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アマリア・アルバートン/フローラ・エインズワース
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侍女達と今頃ハンナはどうしているかしらとくすくす笑いながら過ごし、侍医の診察を受け、そろそろ本格的に歩いたり外で過ごしたりするリハビリをしましょうと提案された。
これまでは体の筋肉が固くならないようにと丁寧なマッサージを受けたり、ベッドから立ったり座ったり、部屋の中を歩いては休んだりというごく初歩的なものだけだった。
自分の行動が広がることを喜びながら、こういう日々がエインズワースでの最初の頃にあったわね…と遠い記憶を思い出していた。
午後のお茶とお菓子を少しもらい、ソファでまどろんでいるときだった。
部屋の扉がノックされ、返事をすると侍女が入って来た。
「辺境領より、補佐官のヴィクトル卿がお越しです。お通ししますか?」
「あら、もう着いたの?ええ、お通しして」
侍女が去ると遠くから話し声が聞こえてくる。会う人会う人に声をかけているのが手に取るようにわかる。セザールは確かにヴィクトルを慕い、その影響を多く受けていると思った。
再びノックされて、返事をすると相変わらず人懐っこい笑顔でヴィクトルは入って来た。
「フローラ様、お加減はいかがですか。閣下はずっと心配されてました。あ、でも閣下自身は健康には問題ありませんから、そこのところは大丈夫です」
ヴィクトルは手に花束を抱えていた。それを私にそっと差し出し、ベッドの横に侍女が用意した椅子に腰かけた。
にこにこと嬉しそうに上着の内ポケットから束になった手紙を取り出し、私に手渡してくれた。
「閣下からのものと、城の子どもたちからです。本当はみんな書きたかったんですけど、それだと膨大な量になるので、まずは字を学び始めた子ども達を優先しました。みんなフローラ様に手紙を書きたくて、一生懸命学んでいますよ」
「まぁ、ありがとう。みんな元気にしているかしら」
花束を侍女に渡し、手紙を受け取った。たどたどしい筆跡やインクの染みのできた封筒を見るだけで胸が熱くなる。
「はい、変わりないですよ。フローラ様にまた会いたいとみんな言ってます。ああ、でも無理はしないでください。こういう傷の処置や訓練を急ぎ過ぎると復帰が遅れるのは隊の常識ですから。それにこんなに至れり尽くせりの場所で手当てが受けられる場所は辺境領にはありませんから」
「そうね…ここの主はいないのに、こんなに好き勝手していいのかと思ってしまうほどね」
「でも、フローラ様は公爵夫人なのですから、いいんじゃないですか?」
「ええ、そうなのだけれど…ここはとても懐かしいし、みんなとも気心は知れているのに、もう私の居場所ではない気がして…私が早く動き出さなければならないのに」
「いいえ、違いますよ、フローラ様」
ヴィクトルのはっきりとした口調にふと顔を上げると、一瞬真剣な表情を浮かべていたのにすぐにこりと微笑まれた。
「みんな時間が必要なんです。いろんなことがありましたから、それぞれ受け入れるだけの時間をフローラ様が与えてくださってるんですよ。ですから焦らないでください。フローラ様の心と体が整ったときが動き出すときなんです」
「…ありがとう…私がここにいることにも誰も何も言わずにいてくれて」
「そんな、当たり前じゃないですか。フローラ様のために最善の場所と方法があるなら俺達が拒否することなんてありませんよ。閣下だってそれは同じです。執務さえなければきっと王都に留まって毎日お見舞いに来ていたと思いますよ」
「そうね…私は本当に恵まれていると思うわ」
二人で微笑み合い、しばらくエインズワースの様子などを話した後、ヴィクトルはきょろきょろと室内を見回した。
「どうしたの?」
「フローラ様、今日はハンナさんはいらっしゃらないんですか?俺、会えるの楽しみにしてたんですけど」
その言葉にふふっと笑ってしまった。
「ごめんなさいね。セザールが連れ出してしまったの」
「えっ?!あいつ…全然帰ってこないと思ったら…」
「まさか本当にヴィクトルまでハンナのことを好きだったなんて思わなかったわ。セザールが焦るのもわかるわね」
「あいつが?焦る?あははっ。そうですか。確かにあいつとは同じ人に惹かれることが何度かありましたけど、セザールが全部身を引いてたんですよ。俺にも譲らないってことなら、ハンナさんのことは本気みたいですね」
「そうなの?あなたにはかなわないっていつも言ってたけれど」
「まぁ、なんだかんだ兄貴分なんで俺に気を遣ってるところがありますね。そうですか…俺もやっと兄貴らしいことができますよ。でも、フローラ様はいいんですか?あいつが本気出したら、本当にハンナさんのことかっさらっちゃうと思いますけど」
「ふふっ。ハンナもしっかりした子だもの。嫌ならちゃんと拒否できるわ。もし受け入れてくれるなら、それは親として嬉しいことだから、できる限りのことをしてあげるつもりよ」
「ありがとうございます。これから忙しくなりますよ」
「セザールが断られるって微塵も思っていないのね」
「セザールはいい男ですよ。なにせ、俺達が敬愛する閣下のたった一人の息子ですし、辺境領中の愛を一身に受けて、それに応えるだけの技量を持った男ですから」
「ええ、そうね。あの子はとてもいい子よ。ここでずっと私を見守りながら、コンラッドとの関係も少しずつ縮めてくれたもの。セザールがここを去ったらきっと寂しくなるわ」
「わかりました!それじゃあ、今度は俺がここの調子取りをしますよ!」
ヴィクトルと声をあげて笑い、夜は部屋で一緒に食事をとった。給仕してくれるメイドだけじゃなく侍従ともすっかり打ち解けていた。
食事の後は薬を飲み、早めに横になった。その時間になってもセザールとハンナが戻らないことに少しだけ心配になったけれど、薬のせいかすぐに瞼が重くなってしまい、深い眠りに落ちた。
翌朝、目を覚ますとどこか頬を膨らませたハンナがカーテンを開けたり、洗面の水を用意したり慌ただしく動き回っていた。
その様子を微笑ましく眺めながら、身支度を整えた後にそっと切り出した。
「昨日は楽しかった?」
「奥様っ。今忘れようとしているところなのでおやめくださいませっ」
珍しく口調が荒くなっているのを見て、笑ってしまった。何やら怒っているようで、私の髪を梳いて結い上げている間も口先が尖っていて、ハンナの無邪気で素朴な反応が見られて嬉しかった。
朝食を食べてゆっくりしていると部屋の扉がノックされた。返事をするとセザールがのしのしとやってきて、私と目が合うとにこりと微笑んだ。けれど、今日はその足は一直線にハンナのもとに向かい、気配を察知したハンナが動くよりも先に抱きしめてしまった。
あらあら元気ならそっとこの部屋を抜けだすのにと思いながら、じたばたと動くハンナをものともせずに腕に閉じ込め続けているセザールに声をかけた。
「セザール、会えて嬉しいのはわかるけど、ほどほどにね」
「すみません、母上。明日、ここを発つことが決まったので、つい」
抱きしめる腕を解いたものの、ハンナの手を握り離さずにいた。
「でも、既成事実を作りましたので、大丈夫です!」
「え?」
「作ってません!!」
私が目を丸くしたことに気づいたのか、ハンナがセザールの手を振りほどき私のそばまで駆け寄って来た。
「奥様、私そんなにはしたない女じゃありません!昨日だって、馬に乗ってだだっ広い丘に連れていかれたかと思うと、剣を渡されて打ち合いしたんですよ?辺境領の騎士の方々の訓練場でもあったみたいで、いらっしゃった皆様と食事をご一緒しただけで」
「はい、楽しく朝まで一緒に過ごしました、母上」
「誤解を生む言い方はおやめください!酒屋で騎士団の方々とお酒を一緒に飲んだだけじゃないですか!」
「ああ、俺達と最後まで飲める女性なんて初めてだった。元々その身のこなしや馬の扱いにも惹かれていたが、昨日で益々惚れ込んだ。本当に楽しい一日だった。もう騎士団の皆にもハンナを口説くのは俺だという事実を示したし、立派な既成事実だろう?俺は辺境領に帰らなければならないが、ハンナも一緒に来ないか」
「参りません!」
「そうか。残念だ。なら、また会いに来る。俺が恋しくなったら手紙をくれ。馬を夜通し走らせてくるから」
「セザール様を乗せてそんな無茶をさせられる馬の身にもなってくださいませ。結構です」
「優しいな、ハンナは」
セザールは無遠慮にハンナを抱き寄せ、一方でハンナはその頬を必死に押しやっていて、その様子にお腹を抱えて笑いそうになり慌てて傷口を押さえた。
「奥様?!」
「母上、大丈夫ですか?」
「ええ…自分でも驚くくらい、今痛みがなかったの。こうして…少しずつ癒えていくのね…」
私の体に添えられた二つの手の温もりに、新しい日々は着実に始まっているのだと感じていた。
これまでは体の筋肉が固くならないようにと丁寧なマッサージを受けたり、ベッドから立ったり座ったり、部屋の中を歩いては休んだりというごく初歩的なものだけだった。
自分の行動が広がることを喜びながら、こういう日々がエインズワースでの最初の頃にあったわね…と遠い記憶を思い出していた。
午後のお茶とお菓子を少しもらい、ソファでまどろんでいるときだった。
部屋の扉がノックされ、返事をすると侍女が入って来た。
「辺境領より、補佐官のヴィクトル卿がお越しです。お通ししますか?」
「あら、もう着いたの?ええ、お通しして」
侍女が去ると遠くから話し声が聞こえてくる。会う人会う人に声をかけているのが手に取るようにわかる。セザールは確かにヴィクトルを慕い、その影響を多く受けていると思った。
再びノックされて、返事をすると相変わらず人懐っこい笑顔でヴィクトルは入って来た。
「フローラ様、お加減はいかがですか。閣下はずっと心配されてました。あ、でも閣下自身は健康には問題ありませんから、そこのところは大丈夫です」
ヴィクトルは手に花束を抱えていた。それを私にそっと差し出し、ベッドの横に侍女が用意した椅子に腰かけた。
にこにこと嬉しそうに上着の内ポケットから束になった手紙を取り出し、私に手渡してくれた。
「閣下からのものと、城の子どもたちからです。本当はみんな書きたかったんですけど、それだと膨大な量になるので、まずは字を学び始めた子ども達を優先しました。みんなフローラ様に手紙を書きたくて、一生懸命学んでいますよ」
「まぁ、ありがとう。みんな元気にしているかしら」
花束を侍女に渡し、手紙を受け取った。たどたどしい筆跡やインクの染みのできた封筒を見るだけで胸が熱くなる。
「はい、変わりないですよ。フローラ様にまた会いたいとみんな言ってます。ああ、でも無理はしないでください。こういう傷の処置や訓練を急ぎ過ぎると復帰が遅れるのは隊の常識ですから。それにこんなに至れり尽くせりの場所で手当てが受けられる場所は辺境領にはありませんから」
「そうね…ここの主はいないのに、こんなに好き勝手していいのかと思ってしまうほどね」
「でも、フローラ様は公爵夫人なのですから、いいんじゃないですか?」
「ええ、そうなのだけれど…ここはとても懐かしいし、みんなとも気心は知れているのに、もう私の居場所ではない気がして…私が早く動き出さなければならないのに」
「いいえ、違いますよ、フローラ様」
ヴィクトルのはっきりとした口調にふと顔を上げると、一瞬真剣な表情を浮かべていたのにすぐにこりと微笑まれた。
「みんな時間が必要なんです。いろんなことがありましたから、それぞれ受け入れるだけの時間をフローラ様が与えてくださってるんですよ。ですから焦らないでください。フローラ様の心と体が整ったときが動き出すときなんです」
「…ありがとう…私がここにいることにも誰も何も言わずにいてくれて」
「そんな、当たり前じゃないですか。フローラ様のために最善の場所と方法があるなら俺達が拒否することなんてありませんよ。閣下だってそれは同じです。執務さえなければきっと王都に留まって毎日お見舞いに来ていたと思いますよ」
「そうね…私は本当に恵まれていると思うわ」
二人で微笑み合い、しばらくエインズワースの様子などを話した後、ヴィクトルはきょろきょろと室内を見回した。
「どうしたの?」
「フローラ様、今日はハンナさんはいらっしゃらないんですか?俺、会えるの楽しみにしてたんですけど」
その言葉にふふっと笑ってしまった。
「ごめんなさいね。セザールが連れ出してしまったの」
「えっ?!あいつ…全然帰ってこないと思ったら…」
「まさか本当にヴィクトルまでハンナのことを好きだったなんて思わなかったわ。セザールが焦るのもわかるわね」
「あいつが?焦る?あははっ。そうですか。確かにあいつとは同じ人に惹かれることが何度かありましたけど、セザールが全部身を引いてたんですよ。俺にも譲らないってことなら、ハンナさんのことは本気みたいですね」
「そうなの?あなたにはかなわないっていつも言ってたけれど」
「まぁ、なんだかんだ兄貴分なんで俺に気を遣ってるところがありますね。そうですか…俺もやっと兄貴らしいことができますよ。でも、フローラ様はいいんですか?あいつが本気出したら、本当にハンナさんのことかっさらっちゃうと思いますけど」
「ふふっ。ハンナもしっかりした子だもの。嫌ならちゃんと拒否できるわ。もし受け入れてくれるなら、それは親として嬉しいことだから、できる限りのことをしてあげるつもりよ」
「ありがとうございます。これから忙しくなりますよ」
「セザールが断られるって微塵も思っていないのね」
「セザールはいい男ですよ。なにせ、俺達が敬愛する閣下のたった一人の息子ですし、辺境領中の愛を一身に受けて、それに応えるだけの技量を持った男ですから」
「ええ、そうね。あの子はとてもいい子よ。ここでずっと私を見守りながら、コンラッドとの関係も少しずつ縮めてくれたもの。セザールがここを去ったらきっと寂しくなるわ」
「わかりました!それじゃあ、今度は俺がここの調子取りをしますよ!」
ヴィクトルと声をあげて笑い、夜は部屋で一緒に食事をとった。給仕してくれるメイドだけじゃなく侍従ともすっかり打ち解けていた。
食事の後は薬を飲み、早めに横になった。その時間になってもセザールとハンナが戻らないことに少しだけ心配になったけれど、薬のせいかすぐに瞼が重くなってしまい、深い眠りに落ちた。
翌朝、目を覚ますとどこか頬を膨らませたハンナがカーテンを開けたり、洗面の水を用意したり慌ただしく動き回っていた。
その様子を微笑ましく眺めながら、身支度を整えた後にそっと切り出した。
「昨日は楽しかった?」
「奥様っ。今忘れようとしているところなのでおやめくださいませっ」
珍しく口調が荒くなっているのを見て、笑ってしまった。何やら怒っているようで、私の髪を梳いて結い上げている間も口先が尖っていて、ハンナの無邪気で素朴な反応が見られて嬉しかった。
朝食を食べてゆっくりしていると部屋の扉がノックされた。返事をするとセザールがのしのしとやってきて、私と目が合うとにこりと微笑んだ。けれど、今日はその足は一直線にハンナのもとに向かい、気配を察知したハンナが動くよりも先に抱きしめてしまった。
あらあら元気ならそっとこの部屋を抜けだすのにと思いながら、じたばたと動くハンナをものともせずに腕に閉じ込め続けているセザールに声をかけた。
「セザール、会えて嬉しいのはわかるけど、ほどほどにね」
「すみません、母上。明日、ここを発つことが決まったので、つい」
抱きしめる腕を解いたものの、ハンナの手を握り離さずにいた。
「でも、既成事実を作りましたので、大丈夫です!」
「え?」
「作ってません!!」
私が目を丸くしたことに気づいたのか、ハンナがセザールの手を振りほどき私のそばまで駆け寄って来た。
「奥様、私そんなにはしたない女じゃありません!昨日だって、馬に乗ってだだっ広い丘に連れていかれたかと思うと、剣を渡されて打ち合いしたんですよ?辺境領の騎士の方々の訓練場でもあったみたいで、いらっしゃった皆様と食事をご一緒しただけで」
「はい、楽しく朝まで一緒に過ごしました、母上」
「誤解を生む言い方はおやめください!酒屋で騎士団の方々とお酒を一緒に飲んだだけじゃないですか!」
「ああ、俺達と最後まで飲める女性なんて初めてだった。元々その身のこなしや馬の扱いにも惹かれていたが、昨日で益々惚れ込んだ。本当に楽しい一日だった。もう騎士団の皆にもハンナを口説くのは俺だという事実を示したし、立派な既成事実だろう?俺は辺境領に帰らなければならないが、ハンナも一緒に来ないか」
「参りません!」
「そうか。残念だ。なら、また会いに来る。俺が恋しくなったら手紙をくれ。馬を夜通し走らせてくるから」
「セザール様を乗せてそんな無茶をさせられる馬の身にもなってくださいませ。結構です」
「優しいな、ハンナは」
セザールは無遠慮にハンナを抱き寄せ、一方でハンナはその頬を必死に押しやっていて、その様子にお腹を抱えて笑いそうになり慌てて傷口を押さえた。
「奥様?!」
「母上、大丈夫ですか?」
「ええ…自分でも驚くくらい、今痛みがなかったの。こうして…少しずつ癒えていくのね…」
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