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この光景を肴にワインを飲もうとすると、たまたま男と目が合った。
そいつは、ニヤリと口角を上げ、俺は直感的に何かの脅威を理解して逃げ出した。
俺の酔いが醒めるよりも早く男が、
「おや? そこにいるのは昨日の共犯くんじゃないか!! おーい!! そこのワインを持ってる君ー!」
と。
警察が何十人も追ってくるが、俺は全力で壁を登って屋根を伝って路地裏に逃げ込む。
ベランダに指をかけ、外壁に足をおく。静かに着地すると、ゴミ箱の陰に隠れる。
あの場で弁明しようにも絶対に解放されることはないだろう。
3時間も経って、ようやく、あたりも落ち着いたころ、俺は角で、ばったりと殺人鬼の男に出会った。
「やあ」
「うわっ!!」
「さっきはありがとうね。君が時間稼ぎをしてくれたおかげで逃げ切れたよ」
「ったく。お前のせいで、俺まで顔が割れたじゃねえか。つか、どうやって抜け出したんだ?」
「ははは。それは企業秘密ってやつさ。ねえ。君。顔が割れたし、この街を離れるんだろ? ボクと一緒にいかないかい?」
「この町を離れる気はねえよ」
「なんで? 何かあるの?」
「別になんもねえよ。ただ、この街は俺の故郷だからな」
「ふーん。でも、君はボクのことが好きなんだろ?」
「あれは……、あの時、女だと思っただけだ」
見透かしたように殺人鬼の男は俺の目をじっと見つめたままそう言う。
見られていることに多少の恥ずかしさは俺にもあったが、それでも、悪い気がしなかったのは、少しなりとも気が変になっていたからだと思う。
「へー。でも、君、悪魔のボクから逃げないじゃないか。君も同性愛者なんだろ? だから、僕が悪魔じゃないって分かるから逃げないんだ」
「ちげーよ。俺はただの悪魔ごときに逃げ出すほど臆病じゃねえってだけだ」
「警察からは逃げるのに?」
「チッ」
「ねえボクの名前カンナっていうんだ。一緒に旅に出ようよ」
殺人鬼の男、今はカンナはしつこく俺の手を引っ張って旅に誘ってくる。
カンナのへそを出した引き締まった体。肩幅を隠すように着たカーディガン。まるで、というより、カンナの姿は、女の子みたいな恰好をしている。
酒がまだ抜け切れていないせいか、頭がまたこんがらがってきやがった。
「殺人鬼と一緒なんてごめんだね。あっちいけオカマ」
「ひどーい。でも、ボクのことえっちな目で見てたじゃん?」
そいつは、ニヤリと口角を上げ、俺は直感的に何かの脅威を理解して逃げ出した。
俺の酔いが醒めるよりも早く男が、
「おや? そこにいるのは昨日の共犯くんじゃないか!! おーい!! そこのワインを持ってる君ー!」
と。
警察が何十人も追ってくるが、俺は全力で壁を登って屋根を伝って路地裏に逃げ込む。
ベランダに指をかけ、外壁に足をおく。静かに着地すると、ゴミ箱の陰に隠れる。
あの場で弁明しようにも絶対に解放されることはないだろう。
3時間も経って、ようやく、あたりも落ち着いたころ、俺は角で、ばったりと殺人鬼の男に出会った。
「やあ」
「うわっ!!」
「さっきはありがとうね。君が時間稼ぎをしてくれたおかげで逃げ切れたよ」
「ったく。お前のせいで、俺まで顔が割れたじゃねえか。つか、どうやって抜け出したんだ?」
「ははは。それは企業秘密ってやつさ。ねえ。君。顔が割れたし、この街を離れるんだろ? ボクと一緒にいかないかい?」
「この町を離れる気はねえよ」
「なんで? 何かあるの?」
「別になんもねえよ。ただ、この街は俺の故郷だからな」
「ふーん。でも、君はボクのことが好きなんだろ?」
「あれは……、あの時、女だと思っただけだ」
見透かしたように殺人鬼の男は俺の目をじっと見つめたままそう言う。
見られていることに多少の恥ずかしさは俺にもあったが、それでも、悪い気がしなかったのは、少しなりとも気が変になっていたからだと思う。
「へー。でも、君、悪魔のボクから逃げないじゃないか。君も同性愛者なんだろ? だから、僕が悪魔じゃないって分かるから逃げないんだ」
「ちげーよ。俺はただの悪魔ごときに逃げ出すほど臆病じゃねえってだけだ」
「警察からは逃げるのに?」
「チッ」
「ねえボクの名前カンナっていうんだ。一緒に旅に出ようよ」
殺人鬼の男、今はカンナはしつこく俺の手を引っ張って旅に誘ってくる。
カンナのへそを出した引き締まった体。肩幅を隠すように着たカーディガン。まるで、というより、カンナの姿は、女の子みたいな恰好をしている。
酒がまだ抜け切れていないせいか、頭がまたこんがらがってきやがった。
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