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ドキドキ出会い編
5.美味しいご飯とうさぎの君と
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「着いたぞ、ここの料理は上手いんだ。」
そうエドワードに言われて着いた場所は小さな可愛らしいログハウスで、ここがレストラン?と駿は首を傾げた。
しかしエドワードがドアを開けると煮込み料理のようなとてもいい匂いが広がり駿のお腹はぐぅぅぅとなるのだった。
「ここは'木漏れ日酒場'っていう店なんだが、ここのレッドボアの煮込み料理がすっげぇ上手いんだよ。
それを駿にも食べてもらいたくてな。
ちょうどお腹すいてるみたいだし良かった、色々適当に注文しちゃうな。」
「レッドボアの煮込み料理!なんだか美味しそうです。エドさんにおまかせしちゃいますね!ありがとうございます!
ところでレッドボアってどんな動物なんですか?」
「レッドボアは動物じゃなくて魔物だな。赤茶色の毛を持っていて4、5匹の群れで行動する魔物だ。大きさは駿の背丈より小さいくらいだな。ランクはCでパーティで倒すことを推奨されてる魔物だ。
今度ギルドで魔物図鑑を見てみような。」
そう言いながらエドワードはまたしても駿の頭を撫でる。
頭を撫でられることに慣れていない駿はなんだか恥ずかしいような嬉しいような気持ちになり笑顔をこぼす。
席に着いてしばらするとエドワードが頼んだ料理が届いた。エドワードはよく食べるのか机の上には山盛りのご飯が並べられた。
それを食べながらこれからのことについて2人は話し出した。
「これ食べ終わったら冒険者ギルドってとこに駿を連れていきたいんだ。ここのギルドマスターは信頼出来る男だからこれからこととか身分証のことについて相談しよう。」
エドワードはあわよくば駿に冒険者になってもらって自分と一緒に行動してもらおうと思っていたのだが、駿はこれからのことを真剣に考えてくれるエドワードに信頼を寄せるようになった。
「ありがとうございます!ギルド?って言うのは分からないんですけど、エドさんが信頼されている方ならお会いしたいです!
あとこのレッドボアの煮込み料理すっごく美味しくて、こんな美味しいもの初めて食べました~!!嬉しいなぁ」
2人で(8割をエドワードが)ほとんどのご飯を食べ終わった時にカランカランと音がなり1人の濃い紫色のローブを着た男性がお店に入ってきた。
「おい、アーヴィングじゃないか!こっち座れよ。」
そうエドワードが手を挙げて声をかけると仏頂面の男性がこちらにやって来てエドワードの前に立った。
「エドワード、あまり大きい声を出さないでください。それに連れがいるのなら私は別の席に行きます。他の方には私は嫌がられるんですから。」
アーヴィングと呼ばれた男性はそう言ってそそくさと席を離れようとした。
「ま、待ってください!僕大丈夫ですよ、ぜひお隣座ってください。ご飯はみんなで食べた方が美味しいですからね。」
咄嗟に引き止めた駿にアーヴィングは怪訝そうな顔をする。
「私に関わりたいなんてよっぽどの物好きですか?それとも私のこと知らないとか?
私は獣人なんですよ。人間が蔑んで、奴隷にしてたさ。」
そう言いながらアーヴィングがローブのフードを外すとそこからうさぎの耳が飛び出した。
「私はこんな耳がついてて、人間には獣人だってだけで嫌がられるんです。これを見たからにはあなたも嫌がるんでしょう?」
そう言ったアーヴィングの顔は憎しみを浮かべていたが、少し悲しそうに見えた。
しかし、すぐに駿の言葉によって驚きの表情に変わる。
「すごーーい!うさぎの耳なんて素敵ですね。可愛いのかなと思ったんですけどかっこよさもあります!うさぎの獣人さん?ってことは高く跳べたり、早く動けたりするんですか?それとも耳がいいとか!?」
という駿の顔は、もちろん獣人に対する偏見など一切なく、アーヴィングの耳を太陽のような笑顔で見ていた。
「あ、あなたは獣人に偏見はないんですか?野蛮で卑しいって言われてるんですよ?」
「僕は獣人さんがどんな人か知りません。でもアーヴィングさんは見る限り野蛮でもなければ卑しくもないですよ?紫色のローブが似合う素敵な方じゃないですか。
それにうさぎの耳を持ってるなんてすごいです!
僕なんて何も出来ない出来損ないです。アーヴィングさんの方がよっぽど凄いです!」
駿のセリフは今までアーヴィングが聞いたことの無い言葉で、あまりにも暖かい言葉だった。
駿の言葉を聞いたアーヴィングは混乱する。自分は人間が憎くて、上辺だけの付き合いをしてきたけどこうやって偏見もないやつがいるんだと見直す気持ちもあれば、やはり自分は獣人でしかないんだとガッカリして羨む気持ちもある。
でもとにかく目の前にいる黒い少年には今まで生きていて1番大きな興味を持っていることは確かだった。
そうエドワードに言われて着いた場所は小さな可愛らしいログハウスで、ここがレストラン?と駿は首を傾げた。
しかしエドワードがドアを開けると煮込み料理のようなとてもいい匂いが広がり駿のお腹はぐぅぅぅとなるのだった。
「ここは'木漏れ日酒場'っていう店なんだが、ここのレッドボアの煮込み料理がすっげぇ上手いんだよ。
それを駿にも食べてもらいたくてな。
ちょうどお腹すいてるみたいだし良かった、色々適当に注文しちゃうな。」
「レッドボアの煮込み料理!なんだか美味しそうです。エドさんにおまかせしちゃいますね!ありがとうございます!
ところでレッドボアってどんな動物なんですか?」
「レッドボアは動物じゃなくて魔物だな。赤茶色の毛を持っていて4、5匹の群れで行動する魔物だ。大きさは駿の背丈より小さいくらいだな。ランクはCでパーティで倒すことを推奨されてる魔物だ。
今度ギルドで魔物図鑑を見てみような。」
そう言いながらエドワードはまたしても駿の頭を撫でる。
頭を撫でられることに慣れていない駿はなんだか恥ずかしいような嬉しいような気持ちになり笑顔をこぼす。
席に着いてしばらするとエドワードが頼んだ料理が届いた。エドワードはよく食べるのか机の上には山盛りのご飯が並べられた。
それを食べながらこれからのことについて2人は話し出した。
「これ食べ終わったら冒険者ギルドってとこに駿を連れていきたいんだ。ここのギルドマスターは信頼出来る男だからこれからこととか身分証のことについて相談しよう。」
エドワードはあわよくば駿に冒険者になってもらって自分と一緒に行動してもらおうと思っていたのだが、駿はこれからのことを真剣に考えてくれるエドワードに信頼を寄せるようになった。
「ありがとうございます!ギルド?って言うのは分からないんですけど、エドさんが信頼されている方ならお会いしたいです!
あとこのレッドボアの煮込み料理すっごく美味しくて、こんな美味しいもの初めて食べました~!!嬉しいなぁ」
2人で(8割をエドワードが)ほとんどのご飯を食べ終わった時にカランカランと音がなり1人の濃い紫色のローブを着た男性がお店に入ってきた。
「おい、アーヴィングじゃないか!こっち座れよ。」
そうエドワードが手を挙げて声をかけると仏頂面の男性がこちらにやって来てエドワードの前に立った。
「エドワード、あまり大きい声を出さないでください。それに連れがいるのなら私は別の席に行きます。他の方には私は嫌がられるんですから。」
アーヴィングと呼ばれた男性はそう言ってそそくさと席を離れようとした。
「ま、待ってください!僕大丈夫ですよ、ぜひお隣座ってください。ご飯はみんなで食べた方が美味しいですからね。」
咄嗟に引き止めた駿にアーヴィングは怪訝そうな顔をする。
「私に関わりたいなんてよっぽどの物好きですか?それとも私のこと知らないとか?
私は獣人なんですよ。人間が蔑んで、奴隷にしてたさ。」
そう言いながらアーヴィングがローブのフードを外すとそこからうさぎの耳が飛び出した。
「私はこんな耳がついてて、人間には獣人だってだけで嫌がられるんです。これを見たからにはあなたも嫌がるんでしょう?」
そう言ったアーヴィングの顔は憎しみを浮かべていたが、少し悲しそうに見えた。
しかし、すぐに駿の言葉によって驚きの表情に変わる。
「すごーーい!うさぎの耳なんて素敵ですね。可愛いのかなと思ったんですけどかっこよさもあります!うさぎの獣人さん?ってことは高く跳べたり、早く動けたりするんですか?それとも耳がいいとか!?」
という駿の顔は、もちろん獣人に対する偏見など一切なく、アーヴィングの耳を太陽のような笑顔で見ていた。
「あ、あなたは獣人に偏見はないんですか?野蛮で卑しいって言われてるんですよ?」
「僕は獣人さんがどんな人か知りません。でもアーヴィングさんは見る限り野蛮でもなければ卑しくもないですよ?紫色のローブが似合う素敵な方じゃないですか。
それにうさぎの耳を持ってるなんてすごいです!
僕なんて何も出来ない出来損ないです。アーヴィングさんの方がよっぽど凄いです!」
駿のセリフは今までアーヴィングが聞いたことの無い言葉で、あまりにも暖かい言葉だった。
駿の言葉を聞いたアーヴィングは混乱する。自分は人間が憎くて、上辺だけの付き合いをしてきたけどこうやって偏見もないやつがいるんだと見直す気持ちもあれば、やはり自分は獣人でしかないんだとガッカリして羨む気持ちもある。
でもとにかく目の前にいる黒い少年には今まで生きていて1番大きな興味を持っていることは確かだった。
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