佐藤君のおませな冒険

円マリ子

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15. 落花流水②

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 約束の日曜日。住所と地図を手掛かりに橘先生の住むマンションまでやってきた。ここの最上階らしい。
 エントランスで部屋番号を押すとすぐに先生が解錠してくれた。オートロックのマンションなんて初めてなので緊張してしまった。エレベーターが上昇するのに合わせて俺の心拍数も上がっていく。先生の自宅はもうすぐそこなのだ。
 玄関の前に立ち、気持ちを落ち着けようと深呼吸してみたが無駄だった。呼び鈴を押す指が震えた。 

 ピンポーン

 こんな高級そうなマンションでもチャイムの音はうちと同じなんだ……とくだらないことを考えているうちに玄関が開いた。
「ようこそ、佐藤君。」
 先生はシャツにスラックスという学校にいるときとあまり変わらない服装だった。
「おじゃまします。」
「日は長い。今日はじっくり楽しもうね。」
 俺はどんなことをされるのだろう……少しの不安とたくさんの期待とで下腹部の奥のほうがじんわりしてくる。そして、俺の心身が以前とは変えられてしまったことを実感する。
 先生は俺をベッドルームに案内した。
「寝室兼プレイルームだよ。」
 にこにこしながら先生はドアを開けた。部屋の中を見回すと、プレイルームというだけあって普通の寝室とは違っていた。壁には数種類の鞭や縄が掛かっている。他にも名称が分からないが人を叩いたり拘束したりするためのものらしき道具が陳列されている。
 先ほどとは打って変わって、不安のほうがやや大きくなってしまう。それを察知したのか先生は安心させるようにこう言った。
「佐藤君、君は初心者だし、そんなにひどいことはしないつもりだよ。」
「はい、先生、よろしくお願いします。」
「よろしい。じゃあ、服を脱ぎなさい。もちろん全裸だよ。」
 先生の声のトーンが冷たく変わった。それによって俺の中の淫らな部分が引き出されるのを感じた。
 命令に従い裸になった。先生に舐め回すように見られて恥ずかしい。思わず股間に手をやって隠した。
「手は横に。隠してはいけないよ。」
 気をつけの姿勢で直立した。
「お風呂場に移動するからついてきなさい。」
 全裸で家の中を歩くのは奇妙な感じがする。
 脱衣所は素通りし、浴室に入った。そこには大きい注射器のようなもの、複数のたらい、ローションが準備されていた。俺にだってこれが何をするものかくらい分かる。
「あの……これは……。」
「浣腸だよ!一リットル頑張ろうね。」
 先生の口調が妙に明るくて、かえって怖くなった。
「さっきひどいことはしないと仰いましたよね。いきなり浣腸だなんて!俺、洗ってきました……。」
「ひどいとは心外だな。君のお尻をきれいにしてあげようと言っているんだ。感謝されこそすれそんなふうに言われる筋合いはないよ。」
「すみません……。」
「わがままを言う悪い子にはお仕置きが必要だね。」
 俺は余計なことを言ってしまったようだ。先生は不安そうな俺を厳しい目つきで見つめながら強い調子で言った。
「二リットルだ!君の体格ならいけるだろ。さあ、湯船に手をついてケツをこっちに向けろ。」
 いつもより乱暴な口調の先生に気圧されてしまった。俺はよろよろと手をつき、尻を突き出す姿勢になった。先生はローションを手に取ると、俺の肛門を解しはじめた。
「うっ……。」
 思わずうめき声が出てしまう。以前より性感の発達した俺は、すぐに快感を覚えた。しかし、先生の指は抜かれてしまった。ぽっかりと寂しい。
 先生はたらいにぬるま湯を溜めながら言った。
「この浣腸器は200ミリリットルだから、十回だ。」
 浣腸器の先端が突き入れられた。
「一回目。」
 ぬるま湯がじわじわと体内に入ってくるのが分かる。
「二回目。」
 まだこれくらいなら平気だ。
「三回目。」
 まだ大丈夫。
「四回目。」
 ちょっと苦しくなってきた。
「五回目。」
 お腹が張って苦しい。
「先生、お腹が苦しくて……もう……。」
「ここで終わっては仕置きにならない。」
 無慈悲な先生の言葉が響いた。
 …………
 …………
 …………
「九回目。」
 ううう……。
「十回目!」
 やっと終わった。ぱんぱんに膨れている。俺はお腹を抱え込んでうずくまった。
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