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おまけ

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「ブラッドは俺のこと嫌とかウザいって思うことないの?」

「アルはあるの?」

「うん。」

「即答かよ…酷え…」

ブラッドは苦笑を溢すと、ギュッとお腹に回していた手に力を込めてくる。少し傷がついた腕に自分の手を重ねると掌を上に向けて繋いでくれる。

「で?ブラッドは?」

「んー、アルが嫌になった出来事が思いつかないな。いつも周りがウザいと思ってたし。」

「周り?」

「うん。アルを狙う奴らは大嫌い。でも、アルを見守る親衛隊の人は案外好きかも。」

「親衛隊?」

初めて聞く言葉に眉を寄せると、ブラッドは察したように教えてくれる。

「簡単に言うとアルを守って見守る人達。」

「ブラッドや騎士の人とかのこと?」

「まあ、そうでもあるね。でも、親衛隊は一般学生の人がメインかな。」

「え、友達がやってんの?!」

「そうでもあるし、アルが話したことのない人もいると思うよ。」

つまり、噂に聞いたことのある本当の親衛隊というやつか…。よくアイドルとか有名な人達に付いていると聞いたことがある。

それにしても、

「ブラッド、この格好やだ。」

「え?」

「顔みたい。」

「あっ、そういうこと。抱き付いているのが嫌なのかと思って焦った…」

「それは好き。」

「なら、良かった。」

ブラッドが手を離したので、アルフはクルリと身体を反転させ彼と向かい合う形になった。バックハグも好きだけど、今は真っ正面から抱き付きたい気分だった。

「ねぇ、アルは…俺の何が嫌?」

少し悲しそうな声色で子犬が寂しそうに見つめてくるような瞳で見つめられる。

「無理し過ぎるところ。あと、それを隠そうとするところ。」

ブラッドはほんの一瞬固まる。

「今だってそうだろ?色々と忙しくて眠い癖に、普通を装ってる。」

「いや、いつもよりも熟睡出来てるけど?」

「まだ足りないだろ?疲れてんのに、その…また、ヤったし……」

視線を逸らして言うと、予想通りに彼に強く抱き締められた。

「もー、可愛いし優しいし…よく見てくれてるし…最高じゃん。」

「うるさいっ…いいからもう寝ろ!」

「せっかく、アルがいるのに?」

「寝ろ。俺も寝る。」

「……分かったよ。」

ブラッドは少し不服そうに口を尖らせたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。

「俺って良い婚約者を持てて幸せ。」

「よく普通に言えるよな…でも、俺もだから。」

「うん。」

ブラッドは頷くとゆっくりと目を閉じた。アルフは彼が眠るのを待ってから、自分の瞼を閉じた。
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