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おまけ

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「ねえ、どうしたらいいと思う?」

放課後、目の前に座る幼馴染に助けを求める。先程、ブラッドがトイレに行ったので今は2人しか教室にはいない。

「いや、俺に聞くなよ。」

「だって、こんなこと言えるのイニスだけだもん…」

机に項垂れながらも、目の前に座る彼に縋るように見る。

「会いに行ったら良いじゃん。」

「深夜だよ?迷惑かけるから嫌だ。」

「なら、諦めろ。」

「それも…嫌だ。あまりにも会ってないと、他の人にブラッドが取られちゃいそう。」

「いやいや、それはない。100%ない。」

無責任なことを言うので、強めの口調で言い返してしまう。

「何でそんなこと言えるのさ!ブラッドがモテるのを知ってるだろ?!」

「俺からしたら、男女共に恋愛感情を抱かれるアルフの方が心配されてると思うよ。」

「俺もそう思うぜ。」

突然、新たな声が加わってきたので、驚いて椅子から転げ落ちそうになった。

「何でいるんだよ?!」

「ん?いいだろう?」

「良くないと思いますよ、ベレンソン殿。」

「カランと呼べって言ってるだろ?イニス。」

「俺はバーリィと呼んで下さいと何度もお願いしているはずですが?」

バチバチと何か2人の間に走っているように見える。俺がストーカー行為の被害を受けてから2人は話す仲にはなったようだが、どうも雰囲気が悪い。カランはイニスのことを気に入っているが、イニスはカランのことを邪険にしているのだ。

「なら、タメ語にしろよ。」

「いえいえ、そんな恐れ多いこと出来ませんよ。」

「なら、命令にする。タメ語と名前で呼べ。」

「俺とベレンソン殿は他人なので聞き入れられないですね。」

「なら、家族になるか?婚約しよう。」

その言葉にむせてしまう。

こいつ、すぐに婚約者を作ろうとするのか…。尻軽な言動に軽蔑の視線を向けてしまう。

「大丈夫か?」

背中を優しくさすられて振り返ると、心配そうに眉を寄せるブラッドがいた。思わず助けを求めるような視線を向けてしまう。

「どうした?」

「もう、やだ!こいつら喧嘩ばっかするんだ!」

ブラッドの服を掴むで2人を交互に指先を向けてしまう。

「それだけ、仲が悪いんだよ。」

「いや、喧嘩するほど仲が良いんだよ。」

イニスとカランはまた余計なことを言って雰囲気を悪くする。

「ふーん、なら放置しとけ。帰るぞ。」

「は?!」

ブラッドは興味がないというように視線を向けると、俺の腕を引っ張って歩いていく。慌てて机の横に変えていた鞄を持つと、ブラッドの後を追いかける。

教室を出るとすぐさま、恋人繋ぎに握り直されて、俺の心臓はドキドキと高鳴る。何度も手を繋いでいるが、未だに緊張してしまう。毎日、稽古をしているからだろうか、ブラッドの手は硬く男らしかった。

「アルは、週末どこか行きたい?」

「ん?特にないけど…ブラッドはどっか行きたいのか?」

「いや、ただ勝手に遊びに行くって決めちゃったから、聞いてみた。俺は2人だけの空間を過ごしたいから、家がいい。」

「俺も2人がいいから家がいい。」

「なら、良かった。」

ブラッドも2人の時間を過ごしたいと思ってくれているので、嬉しくなった。週末にようやく、彼に抱き付くことが出来ると思うと勝手に頬が緩んでしまう。

「何、考えてるの?」

「え?」

「いやらしいこと?」

揶揄うような笑みを浮かべながら顔を覗き込んできたので、片手で顔を押し返した。

「違う!」

「なんだ、残念。」

とてもそう見えない態度に俺は口を尖らせる。また、俺に意地悪をして遊んでる…

「そういうブラッドがエロいこと考えてるんだろ…」

「そりゃ、そうでしょ?」

あっさりと認めたので間抜けな声が出てしまう。

「だって、前回は何週間前にヤッた思ってるの?健全な男なんだから性欲が爆発しそ「黙れ!」…ん。」

人通りがないとはいえ、学校でそんなこと言うものだから口を塞いだ。でも、掌に生暖かい感触を感じて離すと、ブラッドは不敵な笑みを浮かべていた。

「っ…!」

舐められた手をどうしようかと片手を震わせながら見つめていると、隣の男はそ楽しそうに笑っていた。
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