44 / 49
44
しおりを挟む
国王をお呼びし、変装をさせる。
そのような格好にかなりの抵抗があったが、俺が絶対に犯人が捕まると豪語すると、さすがに俺の言葉を飲む気になったらしく、いそいそと着替え始めた。
側近を脅し、第二妃との密会の約束を取り付けさせる。
監視していることが第二妃に分からないように、部下を使って廊下を行き来させ、偶然通っている風を装わせる。
側近は冷や汗をかきながらも、何とか仕事をこなしてくれたが、次に重要なのは、第二妃に計画を吐かせることだ。
約束の時間、牢屋の前で密会を行う。
「緊急なことってなによ」
「はい。王子の暗殺の件なのですが……」
「なによ。はっきり言いなさいよ」
「おやめになりませんか?」
「馬鹿馬鹿しい。今更これまでの努力を水の泡にしろだなんて、あんた、誰かに脅されてるの?」
「いえ! とんでもございません!」
「ふーん。とにかく、私の息子が王子になるのには、アイツが邪魔よ。あんたが捕まろうとも、私が第一妃になれば、解放もしてあげるし、地位も約束してあげる」
側近は、自分が脅されているとバレているのかと、あからさまにビクビクとした様子だったが、ここまで吐いてくれれば十分だ。
黒い布を取り払い、鬼の形相をした国王が現れる。
それと同時に、フリントロック銃を構えた俺の部下たちが姿を現し、女王たちを狙う。
「あんたら! どうやってそこに!!」
さすがに、壁に張り付いているとまでは思っていなかったらしく、心臓が口から飛び出しそうなくらい飛び上がった第二妃は、そのまま床に倒れて、自ら身動きができなくなった。
「お前が首謀者か」
と国王の低い声。
「違います! これは勘違いです!」
「話は大方聞いている。牢屋に入れろ」
国王の命令通りに側近と第二妃を牢屋に押し込み、鍵をかける。
「よくやったお前たち。我が息子がかっていたいただけのことはある」
「とんでもございません。それで、この後、どうするおつもりで?」
「情報をはかせ次第、関係者を全員排除する」
「では、協力しますよ」
「頼むぞ」
この国の信頼を勝ち取った俺は、ほくそ笑んだ顔を、わざとらしく元側近たちに見せつける。
「おい! 話しが違うぞ! いうことを聞いたら命だけは保証すると言ったじゃないか!」
「それはそれ。これはこれ。いつだって予定は狂うもんさ。まっ、後は、神にでも祈るんだな」
「おい! 待ってくれ! 頼む! 気の迷いだったんだ!」
叫びを背中に受けながら、俺は外に出てカンナとハイタッチをする。
「どうだった?」
「うまくいったよ。それで、王子は?」
「王子も無事。襲われていないよ」
「じゃあ、後の始末は部下たちに任せるとして、お宝の場所はどうだ?」
「それがね、王子様が言うには、ボクたちの探しているお宝に心当たりがあるって言うんだ」
「どこにあるんだ?」
「ここからずっと、南にいったところの海岸の街。インスって場所なんだって」
「本当か?」
「嘘だったら、後で、ひいひい言わせてやらないとね」
「そうだな」
そのような格好にかなりの抵抗があったが、俺が絶対に犯人が捕まると豪語すると、さすがに俺の言葉を飲む気になったらしく、いそいそと着替え始めた。
側近を脅し、第二妃との密会の約束を取り付けさせる。
監視していることが第二妃に分からないように、部下を使って廊下を行き来させ、偶然通っている風を装わせる。
側近は冷や汗をかきながらも、何とか仕事をこなしてくれたが、次に重要なのは、第二妃に計画を吐かせることだ。
約束の時間、牢屋の前で密会を行う。
「緊急なことってなによ」
「はい。王子の暗殺の件なのですが……」
「なによ。はっきり言いなさいよ」
「おやめになりませんか?」
「馬鹿馬鹿しい。今更これまでの努力を水の泡にしろだなんて、あんた、誰かに脅されてるの?」
「いえ! とんでもございません!」
「ふーん。とにかく、私の息子が王子になるのには、アイツが邪魔よ。あんたが捕まろうとも、私が第一妃になれば、解放もしてあげるし、地位も約束してあげる」
側近は、自分が脅されているとバレているのかと、あからさまにビクビクとした様子だったが、ここまで吐いてくれれば十分だ。
黒い布を取り払い、鬼の形相をした国王が現れる。
それと同時に、フリントロック銃を構えた俺の部下たちが姿を現し、女王たちを狙う。
「あんたら! どうやってそこに!!」
さすがに、壁に張り付いているとまでは思っていなかったらしく、心臓が口から飛び出しそうなくらい飛び上がった第二妃は、そのまま床に倒れて、自ら身動きができなくなった。
「お前が首謀者か」
と国王の低い声。
「違います! これは勘違いです!」
「話は大方聞いている。牢屋に入れろ」
国王の命令通りに側近と第二妃を牢屋に押し込み、鍵をかける。
「よくやったお前たち。我が息子がかっていたいただけのことはある」
「とんでもございません。それで、この後、どうするおつもりで?」
「情報をはかせ次第、関係者を全員排除する」
「では、協力しますよ」
「頼むぞ」
この国の信頼を勝ち取った俺は、ほくそ笑んだ顔を、わざとらしく元側近たちに見せつける。
「おい! 話しが違うぞ! いうことを聞いたら命だけは保証すると言ったじゃないか!」
「それはそれ。これはこれ。いつだって予定は狂うもんさ。まっ、後は、神にでも祈るんだな」
「おい! 待ってくれ! 頼む! 気の迷いだったんだ!」
叫びを背中に受けながら、俺は外に出てカンナとハイタッチをする。
「どうだった?」
「うまくいったよ。それで、王子は?」
「王子も無事。襲われていないよ」
「じゃあ、後の始末は部下たちに任せるとして、お宝の場所はどうだ?」
「それがね、王子様が言うには、ボクたちの探しているお宝に心当たりがあるって言うんだ」
「どこにあるんだ?」
「ここからずっと、南にいったところの海岸の街。インスって場所なんだって」
「本当か?」
「嘘だったら、後で、ひいひい言わせてやらないとね」
「そうだな」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
昭和から平成の性的イジメ
ポコたん
BL
バブル期に出てきたチーマーを舞台にしたイジメをテーマにした創作小説です。
内容は実際にあったとされる内容を小説にする為に色付けしています。私自身がチーマーだったり被害者だったわけではないので目撃者などに聞いた事を取り上げています。
実際に被害に遭われた方や目撃者の方がいましたら感想をお願いします。
全2話
チーマーとは
茶髪にしたりピアスをしたりしてゲームセンターやコンビニにグループ(チーム)でたむろしている不良少年。 [補説] 昭和末期から平成初期にかけて目立ち、通行人に因縁をつけて金銭を脅し取ることなどもあった。 東京渋谷センター街が発祥の地という。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる