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くまさんに仕掛けた罠の効果はいかに…
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私ってはやればできる子って思ってたのに、あまりの仕事量と連勤続きのハードワークすぎて、熊野さんに会えないまま、あっという間に2か月が経ってます。
会えないっていうか、私の場合、完全に私が勝手に会ってると思ってるだけなんだけど…
「熊野さんに会いたい…」
休憩室のテーブルに突っ伏して嘆いている私を冷めた目で相川店長(男性)に見られた。
「おまえさー、重い」
「はい、完全な片思いなんです」
「いや、おもいが違う」
「そうなんです。私の想いは全然伝わってなくて」
「いや、まぁ、そうなんだろうけど。もう、メシでも誘えよ、めんどくせぇな」
「えっ、もうそんなことしていいタイミングなんですか?」
「どんなタイミングかはよくわからんが、男としても誘われたら嬉しいだろ、そんなもん」
「え、でも私真剣に彼氏になってほしいんですよ。ワンナイト的なものじゃなくて。体目的じゃないんで」
「聞いてねぇよ」
「はいはーい、店長とサブがこんなところで漫才やってないで、これとこれとこれの確認お願いしまーす。あと、店長もう少しで中野様お越しになると思います」
「さんきゅー」
店長は書類を受け取って確認しながら、店頭へ戻っていった。中野様っていうのは、相川店長指名で来店されるお得意様。相川店長はイケメンだし、センスもいいし、コーディネートしてほしいってお客様結構多いんだよね~。
「でも、橘先輩、本当にもうご飯誘っちゃっていいと思いますよ」
「えっ、ほんとう?」
がばっ体を起こすと、私の隣に来ていた後輩のマキちゃんが首を縦に振っている。
「先輩の外見で、いいなって思わない男いないでしょ。そんな人に誘われたら、あ、じゃあ1回くらい…ってなりますよ、きっと」
「え、だから、ワンナイトじゃなくて」
「1回やりましょうってことじゃなくて、1回ご飯を食べましょうって意味です」
「え、ほんとにー?うれしいなー」
「いや、受けるか断るかはその熊野さんが決めることですけど」
「だって、今、断る人いないって言ったじゃん!」
「先輩の落ち込みようが面倒で…もういっそ断られるなら断られて玉砕したほうが傷も浅くていいかなって」
「浅くない、浅くないよ、マキちゃん。今まさに胸をえぐられるような傷がどんどんできてる」
「とにかく、女は度胸!ちゃっちゃと誘っちゃってください」
マキちゃんはそれだけ言うと、また店頭に戻っていった。
私はうーんうーんと考えたけど、もともと考えるより、行動するのが得意な私。
それにもう、この想いを隠したまま続けるの辛いなって思い始めてたから、決めました!
ごはんに誘って、連絡先を手に入れます!
おしぼりとドリンクの罠の効果が多少はありますように!!
そう考えながら、スマホのカレンダーを開いて、次の非番にまた荷物が届くようにスイーツをぽちっと注文した。
会えないっていうか、私の場合、完全に私が勝手に会ってると思ってるだけなんだけど…
「熊野さんに会いたい…」
休憩室のテーブルに突っ伏して嘆いている私を冷めた目で相川店長(男性)に見られた。
「おまえさー、重い」
「はい、完全な片思いなんです」
「いや、おもいが違う」
「そうなんです。私の想いは全然伝わってなくて」
「いや、まぁ、そうなんだろうけど。もう、メシでも誘えよ、めんどくせぇな」
「えっ、もうそんなことしていいタイミングなんですか?」
「どんなタイミングかはよくわからんが、男としても誘われたら嬉しいだろ、そんなもん」
「え、でも私真剣に彼氏になってほしいんですよ。ワンナイト的なものじゃなくて。体目的じゃないんで」
「聞いてねぇよ」
「はいはーい、店長とサブがこんなところで漫才やってないで、これとこれとこれの確認お願いしまーす。あと、店長もう少しで中野様お越しになると思います」
「さんきゅー」
店長は書類を受け取って確認しながら、店頭へ戻っていった。中野様っていうのは、相川店長指名で来店されるお得意様。相川店長はイケメンだし、センスもいいし、コーディネートしてほしいってお客様結構多いんだよね~。
「でも、橘先輩、本当にもうご飯誘っちゃっていいと思いますよ」
「えっ、ほんとう?」
がばっ体を起こすと、私の隣に来ていた後輩のマキちゃんが首を縦に振っている。
「先輩の外見で、いいなって思わない男いないでしょ。そんな人に誘われたら、あ、じゃあ1回くらい…ってなりますよ、きっと」
「え、だから、ワンナイトじゃなくて」
「1回やりましょうってことじゃなくて、1回ご飯を食べましょうって意味です」
「え、ほんとにー?うれしいなー」
「いや、受けるか断るかはその熊野さんが決めることですけど」
「だって、今、断る人いないって言ったじゃん!」
「先輩の落ち込みようが面倒で…もういっそ断られるなら断られて玉砕したほうが傷も浅くていいかなって」
「浅くない、浅くないよ、マキちゃん。今まさに胸をえぐられるような傷がどんどんできてる」
「とにかく、女は度胸!ちゃっちゃと誘っちゃってください」
マキちゃんはそれだけ言うと、また店頭に戻っていった。
私はうーんうーんと考えたけど、もともと考えるより、行動するのが得意な私。
それにもう、この想いを隠したまま続けるの辛いなって思い始めてたから、決めました!
ごはんに誘って、連絡先を手に入れます!
おしぼりとドリンクの罠の効果が多少はありますように!!
そう考えながら、スマホのカレンダーを開いて、次の非番にまた荷物が届くようにスイーツをぽちっと注文した。
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