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2人だけの城
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それから昨夜は気絶するまでシオンに抱き潰された。
あの手この手で絶頂させられて、夜が明ける頃にはあまりにも濃厚で淫靡な匂いが部屋中に充満していた。
ベッドもぐちゃぐちゃになっており、身体中は体液塗れだった。
その後はバスルームで念入りに全身洗われて、壊れ物を扱うように丁寧にボディクリームを塗られた。
その間に私は眠ってしまったようだ。
目を覚ますとシオンの綺麗な顔が目の前にあって驚いた。シオンはきっちりと服を着込んでいる。
相変わらず広々としたタワマンの部屋は日当たりも良く日差しが部屋を明るく照らしている。
私が寝ている間にシオンが片付けたのかお姫様部屋は綺麗になっていた。
昨夜にセックスをしていたと言っても誰も信じないくらいに片付いている。
そして私は可愛らしいピンク色のワンピースを着させられていた。ふわふわとした柔らかい素材でできた服は着慣れなくて不思議な感じがする。
そして相変わらず足枷がベッドの脚についており自由に身動きはできない。
「おはよう桃さん。昨日はとっても綺麗で可愛かったよ」
シオンはうっとりとした表情で語る。おそらく昨日のセックスでの私の乱れっぷりを言っているのだろう。
「いっ、いいから私を帰してよ!」
「嫌だ。絶対帰さない。だってやっと見つけた大切な宝物を手放すほど俺はできた人間じゃない。ってもう人間じゃなかった」
最後の言葉は吐き捨てるようだった。
「私は仕事あるし、シオンだってこんなの見つかったら大問題じゃない」
「お仕事が心配なんですか? 大丈夫ですよ。桃さんが寝ている間に退職代行サービスを申し込んだので。数日後には全て終わってますよ」
「は? 勝手に何してるの⁉︎ ふざけないでよ!シオンなんか嫌い!」
思わず言葉に出てしまった。でも勝手なことばかりするシオンが悪いのだ。
一瞬シオンは悲しそうに眉を顰める。酷い事をしているのはそっちなのに私に罪悪感を抱かせるような表情だ。今にも泣きそうな子どもに見えた。
しかしすぐに仮面を貼り付けたような綺麗な笑みを浮かべる。
「好かれててもさよならって離れられるくらいなら嫌われても側にいてくれる方が俺はずっといい。それに桃さんを都合よく利用しておきながら虐げる会社になんかいさせられない」
歪んでいる。好きと言いながらも相手の望まぬ事を平気でするのはあまりにも矛盾している。そもそもシオンはどうして会社での私の立ち位置を知っているのだろうか。
「どうして私の会社での様子を知ってるの? ねえ、一体あなたは何者なの?」
「秘密。今は他人の動向を調べる方法なんて山ほどあるんですよ」
そう笑うシオンは相変わらずミステリアスな雰囲気だ。
なんでも見通しそうな深い色の瞳と常に浮かべている微笑みのせいだろうか。
シオンは私の事を知っているのに私はシオンの事を何も知らない。
「犯罪じゃん。シオン、今なら遅くないよ。私を解放して。Cieloも大変な事になる。こんな事したら絶対バレるよ!」
「こんな時でもCieloの、それともコウ君の心配ですか?」
シオンの眼光が鋭くなる。私は地雷を踏んでしまったようだ。
「違う。そうじゃなくて……。シオンだって心配だよ。私みたいなただの女に人生を棒に振るなんてバカだよ」
「絢音みたいな事を言いますね。ドラマで絢音も拓海に同じ事言って離れようとするんです。桃さん、俺がこうしたいからこうしてるんです。後悔なんか絶対にしませんよ」
「……」
何も言えなかった。
「それに桃さんはきっとこの世界で生きていくのに向いていないですよ。貴方はお人好しであまりにも純朴すぎる。人の良さにつけ込まれて会社で心無い人間に食い物にされる」
「何が言いたいの?」
「だから貴方はこうやって俺に守られていればいいんです。俺の側にいれば辛い事何もないんです」
自信満々に言い切るのはシオンの今までの成功体験からだろう。何をやらせても天才と言われたが故の自信だ。
でもそれは愛でも、ペットを可愛がるとかの愛玩ではないだろうか。そこに私の意思はない。
その日はシオンはオフだったらしく家から一歩も出る事なく私を抱きしめて、ずっと愛の言葉を囁いていた。
彼の言葉は蜂蜜のように甘ったるく蕩けるようだ。だけどシオンが何故そこまで私に執着するのかわからない。
***
シオンはずっと家にいるわけにはいかないようで監禁2日目の朝シオンは学校へと行く準備をしていた。
「いってくるね。帰ったらたくさんお話ししましょうね」
進学校の制服に身を包んだシオンは私の頭を撫でて玄関を出ていく。
人の意思を無視して無理やり監禁する人間とは思えないほどに優しい笑みをたたえている。
シオンが部屋から出る。すると私以外いない空中の牢獄は静けさに包まれる。そして足枷は外して貰えたので今日からは自由に動ける。
あまりにも広いタワマンの一室に私は取り残されてしまった。
シオンが退職代行サービスを使ったせいで私は会社を退職したことになっているそうだ。
だけど職を失った私はシオンから見捨てられたら暮らしていけなくなってしまった。
スマートフォンは取り上げられて外と連絡する手段は無くなってしまった。もちろん固定電話なんかもない。
代わりにシオンは私が退屈しないよう色々と娯楽を用意してくれていた。好きそうな本に、テレビゲーム、そして大量のDVDとCDもあった。その中にはもちろんCieloが今までリリースしたのも含まれている。
冷蔵庫の中には私が好きなスイーツやおかずがいっぱい入っていた。シオンの綺麗な字で『好きなもの食べてくださいね』とメモが貼られていた。
クローゼットの中は私が着るための洋服がぎっしりと入っていた。服はシルク生地のネグリジェや明らかに動くのには向いていないふわふわのワンピースなどのお姫様のような服ばかりだった。
ドレッサーに置かれている化粧品は私が好きで使っていたメーカーのものはもちろん、手の届かなかった憧れのデパコスもたくさん置かれていた。
この部屋で一つだけ異質な事がある。それは部屋のどこにも赤が存在していないのだ。家具も食器も化粧品にも赤い色は存在しなかった。
上記の点を除けばこの部屋は牢獄というにはあまりにも私に対して優しすぎる。
広くて快適な部屋、美味しい食事に、綺麗な洋服と衣食住に関しては今までの生活の数倍クオリティが上昇している。
だけどそこに私の自由はない。これでは完全に愛玩用のペットと変わらない。
「でもこのままここにいるわけにもいかないし、どうにか脱出しないと」
私はシオンが用意した朝食を食べて身支度して部屋を回る。
この部屋は3LDKだ。
私とシオンが交わったお姫様のような内装の寝室、現在いるあまりにも広いリビング、そしてシオンの自室であろうシンプルな内装の部屋は開放されていた。
シオンの自室は大きい机の上にパソコンが置いてあった。そして本棚には出演する番組の台本などが綺麗にしまわれていた。
しかし、ある一室だけは厳重に鍵がかかっていて入る事ができなかった。
入れる部屋には脱出の手がかりはなかった。まああのシオンの事だから不備があるはずないか。
さらに玄関の内鍵を開けるにはパスワードの入力が必要でありここから出る事は叶わなかった。
試しにパスワードを入力したがいずれもダメだった。
シオンの誕生日、私の誕生日、Cieloのデビュー日など思いつく数字を片っ端から入力をしたがいずれもダメだった。
もちろん窓が開くはずもない。そもそも高さ200m超えのタワーマンションの最上階の部屋だ。窓から脱出しようとしても転落死してしまうだろう。
大きな窓から街を見下ろす事ができる最上階の部屋に憧れる人も多いのだろう。だけど私にとっては空中にある牢獄にしか思えない。
要するに脱出は不可能だ。シオンが家を空けている間はここで大人しくしているしかない。
かといってシオンを出し抜いて逃げ切る自信もない。
タワマンの最上階をポンと購入できる財力の持ち主だ。私が逃げ出してもあの手この手で私を探し出すのだろう。
何よりもシオンは人間ではない。不思議な力を自在に操る悪魔だ。
確かに見るもの全てを魅了してやまない美しい容姿、何をやらせてもプロ並みにこなす異常な器用さを考えると人間である方がおかしい。
私は結局何もできない無力な一般人なのだ。私はシオンが帰ってくるまで用意してもらったDVDを見て過ごした。
後は自分が食べたものを最低限片付けるだけだった。
夜になるとシオンが帰ってきた。朝から夜まで忙しいはずなのにシオンの服装は全く乱れておらず疲れた様子もない。
「桃さん、ただいま」
シオンの表情は能面のような無表情だが目には僅かに怒りが含まれている。声のトーンも少し低く、機嫌が悪いことは明確だ。
「お、おかえりなさい。シオン、怒ってる?」
「怒ってる? 当たり前じゃないですか。桃さん、そんなに俺と離れたいの? 玄関開けようと必死だったね」
「な、なんで知ってるの?」
「部屋の至る所に監視カメラあるから桃さんの行動は逐一確認できます」
そう言ってシオンは部屋の天井を指差す。すると目立たないようにカメラが取り付けられていた。
「それに玄関のパスワード入力は2回失敗すると俺の元に通知が行くようになってます。桃さんがたくさん失敗したから俺の携帯の通知が失敗お知らせで埋まってましたよ。何か言い訳ありますか?」
どう足掻いてもシオンからは逃げられないことをわからせられてしまう。
「ご、ごめん。でもこんなのおかしいよ。ねえ、シオン、ちゃんと話し合おう。こんな生活絶対上手くいかないよ」
「桃さんもしつこいなあ。俺は絶対に桃さんを離さないですからね。悪い子の桃さんは気持ちいいお仕置きですね。俺から逃げようとする気力が無くなるまで徹底的にやりますので」
状況は悪化するばかりだった。そしてシオンは私を横抱き——お姫様抱っこをして閉ざされている部屋へと足を進めたのだ。
あの手この手で絶頂させられて、夜が明ける頃にはあまりにも濃厚で淫靡な匂いが部屋中に充満していた。
ベッドもぐちゃぐちゃになっており、身体中は体液塗れだった。
その後はバスルームで念入りに全身洗われて、壊れ物を扱うように丁寧にボディクリームを塗られた。
その間に私は眠ってしまったようだ。
目を覚ますとシオンの綺麗な顔が目の前にあって驚いた。シオンはきっちりと服を着込んでいる。
相変わらず広々としたタワマンの部屋は日当たりも良く日差しが部屋を明るく照らしている。
私が寝ている間にシオンが片付けたのかお姫様部屋は綺麗になっていた。
昨夜にセックスをしていたと言っても誰も信じないくらいに片付いている。
そして私は可愛らしいピンク色のワンピースを着させられていた。ふわふわとした柔らかい素材でできた服は着慣れなくて不思議な感じがする。
そして相変わらず足枷がベッドの脚についており自由に身動きはできない。
「おはよう桃さん。昨日はとっても綺麗で可愛かったよ」
シオンはうっとりとした表情で語る。おそらく昨日のセックスでの私の乱れっぷりを言っているのだろう。
「いっ、いいから私を帰してよ!」
「嫌だ。絶対帰さない。だってやっと見つけた大切な宝物を手放すほど俺はできた人間じゃない。ってもう人間じゃなかった」
最後の言葉は吐き捨てるようだった。
「私は仕事あるし、シオンだってこんなの見つかったら大問題じゃない」
「お仕事が心配なんですか? 大丈夫ですよ。桃さんが寝ている間に退職代行サービスを申し込んだので。数日後には全て終わってますよ」
「は? 勝手に何してるの⁉︎ ふざけないでよ!シオンなんか嫌い!」
思わず言葉に出てしまった。でも勝手なことばかりするシオンが悪いのだ。
一瞬シオンは悲しそうに眉を顰める。酷い事をしているのはそっちなのに私に罪悪感を抱かせるような表情だ。今にも泣きそうな子どもに見えた。
しかしすぐに仮面を貼り付けたような綺麗な笑みを浮かべる。
「好かれててもさよならって離れられるくらいなら嫌われても側にいてくれる方が俺はずっといい。それに桃さんを都合よく利用しておきながら虐げる会社になんかいさせられない」
歪んでいる。好きと言いながらも相手の望まぬ事を平気でするのはあまりにも矛盾している。そもそもシオンはどうして会社での私の立ち位置を知っているのだろうか。
「どうして私の会社での様子を知ってるの? ねえ、一体あなたは何者なの?」
「秘密。今は他人の動向を調べる方法なんて山ほどあるんですよ」
そう笑うシオンは相変わらずミステリアスな雰囲気だ。
なんでも見通しそうな深い色の瞳と常に浮かべている微笑みのせいだろうか。
シオンは私の事を知っているのに私はシオンの事を何も知らない。
「犯罪じゃん。シオン、今なら遅くないよ。私を解放して。Cieloも大変な事になる。こんな事したら絶対バレるよ!」
「こんな時でもCieloの、それともコウ君の心配ですか?」
シオンの眼光が鋭くなる。私は地雷を踏んでしまったようだ。
「違う。そうじゃなくて……。シオンだって心配だよ。私みたいなただの女に人生を棒に振るなんてバカだよ」
「絢音みたいな事を言いますね。ドラマで絢音も拓海に同じ事言って離れようとするんです。桃さん、俺がこうしたいからこうしてるんです。後悔なんか絶対にしませんよ」
「……」
何も言えなかった。
「それに桃さんはきっとこの世界で生きていくのに向いていないですよ。貴方はお人好しであまりにも純朴すぎる。人の良さにつけ込まれて会社で心無い人間に食い物にされる」
「何が言いたいの?」
「だから貴方はこうやって俺に守られていればいいんです。俺の側にいれば辛い事何もないんです」
自信満々に言い切るのはシオンの今までの成功体験からだろう。何をやらせても天才と言われたが故の自信だ。
でもそれは愛でも、ペットを可愛がるとかの愛玩ではないだろうか。そこに私の意思はない。
その日はシオンはオフだったらしく家から一歩も出る事なく私を抱きしめて、ずっと愛の言葉を囁いていた。
彼の言葉は蜂蜜のように甘ったるく蕩けるようだ。だけどシオンが何故そこまで私に執着するのかわからない。
***
シオンはずっと家にいるわけにはいかないようで監禁2日目の朝シオンは学校へと行く準備をしていた。
「いってくるね。帰ったらたくさんお話ししましょうね」
進学校の制服に身を包んだシオンは私の頭を撫でて玄関を出ていく。
人の意思を無視して無理やり監禁する人間とは思えないほどに優しい笑みをたたえている。
シオンが部屋から出る。すると私以外いない空中の牢獄は静けさに包まれる。そして足枷は外して貰えたので今日からは自由に動ける。
あまりにも広いタワマンの一室に私は取り残されてしまった。
シオンが退職代行サービスを使ったせいで私は会社を退職したことになっているそうだ。
だけど職を失った私はシオンから見捨てられたら暮らしていけなくなってしまった。
スマートフォンは取り上げられて外と連絡する手段は無くなってしまった。もちろん固定電話なんかもない。
代わりにシオンは私が退屈しないよう色々と娯楽を用意してくれていた。好きそうな本に、テレビゲーム、そして大量のDVDとCDもあった。その中にはもちろんCieloが今までリリースしたのも含まれている。
冷蔵庫の中には私が好きなスイーツやおかずがいっぱい入っていた。シオンの綺麗な字で『好きなもの食べてくださいね』とメモが貼られていた。
クローゼットの中は私が着るための洋服がぎっしりと入っていた。服はシルク生地のネグリジェや明らかに動くのには向いていないふわふわのワンピースなどのお姫様のような服ばかりだった。
ドレッサーに置かれている化粧品は私が好きで使っていたメーカーのものはもちろん、手の届かなかった憧れのデパコスもたくさん置かれていた。
この部屋で一つだけ異質な事がある。それは部屋のどこにも赤が存在していないのだ。家具も食器も化粧品にも赤い色は存在しなかった。
上記の点を除けばこの部屋は牢獄というにはあまりにも私に対して優しすぎる。
広くて快適な部屋、美味しい食事に、綺麗な洋服と衣食住に関しては今までの生活の数倍クオリティが上昇している。
だけどそこに私の自由はない。これでは完全に愛玩用のペットと変わらない。
「でもこのままここにいるわけにもいかないし、どうにか脱出しないと」
私はシオンが用意した朝食を食べて身支度して部屋を回る。
この部屋は3LDKだ。
私とシオンが交わったお姫様のような内装の寝室、現在いるあまりにも広いリビング、そしてシオンの自室であろうシンプルな内装の部屋は開放されていた。
シオンの自室は大きい机の上にパソコンが置いてあった。そして本棚には出演する番組の台本などが綺麗にしまわれていた。
しかし、ある一室だけは厳重に鍵がかかっていて入る事ができなかった。
入れる部屋には脱出の手がかりはなかった。まああのシオンの事だから不備があるはずないか。
さらに玄関の内鍵を開けるにはパスワードの入力が必要でありここから出る事は叶わなかった。
試しにパスワードを入力したがいずれもダメだった。
シオンの誕生日、私の誕生日、Cieloのデビュー日など思いつく数字を片っ端から入力をしたがいずれもダメだった。
もちろん窓が開くはずもない。そもそも高さ200m超えのタワーマンションの最上階の部屋だ。窓から脱出しようとしても転落死してしまうだろう。
大きな窓から街を見下ろす事ができる最上階の部屋に憧れる人も多いのだろう。だけど私にとっては空中にある牢獄にしか思えない。
要するに脱出は不可能だ。シオンが家を空けている間はここで大人しくしているしかない。
かといってシオンを出し抜いて逃げ切る自信もない。
タワマンの最上階をポンと購入できる財力の持ち主だ。私が逃げ出してもあの手この手で私を探し出すのだろう。
何よりもシオンは人間ではない。不思議な力を自在に操る悪魔だ。
確かに見るもの全てを魅了してやまない美しい容姿、何をやらせてもプロ並みにこなす異常な器用さを考えると人間である方がおかしい。
私は結局何もできない無力な一般人なのだ。私はシオンが帰ってくるまで用意してもらったDVDを見て過ごした。
後は自分が食べたものを最低限片付けるだけだった。
夜になるとシオンが帰ってきた。朝から夜まで忙しいはずなのにシオンの服装は全く乱れておらず疲れた様子もない。
「桃さん、ただいま」
シオンの表情は能面のような無表情だが目には僅かに怒りが含まれている。声のトーンも少し低く、機嫌が悪いことは明確だ。
「お、おかえりなさい。シオン、怒ってる?」
「怒ってる? 当たり前じゃないですか。桃さん、そんなに俺と離れたいの? 玄関開けようと必死だったね」
「な、なんで知ってるの?」
「部屋の至る所に監視カメラあるから桃さんの行動は逐一確認できます」
そう言ってシオンは部屋の天井を指差す。すると目立たないようにカメラが取り付けられていた。
「それに玄関のパスワード入力は2回失敗すると俺の元に通知が行くようになってます。桃さんがたくさん失敗したから俺の携帯の通知が失敗お知らせで埋まってましたよ。何か言い訳ありますか?」
どう足掻いてもシオンからは逃げられないことをわからせられてしまう。
「ご、ごめん。でもこんなのおかしいよ。ねえ、シオン、ちゃんと話し合おう。こんな生活絶対上手くいかないよ」
「桃さんもしつこいなあ。俺は絶対に桃さんを離さないですからね。悪い子の桃さんは気持ちいいお仕置きですね。俺から逃げようとする気力が無くなるまで徹底的にやりますので」
状況は悪化するばかりだった。そしてシオンは私を横抱き——お姫様抱っこをして閉ざされている部屋へと足を進めたのだ。
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