5 / 24
マク●ナルドのハンバーガーって、あれ、実は正式にはサンドウィッチっていう名称なんだって
しおりを挟む
「とりあえず、女性を雇ってみるか」
俺はそう言いました。
実のところ、女性の犯罪率というのは、男性に比べてかなり低いのです。
といっても、女性は軽犯罪を犯しやすいとも読み取れるデータではありますが……。
「大丈夫か? 体力的に? 女だとそんな長時間は働けないぞ」
「体力はまあ、魔法も使えるし問題ないだろう。それに、今まで悪さをしていたのは全員男だ。女だからって犯罪をしないとも限らないが、犯罪率は低いんじゃないかと思ってな」
「犯罪率?」
「男と女のどっちが犯罪を多くするのかっていう数値のことだ」
「ふーん」
「まるで興味ないって顔だな」
「おうともさ! 俺は金さえ手に入ればなんでもいい!」
そう自信満々に言い放つカイセルでしたとさ。
そろそろ、コイツとやって行けるか俺は不安になってきました。
「とりあえず、今ある資金で乳牛はふやせないか?」
「一か月後には食肉用になるメス牛がいたんだけど、それを乳牛に回すことにしたから、乳牛は増やせるぜ」
「なら。ここまでは順調だ。とりあえずは信頼できる奴を雇っていくのが最優先だ」
まあ、そうは言っても完全に信頼できる奴なんてそうそういないわけで、サボりや盗みはある程度は見逃すことになるのだが、最初に来たのは、なんと俺に仕事を紹介したあの女の子でした。
「や……。やあ……」
「また、会ったね……」
気まずい挨拶のあと、面接に映るのだけど、少し前まで透明だった水色の服もリボンも、今では砂を被って汚れてしまっていて、とても大変なことがあったような様子でした。
俺としてはちょっと心配してしまいました。
「大変だったみたいだな」
「ちょっとね」
「これから、面接をするわけだが、なにがあったか聞いても?」
「ちょっと転んだだけ」
女の子はそう言いますが、到底一回や二回転んだ程度でできる汚れとは思えませんでした。
まあ、嘘を言っていると言っていいでしょう。
「まあ、あの時、仕事を紹介してもらって助けてもらった恩もあるし、雇うことは決めているんだが、俺としては君のことが心配なんだ。心の底から助けてあげたいと思ってる。何があったか聞いても良いかな?」
そう言いつつも、俺が助けられるとは思ってもいませんでした。単に、余計なことに巻き込まれたくなかったから先に聞いておいただけのことです。俺はなんてクズでしょう。
「私は平気。だから、大丈夫」
「そうか。強いんだな。君は。なら、名前と年を聞いてもいいかな?」
「名前はロレーヌ。年は15」
ロレーヌは、そうきっぱりと言いました。
まあ、仕方ないのでロレーヌは採用として面接が終わり、次に移るのだけど、来たのは、また幼い女の子でした。
ここは中学校か何かでしょうか?
「よろしくお願いします!」
なんと元気のいい挨拶でしょうか。
やって来た女の子はアイロンの付いた紫色の服を着ていて、身なりがとても整っていました。お金にもそれほど困った様子はなさそうですし、なんならお金持ちなのでは? と思うほど服装の質も良かったのです。
それに、手入れがされたピンク色の髪の毛がふわふわと浮かんでいて可愛らしいですし、俺もちょっとデレデレしちゃいます。
「こちらこそ、よろしくね。俺は武田丈。名前を聞いても良いかな?」
「はい! アンリ・モナと申します」
「モナちゃんだね。じゃあ、どうして働きたいのか聞きたいんだけど、聞いても良いかな?」
「はい! お母さんの誕生日プレゼントのために自分で働いたお金で買ってあげたいと思ったんです!」
はい。採用です。こんなに可愛らしくて親思いの子を落すなんてできません。
それからのことですが、販売は完全に人に任すことにして、俺は基本的に事務作業ばかりするようになりました。工務店の仕事なんてそっちのけで事務作業を続けるため、親方がたまに殺しにきたりしますが、俺はなんとか生き延びて作業を進めていました。
経営規模が拡大すると、一か月で大体51万シニーの利益が出ました。かなり売り上げです。
「最初は経営が火の車になるかと思ってたけど、案外売れてればそんなことにはならないんだな」
「まあ、危険ではあったが、最初から勝算はあったからな」
「で、次はどうするんだ?」
「次は本格的にパンを売ろうと思う」
「え? 今だってパンは売ってるだろ?」
「今の状態だと、パン屋から直接パンを買ってるから利益は殆ど出ていないんだ。簡単なものでもいいから自分たちで作れるようにしないと利益は殆ど出せない。それに、100年も生き残る企業は、必ず商品を自社で生産して売っているんだ。簡単なものでも良いから自分たちで売らないとこの先も生き残ることはできない。誰か、パン作りの知識とかあれば良いんだが……。パン屋で働いている奴らをスカウトするのもありか……」
と俺がそう言うと、モナちゃんとロレーヌが手を上げました。
「はい! 私、本格的にパンが作れます」
とモナちゃんが言いました。
なんて優秀な子なんでしょう!
「私は簡単なものしかできません」
とロレーヌが寂しそうに言いました。
どうにもロレーヌは自分の腕に自信が無い様子でした。
が、正直なところ、俺としては、ロレーヌの方を囲っておきたかったのです。なぜなら、モナちゃんは、お金が貯まれば早々にお店を止めることになるはずなのです。だって親へのプレゼント台が貯まれば、長く続ける理由が他にないからなのです。そうしたら、俺としては長く働いてくれそうなロレーヌちゃんを囲っておきたい気持ちでいっぱいです。
それに、俺の言うパンには、難しい技術は必要ありません。
俺はロレーヌの肩に手を添えて元気づけようとします。
「ほら、ロレーヌ、自信を持って。大丈夫。簡単な物の方が良いんだよ。俺らが目指すのはただのファストフードなんだから」
「ファストフード?」
と疑問に思うロレーヌでした。
そう。なんたって俺が目指すパンは、世界中で大成功しているマク●ナルドのハンバーガーですから!
俺はそう言いました。
実のところ、女性の犯罪率というのは、男性に比べてかなり低いのです。
といっても、女性は軽犯罪を犯しやすいとも読み取れるデータではありますが……。
「大丈夫か? 体力的に? 女だとそんな長時間は働けないぞ」
「体力はまあ、魔法も使えるし問題ないだろう。それに、今まで悪さをしていたのは全員男だ。女だからって犯罪をしないとも限らないが、犯罪率は低いんじゃないかと思ってな」
「犯罪率?」
「男と女のどっちが犯罪を多くするのかっていう数値のことだ」
「ふーん」
「まるで興味ないって顔だな」
「おうともさ! 俺は金さえ手に入ればなんでもいい!」
そう自信満々に言い放つカイセルでしたとさ。
そろそろ、コイツとやって行けるか俺は不安になってきました。
「とりあえず、今ある資金で乳牛はふやせないか?」
「一か月後には食肉用になるメス牛がいたんだけど、それを乳牛に回すことにしたから、乳牛は増やせるぜ」
「なら。ここまでは順調だ。とりあえずは信頼できる奴を雇っていくのが最優先だ」
まあ、そうは言っても完全に信頼できる奴なんてそうそういないわけで、サボりや盗みはある程度は見逃すことになるのだが、最初に来たのは、なんと俺に仕事を紹介したあの女の子でした。
「や……。やあ……」
「また、会ったね……」
気まずい挨拶のあと、面接に映るのだけど、少し前まで透明だった水色の服もリボンも、今では砂を被って汚れてしまっていて、とても大変なことがあったような様子でした。
俺としてはちょっと心配してしまいました。
「大変だったみたいだな」
「ちょっとね」
「これから、面接をするわけだが、なにがあったか聞いても?」
「ちょっと転んだだけ」
女の子はそう言いますが、到底一回や二回転んだ程度でできる汚れとは思えませんでした。
まあ、嘘を言っていると言っていいでしょう。
「まあ、あの時、仕事を紹介してもらって助けてもらった恩もあるし、雇うことは決めているんだが、俺としては君のことが心配なんだ。心の底から助けてあげたいと思ってる。何があったか聞いても良いかな?」
そう言いつつも、俺が助けられるとは思ってもいませんでした。単に、余計なことに巻き込まれたくなかったから先に聞いておいただけのことです。俺はなんてクズでしょう。
「私は平気。だから、大丈夫」
「そうか。強いんだな。君は。なら、名前と年を聞いてもいいかな?」
「名前はロレーヌ。年は15」
ロレーヌは、そうきっぱりと言いました。
まあ、仕方ないのでロレーヌは採用として面接が終わり、次に移るのだけど、来たのは、また幼い女の子でした。
ここは中学校か何かでしょうか?
「よろしくお願いします!」
なんと元気のいい挨拶でしょうか。
やって来た女の子はアイロンの付いた紫色の服を着ていて、身なりがとても整っていました。お金にもそれほど困った様子はなさそうですし、なんならお金持ちなのでは? と思うほど服装の質も良かったのです。
それに、手入れがされたピンク色の髪の毛がふわふわと浮かんでいて可愛らしいですし、俺もちょっとデレデレしちゃいます。
「こちらこそ、よろしくね。俺は武田丈。名前を聞いても良いかな?」
「はい! アンリ・モナと申します」
「モナちゃんだね。じゃあ、どうして働きたいのか聞きたいんだけど、聞いても良いかな?」
「はい! お母さんの誕生日プレゼントのために自分で働いたお金で買ってあげたいと思ったんです!」
はい。採用です。こんなに可愛らしくて親思いの子を落すなんてできません。
それからのことですが、販売は完全に人に任すことにして、俺は基本的に事務作業ばかりするようになりました。工務店の仕事なんてそっちのけで事務作業を続けるため、親方がたまに殺しにきたりしますが、俺はなんとか生き延びて作業を進めていました。
経営規模が拡大すると、一か月で大体51万シニーの利益が出ました。かなり売り上げです。
「最初は経営が火の車になるかと思ってたけど、案外売れてればそんなことにはならないんだな」
「まあ、危険ではあったが、最初から勝算はあったからな」
「で、次はどうするんだ?」
「次は本格的にパンを売ろうと思う」
「え? 今だってパンは売ってるだろ?」
「今の状態だと、パン屋から直接パンを買ってるから利益は殆ど出ていないんだ。簡単なものでもいいから自分たちで作れるようにしないと利益は殆ど出せない。それに、100年も生き残る企業は、必ず商品を自社で生産して売っているんだ。簡単なものでも良いから自分たちで売らないとこの先も生き残ることはできない。誰か、パン作りの知識とかあれば良いんだが……。パン屋で働いている奴らをスカウトするのもありか……」
と俺がそう言うと、モナちゃんとロレーヌが手を上げました。
「はい! 私、本格的にパンが作れます」
とモナちゃんが言いました。
なんて優秀な子なんでしょう!
「私は簡単なものしかできません」
とロレーヌが寂しそうに言いました。
どうにもロレーヌは自分の腕に自信が無い様子でした。
が、正直なところ、俺としては、ロレーヌの方を囲っておきたかったのです。なぜなら、モナちゃんは、お金が貯まれば早々にお店を止めることになるはずなのです。だって親へのプレゼント台が貯まれば、長く続ける理由が他にないからなのです。そうしたら、俺としては長く働いてくれそうなロレーヌちゃんを囲っておきたい気持ちでいっぱいです。
それに、俺の言うパンには、難しい技術は必要ありません。
俺はロレーヌの肩に手を添えて元気づけようとします。
「ほら、ロレーヌ、自信を持って。大丈夫。簡単な物の方が良いんだよ。俺らが目指すのはただのファストフードなんだから」
「ファストフード?」
と疑問に思うロレーヌでした。
そう。なんたって俺が目指すパンは、世界中で大成功しているマク●ナルドのハンバーガーですから!
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

「サボってるだろう?」と追い出された最強の龍脈衆~救ってくれた幼馴染と一緒に実力主義の帝国へ行き、実力が認められて龍騎士に~
土偶の友
ファンタジー
龍を狩る者、龍脈衆のセレットは危険な龍が湧く場所――龍脈で毎日何十体と龍を狩り、国と城の安全を守っていた。
しかし「サボっているのだろう?」と彼は私利私欲のために龍脈を利用したい者達に無実の罪を着せられて追放されてしまう。
絶望に暮れて追放されている時に助けてくれたのは幼馴染のアイシャだった。「私と一緒に帝国に亡命しない?」彼女に助けられ請われる形で実力主義の帝国に行く。
今まで人前に晒されていなかったセレットの力が人の目に見られ、その実力が評価される。何十人と集まり、連携を深め、時間をかけて倒す龍を一撃で切り裂いていくセレットの実力は規格外だった。
亡命初日に上級騎士、そして、彼のために作られた龍騎士という称号も得て人々から頼りにされていく。
その一方でセレットを追放した前の国は、龍脈から龍が溢れて大事件に。首謀者たちはその責任を取らされて落ちぶれていくのだった。
これはいいように使われていた最強の龍脈衆が、最高最強の龍騎士になる物語。
小説家になろう様でも投稿しています。
小さな希望を紡ぐ姫と鋼鉄の王虎を駆る勇者 ~ティーガー戦車異世界戦記~【挿絵あり】
ニセ梶原康弘
ファンタジー
――この力を、弱き者を救う為に捧げたい
異世界リアルリバーへ現れたチート勇者達の暴虐によって魔族は迫害され、今まさに滅びようとしていた。そんな彼等を救ったのは、ひとりの少年と重戦車「キングタイガー」だった。
少年を仲間に迎え入れた魔物達は王姫アリスティアに導かれ新天地を求め西へと旅立つが、魔族を追うチート勇者達は執拗に一行をつけ狙う。そして、それらを冷ややかに見つめる謎の魔少女……
幾度も迫る危機、流される血と涙。明かされる異世界の真実……果たして最後の楽園は見つかるのか?異世界チートの暴虐を蹴散らす怒りの砲声と共に少年は叫ぶ、「戦車前へ!」
これは異世界で悪を捨てた魔族が求めた希望と救済と、そして小さな愛の物語
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

[完結長編連載]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ・更新報告はTwitterで
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
Look like? オークそっくりだと言われる少女は女神の生まれ変わりだった
優陽 yûhi
ファンタジー
頭脳明晰、剣を持てば、学園はじまって以来の天才。
しかし魔法が使えずオークそっくりと言われる容姿で、周りから疎まれ、居ない者扱いされている少女エルフィナ。
しかしその容姿は悪神の呪いで、本当は醜いどころか王国中探しても、肩を並べる者がいない位、美しい少女だった。
魔法が使えないはずのエルフィナが妹の危機に無意識で放つ規格外の魔法。
エルフィナの前世は女神だった。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる