた自分の姿を思い出したせいで、今、間違いなく顔は真っ赤だろう。
「他のやつのうちには遊びに行ってるくせに、なんで俺だけ?」
ユーリウスが少しだけ口を尖らす。
確かにフェリクスの家にも行ってるけど、訪問目的にはフェリクスの弟であるアルバートも入ってる。それにフェリクスは幼い弟がいる前では、不埒な真似は絶対してこない。
ジト目でユーリウスを睨んでも、当のユーリウスはきょとんとしている。
本当に理由がわからないのかしら。
だとしたら、ますます言うわけにはいかない。あの日の恥ずかしい記憶を忘れてくれているなら、忘れてくれたままでいいわ。
わざわざこっちから言い出したら、あの日のことがずっと頭に残っていることを暴露するようなもの。何だか私のほうが自意識過剰みたいじゃない。
「……ゴホンッ。……イリアスに止められているからよ」
代わりの応えを出したけど、これも本当。「あいつの家には行くな」と言われてるものね。
「ちっ。あの野郎……」
ユーリウスから剣呑な空気が流れ始める。
「そ、それより、ほらこれ、ユーリウスによ」
イリアスに本格的に矛先が向く前に、私は赤いリボンに包まれた小箱を差し出す。
「ショコラブデーのチョコ」
「……ありがと」
不穏な空気をしまって、ユーリウスがチョコを受け取る。
そうして片手で持ちながら箱をしげしげと眺める。もう片方の手は依然私の腰に回したまま。いつ離してくれるのかしら。
「これって中身、みんなと同じ?」
『みんな』とはほかの六人のことだろう。
「そうよ」
「ふーん」
声は平坦なため、一見何を考えてるのかわからない。
みんなと同じなの気にしてるのかしら。
決して軽んじたわけではないんだけれど――。
心配して見つめる私に気付いて、ユーリウスが視線を向けてきた。
「別に嫌ってわけじゃないよ。カレンならみんな平等にそうするだろうなと思ったから」
「そう」
ほっと息を吐く。
「――だから、俺のほうで用意した」
そう言って、胸ポケットから取り出したのは、見るからに中身がチョコだとわかる王都でも指折りの高級チョコレート店の箱。
「……それ、ほかの子から貰ったの?」
「違うよ! 俺が用意したって言ったじゃん。聞いてた?」
呆然と聞けば、慌てて返ってくる答え。
「ちなみに言っとくけど、俺、チョコ貰うの今回が初めてだから」
「またまたあ」
この世のどこに、こんな家柄も容姿も才能も溢れた人間にチョコを渡さない女子がいるのよ。
「ほんとだって。俺が心に決めた相手は、もうずっとカレンひとりだけだし。ほかの子からのチョコなんてほしくない。――今日、ようやく貰えた」
真剣な瞳に見つめられ、鼓動がドキドキと高鳴っていく。
じっと見つめ合ったのは、ほんの数瞬。でも、私にはもっと長く感じられて。
この空気の行き着く先に耐えられそうになかった私は慌てて話題を移す。
「でで、このチョコがどうしたのっ」
「これは、俺がカレンから貰うチョコレート。カレンがくれるやつ、ほかの六人と全く一緒だろうから、別に一個用意したの。これなら、俺のほうが他のやつより上ってことじゃん?」
ユーリウスが箱を開けると、チョコレートが八粒並んでいるのが見えた。
どれも手が込んでいて、とっても美味しそう。
「なるほど? ん? でも、くれるのはユーリウスよね。私からあげたことにならないんじゃ?――んぐっ!?」
「だから、こうすんの」
突然、チョコレートのひとつを私の口の中へ放り込んだと思ったら、私の頭を引き寄せる。
咄嗟のことで、何の抵抗もできない私。
「んっ!? ンンッー!」
キスしてると思ったら、ユーリウスの舌が私の唇を押し開いて、中へと進んでいく。
口の中にはチョコが入ったまま。
私の舌で溶かされたチョコはユーリウスの熱い舌によって、さらに甘く溶けていく。
「ン、んぅー!」
舌が絡まり合い、こすられ、小さくなった欠片がなくなった。それでも、ユーリウスの舌の動きはおさまらない。
私の頭と腰を引き寄せ、口の中いっぱいに舌が動きまわる。
まるで自分がそこにいた証拠のように、そこら中にチョコの余韻を残せば、満足したかのように、ようやく唇が離れていった。
酸欠状態で、頭も口も色んな意味で甘ったるくなってしまった私の目はとろんとなってしまっている。
「こうして口移しでくれれば、カレンからチョコを貰ったことになるだろ?」
ユーリウスの声にはっと我に還る。
「馬鹿ー! なんてことするのよ!――んぐっ」
「あと残り、七個。昼休みが終わるまでには終わらせるからさ。――いただきまーす」
またしても私の口にチョコを押し込んで。
箱のなかの整然と並んだチョコを不敵に見つめて、ユーリウスの赤い目が迫る刹那、きらりと光った気がしたけど、私の思考はもうそれどころではなくなってしまった。
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あと残り七個、無事に完食できたかどうかは、二人だけの秘密ということで(笑)
ユーリウスは婚約者になってから、加減しなくなりました。(^O^)/
片恋のときは言葉遣いも態度も、甘さと優しさが多めでしたが、婚約者になってからは今回のようにちょっと愚痴を言ったり、わがままも言ったりできるようになりました。
ユーリウスに関しては、まだまだカレンの知らない部分が沢山あります。
気心の知れた相手(家族やカレン)には表情豊かで、イリアスに対しても遠慮せずいってますが、基本ユーリウスはポーカーフェイスです。ゲームの不幸な出来事がなくなったせいで、性格が明るくなったとカレンは勘違いしてますが、基本の性格は変わってません。他のひとに接してる時は淡泊で、何を考えているかわからない存在です(ゲームでもミステリアスな存在でした。イリアスにだけ違うのは、それだけ気に入らないんでしょう(^_^;))
自分がいないときのユーリウスをまだよくしらないので気付いてませんが、何かのきっかけで気付くことになった時は、愚痴やわがままを言えるのは自分だけだと悟って、それ以降はなるべくわがままを聞いてあげるのではないでしょうか(貞節を守りながら)。
ちなみにユーリウスは忘れたわけではありません。ばっちり覚えてます。ただ、カレンの恥ずかしがる顔を見たくてわざわざ口に出すような人間ではないというだけで。その辺、フェリクスとは違いますね。
それと貞操の危機に関しては、めちゃくちゃ大事に抱いて、結果カレンも満足するだろうから、大丈夫だろうと思ってます。なので、カレンの来ない理由が検討もつきません。貞操を重んじる貴族ですが、やはりその辺りは貴族らしくないユーリウスです。
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