え!? 今から転生してチートなしでお金持ちになれてハーレムも築ける最強学問があるって本当ですか!?

竹丈岳

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人の気持ちには一貫性がある

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 モナちゃんがぐいっと前のめりにきて、真剣な顔で、そう要求してきました。どうして、この子はこんなにも積極的なのでしょうか。単にお金目当てだとしたら、やはり、俺は傷つきます。

「まあ、そうですね。そろそろ俺も引っ越さねばと考えていたところですし、家の一つでも建ててみましょうか」

「ありがとうございます丈様!

 モナちゃんは、子どもらしく、ぴょんぴょんと飛び跳ねています。

「じゃあじゃあ、丈様はどんなことが好きなのですか?」

「まあ、お酒ですね。普段は疲れてばかりいて、仕事以外にできることもありませんし」

「それじゃあ今日は疲れを飛ばすために飲みに行きましょう!」

 そう言うと、カレンさんは、半ば無理やりに俺を引っ張り出し、俺を怪しいお店に連れて行きました。

 そこは大衆居酒屋にしては人が少なく、客も男性ばかりでした。やはり、怪しいお店です。

 席に通され、テーブルに付くと、俺の周りに女の人が二人付いてきました。二人とも可愛い女の子です。一人は金髪のあか抜けない女の子で、もう一人の子は黒髪の、田舎の良さが出た女の子でした。というより、二人とも、親戚のお姉ちゃんみたいな雰囲気を持った人と言うのが正しいのでしょうか。こういうのは、正直なところ、俺は好きです。

「さあ、お酒は何を注文します?」

「あの、ここのお店って? 何なんです?」

「もちろん。キャバクラですよ」

「え?」

 そう言う黒髪の女の子はニコニコとしています。
 というより、キャバクラになんで、女の子が二人付いてきているのでしょうか? カレンさんも、モナちゃんもなぜいるのでしょうか?

 まあ、お酒を飲むだけでしたら、別に普通のお店と代わりありませんし、お触りもありません。
 しかし、女の子たちはしっかりと俺の両脇に密着しています。

「何飲みます?」

「えっと、じゃあ、一番高いお酒を。あと、子どもがいるのでジュースを一つ」

「かしこまりました」

 俺がそう言うと、黒髪の女の子はボーイらしき人を呼んで、注文を頼みました。

「丈様が飲むなら私もです!」

 とモナちゃんが言うのですが、さすがにこの世界の飲酒規制が甘いからと言って、モナちゃんは幼すぎます。
 そんなモナちゃんをカレンさんが宥めようとしていました。

「だーめ。丈様が言っているのですから、今はジュースで我慢よ」

「むう!」

 運ばれてきたお酒やージュースで、いざ乾杯すると、俺はお酒の快感を思い出して一気に飲み干しました。
 俺は、もう、止まることなくそらもう三杯を一気に飲みました。

「丈様! 良い飲みっぷりですわ!」

「やっぱ酒はうめーわ!」

 お酒を飲むと、普段の自分が抑えている気持ちが一気に出てきてスッキリします。

 俺がじっと、カレンさんの胸を見ていると、女の子が席を立ったタイミングで、俺の方に寄ってきて、頬にキスをしてきました。
 俺が突然のキスに呆気にとられていると、今度は、モナちゃんが俺に抱き着こうとしてきました。

 しかし、間に金髪の女の子がいるため、モナちゃんは俺には届きませんでした。残念。

 俺は酔っぱらったのも相まって、つい愚痴をこぼしたくなってしまいました。

「俺さ。正直言うと、生きてて楽しくないって思ってたんだ。ようやく手に入れた金も、いざ、持ってみたら、忙しいのにも変わりないし、どうせ死んじまうって思ったら、金に価値なんて全く無いんだなって思って、何も満たされなかったんだ」

「それは……、可哀そうに……」

「俺は、昔、周りに、酷いことばかり言って、それで追い出されて、居場所も無くしたんだ。俺は悪い奴だから、ここで罪を償うために人を助けているんだ。いつだって罪の意識があるから、生きている心地なんて全くしないんだ。いっそのこと、死んだ方が楽だろうっていつも思ってる。結局死んでしまえば罪も幸せも何も残らないでいてくれるからな」

「そんなことありませんわ。幸せは残りますわ。みんな自分が生きた証を残そうとしますの。私だって、子どもを作りたいって思ってます。いつ、魔族や人間に殺されてしまうか分からないのですから」

「魔族?」

「ご存知ないのですか?」


「ええ。俺はここに流れ着いた身ですから」
「魔族というのは、人間しか食べられない種族のことですわ。ただ、食べるだけならまだしも、魔族と人間の間には子どもが作れるものですから、できた子供を食べたり、奴隷にしたりする。酷い種族です」

 別に、俺としてはそれが真実かどうかなんてまだ分からないから、どちらの肩を持つことはしないが、言葉としては言っておかねばらないだろう。

「酷いことをしますね」

「本当に酷い種族です。そのせいでたびたび戦争が起きますから、女なんて、体力もありませんから一人で生きていくなんて無理なのです。だから、私たち女性は、強い人に好意を抱きますの。丈様に私や、モナちゃんも、守っていただきたいのです……」

 カレンさんもお酒が入っているせいか、俺の胸に寄り掛かってすすり泣くようになりました。

 モナちゃんもそういった表情で涙を溜めて頷いています。

 俺も困ってはいますが、魔族の話しが本当だとすると、俺は、もっと、人間ではなく、魔族を相手に戦うべきなのではと思いました。

 カレンさんやモナちゃんがこうまで積極的なのは、庇護を求めてのことだったのかもしれません。
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