現役DKアイドルと契約恋人〜超人気イケメンアイドルの正体は執着ストーカー?!

べーこ

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BADエンドルート

奪われる記憶※

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「あっあああ♡♡♡」

 朝までローターとバイブ責めされた私は身体をロクに動かすこともできなかった。

「そろそろいいかな? ローターもバイブもとってあげますね」

 そう言ってシオンはローターを外し、バイブを抜く。
 ローターの刺激を受け続けたせいか陰核はぷっくりと赤く腫れあがり、膣口はシオンの肉棒を模したバイブがずっと挿入されていたせいでぽっかりと開いたままだ。

「声も出ないですか? そうですよね。ずっとオモチャで嬲られてたんですから。乳首は勃起して、クリトリスはビンビンにして、おまんこからトロトロ愛液を流しちゃって桃さんったら快楽に弱いんですね」

 シオンは私の醜態を見てくすくすと笑う。
 あまりにも酷い扱いに私は泣き出してしまう。

「ううっ、私が何をしたのよぉ。どうして急に酷い事するのっ」

 年を考えずに号泣してしまう。涙が止まらない。止めようと思っても勝手に溢れ出てくるのだ。自身の涙腺の弱さが嫌になる。
 だけど何もしてないのに勝手にキレるシオンが悪いのだ。だって思い出しましたかと訊かれたから正直に答えただけなのに。

「酷い? 酷いのは桃さんじゃないですか? 俺は桃さんに人生支配されているのに。ずっと心に桃さんがいるのに、桃さんは俺のことなんか欠片も覚えていなかった。あんまりじゃないですか」

 シオンは笑っているが口調は刺々しい。吐き捨てるような喋り方にビクっとなってしまう。
 私が知っているシオンはスーパーアイドルでいつでもキラキラしていて、常に紳士的な出来すぎた男の子だった。
 そんな男の子が今は笑って悪魔のような所業を私にしている。
 アイドルの顔は偽りの姿で支配欲と嗜虐心に満ちたこの姿こそが本当のシオンなのだろうか。

「何よ。それ……。シオンが私の事が好きになったのはシオンの勝手じゃん。それに両想いじゃないからって拉致監禁していい理由にならないじゃん。シオンが抱いているだけの感情を私にも求めないでよ! それに何度もいうけど私はシオンと会った事なんかない! 人違いだよ!」
「……ふふっははははは! わかった。桃さんにとって俺はどうでもいい存在だって事がよくわかりました。アイドルという仕事を選んだのももしかしたら桃さんに見つけてもらえるかもしれないって一縷の希望があったから。でもそんなのは意味が無かった」

 シオンは声をあげて狂ったように笑う。その姿は狂人そのものだった。
 
「それで俺とってもいい事を思いついたんですよ。桃さんの思い出や記憶を奪って、その空いた所に俺との思い出を詰めればいいんだって」
「な、何を言ってるの?」
「こないだ桃さんの足の自由を奪って琥珀糖に変えたように桃さんの記憶を奪うんです。桃さんの記憶はとっても綺麗で美味しいんだろうなあ」

 シオンはうっとりとした目で語る。

 足の自由が奪われて、琥珀糖にされた時の事を思い出す。記憶を奪う、それは熊野桃として生きてきたものを壊すということだ。
 シオンの言う通りなら嬉しかったこと、辛かったこと、そして大切な思い出が全て奪われ、喰われるということだ。

「コウ君の想いや思い出とか邪魔くさかったしちょうどいいや」
「やめて! お願い! 記憶を奪わないで! シオンの恋人になる! シオンが望むことならなんでもするから! ずっとここにいるからそれは許して!」

 必死で懇願する。だってコウくんに私は救われてきた。辛い時も悲しい時もコウくんを見るだけで元気になれた。コウくんが嬉しいと私も嬉しかった。コウくんが悲しいと私も悲しかった。辛い時はコウくんが出演する番組やイベントに思いを馳せて乗り切ってきた。

 私の中でコウくんを占める割合はあまりにも多かった。
 しかし、私の反応を見たシオンは冷ややかな表情でこちらを見つめている。私の反応はよりシオンの怒りを増幅させたようだった。
 シオンの放つ圧は周りの空気がピリピリしているように感じる。

「ほんっとうに腹が立つな。コウくんの事になるとあなたはどこまでも必死になる。本当にいまいましい」
「お願い!! 許して!!」
「だーめ」

 シオンは容赦なく手を翳す。すると、胸に鮮やかな赤い結晶が浮かび上がる。そしてそれは吸い寄せられるようにシオンの手に収まる。

 シオンはいつの間にかシンプルな透明なガラス瓶を持っていて、その中に赤い結晶を入れた。
 ガーネットのような赤いそれはキラキラと輝いてる。

「ねえ、桃さん。コウ君についてどう思いますか?」

 コウくん? 確かシオンと同じグループのリーダーだったはず。だけどどうしてシオンは突然コウくんについて聞いてくるのだろうか?

「シオンが所属してるCieloのリーダーだよね?」
「そうですね」

 シオンは楽しそうに微笑む。なぜコウくんの事を訊いてくるのだろうか。そして彼のことを訊かれた時、胸の中の喪失感を感じた。
 
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