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「恥ずっ…」
アルフは自分しかいない部屋の中で悶えた。そのお陰でシーツや布団はぐしゃぐしゃになったが、ブラッドの出来事を思い返すと再び同じ行動を行うため綺麗にしても意味がなかった。
あの後、気まずい雰囲気が流れてどうしようかと思った瞬間、ブラッドは両親に呼び出しを受けて部屋から出て行った。昨日の出来事について詳しく聞きたいそうだ。そのうち、自分も事情聴取されるのだろう。
2人、口付けを交わしたことを思い出して枕に顔を埋めようとした瞬間、勢いよく扉が開いた。
「へっ?」
驚いて視線を向けるとそこには自分の幼馴染がいた。
「イニス?」
近寄ってきたイニスはそのまま力強く抱き締めてきた。痛くて顔を歪めて離すように口を開こうとしたら、そのまま何も言えなくなってしまった。彼の青い髪から垣間見えるグレーの瞳から涙が溢れたからだ。
なぜ、イニスが泣くのか分からなかったがとりあえず彼が泣き止むように背中をさすってやる。
なんか、今日は抱きつかれること多いな…
暫くするとイニスが顔を上げたのでアルフも動かしていた手を止めて彼の表情を伺った。
「大丈夫か?」
「それは、こっちのセリフだよ…。ごめんね、居場所割り出すのが遅くなって。」
そう聞いて、だからすぐにあの場所が分かったのだと思った。アルフがいた場所は地下にある隠れ部屋だったと後から聞いた。普通なら見逃す仕掛けで扉を隠していたそうだ。
「いや、見つけたこと自体が凄いって聞いたよ。イニス、ありがとう。」
そう微笑むと彼は驚いたようにでも嬉しそうに笑みを浮かべた。
「懐かしい…。」
ポツリと彼が呟いた言葉にアルフは首を傾げると、彼はクスリとまた笑った。その笑顔を見て、アルフも懐かしいと思った。
小さい頃、この笑顔が大好きで自分もよくつられて笑っていた。きっと、さっき浮かべた笑みをイニスも同様に懐かしいと思ったのだろう…
「俺さ、イニスの笑う顔が好きだったんだ。」
「…知ってるよ。アルフよく見てきたもん。」
隣に腰をかけたイニスに言われてまじかと思った。自分は隠れて見ていたつもりだったがどうやらガン見していたらしい。
「それにイニスが大嫌いって言ったのも嘘だよ。ずっと、一人で寂しい時に仲良くしてくれたのイニスだけだったし。」
「うん。」
「だから、イニスが離れていったときはショックだった。…俺さ、昔の記憶で人が怖いんだ。自分が好きになった人たちから、捨てられるのも離れていかれるのも。」
「ごめん。」
手を握り締めたイニスに首を振って否定をする。
「違う、イニスは悪くないよ。ただ、俺が臆病なだけ。俺こそごめんね。また、一人になるのが怖くてイニスに冷たい態度で接して。」
自分よりも大きな手を握りしめると震えていた。
アルフは今回のことで自分が思っている以上に周りが愛してくれていることに気付いた。そして、自分が人ともっと関わりたいと思っていることにも。
心配されて嬉しかったのだ。前世では体験したことのない感情や温もりに囲まれて、傷ついてもいいからもっと側にいたいと感じた。
だから、もう自分を守るために冷たい態度を取るのも、人と距離を置いて離すのもやめようと思った。
「イニス。」
「ん?」
「俺のこと好き?」
「当たり前じゃん。俺はずっと大好きだよ。」
アルフはその言葉を聞いて自然と頬の筋肉が緩んだ。そして、満面の笑みを浮かべた。
「俺も、イニスが好きだよ!」
口にした瞬間、身体には重みを感じてそのまま身体は後ろに倒れた。首元にイニスの髪が当たってくすぐったくてまた笑うと、イニスは顔を上げた。そして、そのまま頬にキスをしてきた。彼も満面の笑みをやどして…
…もう、素直になろう。大嫌いじゃなくて大好きってちゃんと伝えていこう。
アルフは自分しかいない部屋の中で悶えた。そのお陰でシーツや布団はぐしゃぐしゃになったが、ブラッドの出来事を思い返すと再び同じ行動を行うため綺麗にしても意味がなかった。
あの後、気まずい雰囲気が流れてどうしようかと思った瞬間、ブラッドは両親に呼び出しを受けて部屋から出て行った。昨日の出来事について詳しく聞きたいそうだ。そのうち、自分も事情聴取されるのだろう。
2人、口付けを交わしたことを思い出して枕に顔を埋めようとした瞬間、勢いよく扉が開いた。
「へっ?」
驚いて視線を向けるとそこには自分の幼馴染がいた。
「イニス?」
近寄ってきたイニスはそのまま力強く抱き締めてきた。痛くて顔を歪めて離すように口を開こうとしたら、そのまま何も言えなくなってしまった。彼の青い髪から垣間見えるグレーの瞳から涙が溢れたからだ。
なぜ、イニスが泣くのか分からなかったがとりあえず彼が泣き止むように背中をさすってやる。
なんか、今日は抱きつかれること多いな…
暫くするとイニスが顔を上げたのでアルフも動かしていた手を止めて彼の表情を伺った。
「大丈夫か?」
「それは、こっちのセリフだよ…。ごめんね、居場所割り出すのが遅くなって。」
そう聞いて、だからすぐにあの場所が分かったのだと思った。アルフがいた場所は地下にある隠れ部屋だったと後から聞いた。普通なら見逃す仕掛けで扉を隠していたそうだ。
「いや、見つけたこと自体が凄いって聞いたよ。イニス、ありがとう。」
そう微笑むと彼は驚いたようにでも嬉しそうに笑みを浮かべた。
「懐かしい…。」
ポツリと彼が呟いた言葉にアルフは首を傾げると、彼はクスリとまた笑った。その笑顔を見て、アルフも懐かしいと思った。
小さい頃、この笑顔が大好きで自分もよくつられて笑っていた。きっと、さっき浮かべた笑みをイニスも同様に懐かしいと思ったのだろう…
「俺さ、イニスの笑う顔が好きだったんだ。」
「…知ってるよ。アルフよく見てきたもん。」
隣に腰をかけたイニスに言われてまじかと思った。自分は隠れて見ていたつもりだったがどうやらガン見していたらしい。
「それにイニスが大嫌いって言ったのも嘘だよ。ずっと、一人で寂しい時に仲良くしてくれたのイニスだけだったし。」
「うん。」
「だから、イニスが離れていったときはショックだった。…俺さ、昔の記憶で人が怖いんだ。自分が好きになった人たちから、捨てられるのも離れていかれるのも。」
「ごめん。」
手を握り締めたイニスに首を振って否定をする。
「違う、イニスは悪くないよ。ただ、俺が臆病なだけ。俺こそごめんね。また、一人になるのが怖くてイニスに冷たい態度で接して。」
自分よりも大きな手を握りしめると震えていた。
アルフは今回のことで自分が思っている以上に周りが愛してくれていることに気付いた。そして、自分が人ともっと関わりたいと思っていることにも。
心配されて嬉しかったのだ。前世では体験したことのない感情や温もりに囲まれて、傷ついてもいいからもっと側にいたいと感じた。
だから、もう自分を守るために冷たい態度を取るのも、人と距離を置いて離すのもやめようと思った。
「イニス。」
「ん?」
「俺のこと好き?」
「当たり前じゃん。俺はずっと大好きだよ。」
アルフはその言葉を聞いて自然と頬の筋肉が緩んだ。そして、満面の笑みを浮かべた。
「俺も、イニスが好きだよ!」
口にした瞬間、身体には重みを感じてそのまま身体は後ろに倒れた。首元にイニスの髪が当たってくすぐったくてまた笑うと、イニスは顔を上げた。そして、そのまま頬にキスをしてきた。彼も満面の笑みをやどして…
…もう、素直になろう。大嫌いじゃなくて大好きってちゃんと伝えていこう。
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