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79.夏祭り①
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バルタザールの肩から背中への傷痕。スチルの時、傷があったのを見たけど、その時は特に言及しなかった。プレイヤーたちはその傷痕を見て、更に彼に対して危険な香りと秘密めいたものを感じる気分にさせられた。結局、その傷痕に関しては最後まで触れられることがなかったから、彼の背中の傷痕は彼のキャラクター性の印象を強めるために書かれたものなんだとおもっていた。
実際、その後バルタザールの正体を知るに至ってからはあの傷痕ができた理由もなんとなく推測できた。
しかし、今のバルタザールにそれがないということは、これからその傷をつくる出来事が起きるということだ。
一体いつできた傷なんだろう? スチルで見たときは既に塞がっていたから、昔にできた傷なんだとわかったけど――。少なくとも一年以上前のもののように見えた。ということは、今頃できた傷?
その自分の推論がなんとなく当たっている気がした。
「ということは彼、近々怪我するのね」
私の脳裏に彼の面差しが浮かんだ。顔つきも態度も素っ気ないのに、子供たちと遊んだり、私が濡れないために服を貸してくれたひと。
「怪我するから気をつけて」と忠告してあげたいけど、彼の正体を知らないはずの人間がそんなこと言っても、説得力ないし、訝しむだけよね。それに私が言ったところで、きっと聞く耳を持たないわ。ヒロインがあれほど懇願しても、聞かなかったんだから。
そもそも彼がどこに住んでるかも知らないのに、どうやって会うっていうのよ。
「仕方ないから、諦めましょ」
私は早々に見切りをつけた。ゲームではちゃんと生きてたから、死ぬような傷でもないだろうし。
いつできるのかもわからない傷だから、彼を見つけて四六時中見張ってるわけにもいかないし。
それに彼を救う役目を担ってるのはヒロインよね。私は出しゃばらない!
自分の中でそう結論付けたところで、それ以上考えるのをやめ、布団のなかに潜り込んだのだった。
今日は夏祭りの日。日が沈み、空がオレンジ色から濃い紺色へと染まり始めると、街の空気が変わった。
ひとの出が多くなり、昼とはまた違った騒がしさが商店街全体を包む。
頭上には灯籠が飾られ、薄ぼんやりと柔らかな明かりをはなって、祭り独特の雰囲気を作り出している。大通りには今日限りの屋台がたくさん並んで、祭りでしか味わえない食べ物や射的や金魚すくいといった遊戯のお店が行き交う人の足を止めている。
「アンナ、こっち、こっちー」
「もう、カレン様、あっちこっちいかないでくださいよ」
「だって、楽しいんだもん。年に一回しかないんだから、楽しまなきゃ。あ、これ持ってて。射的があるわ」
アンナにリンゴ飴を渡して、射的に挑戦する。
私はアンナとふたりで、王都の夏祭りに来ていた。
『きらレイ』にも出てきた『夏祭り』。
世界観は洋風なのに、祭りは日本っぽいのは、制作会社が日本だからだろう。
ゲームでは好感度が高い攻略対象者が誘いに来てくれるはずなのだが、何故か私は誰からも誘われなかった。
なんで!? 私、みんなから告白されたわよね!? 別に誘われたいわけじゃないけど、ゲームと現実の違いに納得がいかない。ひとりくらい誘いにきてくれても、別に罰はあたらないと思うんだけど。ゲームとの違いにちょっぴり寂しく感じる。
あの告白はやっぱり夢幻だったのかしら。
それかやっぱり考えが変わって、好きじゃなくなったとか?
えーと、つい最近のみんなの私への態度、どうだったかしら。私は回想をし始めた。
ユーリウスとごく最近話したときは剣術大会が話題に出たわね。「決着、今度の剣術大会ですることになったから。二度と立ち上がれないくらい叩きのめすつもりだから、安心して待っててよ。のすからにはこてんぱんにしたいじゃん? だから今大会に向けて珍しく頑張ってるとこ。それが終わったら、ふたりでいっぱいどこかに行こう」って言ってたわ。普段は何事にも冷めてる感じのユーリウスがそこまで言うなんて、よっぽど剣術大会に力を入れてるのね。
剣術大会はゲームの中でも夏の一大イベントだった。向こうの世界でいう体育祭みたいなものかしら? まあ、参加者は男子限定だけど。夏休みの直前に行われ、ちょうど開放的になる前とあって、生徒の高揚感も高まっている。男子ばかりではなく、女子含め学園の生徒の誰もが楽しみにしてる行事だ。それにその日は学園の生徒の保護者も参観できるようになっているから、熱気に拍車をかけている。
今はもう七月頭だから、あと一ヶ月もしないうちにやってくるなんて、時が経つのは早いものね。
で、ユーリウスが去ったあと、続いて、エーリックもやってきたのよね。「俺も参戦することにしたから! あのふたりに勝つために毎日、稽古頑張るよ。ちょっと忙しくなるけど、優勝するためにはそれくらいはね」って、きらきらした笑顔で宣言してたわ。うんうん、エーリックは騎士志望だもんね。自己紹介した時も優勝するのが目標って言ってたから、そのくらいの勢いでいってほしいわ。
で、その後、フェリクスもやってきて――。「俺も勝負に混ぜてもらったから。あー、毎日筋肉痛になりそう。でも、ここで諦めたら、一生後悔するから、死ぬ気で頑張るよ」って言ってたわ。フェリクスもなんだかんだ言って、男の子ね。あんまりそういうの興味なさそうなのに、剣と戦いごとはやっぱり男のロマンが擽られるのかしら。
でも、最後にレコがやってきたのには驚いたわね。「ぼ、僕! 剣の腕はまだまだですけど、でも自分の力でできる限り頑張ります! 剣術大会までには今よりもっと強くなってみせます!」って、意気込んでたわ。ゲームではレコは剣術大会に出席していないみたいだったから、今回は何か心変わりするものがあったのね。戦いごとには不向きの優しい男の子だとばかり思ってたから、園芸以外で挑戦するものができて、良かったわ。成長してるのね。それに前髪もばっさり切って、見違えたのよね。「似合ってる! 素敵!」って言ったら、顔赤くして照れてたわ。可愛い。
ってことで、みんな剣術大会に向けて異様に張り切ってるのよね。
ゲームでは剣術大会当日の様子しか知ることができなかったから、みんなの力の入れ具合を知って、感心することしきりだわ。プレイ中は、騎士服の格好に目が奪われて、わーわーきゃーきゃーしかいってなかった自分が恥ずかしい。影ではみんな、懸命に努力してたのね。
そうよ、こんな女、誘われなくて当然よ。
ちなみにイリアスは「ああ、その日は先代公爵の七回忌なんだ。家の集まりで、夏祭りの日は一日用事がある」とのお言葉でした。制作会社様、ゲームの一年目、つまり来年の夏祭りには何の用事も被せてこなかったこと、感謝します。じゃなきゃ、イリアスの夏祭りイベント楽しめなかったもんね。
そんなこんなで、みんな忙しいらしく、私はこうしてアンナと夏祭りを楽しんでいるというわけ。
私は的に照準を合わせる。夏祭りイベントでは、金魚すくいや輪投げ、射的のミニゲームができて楽しかった。
ミニゲームの途中で「頑張れ」とか「頑張って!」とか合いの手が入るのが嬉しかった。ゲームに勝てば、攻略対象者からお褒めの言葉ももらえて、ただのゲームだというのに、それが楽しみで真剣に取り組んだ覚えがある。
うまく当たりますように。私は引き金から手を離す。
――バシッ!
「やった! 当たったわ!」
「やりましたね!」
ふたりで歓声をあげて、手を叩きあう。
そのときだった。ざわめきに混じって、遠くから「ピィー」という甲高い音が、耳に届いた。
実際、その後バルタザールの正体を知るに至ってからはあの傷痕ができた理由もなんとなく推測できた。
しかし、今のバルタザールにそれがないということは、これからその傷をつくる出来事が起きるということだ。
一体いつできた傷なんだろう? スチルで見たときは既に塞がっていたから、昔にできた傷なんだとわかったけど――。少なくとも一年以上前のもののように見えた。ということは、今頃できた傷?
その自分の推論がなんとなく当たっている気がした。
「ということは彼、近々怪我するのね」
私の脳裏に彼の面差しが浮かんだ。顔つきも態度も素っ気ないのに、子供たちと遊んだり、私が濡れないために服を貸してくれたひと。
「怪我するから気をつけて」と忠告してあげたいけど、彼の正体を知らないはずの人間がそんなこと言っても、説得力ないし、訝しむだけよね。それに私が言ったところで、きっと聞く耳を持たないわ。ヒロインがあれほど懇願しても、聞かなかったんだから。
そもそも彼がどこに住んでるかも知らないのに、どうやって会うっていうのよ。
「仕方ないから、諦めましょ」
私は早々に見切りをつけた。ゲームではちゃんと生きてたから、死ぬような傷でもないだろうし。
いつできるのかもわからない傷だから、彼を見つけて四六時中見張ってるわけにもいかないし。
それに彼を救う役目を担ってるのはヒロインよね。私は出しゃばらない!
自分の中でそう結論付けたところで、それ以上考えるのをやめ、布団のなかに潜り込んだのだった。
今日は夏祭りの日。日が沈み、空がオレンジ色から濃い紺色へと染まり始めると、街の空気が変わった。
ひとの出が多くなり、昼とはまた違った騒がしさが商店街全体を包む。
頭上には灯籠が飾られ、薄ぼんやりと柔らかな明かりをはなって、祭り独特の雰囲気を作り出している。大通りには今日限りの屋台がたくさん並んで、祭りでしか味わえない食べ物や射的や金魚すくいといった遊戯のお店が行き交う人の足を止めている。
「アンナ、こっち、こっちー」
「もう、カレン様、あっちこっちいかないでくださいよ」
「だって、楽しいんだもん。年に一回しかないんだから、楽しまなきゃ。あ、これ持ってて。射的があるわ」
アンナにリンゴ飴を渡して、射的に挑戦する。
私はアンナとふたりで、王都の夏祭りに来ていた。
『きらレイ』にも出てきた『夏祭り』。
世界観は洋風なのに、祭りは日本っぽいのは、制作会社が日本だからだろう。
ゲームでは好感度が高い攻略対象者が誘いに来てくれるはずなのだが、何故か私は誰からも誘われなかった。
なんで!? 私、みんなから告白されたわよね!? 別に誘われたいわけじゃないけど、ゲームと現実の違いに納得がいかない。ひとりくらい誘いにきてくれても、別に罰はあたらないと思うんだけど。ゲームとの違いにちょっぴり寂しく感じる。
あの告白はやっぱり夢幻だったのかしら。
それかやっぱり考えが変わって、好きじゃなくなったとか?
えーと、つい最近のみんなの私への態度、どうだったかしら。私は回想をし始めた。
ユーリウスとごく最近話したときは剣術大会が話題に出たわね。「決着、今度の剣術大会ですることになったから。二度と立ち上がれないくらい叩きのめすつもりだから、安心して待っててよ。のすからにはこてんぱんにしたいじゃん? だから今大会に向けて珍しく頑張ってるとこ。それが終わったら、ふたりでいっぱいどこかに行こう」って言ってたわ。普段は何事にも冷めてる感じのユーリウスがそこまで言うなんて、よっぽど剣術大会に力を入れてるのね。
剣術大会はゲームの中でも夏の一大イベントだった。向こうの世界でいう体育祭みたいなものかしら? まあ、参加者は男子限定だけど。夏休みの直前に行われ、ちょうど開放的になる前とあって、生徒の高揚感も高まっている。男子ばかりではなく、女子含め学園の生徒の誰もが楽しみにしてる行事だ。それにその日は学園の生徒の保護者も参観できるようになっているから、熱気に拍車をかけている。
今はもう七月頭だから、あと一ヶ月もしないうちにやってくるなんて、時が経つのは早いものね。
で、ユーリウスが去ったあと、続いて、エーリックもやってきたのよね。「俺も参戦することにしたから! あのふたりに勝つために毎日、稽古頑張るよ。ちょっと忙しくなるけど、優勝するためにはそれくらいはね」って、きらきらした笑顔で宣言してたわ。うんうん、エーリックは騎士志望だもんね。自己紹介した時も優勝するのが目標って言ってたから、そのくらいの勢いでいってほしいわ。
で、その後、フェリクスもやってきて――。「俺も勝負に混ぜてもらったから。あー、毎日筋肉痛になりそう。でも、ここで諦めたら、一生後悔するから、死ぬ気で頑張るよ」って言ってたわ。フェリクスもなんだかんだ言って、男の子ね。あんまりそういうの興味なさそうなのに、剣と戦いごとはやっぱり男のロマンが擽られるのかしら。
でも、最後にレコがやってきたのには驚いたわね。「ぼ、僕! 剣の腕はまだまだですけど、でも自分の力でできる限り頑張ります! 剣術大会までには今よりもっと強くなってみせます!」って、意気込んでたわ。ゲームではレコは剣術大会に出席していないみたいだったから、今回は何か心変わりするものがあったのね。戦いごとには不向きの優しい男の子だとばかり思ってたから、園芸以外で挑戦するものができて、良かったわ。成長してるのね。それに前髪もばっさり切って、見違えたのよね。「似合ってる! 素敵!」って言ったら、顔赤くして照れてたわ。可愛い。
ってことで、みんな剣術大会に向けて異様に張り切ってるのよね。
ゲームでは剣術大会当日の様子しか知ることができなかったから、みんなの力の入れ具合を知って、感心することしきりだわ。プレイ中は、騎士服の格好に目が奪われて、わーわーきゃーきゃーしかいってなかった自分が恥ずかしい。影ではみんな、懸命に努力してたのね。
そうよ、こんな女、誘われなくて当然よ。
ちなみにイリアスは「ああ、その日は先代公爵の七回忌なんだ。家の集まりで、夏祭りの日は一日用事がある」とのお言葉でした。制作会社様、ゲームの一年目、つまり来年の夏祭りには何の用事も被せてこなかったこと、感謝します。じゃなきゃ、イリアスの夏祭りイベント楽しめなかったもんね。
そんなこんなで、みんな忙しいらしく、私はこうしてアンナと夏祭りを楽しんでいるというわけ。
私は的に照準を合わせる。夏祭りイベントでは、金魚すくいや輪投げ、射的のミニゲームができて楽しかった。
ミニゲームの途中で「頑張れ」とか「頑張って!」とか合いの手が入るのが嬉しかった。ゲームに勝てば、攻略対象者からお褒めの言葉ももらえて、ただのゲームだというのに、それが楽しみで真剣に取り組んだ覚えがある。
うまく当たりますように。私は引き金から手を離す。
――バシッ!
「やった! 当たったわ!」
「やりましたね!」
ふたりで歓声をあげて、手を叩きあう。
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