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鏡月 七緒は一番可愛い(2)
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今日も朝からモデルのお仕事。
でも今日はいつもと違う。
いつも通りマネージャーの車に乗り込み撮影のスタジオへ向かう。
車内にはマネージャーと私、
そして十和。
昨日の夜、
完全に勢いで十和にお願いしたから断られるかと思ったけど、
十和はあっさり引き受けてくれた。
マネージャーもモデルが見つかって嬉しそうだ。
「十和ちゃん急にお願いしちゃってごめんね~」
「いえ、学校も休みですし。逆に私みたいな素人で大丈夫でしょうか…」
「大丈夫!七緒の妹って聞いたときはびっくりしたけど、十和ちゃんめっちゃ可愛いからみんな了承してくれるはず!」
「本当ですか?私、すごく緊張してて…」
緊張で手を握りしめている十和に声をかける。
「大丈夫よ、カメラマンが色々指示出してくれるからその通りにすればいいわ。笑顔を忘れなければ上手くいくから」
「ありがとうございます、お姉様。頑張ってみます」
「十和の広告楽しみにしてるわ」
それぞれ撮影場所が違ったため撮影は見られなかった。
マネージャーから聞くと、
十和の撮影は上手くいったそうだ。
十和がモデルを務めた広告のポスターは屋外の至るところに貼り出された。
「すごいわ!!この前撮った十和ちゃんの広告が話題になってる!!」
一週間ぐらい経った頃、
広告はたくさんの人の目にとまり、
話題沸騰。
ネットで『あの美女は誰だ!?』と持ちきりだ。
マネージャーもずっと興奮状態。
「ねぇ七緒、十和ちゃんモデルに興味ないのかしら?うちの事務所に入ってほしいわ~」
「さぁ、どうかしら」
「あの子は絶対売れる!七緒の妹って情報も流せばすぐに仕事もくるはず!二人でTVに出られるかも……」
「私、お手洗いに行ってくるわ」
「あ、わかった。もうすぐ移動だから早めにね」
私は控え室から出てお手洗いに向かった。
黙々と手を洗う。
みんな盛り上がっちゃって何なの!?
みんな十和、十和、十和、十和!!!
どこ行っても十和の話で持ちきりじゃない!!
外でも十和のポスターが貼られているし、
ネットでも十和のことばかり取り上げられて。
この前の撮影で私が雑誌の表紙を飾ったのにまわりは全然反応なし!
どういうことよ!?
マネージャーも私が目の前にいるのに十和の話しばっかりじゃない。
聞き飽きたっつーの!!
お前は私の仕事をサポートしてればいいんだよ!!
というか、
あんな化粧品の広告なんて私がモデルでも話題になるし。
あんなに騒ぐようなことじゃないでしょ!?
「クソがっ……!」
洗面台に手を強く叩きつける。
顔を上げて鏡に映る自分の姿を見る。
「……大丈夫、だって私は今をときめくカリスマモデルだもの」
そうよ。
まわりが何を言おうが、
私がカリスマであることは変わらない。
大丈夫よ、
だって私はこんなに可愛い。
この顔は誰にも負けないのだから。
十和は十和、
私は私。
「うん、今日も私が一番可愛い!」
気持ちを入れ替えて自分の可愛さを再確認した私はマネージャーの元へ戻った。
でも今日はいつもと違う。
いつも通りマネージャーの車に乗り込み撮影のスタジオへ向かう。
車内にはマネージャーと私、
そして十和。
昨日の夜、
完全に勢いで十和にお願いしたから断られるかと思ったけど、
十和はあっさり引き受けてくれた。
マネージャーもモデルが見つかって嬉しそうだ。
「十和ちゃん急にお願いしちゃってごめんね~」
「いえ、学校も休みですし。逆に私みたいな素人で大丈夫でしょうか…」
「大丈夫!七緒の妹って聞いたときはびっくりしたけど、十和ちゃんめっちゃ可愛いからみんな了承してくれるはず!」
「本当ですか?私、すごく緊張してて…」
緊張で手を握りしめている十和に声をかける。
「大丈夫よ、カメラマンが色々指示出してくれるからその通りにすればいいわ。笑顔を忘れなければ上手くいくから」
「ありがとうございます、お姉様。頑張ってみます」
「十和の広告楽しみにしてるわ」
それぞれ撮影場所が違ったため撮影は見られなかった。
マネージャーから聞くと、
十和の撮影は上手くいったそうだ。
十和がモデルを務めた広告のポスターは屋外の至るところに貼り出された。
「すごいわ!!この前撮った十和ちゃんの広告が話題になってる!!」
一週間ぐらい経った頃、
広告はたくさんの人の目にとまり、
話題沸騰。
ネットで『あの美女は誰だ!?』と持ちきりだ。
マネージャーもずっと興奮状態。
「ねぇ七緒、十和ちゃんモデルに興味ないのかしら?うちの事務所に入ってほしいわ~」
「さぁ、どうかしら」
「あの子は絶対売れる!七緒の妹って情報も流せばすぐに仕事もくるはず!二人でTVに出られるかも……」
「私、お手洗いに行ってくるわ」
「あ、わかった。もうすぐ移動だから早めにね」
私は控え室から出てお手洗いに向かった。
黙々と手を洗う。
みんな盛り上がっちゃって何なの!?
みんな十和、十和、十和、十和!!!
どこ行っても十和の話で持ちきりじゃない!!
外でも十和のポスターが貼られているし、
ネットでも十和のことばかり取り上げられて。
この前の撮影で私が雑誌の表紙を飾ったのにまわりは全然反応なし!
どういうことよ!?
マネージャーも私が目の前にいるのに十和の話しばっかりじゃない。
聞き飽きたっつーの!!
お前は私の仕事をサポートしてればいいんだよ!!
というか、
あんな化粧品の広告なんて私がモデルでも話題になるし。
あんなに騒ぐようなことじゃないでしょ!?
「クソがっ……!」
洗面台に手を強く叩きつける。
顔を上げて鏡に映る自分の姿を見る。
「……大丈夫、だって私は今をときめくカリスマモデルだもの」
そうよ。
まわりが何を言おうが、
私がカリスマであることは変わらない。
大丈夫よ、
だって私はこんなに可愛い。
この顔は誰にも負けないのだから。
十和は十和、
私は私。
「うん、今日も私が一番可愛い!」
気持ちを入れ替えて自分の可愛さを再確認した私はマネージャーの元へ戻った。
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