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カンナに連れられて、小高い丘を登る。そこは何とも見晴らしがよくて、月明かりに照らされた街並みが良く見えた。
暖炉の火の明かりが窓から漏れていて、日中の人通りとは違って、今は静かで、違う日常にやってきた気さえしてきた。
そこに、涼しい夜風がすーっと通り抜ける。
カンナはバスケットを降ろすと、風の流れにのって良い匂いが漂ってきた。
「綺麗だな。ここは」
「ありがと。連れてきた甲斐があったよ」
ワインボトルを渡して、二人で飲みかわす。
「今日もお疲れ様」
「お疲れ様」
そうして言うと、カンナが物欲しそうに目を閉じているので、昼間の算数の件のこともあり、俺は少しからかってやることにした。
「どうした? 目にゴミでも入ったのか?」
「ひどいよ! ねえ、いじわる!」
「しょうがねえな」
カンナを抱き寄せて、男同士で愛し合うキスをする。
良い匂いも漂って来るし、お互いにちょっと興奮したのか、離れてからも口に糸が引いていた。
「えっちなキスしちゃったね」
「そうだな」
「でも、先に飲もうよ。それにご飯も」
バスケットのランチョンマットを取ってみれば、香ばしい匂いの正体はローストレッグだったようだ。
チーズにパンにトマトのコンフィ。それに、一つの林檎もバスケットに入ってある。
「ヒロトが好きだって言うから、チーズも奮発したもの買っちゃったんだ」
「ありがとな。こりゃゴルゴンゾーラか。しかも、ピカンテ。このピリピリとした青カビの刺激としょっぱさと甘さがワインによく合うんだよな」
「でも、臭いからエッチする時、絶対に臭って来るよ!」
そう言って、カンナが笑う。釣られて俺も笑った。
「でも、俺はこの臭いが好きだからな」
「えー、ヒロトってニオイフェチなの?」
「まあ、正直に言うとな。それに、お前の汗のニオイとか特にな……」
「そっかー。じゃあ、汗だくになるまでね?」
「そうだな」
暖炉の火の明かりが窓から漏れていて、日中の人通りとは違って、今は静かで、違う日常にやってきた気さえしてきた。
そこに、涼しい夜風がすーっと通り抜ける。
カンナはバスケットを降ろすと、風の流れにのって良い匂いが漂ってきた。
「綺麗だな。ここは」
「ありがと。連れてきた甲斐があったよ」
ワインボトルを渡して、二人で飲みかわす。
「今日もお疲れ様」
「お疲れ様」
そうして言うと、カンナが物欲しそうに目を閉じているので、昼間の算数の件のこともあり、俺は少しからかってやることにした。
「どうした? 目にゴミでも入ったのか?」
「ひどいよ! ねえ、いじわる!」
「しょうがねえな」
カンナを抱き寄せて、男同士で愛し合うキスをする。
良い匂いも漂って来るし、お互いにちょっと興奮したのか、離れてからも口に糸が引いていた。
「えっちなキスしちゃったね」
「そうだな」
「でも、先に飲もうよ。それにご飯も」
バスケットのランチョンマットを取ってみれば、香ばしい匂いの正体はローストレッグだったようだ。
チーズにパンにトマトのコンフィ。それに、一つの林檎もバスケットに入ってある。
「ヒロトが好きだって言うから、チーズも奮発したもの買っちゃったんだ」
「ありがとな。こりゃゴルゴンゾーラか。しかも、ピカンテ。このピリピリとした青カビの刺激としょっぱさと甘さがワインによく合うんだよな」
「でも、臭いからエッチする時、絶対に臭って来るよ!」
そう言って、カンナが笑う。釣られて俺も笑った。
「でも、俺はこの臭いが好きだからな」
「えー、ヒロトってニオイフェチなの?」
「まあ、正直に言うとな。それに、お前の汗のニオイとか特にな……」
「そっかー。じゃあ、汗だくになるまでね?」
「そうだな」
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