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鏡月 六花はゲームの神様(3)
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たまに学校から連絡がくる。
一応僕は不登校という身。
学校側は僕がいじめられていた事を知っているのかどうかはさておき、
学校側としては早く学校に来てほしいのだろう。
まぁ、分からなくもないが。
「鏡月君、そろそろ学校に来ませんか?このままだと進級出来るかどうかも怪しいので……」
「無理です」
「どうして休むのか理由を教えてほしいんだよね、先生は」
「言ってどうするんですか?言ったらなんとかなるんですか?」
「ちゃんとした理由がないと、先生たちもフォローしづらいんだよ。クラスのみんなも心配しているよ」
「……あの、もう切りますね」
「えっ?いや、まだ…」
向こうはまだ何か言いたそうだったが、僕はすぐに電話を切った。
僕を心配している?
そんな事あるわけないだろう、馬鹿か。
あいつらは僕をいじめた奴らだぞ。
心配しているんじゃなくて、
僕がいないと面白くないだけだ。
あいつらからすれば僕は玩具なんだよ。
ゲームみたいにあいつらを銃で撃ち殺してやりたい。
学校側は面倒事は避けたいからもしいじめに気づいていたとしてもなかったことにするだろう。
……どいつもこいつも腹が立つな。
「ん?なんだこれ」
パソコンにはいつも通りゲームが映っているのだが、
僕宛のコメントがいつもより多い。
僕はコメントを開いた。
『六花、学校に来てくれ』
なんだ?
このコメントには僕の名前が入力がある。
しかも、ロクではなくて六花。
『お前が来ないから僕が標的になっているんだ。お願いだから助けてくれよ』
このコメントを読んだユーザー達がその後に次々とコメントを入力していた。
『え、どういうこと??』
『学校とは?』
『リア友ですか?』
「こいつ…!!」
まずい事になった。
たぶん、ここにコメントをした奴は僕にいた数少ない友達の内の一人だ。
僕がこのゲームが好きでやっていることは前に話したことがあるし、
向こうもこのゲームをやっていた。
僕は不登校になってから名前を変えたのにどうして分かったんだ?
それよりも他のユーザー達に僕が不登校な奴ってバレたじゃないか。
しかもあんなコメントをしたらいじめの事も絶対バレる。
僕は被害者側だから別に何か言われることはないと思うが、
僕が来なくなって標的がお前になったから早く学校に来いって?
ふざけているのか?
つまり早く戻ってまたいじめられろよってことだろう?
「ふざけるな!!!」
僕は部屋の中で大声をあげた。
怒りでどうにかなってしまいそうだ。
お前らは僕を助けなかったくせに、
自分は助かろうとして…。
本当に、少しの間でもあいつらと友達だったんだと思うと呆れるな。
「六花様?大丈夫ですか?」
僕の声が下の階まで聞こえたのか、
切島がドアをノックする。
「何か問題でも…」
「何でもない!入ってくるな!!」
切島の返事はなかった。
ただ黙って部屋から離れたのだろう。
あぁ、イライラするなぁ。
とりあえずコメントは無視だ。
ゲームの神様が学校でいじめられて不登校なんて事実……。
これ以上深掘りされてあらぬ情報まで流されたら終わりだ。
僕はここでは何も語らない方がいい。
それに、
こんな無名のゲーマーのことを他の奴らが信じるわけがない。
だって僕はゲームの神様なんだぞ?
こんな奴なんかより絶対に神様の言うことを信じるに違いない。
この世界では僕の言う事が真実なんだよ。
可哀想な元友達よ、
せいぜい僕が味わった苦痛に堪えるがいい。
一応僕は不登校という身。
学校側は僕がいじめられていた事を知っているのかどうかはさておき、
学校側としては早く学校に来てほしいのだろう。
まぁ、分からなくもないが。
「鏡月君、そろそろ学校に来ませんか?このままだと進級出来るかどうかも怪しいので……」
「無理です」
「どうして休むのか理由を教えてほしいんだよね、先生は」
「言ってどうするんですか?言ったらなんとかなるんですか?」
「ちゃんとした理由がないと、先生たちもフォローしづらいんだよ。クラスのみんなも心配しているよ」
「……あの、もう切りますね」
「えっ?いや、まだ…」
向こうはまだ何か言いたそうだったが、僕はすぐに電話を切った。
僕を心配している?
そんな事あるわけないだろう、馬鹿か。
あいつらは僕をいじめた奴らだぞ。
心配しているんじゃなくて、
僕がいないと面白くないだけだ。
あいつらからすれば僕は玩具なんだよ。
ゲームみたいにあいつらを銃で撃ち殺してやりたい。
学校側は面倒事は避けたいからもしいじめに気づいていたとしてもなかったことにするだろう。
……どいつもこいつも腹が立つな。
「ん?なんだこれ」
パソコンにはいつも通りゲームが映っているのだが、
僕宛のコメントがいつもより多い。
僕はコメントを開いた。
『六花、学校に来てくれ』
なんだ?
このコメントには僕の名前が入力がある。
しかも、ロクではなくて六花。
『お前が来ないから僕が標的になっているんだ。お願いだから助けてくれよ』
このコメントを読んだユーザー達がその後に次々とコメントを入力していた。
『え、どういうこと??』
『学校とは?』
『リア友ですか?』
「こいつ…!!」
まずい事になった。
たぶん、ここにコメントをした奴は僕にいた数少ない友達の内の一人だ。
僕がこのゲームが好きでやっていることは前に話したことがあるし、
向こうもこのゲームをやっていた。
僕は不登校になってから名前を変えたのにどうして分かったんだ?
それよりも他のユーザー達に僕が不登校な奴ってバレたじゃないか。
しかもあんなコメントをしたらいじめの事も絶対バレる。
僕は被害者側だから別に何か言われることはないと思うが、
僕が来なくなって標的がお前になったから早く学校に来いって?
ふざけているのか?
つまり早く戻ってまたいじめられろよってことだろう?
「ふざけるな!!!」
僕は部屋の中で大声をあげた。
怒りでどうにかなってしまいそうだ。
お前らは僕を助けなかったくせに、
自分は助かろうとして…。
本当に、少しの間でもあいつらと友達だったんだと思うと呆れるな。
「六花様?大丈夫ですか?」
僕の声が下の階まで聞こえたのか、
切島がドアをノックする。
「何か問題でも…」
「何でもない!入ってくるな!!」
切島の返事はなかった。
ただ黙って部屋から離れたのだろう。
あぁ、イライラするなぁ。
とりあえずコメントは無視だ。
ゲームの神様が学校でいじめられて不登校なんて事実……。
これ以上深掘りされてあらぬ情報まで流されたら終わりだ。
僕はここでは何も語らない方がいい。
それに、
こんな無名のゲーマーのことを他の奴らが信じるわけがない。
だって僕はゲームの神様なんだぞ?
こんな奴なんかより絶対に神様の言うことを信じるに違いない。
この世界では僕の言う事が真実なんだよ。
可哀想な元友達よ、
せいぜい僕が味わった苦痛に堪えるがいい。
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