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シオンの過去4
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Cieloとしてデビューした俺たちに待っていたのは怒涛のスケジュールだった。
事務所は俺たちを本気で売り出そうとしていた。
デビュー会見と同時にファーストシングルの発売とその宣伝。そして様々な番組でゲスト出演、CM撮影と殺人的な仕事の量が組まれた。
さらに俺以外のメンバーはデビュー前からも実績があったそうだ。
歌唱力に定評のあったソウマは歌番組に、トークに定評のあるコウはバラエティ、そしてダンスとトレンドに詳しいスイは誰もが知るインフルエンサーとして様々な商品をSNSで紹介している。
そして何の実績もない俺もCieloの一員として色んな番組に出させてもらう事で少しずつ名前が売れていった。
俺は『Cieloの秘密兵器』、『最年少なのにセクシー』とか色々なキャッチコピーをつけられるようになっていた。
「すごい! Cieloのファンクラブの会員が30万人を超えたで! 夢みたいやわ!」
デビュー後にファンクラブが発足してからわずか3ヶ月目の出来事だった。リーダーのコウはスマホの画面を閉じて嬉しそうに叫ぶ。
16年間ずっと研修生で周りがデビューしていくのを見送ってきたコウからしたら自身の所属するグループが人気なのは不思議な感じなのだろうか。
「なんか実感が湧かないな。なんかここまで人気だと逆に不安だ」
「えー。俺は今まで頑張ってきた成果が出てるって感じがして最高! これで収入増えるかな?」
突然の自グループのブームに戸惑うソウマと収入が増えて喜ぶスイ。
Cieloは王道アイドルをコンセプトとしたグループだが、そこに所属するメンバーはアイドルらしくない動機でアイドルをしている。
俺は初恋の人と再会したくてアイドルやっているようなものだ。
ソウマは過去に自分を馬鹿にした人間を見返したいから。
スイに至っては経営が苦しい実家のさくらんぼ農園を建て直すためとお金のためにアイドルをやっていると豪語している。
人々に喜んで欲しい、自分のパフォーマンスで元気になってもらいたいという純粋な理由でアイドルをしているのはコウだけだろう。
だけどそんな本当の姿は決して見せないのが俺たちの信条だ。
アイドルというのは夢を売る仕事だ。キラキラした世界で夢を見せて辛いことや苦しい事を忘れてもらい、俺たちといるひとときだけでも幸せになってもらう。
だから俺たちは『愛してる』、『大好き』の言葉を全国のファンに投げかけ、最高のパフォーマンスを披露する事に全力投球している。
俺の愛しているはただ1人にしか向いていない。だけどそんな事は微塵も見せずに空っぽのアイラブユーを投げかけるのはあまりにも滑稽だ。
そしてそんな上辺だけのアイラブユーを受け取って喜ぶファンの姿はあまりにもグロテスクだった。
でもそれがアイドルという仕事なのだろう。
ソウマの不安は杞憂に終わり、デビューから2年経った。今でもCieloブームは続いており、CDを出せば常にオリコン1位を記録する。さらに仕事も増えて個人で活動する機会も増えた。
コウは高いトーク力でバラエティ番組で活躍している。
スイは知名度を生かしインフルエンサーとして活躍し、抜群の運動神経でスポーツ系の番組の出演している。
ソウマは圧倒的歌唱力で今まで以上に歌番組に引っ張りだこだ。またゲームが好きという事からゲームの配信もしている。
俺は成長期に入ったおかげで身長が伸び、180cmという身長を活かして雑誌のモデルや女性雑誌のゲストとしての仕事が入る事が増えた。
また高校生という年齢を売りに青春映画やドラマの仕事もちょい役ではあるが少しずつ入る事になった。
ドラマでの撮影のため、スタジオの楽屋に入ると見知らぬ一冊の本がテーブルの上に置いてあった。
古ぼけたそれはただの本なのにすごく魅力的に見えた。引き寄せられるように俺は本を手に取る。
すると本は赤く光り、勝手に開き始める。
「は? え?」
俺が戸惑っていると赤い光が浮かび上がりそれは俺の胸へと飛び込んできた。その瞬間、全身が燃え上がるようなとんでもない熱に襲われる。
それこそ身体が溶けそうな熱さを感じ、床で蹲る。
しかし数秒でその苦しみは終わり、脱力感が全身を襲う。
しばらく、俺は床に倒れ込んでしまっていた。
そして件の本が俺のすぐそばに置いてあった。それはパッと見た感じは英語で書かれているようだが、よく見るとどの言語でも見たことのない文字で書かれている。
しかしなぜか俺はそれが読めた。
『悪魔の書——暴食』
表紙にはそう書かれていた。
本を開きページをめくるとそちらも知らない言語で書かれているはずなのに表紙と同じように読めた。
『おめでとう。君は暴食を司る悪魔に生まれ変わった。
ただ一つの愛に病的に飢え、もがく姿は暴食の悪魔として相応しい。
せっかく悪魔になったんだ。その力を好きな風に使い思うままに生きるがいい。この世界でハーレムを作るもよし、人間を誘惑して堕落させるもよし、気に入らない存在を殺すために利用するもよしだ。世界を支配するのもいいだろう。今の君ならばなんだってできるだろう。
忘れてはいけないのは君が暴食を司る悪魔だであることだ。人間から生気を摂取しないと弱ってしまう。定期的に人間から生命力を吸わないと君は衰弱してしまう。それだけは忘れるな。後は自分の心が思うままに、好きにするが良いさ。ではまた逢おう。良き日々を…… 』
俺が一通り目を通すと本はひとりでに燃え上がって消えてしまった。燃えたはずなのにものが燃えた焦げ臭い匂いはなく、灰すら落ちていなかった。
「な、何これ!」
楽屋の鏡に映った自分自身を見て俺は声をあげる。鏡の向こうにいたのは俺だけど俺じゃない異形の存在がいた。
顔は俺のままだけど瞳だけは深い紫色に変化している。まるでカラーコンタクトをはめたような不自然で作り物のような色の瞳だった。
夢かと思い、頬を手のひらで叩く。パチンと軽い音がして顔に痛みが走った。
間違いなく現実なのだ。
あまりの出来事に椅子に呆然と座り込んでいるとドアをノックする音が聞こえた。
「シオン、そろそろ出番だぞ」
俺を心配してついてきてくれた間宮マネージャーの声だ。しかし今の姿を見られるわけにはいかない。
目の色をどう誤魔化そうか思案した瞬間に、目の色は元に戻った。俺の意思一つで人間の姿を取ることができるらしい。
「今行きます!」
俺は人間でなくなった事を隠しながら生活していく事になった。
事務所は俺たちを本気で売り出そうとしていた。
デビュー会見と同時にファーストシングルの発売とその宣伝。そして様々な番組でゲスト出演、CM撮影と殺人的な仕事の量が組まれた。
さらに俺以外のメンバーはデビュー前からも実績があったそうだ。
歌唱力に定評のあったソウマは歌番組に、トークに定評のあるコウはバラエティ、そしてダンスとトレンドに詳しいスイは誰もが知るインフルエンサーとして様々な商品をSNSで紹介している。
そして何の実績もない俺もCieloの一員として色んな番組に出させてもらう事で少しずつ名前が売れていった。
俺は『Cieloの秘密兵器』、『最年少なのにセクシー』とか色々なキャッチコピーをつけられるようになっていた。
「すごい! Cieloのファンクラブの会員が30万人を超えたで! 夢みたいやわ!」
デビュー後にファンクラブが発足してからわずか3ヶ月目の出来事だった。リーダーのコウはスマホの画面を閉じて嬉しそうに叫ぶ。
16年間ずっと研修生で周りがデビューしていくのを見送ってきたコウからしたら自身の所属するグループが人気なのは不思議な感じなのだろうか。
「なんか実感が湧かないな。なんかここまで人気だと逆に不安だ」
「えー。俺は今まで頑張ってきた成果が出てるって感じがして最高! これで収入増えるかな?」
突然の自グループのブームに戸惑うソウマと収入が増えて喜ぶスイ。
Cieloは王道アイドルをコンセプトとしたグループだが、そこに所属するメンバーはアイドルらしくない動機でアイドルをしている。
俺は初恋の人と再会したくてアイドルやっているようなものだ。
ソウマは過去に自分を馬鹿にした人間を見返したいから。
スイに至っては経営が苦しい実家のさくらんぼ農園を建て直すためとお金のためにアイドルをやっていると豪語している。
人々に喜んで欲しい、自分のパフォーマンスで元気になってもらいたいという純粋な理由でアイドルをしているのはコウだけだろう。
だけどそんな本当の姿は決して見せないのが俺たちの信条だ。
アイドルというのは夢を売る仕事だ。キラキラした世界で夢を見せて辛いことや苦しい事を忘れてもらい、俺たちといるひとときだけでも幸せになってもらう。
だから俺たちは『愛してる』、『大好き』の言葉を全国のファンに投げかけ、最高のパフォーマンスを披露する事に全力投球している。
俺の愛しているはただ1人にしか向いていない。だけどそんな事は微塵も見せずに空っぽのアイラブユーを投げかけるのはあまりにも滑稽だ。
そしてそんな上辺だけのアイラブユーを受け取って喜ぶファンの姿はあまりにもグロテスクだった。
でもそれがアイドルという仕事なのだろう。
ソウマの不安は杞憂に終わり、デビューから2年経った。今でもCieloブームは続いており、CDを出せば常にオリコン1位を記録する。さらに仕事も増えて個人で活動する機会も増えた。
コウは高いトーク力でバラエティ番組で活躍している。
スイは知名度を生かしインフルエンサーとして活躍し、抜群の運動神経でスポーツ系の番組の出演している。
ソウマは圧倒的歌唱力で今まで以上に歌番組に引っ張りだこだ。またゲームが好きという事からゲームの配信もしている。
俺は成長期に入ったおかげで身長が伸び、180cmという身長を活かして雑誌のモデルや女性雑誌のゲストとしての仕事が入る事が増えた。
また高校生という年齢を売りに青春映画やドラマの仕事もちょい役ではあるが少しずつ入る事になった。
ドラマでの撮影のため、スタジオの楽屋に入ると見知らぬ一冊の本がテーブルの上に置いてあった。
古ぼけたそれはただの本なのにすごく魅力的に見えた。引き寄せられるように俺は本を手に取る。
すると本は赤く光り、勝手に開き始める。
「は? え?」
俺が戸惑っていると赤い光が浮かび上がりそれは俺の胸へと飛び込んできた。その瞬間、全身が燃え上がるようなとんでもない熱に襲われる。
それこそ身体が溶けそうな熱さを感じ、床で蹲る。
しかし数秒でその苦しみは終わり、脱力感が全身を襲う。
しばらく、俺は床に倒れ込んでしまっていた。
そして件の本が俺のすぐそばに置いてあった。それはパッと見た感じは英語で書かれているようだが、よく見るとどの言語でも見たことのない文字で書かれている。
しかしなぜか俺はそれが読めた。
『悪魔の書——暴食』
表紙にはそう書かれていた。
本を開きページをめくるとそちらも知らない言語で書かれているはずなのに表紙と同じように読めた。
『おめでとう。君は暴食を司る悪魔に生まれ変わった。
ただ一つの愛に病的に飢え、もがく姿は暴食の悪魔として相応しい。
せっかく悪魔になったんだ。その力を好きな風に使い思うままに生きるがいい。この世界でハーレムを作るもよし、人間を誘惑して堕落させるもよし、気に入らない存在を殺すために利用するもよしだ。世界を支配するのもいいだろう。今の君ならばなんだってできるだろう。
忘れてはいけないのは君が暴食を司る悪魔だであることだ。人間から生気を摂取しないと弱ってしまう。定期的に人間から生命力を吸わないと君は衰弱してしまう。それだけは忘れるな。後は自分の心が思うままに、好きにするが良いさ。ではまた逢おう。良き日々を…… 』
俺が一通り目を通すと本はひとりでに燃え上がって消えてしまった。燃えたはずなのにものが燃えた焦げ臭い匂いはなく、灰すら落ちていなかった。
「な、何これ!」
楽屋の鏡に映った自分自身を見て俺は声をあげる。鏡の向こうにいたのは俺だけど俺じゃない異形の存在がいた。
顔は俺のままだけど瞳だけは深い紫色に変化している。まるでカラーコンタクトをはめたような不自然で作り物のような色の瞳だった。
夢かと思い、頬を手のひらで叩く。パチンと軽い音がして顔に痛みが走った。
間違いなく現実なのだ。
あまりの出来事に椅子に呆然と座り込んでいるとドアをノックする音が聞こえた。
「シオン、そろそろ出番だぞ」
俺を心配してついてきてくれた間宮マネージャーの声だ。しかし今の姿を見られるわけにはいかない。
目の色をどう誤魔化そうか思案した瞬間に、目の色は元に戻った。俺の意思一つで人間の姿を取ることができるらしい。
「今行きます!」
俺は人間でなくなった事を隠しながら生活していく事になった。
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