現役DKアイドルと契約恋人〜超人気イケメンアイドルの正体は執着ストーカー?!

べーこ

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シオンの不思議な力※

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 シオンに連れてこられた部屋は他の部屋とは一線を画していた。
 電気が付いていないせいで部屋の光源は月明かりのみだ。青白い月光に照らされた部屋は異様だった。
 シンプルだけどセンスのいいデザインのベッドにカラーボックスとデスクテーブルが置かれている。そして壁には白い写真を貼るための大きなマグネットボードがかけられている。その前面には私を撮影した写真がびっちりと貼ってあった。

「桃さん、壁の写真が気になりますか?」
「なっ何っあれ⁉︎ 全部私じゃん! しかもこれ隠し撮りしたやつじゃないの⁉︎」

 私が被写体の写真は全てカメラとは目線が合っていない。しかもシオンと行動した覚えのない場所で撮影されたであろう写真だ。

「だって俺たち中々会えないじゃないですか? 最初は偽りとは言え恋人関係になれただけで嬉しかった。でも、人って1つ手に入ると次が欲しくなるんです。興信所に適当に依頼して写真を撮影してもらいました」

 悪びれもなく語るシオンは得体の知れない化け物にしか見えない。

「頭おかしい……」
「おかしくしたのは桃さんですよ。さあお仕置きの時間です」

 そう言ってシオンは私をベッドに下ろすとふわふわのファーでできたピンク色の足枷を取り出す。
 そして私が抵抗するのを簡単に抑えつけて手早くベッドへと足枷を固定する。さらに同じ種類の手錠を取り出して、私の両手にかける。
 ガチャンと金属音が鳴り、シオンは持っていた銀色の鍵で手錠をロックしてしまった。

「いい眺めですね。怖がっている顔もとっても素敵ですよ」

 シオンはそう言って私に覆い被さる。
 それから私の唇に自分の唇を重ねる。シオンの唇はアイドルだけあって潤いのあるプルプルした触感の極上のものだ。
 最初は唇が触れ合うだけだったが、シオンの熱い舌は唇を舐めまわし、中をこじ開けようと動き回る。
 静かな空間にぺちゃぺちゃとした水音が響き渡る。あまりにも淫靡な空間、そしてシオンのキスは上手い。
 強弱をつけて焦らしてきたり、的確に性感帯を探り当てて、舌を使って刺激してくる。

 シオンが上から覆い被さってキスするのもあって食べられるって思ってしまう。美しい捕食者に全てを吸われて、食べられそうな恐怖が身を苛む。背中には冷たいものが一筋流れる。

「はぁっ。桃さんすごい可愛い。もっといじめたくなっちゃう」

 シオンが取り出したのはショッキングピンク色の卵をより細長くしたような楕円形のものだった。
 いくら鈍いと言われる私でも流石にこれは知っている。

「ロ、ローターは嫌! 怖いからやめて!」

 見た事はあるが使った事のないアダルトグッズの登場に私は横のイヤイヤと首を振る。

「お仕置きだから嫌がってもらわないと困りますよ」

 そう言ってシオンは私のネグリジェの裾に手を入れて、秘部にローターを取り付ける。

「お願いやめっ、ああああああ♡♡♡ブルブルやだあああ♡♡」

 私の懇願を無視してシオンはローターのスイッチを押す。ブルブルというモーター音と共に 直接クリトリスが刺激されて私は悲鳴をあげてしまう。
 シオンはそんな私の反応をうっとりとした目で眺めながらリモコンで強弱をいじる。
 際限なく与えられる快楽を受け流そうと身を捩っても手錠と足枷のせいでロクに身動きが取れない。

「桃さんってクリトリス弱いんですね。快楽を貪っている顔とてもゾクゾクする。乳首もいじったらどうなるんだろう?」

 シオンはクリトリスにつけたローターはスイッチを入れたままにして、手をワンピースの中に突っ込む。
 そしてフロントホックであるブラジャーは簡単に外される。楽だからという理由でフロントホックを選んだのを今日ほど後悔した日はない。
 シオンの大きな手が胸の辺りを這いずり、骨張った指が乳首の周辺を撫でる。そして、爪を立ててカリカリと乳首を引っ掻き始める。
 上からも下からも快感を与えられて私ははしたない姿を見せる。

「おっ、あっあああああ♡」
「おもちゃで嬲られながら身体を振るわせているの可愛いですね。でもこんなに気持ちいいとお仕置きにならないですかね」

 シオンの瞳は紫色に妖しく輝く。目の色が変わっただけなのに纏う雰囲気は人のそれではない。
 見ているだけで屈服したくなる強烈な目力だ。

「これでも結構色々できる悪魔なんですよ。暴食の悪魔だけあってなーんでも食べる事ができるんですよ。こうやってね」

 シオンは片手で私の乳首を嬲りながらもう片方の手で私に手を翳す。
 すると私の胸からピンク色の宝石のようなものが出てくる。そしてそれはシオンの前でふわふわと浮かぶ。
 そしてそれが抜き取られている間は体がふわふわするような浮かび上がるような感覚と緩やかな快楽に包まれる。

「こっ、これは?」
「これは桃さんの身体能力を奪いました」
「はっ?え?」
「証拠見せてあげますね。お話もしたいのでローターも外してあげますよ」

 シオンは私の四肢に付けた拘束具を外していく。手も足も解放された。そして、クリトリスにつけられたローターも外される。
 しかし、身体は動かなかった。身体に力が入らない。指の一本ですら石のように動かない。
 動くのは口だけだった。

「指一本すら動かせないでしょう? これが俺の力です。こうやって人間の能力とかを琥珀糖に変えて奪うことができます。これを食べたらその能力を食べた人間のものにできます」
「かっ返して! 私このまま動けなくなるの⁈  お願い。助けて!」

 まな板の上の魚状態になった私はシオンに懇願する。このままだと私は寝たきりになってしまう。身体が動かない恐怖に涙が出てくる。今までできていた事ができなくなる絶望が一気に込み上げてくる。

「もちろんですよ。桃さんをお人形さんにしたいわけではありませんからね。だけど俺から離れようとしたらこうしちゃうからねというアピールです」

 そしてシオンは琥珀糖を自身の口に含むと私の唇を奪う。
 動かない身体をシオンに支えられる。
 柔らかく甘いものがシオンの口内から受け渡される。色の通りに桃の味がほんのりとするそれは寒天ゼリーのような食感だ。
 それをなんとか飲み込んだ。

「いい子ですね」
「シオン……」

 シオンが唇を離して、私の頭を撫でる。恐ろしい事をしているのに浮かべている表情は優しい。
 そして身体はちゃんと動くようになっていた。

「桃さんもわかってくれたみたいですし、今日は見逃してあげますね。じゃあシャワー浴びに行きましょうか」

 何よりも恐ろしいお仕置きだった。今まで出来ることが出来なくなるのは恐怖だった。
 そしてそれはシオンの意志一つで簡単にできる。きっと身体能力以外にもその能力の応用は効くにだろう。シオンの機嫌を損ねたら何を奪われるのかわからない。

 シオンの言葉に逆らえず、私は一緒にシオンとバスルームへと向かった。

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