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奴隷商人と皇太子
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再び扉が開くと、先程会った3人の貴族達が中に入って来た。
「たくっ、リアムまじで良い加減にしろ!」
「そうですよ!また、急に明日作戦を決行するなんて言われてこっちはどれだけ大変だったか!」
茶髪の青年に続くように白髪の青年も悪態をつく。鼠色の髪の青年は相変わらず言葉がない。
チラリと玲於に視線を向けると何事もないように俺の髪を弄っている。まあ、この世界では珍しい黒髪ではあるが。
「リアム!」
再び茶髪に名前を呼ばれると玲於は深く溜息を吐いて視線を向ける。
「うるさいな。良いだろ、材料はほぼ揃ってたんだから。」
「全部じゃありませんでした。」
すかさず白髪の青年が口を挟む。
「空杜が残りの資料持ってたから問題ないんだよ。なあ?」
「えっ?」
突然、話を振られても困る。でも、こちらとは反対に2人の青年は勢い良く話しかけてくる。
「まじで、こいつになんか言ってくれよ!もっと部下を労われって!じゃないと、俺たちまじで潰れちまう…」
「そうですよ!君には優しいのでこの暴君をどうにかして下さい!!」
「ええぇ…」
思わず身体を後ろに仰け反ると、玲於が呆れたように言葉を発する。
「変なことを吹き込むなよ。」
「「本当のことだ(です)!!」」
「…空杜ー。」
だから、こっちに振るな!
ふと、1人だけ離れた鼠色の髪を持つ青年が目に入る。口パクで「た、す、け、て」と試しに頼んでみる。言葉が通じたようで、彼はこちらに近付いて、2人を引き離してくれた。
ようやく圧迫感がマシになった。救世主に「ありがとう!」と伝えると、彼は驚いたように目を見開く。でも、それよりもポカンと口を開いた彼らの方が気になった。
「え、かわいいですね。」
「ヤバイな。」
その言葉に無口な青年さえも頷く。意味が分からなくて首を傾げると、急に玲於が目の前に立ち塞がってきた。
「見んな。」
「良いじゃないですか。空杜さん、もう一度笑顔を見せてくれませんか?」
「ダメだ!俺以外に笑顔を見せるの禁止!」
「嫉妬深い男は嫌われますよ。」
覗き込むように顔を見せてきたのは知的な人物だった。そして、陽気な人と無口な人までもが顔を見せてくる。
いや、そんなガン見されても…
「ほら、もう1回笑ってみな!」
「えっ、あの、すみません…。まず、あなた方は誰でしょうか!」
絶対、今言うべきではないと分かってはいた。だが、この機会を逃したらもう聞けない予感がしたのだ。きっと、気まずくて聞けなくなる。
「言ってなかったけ?」
「はい…」
「リアムから聞いてたりも…」
「…しないです」
正直、リアムと言われてもピンと来ない。確かに、出会い始めはリアムと呼んでいたが、今では玲於って方が慣れ親しみがある。
「これは失礼致しました。私はウィル・ホワイトと申します。今後も宜しくお願い致します。」
「俺はカール・ブラウン!よろしくな!」
「……セス・グレイ。よろしく。」
へぇ…やっぱり、皇族以外の貴族はれぞれの色がファーストネームになるんだ。玲於は言うまでもなく帝国の名前が付いている。
「俺は、空杜って言います。よろしくお願いします。」
「呼び捨ては、俺以外ダメだから。」
すぐ様、玲於がそう言うと彼らは苦笑いを浮かべて「はいはい」と半ば諦めたように答える。
「用がないならもう帰れ。」
「いや、実はあるんですよね。空杜さんに。」
チラリと視線を向けられて、空杜は驚く。
「俺ですか?」
「そう。」
途端に真面目そうな雰囲気が彼から流れ出したので思わず背筋が伸びる。
「あなたのご両親のことです。」
どこか言いにくそうに視線を外したウィルに空杜は察した。ああ、そういうことか。
「あの人達、死刑ですよね。」
淡々と言った俺に、彼は少し目を見開きながらも頷いた。馬車の中で彼らが調べた両親の罪状について聞いた。それは初めて知るものもあり、自分が考えているよりも悪事を働いていたことを知った。
「先に言っときますね。俺、あの人たちが嫌いです。なので、気を遣わなくて大丈夫です。」
そう伝えてもどこか納得しない様子を見せる彼らに、空杜は言葉を付け加えた。
「俺にとっては、親というよりは他人です。あの人達から見ても自分は道具としか見られてないので。それに1週間後に俺が告発するつもりだったので何も予定は変わらないです。」
「…そうでしたか。お二人には空杜さんが仰ったような罰が下されます。」
自分は冷たいのだろう。育ってて貰ったというよりは両親の利益を生むために生かされてきた感じだが実の親だ。唯一、血が繋がっている相手であっても同情や悲観する思いはどうしても芽生えなかった。
「最後に面会されますか?」
面会、か…。確かにこのまま別れるのも不快感が残って嫌だな。
「したいです。どうせなら、言いたいことを全部伝えたいので。」
「承知致しました。面会は2日後でも宜しいでしょうか?」
「はい。」
「それではそのように進めさせて頂きますね。それでは、用があるのでこれで失礼致します。」
そう答えるとカールとウィルは頭を下げて背中を向けた。でも、セスだけはじっとこちらに視線を向けて動こうとしなかった。
「セスさん?」
どうしたのかと思い彼の名前を呼ぶと、彼は片手をこちらに伸ばして頭を撫でてきた。そして、身体を翻して扉の向こうへと消えて行った。
触れられた所に手を伸ばすと、視界に玲於が映り込んでくる。
「皇太子が床に座り込んじゃダメでしょ。」
「良いんだよ。俺は自分のやりたいことをやるから。」
「だから、暴君って言われるだ。」
「それは、もう否定出来ない部分があるんだよな。」
玲於は一旦視線を外すと再び、合わせてくる。
「ねえ、セスさんってどんな人?」
「無口、感情不明、気分屋、1番優しい。でも、剣術に関しては帝国一。…セスがどうしたんだ?まさか、惚れた?」
「違うよ!ただ、俺、なんかあの人と会ったことある気がしただけ。頭撫でられた時、なんか懐かしく感じたし…」
玲於は顎に手を置いて考え出す。
「セスも空杜と同じ地域に住んでいたからかな。そん時にもしかしたら会ったことあるかもな。」
「そうなんだ。」
「ああ、でもセスに過去のことを詮索するのは禁止な。あいつにとってはトラウマだから。」
そう言った玲於の表情は、寂しさとどうしようも出来ないことへの虚しさが垣間見えた。これでも職業柄、人の顔を伺うことは得意なのだ。だから、これは本当にしてはいけないことだと分かる。
「しないよ。」
「ありがとう。」
頭をぐちゃぐちゃに撫でられて悪態を突くと、玲於は嬉しそうに笑う。
「色々合って疲れただろ?今日はもう休め。悪いけど明日からは調査の協力をして貰うことになるから。後で、夕食はここに持ってきて貰うから食べて。」
「分かった、ありがとう。」
了承の言葉を述べると玲於は「またな」と言って、部屋から出て行ってしまった。やはり、皇太子の彼は忙しいらしい。
空杜は席から立つとそのままベッドに身体を倒した。
ふかふかで気持ちが良い。こんなに質の良いベッドで寝るのは初めてだな…。
そう思って目を瞑るといつの間にか眠ってしまったらしい。
「たくっ、リアムまじで良い加減にしろ!」
「そうですよ!また、急に明日作戦を決行するなんて言われてこっちはどれだけ大変だったか!」
茶髪の青年に続くように白髪の青年も悪態をつく。鼠色の髪の青年は相変わらず言葉がない。
チラリと玲於に視線を向けると何事もないように俺の髪を弄っている。まあ、この世界では珍しい黒髪ではあるが。
「リアム!」
再び茶髪に名前を呼ばれると玲於は深く溜息を吐いて視線を向ける。
「うるさいな。良いだろ、材料はほぼ揃ってたんだから。」
「全部じゃありませんでした。」
すかさず白髪の青年が口を挟む。
「空杜が残りの資料持ってたから問題ないんだよ。なあ?」
「えっ?」
突然、話を振られても困る。でも、こちらとは反対に2人の青年は勢い良く話しかけてくる。
「まじで、こいつになんか言ってくれよ!もっと部下を労われって!じゃないと、俺たちまじで潰れちまう…」
「そうですよ!君には優しいのでこの暴君をどうにかして下さい!!」
「ええぇ…」
思わず身体を後ろに仰け反ると、玲於が呆れたように言葉を発する。
「変なことを吹き込むなよ。」
「「本当のことだ(です)!!」」
「…空杜ー。」
だから、こっちに振るな!
ふと、1人だけ離れた鼠色の髪を持つ青年が目に入る。口パクで「た、す、け、て」と試しに頼んでみる。言葉が通じたようで、彼はこちらに近付いて、2人を引き離してくれた。
ようやく圧迫感がマシになった。救世主に「ありがとう!」と伝えると、彼は驚いたように目を見開く。でも、それよりもポカンと口を開いた彼らの方が気になった。
「え、かわいいですね。」
「ヤバイな。」
その言葉に無口な青年さえも頷く。意味が分からなくて首を傾げると、急に玲於が目の前に立ち塞がってきた。
「見んな。」
「良いじゃないですか。空杜さん、もう一度笑顔を見せてくれませんか?」
「ダメだ!俺以外に笑顔を見せるの禁止!」
「嫉妬深い男は嫌われますよ。」
覗き込むように顔を見せてきたのは知的な人物だった。そして、陽気な人と無口な人までもが顔を見せてくる。
いや、そんなガン見されても…
「ほら、もう1回笑ってみな!」
「えっ、あの、すみません…。まず、あなた方は誰でしょうか!」
絶対、今言うべきではないと分かってはいた。だが、この機会を逃したらもう聞けない予感がしたのだ。きっと、気まずくて聞けなくなる。
「言ってなかったけ?」
「はい…」
「リアムから聞いてたりも…」
「…しないです」
正直、リアムと言われてもピンと来ない。確かに、出会い始めはリアムと呼んでいたが、今では玲於って方が慣れ親しみがある。
「これは失礼致しました。私はウィル・ホワイトと申します。今後も宜しくお願い致します。」
「俺はカール・ブラウン!よろしくな!」
「……セス・グレイ。よろしく。」
へぇ…やっぱり、皇族以外の貴族はれぞれの色がファーストネームになるんだ。玲於は言うまでもなく帝国の名前が付いている。
「俺は、空杜って言います。よろしくお願いします。」
「呼び捨ては、俺以外ダメだから。」
すぐ様、玲於がそう言うと彼らは苦笑いを浮かべて「はいはい」と半ば諦めたように答える。
「用がないならもう帰れ。」
「いや、実はあるんですよね。空杜さんに。」
チラリと視線を向けられて、空杜は驚く。
「俺ですか?」
「そう。」
途端に真面目そうな雰囲気が彼から流れ出したので思わず背筋が伸びる。
「あなたのご両親のことです。」
どこか言いにくそうに視線を外したウィルに空杜は察した。ああ、そういうことか。
「あの人達、死刑ですよね。」
淡々と言った俺に、彼は少し目を見開きながらも頷いた。馬車の中で彼らが調べた両親の罪状について聞いた。それは初めて知るものもあり、自分が考えているよりも悪事を働いていたことを知った。
「先に言っときますね。俺、あの人たちが嫌いです。なので、気を遣わなくて大丈夫です。」
そう伝えてもどこか納得しない様子を見せる彼らに、空杜は言葉を付け加えた。
「俺にとっては、親というよりは他人です。あの人達から見ても自分は道具としか見られてないので。それに1週間後に俺が告発するつもりだったので何も予定は変わらないです。」
「…そうでしたか。お二人には空杜さんが仰ったような罰が下されます。」
自分は冷たいのだろう。育ってて貰ったというよりは両親の利益を生むために生かされてきた感じだが実の親だ。唯一、血が繋がっている相手であっても同情や悲観する思いはどうしても芽生えなかった。
「最後に面会されますか?」
面会、か…。確かにこのまま別れるのも不快感が残って嫌だな。
「したいです。どうせなら、言いたいことを全部伝えたいので。」
「承知致しました。面会は2日後でも宜しいでしょうか?」
「はい。」
「それではそのように進めさせて頂きますね。それでは、用があるのでこれで失礼致します。」
そう答えるとカールとウィルは頭を下げて背中を向けた。でも、セスだけはじっとこちらに視線を向けて動こうとしなかった。
「セスさん?」
どうしたのかと思い彼の名前を呼ぶと、彼は片手をこちらに伸ばして頭を撫でてきた。そして、身体を翻して扉の向こうへと消えて行った。
触れられた所に手を伸ばすと、視界に玲於が映り込んでくる。
「皇太子が床に座り込んじゃダメでしょ。」
「良いんだよ。俺は自分のやりたいことをやるから。」
「だから、暴君って言われるだ。」
「それは、もう否定出来ない部分があるんだよな。」
玲於は一旦視線を外すと再び、合わせてくる。
「ねえ、セスさんってどんな人?」
「無口、感情不明、気分屋、1番優しい。でも、剣術に関しては帝国一。…セスがどうしたんだ?まさか、惚れた?」
「違うよ!ただ、俺、なんかあの人と会ったことある気がしただけ。頭撫でられた時、なんか懐かしく感じたし…」
玲於は顎に手を置いて考え出す。
「セスも空杜と同じ地域に住んでいたからかな。そん時にもしかしたら会ったことあるかもな。」
「そうなんだ。」
「ああ、でもセスに過去のことを詮索するのは禁止な。あいつにとってはトラウマだから。」
そう言った玲於の表情は、寂しさとどうしようも出来ないことへの虚しさが垣間見えた。これでも職業柄、人の顔を伺うことは得意なのだ。だから、これは本当にしてはいけないことだと分かる。
「しないよ。」
「ありがとう。」
頭をぐちゃぐちゃに撫でられて悪態を突くと、玲於は嬉しそうに笑う。
「色々合って疲れただろ?今日はもう休め。悪いけど明日からは調査の協力をして貰うことになるから。後で、夕食はここに持ってきて貰うから食べて。」
「分かった、ありがとう。」
了承の言葉を述べると玲於は「またな」と言って、部屋から出て行ってしまった。やはり、皇太子の彼は忙しいらしい。
空杜は席から立つとそのままベッドに身体を倒した。
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