熊ちゃん配達員を食べたい腹ペコな私 清純なのは見た目だけ!とにかくおとなしく食べられなさい!

あさひれい

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誰にでも、立ち止まる時間が必要

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熊野さんから返信をもらってから、ずっとベッドで悶えてはゴロゴロと転がり続け、今ようやく止まることができました。

車出してくれるって!
全然想定もしてなかったドライブデートなの?!
きゃーどうしよう、密室じゃない!
もう熊野さんまでの距離が今までの比じゃないうえに、2人っきりでしょう?
ひゃあ~私、堪えられるかな、運転中の熊野さんの太ももとか撫で回さないように手を握りしめておかないと~。
もぉ~想像するだけで鼻血出そうなんですけど、熊野さんてば罪な男なんだからぁ。

あー、にやける。にやけてしまう。


かなり嬉しい提案なんだけど、だからといってどこに行こうかな。
もう夏はもう終わっちゃったから、もう海ってわけにもいかないし。紅葉はまだ微妙だし。
そもそも熊野さんと出かけられるならどこでもいいんだけど、きっと丸投げすると困っちゃうだろうから、ある程度決めておかないとだよねー。
でも、せっかくなら1日かけてようやく戻ってこられるような、熊野さん拘束デートがしたいなぁ。
なんならどこかで泊まっても全然構いませんけどね!
こりゃあ、気合入れて計画立てないと~。

『車で出かけられるなんて嬉しいです。まだどこに行くかは決まってないんですけど、もし熊野さんも行きたい場所があったら教えてくださいね。一緒に行きましょう』

と、とりあえず返信して、スマホでどこにしようか色んなタグを見て回ったけどいまいちピンと来なくて、今日は決められなかった。
でも、まだ日にちはあるし、私には心強い軍師団いるから、また明日相談してみよ~と思って、ウキウキで眠りについた。


翌日、出勤してしばらくは届いた商品を確認したり、ストックルームに整理してかけたり、並べたり、お客様対応とかしてたら、あっという間に閉店時間。
なんか、やたらと忙しい日があるんだよね。そして、こういう日に限って、みんなそれぞれ用事があったりして、お店はあっという間に無人に。私も戸締まりをして、今日はすぐにお店を出た。
せっかくだからと、本屋によって、ドライブデートとか、近場のデートスポットが載った雑誌を何冊か買って、近くのカフェでナシゴレンとレモネードを注文して、それを待ちつつ、早速買ってきた雑誌を開いた。
ぱらぱらとページをめくりながら、ふと手が止まる。

こんなこと、調べるの、もう何年もなかった気がする…


元カレ達も、彼氏もどきも、ちゃんと好きだったと、その当時は思ってた。
でも、結局、どこに行きたいとか何を食べたいとか、段々と考えたり、話したりすることさえなくなってきて、相手がそこにいるのが当たり前になって、感謝も好きって気持ちもどんどん薄れてきてしまって…
私自身、彼氏という存在がいることに甘えていて、相手を大事にするとか、将来を考えることを疎かにしていたと、今ではわかる。
誰かがそばにいることが当たり前の生活をやめてから、ようやく気づけたこと。

そうなってから、初めてちゃんと好きだと思えた人が熊野さんでよかったなってつくづく思う。

お酒を飲むよう強く勧めてくることもなければ、体の関係を急かすこともない。
自分の気持ちを一歩引いて、ずっと私を優先してくれているのがほんとに伝わる。
自分を大事にしてくれる人だから、私も大事にしたいと思えるんだよね。
私を適当に扱おうというのが透けて見えると、自分の価値もそんなものなのかなって思ってしまって、自分の心も大事にできていなかった気がする…

美味しそうな古民家カフェの記事を見つけて、わーここに行きたいなって思いつつ、夕食を食べ終わり、家に戻ってエントランスで郵便を確認したら、宅配ボックスに荷物が届いていた。
注文して翌日届くなんて、ほんとに日本のネットショッピングは優秀!
そして、きっとこれも熊野さんが届けてくれたんだよね。
今日は会えなくて残念だったけど、この、今日届いたマシンでしっかりお手入れしますんで!
いつ脱いでも恥ずかしくない体になりますんで、もう少しお待ちください!
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