31 / 105
30.好きなタイプ①
しおりを挟む
翌日、例のごとく私は学園の中を探検をしていると、キンキン声が耳にはいってきた。
「イリアス様、わたくし、今度、新しくオープンしたジュエリーショップに参りますの。近頃評判の新進気鋭のデザイナーに直にデザインを頼むんですのよ。予約ももうお済みですわ。イリアス様もぜひご一緒にいかが! そのときにはイリアス様に似合いそうなネクタイピンかカフリンクスでもプレゼントさせてくださいませ」
「今をときめくデザイナーに直接注文できるなんて羨ましいですわ」
「あそこは今、予約がいっぱいでなかなかとれないんだとか。さすがミレイア様っ」
私は二階を歩いていたので、声が聴こえた方を窓から覗き込む。見れば、建物の下にイリアスを囲んで、ミレイアとその取り巻き一行が並んで立っていた。
多分イリアスが歩いている所を、ミレイアたちが押し寄せたのだろう。
イリアスの冷めた表情を見れば、一目瞭然である。
あの令嬢もよくやるわね。普通ならめげるでしょうに。
「悪いが、君が誘うものに、俺は一切興味がない。そこを通してくれないか」
軽くブリザードが後ろで吹き荒れてるのが見えないのだろうか。ゲームの序盤でも、ヒロインが選択肢を間違えると、あんな感じだった。その都度、ただの画面上だというのに肝が冷えた気がする。あんなの実際目にしたら普通の精神なら逃げ帰るところだが、ミレイアは違った。毎回毎回断られてるせいか、ぐぬぬと拳を固める。
「では、何になら頷いてくれますの!?」
イリアスに向け、一歩踏み込む。
「いえ、それ以外のことも教えてくださいませ。イリアス様のことを知りたいんですの。――そうだわ!」
そこで思いついたように、パチリと手のひらを打つ。
「イリアス様の好きな女性のタイプを教えてくださいませ! わたくし、それに倣って、自分を磨いてみせますわ」
周りも「知りたーい」「ぜひ!」と顔を赤くして、賛同する。
あ、私も知りたいかも。大体なことには動じない氷の表情をはりつかせたイリアスがどんな子に心動かされるか興味あるもの。なーんて、ほんとは知ってるけど。好きなタイプはどうせヒロインでしょ。
イリアスはしばらく無言だったけど、女子たちが引かないのを見ると、ため息を吐いた。
「……それを教えたら、そこを退いてくれるか」
「ええ! お約束いたしますわ」
「――服や宝石の店に足繁く通わない子。それから無駄に着飾っていない子」
イリアスの口からするりと言葉が出た。少しは悩む素振りを見せるかと思ってたのに、初めから答えが決まってたみたいにためらいがない。無駄なことを嫌うイリアスが、普段好きなタイプの女性について考えることなんてないと思っていたから、意外だった。
それにしても、「子」って柔らかい言い方ね。イリアスなら「人間」って冷たい言い方すると思ってたのに。
「人間」って言い方よりも「子」って言ったほうが限定されてる気がするけど、やっぱりイリアスもまだ見ぬ好きな相手、イコールヒロインを想って、想像したりするのかしら。
なんだかんだ言っても、やっぱり男の子なのね。
へえ、あのイリアスがねえ。
私は窓辺に寄りかかりながら、ニマニマする。
確かに元庶民のヒロインは、宝石をじゃらじゃら付けたり、ド派手なドレスは着なかった。服装はいつも素朴で可愛らしいワンピース姿。元庶民という設定に合わせたのと、現代人の私達がプレイしやすいようにという制作陣の配慮があったんじゃないかな。
ミレイアは残念ながら、その部類に入らなさそう。ブレザーの下に着ているブラウスはひらひらと大振りな華美なフリルに、襟元には制服のリボンと一緒にでっかい宝石が付いている。
ミレイアが一歩たじろいだ。
「そ、それではお洒落ができませんわ。お洒落をするのは、淑女の嗜みですわ。常に流行を追ってこそ、一流と呼ばれるに相応しい人間になれるんですのよ」
ミレイアをちらっと見て、イリアスが続ける。
「そういった店に誘う人間は嫌いだ」
「それでは、どこに誘えばよろしいんですの。王都ではそれ以外はあまり大したものはございませんわ。それとも、何もないつまらない郊外に誘えとおっしゃるの?」
「――俺も最初は嫌だった。けど――」
「けど?」
ミレイアが促すと、イリアスがごほんと咳払いした。上からだと、ほんのり耳が赤くなっているのが見えた。
「――とにかく、今のが質問の答えだ」
「それだけですか。ほかはありませんの?」
「それから、――動物に優しい」
うんうん。動物に優しいのは全ジャンル共通のヒロインの特徴だもんね。動物が嫌いなヒロインなんてまず存在しない。
それよりさっき、イリアス何を言いかけたのかしら。気になるわね。
イリアスが言葉を続ける。
「明るくて」
はい、必須条件ね。常に笑顔を絶やさず、周りを自然と明るくさせるのが、ヒロインの特技だもの。
言わなかったってことは大したことじゃないわね、きっと。
「ちょっとドジで」
はい、鉄則。ヒロインと呼ばれる種族の人たちにはかかせない必殺武器。ゲームでもちょっと天然だった。
「何にでも一生懸命で」
はい、王道。イコールヒロイン。文句なくヒロインだわ。
「俺を退屈させない子」
はい、来たー。
なんでもそつなくこなせるイリアスにとって、この世界は単調でつまらない世界――。けれど、突然現れたヒロインによって、その世界が変化し始める。
『この色のない世界に君が光を与えてくれた』
イリアスの告白のシーンの台詞。
イリアスは完璧だった。普通の人なら諸手をあげて喜びそうだけど、彼は違った。
この台詞にその思いが全て詰まっていると言っても過言ではない。
優秀な分、彼は自分でも気付かないうちに孤独だった。それをヒロインが気づかせてくれたのだ。もともとの性格もあるかもだけど、物事を完璧にこなしてしまう余り、感情をあまり揺り動かされなくなってしまったイリアス。明るく天真爛漫なヒロインが現れたことによって、徐々にその氷のような心が溶けていくのだ。
貴族のなかにあって、異分子のようなヒロイン。今までいた人間とは違う。違う感性の人間に出会って、イリアスの世界は色を与えられ、色とりどりに輝いていく。まさにヒロインはイリアスにとって退屈しない存在だった。
私が感傷に浸っている間に、下では会話が続いていた。
「答えたから、もう行かせてくれ」
「最後はあやふやで、わかりにくいですわ。結局どういった子がタイプなのか、全然わかりませんでしたわ」
「君にとってはそうでも、俺にとってはそうじゃない」
「え? どういう意味ですの?」
ミレイアの質問は意に介さず、イリアスが取り巻きたちに隙間を空けさせ、その間をぬって去っていく。
あとには答えを得られなかったミレイアが地団駄を踏む。
「ああ、もう。全然わからなかった」
だけど、すぐに開き直ったように前を向く。
「でも、まあいいわ。結局イリアス様の心を掴むのはわたくしですもの。この学園で、わたくしより上の貴族の令嬢は存在しないわ。つまり、わたくしが学園中の女子のトップということよ。イリアス様の隣に相応しいのはこのわたくししかいないということ。そうよね?!」
つり上がった目で取り巻きたちを見回す。
「ええ、もちろんですわ」
「ミレイア様が一番ですわ」
周りがすかさず同意する。
「そうよ。わかってるじゃない。おーほっほっほ」
ミレイアが周りを引き連れ、声高に笑って去っていく。
私はちょっと不安になる。
あの子、ヒロインが現れたとき、意地悪しないでしょうね?
そうなったら、最後は断罪される未来しか待っていないのよ。
私が意地悪するつもりなんてないから、ゲーム補正のためにあの子が現れたのかしら。
私じゃなくて、あの子が断罪されるの?
うーん、わからないわ。
仮にミレイアがヒロインを苛めたとしても、その罪を私が肩代わりする可能性もあるし。ミレイアと違って、私は婚約者だし、ゲームの悪役なんだから。油断してはいけないわよね。
まあそうならないとしても、誰かが自分の代わりに断罪されるのは見たくない。
私はちょっと心配になりながら、窓際から離れたのだった。
「イリアス様、わたくし、今度、新しくオープンしたジュエリーショップに参りますの。近頃評判の新進気鋭のデザイナーに直にデザインを頼むんですのよ。予約ももうお済みですわ。イリアス様もぜひご一緒にいかが! そのときにはイリアス様に似合いそうなネクタイピンかカフリンクスでもプレゼントさせてくださいませ」
「今をときめくデザイナーに直接注文できるなんて羨ましいですわ」
「あそこは今、予約がいっぱいでなかなかとれないんだとか。さすがミレイア様っ」
私は二階を歩いていたので、声が聴こえた方を窓から覗き込む。見れば、建物の下にイリアスを囲んで、ミレイアとその取り巻き一行が並んで立っていた。
多分イリアスが歩いている所を、ミレイアたちが押し寄せたのだろう。
イリアスの冷めた表情を見れば、一目瞭然である。
あの令嬢もよくやるわね。普通ならめげるでしょうに。
「悪いが、君が誘うものに、俺は一切興味がない。そこを通してくれないか」
軽くブリザードが後ろで吹き荒れてるのが見えないのだろうか。ゲームの序盤でも、ヒロインが選択肢を間違えると、あんな感じだった。その都度、ただの画面上だというのに肝が冷えた気がする。あんなの実際目にしたら普通の精神なら逃げ帰るところだが、ミレイアは違った。毎回毎回断られてるせいか、ぐぬぬと拳を固める。
「では、何になら頷いてくれますの!?」
イリアスに向け、一歩踏み込む。
「いえ、それ以外のことも教えてくださいませ。イリアス様のことを知りたいんですの。――そうだわ!」
そこで思いついたように、パチリと手のひらを打つ。
「イリアス様の好きな女性のタイプを教えてくださいませ! わたくし、それに倣って、自分を磨いてみせますわ」
周りも「知りたーい」「ぜひ!」と顔を赤くして、賛同する。
あ、私も知りたいかも。大体なことには動じない氷の表情をはりつかせたイリアスがどんな子に心動かされるか興味あるもの。なーんて、ほんとは知ってるけど。好きなタイプはどうせヒロインでしょ。
イリアスはしばらく無言だったけど、女子たちが引かないのを見ると、ため息を吐いた。
「……それを教えたら、そこを退いてくれるか」
「ええ! お約束いたしますわ」
「――服や宝石の店に足繁く通わない子。それから無駄に着飾っていない子」
イリアスの口からするりと言葉が出た。少しは悩む素振りを見せるかと思ってたのに、初めから答えが決まってたみたいにためらいがない。無駄なことを嫌うイリアスが、普段好きなタイプの女性について考えることなんてないと思っていたから、意外だった。
それにしても、「子」って柔らかい言い方ね。イリアスなら「人間」って冷たい言い方すると思ってたのに。
「人間」って言い方よりも「子」って言ったほうが限定されてる気がするけど、やっぱりイリアスもまだ見ぬ好きな相手、イコールヒロインを想って、想像したりするのかしら。
なんだかんだ言っても、やっぱり男の子なのね。
へえ、あのイリアスがねえ。
私は窓辺に寄りかかりながら、ニマニマする。
確かに元庶民のヒロインは、宝石をじゃらじゃら付けたり、ド派手なドレスは着なかった。服装はいつも素朴で可愛らしいワンピース姿。元庶民という設定に合わせたのと、現代人の私達がプレイしやすいようにという制作陣の配慮があったんじゃないかな。
ミレイアは残念ながら、その部類に入らなさそう。ブレザーの下に着ているブラウスはひらひらと大振りな華美なフリルに、襟元には制服のリボンと一緒にでっかい宝石が付いている。
ミレイアが一歩たじろいだ。
「そ、それではお洒落ができませんわ。お洒落をするのは、淑女の嗜みですわ。常に流行を追ってこそ、一流と呼ばれるに相応しい人間になれるんですのよ」
ミレイアをちらっと見て、イリアスが続ける。
「そういった店に誘う人間は嫌いだ」
「それでは、どこに誘えばよろしいんですの。王都ではそれ以外はあまり大したものはございませんわ。それとも、何もないつまらない郊外に誘えとおっしゃるの?」
「――俺も最初は嫌だった。けど――」
「けど?」
ミレイアが促すと、イリアスがごほんと咳払いした。上からだと、ほんのり耳が赤くなっているのが見えた。
「――とにかく、今のが質問の答えだ」
「それだけですか。ほかはありませんの?」
「それから、――動物に優しい」
うんうん。動物に優しいのは全ジャンル共通のヒロインの特徴だもんね。動物が嫌いなヒロインなんてまず存在しない。
それよりさっき、イリアス何を言いかけたのかしら。気になるわね。
イリアスが言葉を続ける。
「明るくて」
はい、必須条件ね。常に笑顔を絶やさず、周りを自然と明るくさせるのが、ヒロインの特技だもの。
言わなかったってことは大したことじゃないわね、きっと。
「ちょっとドジで」
はい、鉄則。ヒロインと呼ばれる種族の人たちにはかかせない必殺武器。ゲームでもちょっと天然だった。
「何にでも一生懸命で」
はい、王道。イコールヒロイン。文句なくヒロインだわ。
「俺を退屈させない子」
はい、来たー。
なんでもそつなくこなせるイリアスにとって、この世界は単調でつまらない世界――。けれど、突然現れたヒロインによって、その世界が変化し始める。
『この色のない世界に君が光を与えてくれた』
イリアスの告白のシーンの台詞。
イリアスは完璧だった。普通の人なら諸手をあげて喜びそうだけど、彼は違った。
この台詞にその思いが全て詰まっていると言っても過言ではない。
優秀な分、彼は自分でも気付かないうちに孤独だった。それをヒロインが気づかせてくれたのだ。もともとの性格もあるかもだけど、物事を完璧にこなしてしまう余り、感情をあまり揺り動かされなくなってしまったイリアス。明るく天真爛漫なヒロインが現れたことによって、徐々にその氷のような心が溶けていくのだ。
貴族のなかにあって、異分子のようなヒロイン。今までいた人間とは違う。違う感性の人間に出会って、イリアスの世界は色を与えられ、色とりどりに輝いていく。まさにヒロインはイリアスにとって退屈しない存在だった。
私が感傷に浸っている間に、下では会話が続いていた。
「答えたから、もう行かせてくれ」
「最後はあやふやで、わかりにくいですわ。結局どういった子がタイプなのか、全然わかりませんでしたわ」
「君にとってはそうでも、俺にとってはそうじゃない」
「え? どういう意味ですの?」
ミレイアの質問は意に介さず、イリアスが取り巻きたちに隙間を空けさせ、その間をぬって去っていく。
あとには答えを得られなかったミレイアが地団駄を踏む。
「ああ、もう。全然わからなかった」
だけど、すぐに開き直ったように前を向く。
「でも、まあいいわ。結局イリアス様の心を掴むのはわたくしですもの。この学園で、わたくしより上の貴族の令嬢は存在しないわ。つまり、わたくしが学園中の女子のトップということよ。イリアス様の隣に相応しいのはこのわたくししかいないということ。そうよね?!」
つり上がった目で取り巻きたちを見回す。
「ええ、もちろんですわ」
「ミレイア様が一番ですわ」
周りがすかさず同意する。
「そうよ。わかってるじゃない。おーほっほっほ」
ミレイアが周りを引き連れ、声高に笑って去っていく。
私はちょっと不安になる。
あの子、ヒロインが現れたとき、意地悪しないでしょうね?
そうなったら、最後は断罪される未来しか待っていないのよ。
私が意地悪するつもりなんてないから、ゲーム補正のためにあの子が現れたのかしら。
私じゃなくて、あの子が断罪されるの?
うーん、わからないわ。
仮にミレイアがヒロインを苛めたとしても、その罪を私が肩代わりする可能性もあるし。ミレイアと違って、私は婚約者だし、ゲームの悪役なんだから。油断してはいけないわよね。
まあそうならないとしても、誰かが自分の代わりに断罪されるのは見たくない。
私はちょっと心配になりながら、窓際から離れたのだった。
1
お気に入りに追加
985
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ騎士団の光の聖女ですが、彼らの心の闇は照らせますか?〜メリバエンド確定の乙女ゲーに転生したので全力でスキル上げて生存目指します〜
たかつじ楓@書籍発売中
恋愛
攻略キャラが二人ともヤンデレな乙女ーゲームに転生してしまったルナ。
「……お前も俺を捨てるのか? 行かないでくれ……」
黒騎士ヴィクターは、孤児で修道院で育ち、その修道院も魔族に滅ぼされた過去を持つ闇ヤンデレ。
「ほんと君は危機感ないんだから。閉じ込めておかなきゃ駄目かな?」
大魔導師リロイは、魔法学園主席の天才だが、自分の作った毒薬が事件に使われてしまい、責任を問われ投獄された暗黒微笑ヤンデレである。
ゲームの結末は、黒騎士ヴィクターと魔導師リロイどちらと結ばれても、戦争に負け命を落とすか心中するか。
メリーバッドエンドでエモいと思っていたが、どっちと結ばれても死んでしまう自分の運命に焦るルナ。
唯一生き残る方法はただ一つ。
二人の好感度をMAXにした上で自分のステータスをMAXにする、『大戦争を勝ちに導く光の聖女』として君臨する、激ムズのトゥルーエンドのみ。
ヤンデレだらけのメリバ乙女ゲーで生存するために奔走する!?
ヤンデレ溺愛三角関係ラブストーリー!
※短編です!好評でしたら長編も書きますので応援お願いします♫

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

私、確かおばさんだったはずなんですが
花野はる
恋愛
不憫系男子をこよなく愛するヒロインの恋愛ストーリーです。
私は確か、日本人のおばさんだったはずなんですが、気がついたら西洋風異世界の貴族令嬢になっていました。
せっかく美しく若返ったのだから、人生勝ち組で楽しんでしまいましょう。
そう思っていたのですが、自分らしき令嬢の日記を見ると、クラスメイトの男の子をいじめていた事が分かって……。
正義感強いおばさんなめんな!
その男の子に謝って、きっとお友達になってみせましょう!
画像はフリー素材のとくだ屋さんからお借りしました。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる