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真相編
37話 あの日の夜②
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レティシアは火魔法を改造動物に目掛けて放った。先程魔力を使い果たし、まだ半分も戻っていない。
体を焼かれた改造動物は火力が弱いこともありすぐ死なず、火にのたうちまわりながらもそのままレティシアに突撃してきた。なんとか、避けようとしたが、改造動物の前足の爪が、レティシアの右足を切り裂いた。レティシアは片脚を付いた状態になる。
「……ッ!」
溢れ出す血が、地面に染みを作った。
尚も体を燃やしながら向かってくる改造動物に、レティシアは自分の目の前の地面に魔法で穴を掘った。そこに足を取られ、改造動物が落ちる。穴は二、三メートルほどで、顔だけ出して上がろうとしている改造動物に、レティシアは再度火魔法を直接浴びせた。今度こそ真っ黒に焦げて死んだ改造動物を見て、レティシアはハァハァと息を吐く。
「……さすが、すごいわね」
セレーナが感心したように言う。
「……セレーナ様。貴女の夢が王妃だか何だか知りませんが、王宮を襲い何人も死者を出すなど、そんなこと許されることではありません。考え直してください。……北の地の疫病を救った貴女はどこにいったのですか」
尊敬する父に報いる為、北の地に流行っていたセツナ病を何とかしたくて立ち上がったのではなかったのか。そんな清らかな心を持った聖女が、何故こんなことをしているのか、レティシアは理解できない。
「……ああ、セツナ病。そうですね、王宮に上がる良い切っ掛けが出来ました。本当に北の地の皆さんには感謝しかありません」
その返事にレティシアはショックを受ける。清い心を持つ聖女など何処にもいなかったというのか。
……しかし、どんな打算があったもしても、結果的に北の地の者達を救った事実は変わらない。
息を切らしながら、レティシアはそんな事を思う。
「そうそう、私は人間の体から悪いものを出し、この壺の中に入れることは出来ます。が、この中身をどうする事もできません」
セレーナは、アンドレアスの呪いを解いたときに使用していた壺を出した。
(どういう意味……?)
レティシアの怪訝な顔に気づいたセレーナは、レティシアに一歩近づき見下ろした。
「セツナ病の患者百人分程度の病気しかこの壺には入れられません。だから、これを何処か別の地に移すことで空っぽにするしか、他の患者を救うことは出来ません」
「は……?」
「転移魔法、というやつです」
レティシアは呆然とする。
「では、そこにセツナ病百人分の病を入れたら、それを何処かに移していた、と言う事ですか?」
「はい」
「まさか! そんな事をしたらすぐその地で疫病が流行り、堂々巡りでしょう」
それに、北の地以外でセツナ病の発症例は聞いた事がない。
「この国には、病が流行っても誰も騒がない、誰も近付かない、捨てられた場所もある、ということです」
――捨てられた場所。
「ヌマイ……?」
レティシアが呟くと、セレーナは肯定の意を持ってフフと笑った。
そこで気付く。
「……待って。じゃあアンディ様の呪いは?」
そう口にした途端、レティシアの頭上でセレーナが壺を開けるところだった。途端に壺からどろりとした黒い液体が落ちてきてそれがレティシアの体を包んだ。液体は煙状になり、レティシアの口の中に勢いよく入っていく。
「! うぁっ、ゴホッ……何、これ?」
「王太子殿下の呪いよ。誰に移そうかずっと迷っていたの。ちょうど良いわ、貴女にあげるわね」
「……っ?!」
レティシアは自分の服の襟元を開けると、確かにあのアンドレアスと同じ、呪痕が出来ている。
「…………うーん、女の貴女に呪痕が出来るとどうなるのかしらね。ほら、貴女が子供を産めば、その男子に呪痕が受け継がれるのかしら」
セレーナが首を傾げた後、「まあ、どうでも良いわ」と言った。
「貴女、ここで死ぬもの」
そして、セレーナが先程改造魔獣を出した壺を再度開けようとした。その時である。
レティシアは負傷した足を気にせず勢い任せに立ち上がると、セレーナに頭突きを喰らわせた。
そして、持っていた壺を奪い、地面に落としてグシャリと踏み潰す。
「ッ……何す、」
鼻からポタポタと鼻血を垂らすセレーナの襟首をレティシアが掴み上げる。
「貴女みたいな人は王妃に相応しくないわ。――だからここで殺す」
そう告げるレティシアに、セレーナの顔色が変わった。
レティシアが去れば、アンドレアスの妃にはこのセレーナになる可能性が高い。それだけはこの国の為に避けなくては。
改造動物の死体を物色する為に集まってきた鴉達を操り、セレーナに攻撃した。
「キャッ……やめっ、痛いっ!」
悲鳴を上げながら、蹲り、血だらけになっているセレーナに、レティシアは今残っている全身全霊の力を込めて火魔法を使う。
火に包まれたセレーナが、ぎゃああああ、と悲鳴を上げる。たちまち辺りに焦げ臭い匂いが漂い、黒こげになったセレーナが地面に斃れた。
「――レティ?」
路地の前にオースティンが立っている。どうやら、時刻を過ぎても待ち合わせ場所に現れないレティシアを不審に思い探しにきたようだった。
「師匠……」
フラフラで倒れそうになるレティシアをオースティンが受け止める。
「お前の魔力の気配があったから来たが……一体何があった? ……これはあの聖女か?」
オースティンは地面に転がるセレーナを見た。
「……死んでるな。何故殺した? レティ」
いくらオースティンでも、聖女と呼ばれる貴族の少女の殺害がまずいという事は分かっている。彼は、レティシアに鋭い視線を向けた。
しかし、すぐにレティシアが足を負傷していることに気付くと、その足に治癒魔法をかけた。
「……師匠、ありがとうございます。…………ッウゥ!」
「おい、レティ!?」
途端に、レティシアの胸の呪痕が暴れ出した。
――呪いは深夜十二時を超えた時間に発動する。
アンドレアスの症状と同じだ。
「なんだ、レティ? 胸が痛むのか?」
オースティンはレティシアの服を剥き、左胸の呪痕を確認すると顔を顰めた。
「これは……王家の呪いの……何でお前に?」
そう言ってるうちに、どんどん痛みが酷くなる。苦悶の表情を浮かべ、悶え苦しむレティシアに、オースティンは麻酔効果のある魔法をかけた。
痛みが落ち着いてきたレティシアに、オースティンが声をかける。
「レティ、一体何があったか話せ」
「……師匠、後で話します。早く、王都を出ましょ……う……」
「……おい! レティ?」
その瞬間、体力も魔力も使い果たしたレティシアが気絶した。
「……チッ」
オースティンは気を失ったレティシアを抱え、王都を後にした。
ロブ村の山奥、オースティンの家で目を覚ましたレティシアはオースティンに全ての事情を話した。
そして「ヌマイに行きたいです」と言った。
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「……ッ!」
溢れ出す血が、地面に染みを作った。
尚も体を燃やしながら向かってくる改造動物に、レティシアは自分の目の前の地面に魔法で穴を掘った。そこに足を取られ、改造動物が落ちる。穴は二、三メートルほどで、顔だけ出して上がろうとしている改造動物に、レティシアは再度火魔法を直接浴びせた。今度こそ真っ黒に焦げて死んだ改造動物を見て、レティシアはハァハァと息を吐く。
「……さすが、すごいわね」
セレーナが感心したように言う。
「……セレーナ様。貴女の夢が王妃だか何だか知りませんが、王宮を襲い何人も死者を出すなど、そんなこと許されることではありません。考え直してください。……北の地の疫病を救った貴女はどこにいったのですか」
尊敬する父に報いる為、北の地に流行っていたセツナ病を何とかしたくて立ち上がったのではなかったのか。そんな清らかな心を持った聖女が、何故こんなことをしているのか、レティシアは理解できない。
「……ああ、セツナ病。そうですね、王宮に上がる良い切っ掛けが出来ました。本当に北の地の皆さんには感謝しかありません」
その返事にレティシアはショックを受ける。清い心を持つ聖女など何処にもいなかったというのか。
……しかし、どんな打算があったもしても、結果的に北の地の者達を救った事実は変わらない。
息を切らしながら、レティシアはそんな事を思う。
「そうそう、私は人間の体から悪いものを出し、この壺の中に入れることは出来ます。が、この中身をどうする事もできません」
セレーナは、アンドレアスの呪いを解いたときに使用していた壺を出した。
(どういう意味……?)
レティシアの怪訝な顔に気づいたセレーナは、レティシアに一歩近づき見下ろした。
「セツナ病の患者百人分程度の病気しかこの壺には入れられません。だから、これを何処か別の地に移すことで空っぽにするしか、他の患者を救うことは出来ません」
「は……?」
「転移魔法、というやつです」
レティシアは呆然とする。
「では、そこにセツナ病百人分の病を入れたら、それを何処かに移していた、と言う事ですか?」
「はい」
「まさか! そんな事をしたらすぐその地で疫病が流行り、堂々巡りでしょう」
それに、北の地以外でセツナ病の発症例は聞いた事がない。
「この国には、病が流行っても誰も騒がない、誰も近付かない、捨てられた場所もある、ということです」
――捨てられた場所。
「ヌマイ……?」
レティシアが呟くと、セレーナは肯定の意を持ってフフと笑った。
そこで気付く。
「……待って。じゃあアンディ様の呪いは?」
そう口にした途端、レティシアの頭上でセレーナが壺を開けるところだった。途端に壺からどろりとした黒い液体が落ちてきてそれがレティシアの体を包んだ。液体は煙状になり、レティシアの口の中に勢いよく入っていく。
「! うぁっ、ゴホッ……何、これ?」
「王太子殿下の呪いよ。誰に移そうかずっと迷っていたの。ちょうど良いわ、貴女にあげるわね」
「……っ?!」
レティシアは自分の服の襟元を開けると、確かにあのアンドレアスと同じ、呪痕が出来ている。
「…………うーん、女の貴女に呪痕が出来るとどうなるのかしらね。ほら、貴女が子供を産めば、その男子に呪痕が受け継がれるのかしら」
セレーナが首を傾げた後、「まあ、どうでも良いわ」と言った。
「貴女、ここで死ぬもの」
そして、セレーナが先程改造魔獣を出した壺を再度開けようとした。その時である。
レティシアは負傷した足を気にせず勢い任せに立ち上がると、セレーナに頭突きを喰らわせた。
そして、持っていた壺を奪い、地面に落としてグシャリと踏み潰す。
「ッ……何す、」
鼻からポタポタと鼻血を垂らすセレーナの襟首をレティシアが掴み上げる。
「貴女みたいな人は王妃に相応しくないわ。――だからここで殺す」
そう告げるレティシアに、セレーナの顔色が変わった。
レティシアが去れば、アンドレアスの妃にはこのセレーナになる可能性が高い。それだけはこの国の為に避けなくては。
改造動物の死体を物色する為に集まってきた鴉達を操り、セレーナに攻撃した。
「キャッ……やめっ、痛いっ!」
悲鳴を上げながら、蹲り、血だらけになっているセレーナに、レティシアは今残っている全身全霊の力を込めて火魔法を使う。
火に包まれたセレーナが、ぎゃああああ、と悲鳴を上げる。たちまち辺りに焦げ臭い匂いが漂い、黒こげになったセレーナが地面に斃れた。
「――レティ?」
路地の前にオースティンが立っている。どうやら、時刻を過ぎても待ち合わせ場所に現れないレティシアを不審に思い探しにきたようだった。
「師匠……」
フラフラで倒れそうになるレティシアをオースティンが受け止める。
「お前の魔力の気配があったから来たが……一体何があった? ……これはあの聖女か?」
オースティンは地面に転がるセレーナを見た。
「……死んでるな。何故殺した? レティ」
いくらオースティンでも、聖女と呼ばれる貴族の少女の殺害がまずいという事は分かっている。彼は、レティシアに鋭い視線を向けた。
しかし、すぐにレティシアが足を負傷していることに気付くと、その足に治癒魔法をかけた。
「……師匠、ありがとうございます。…………ッウゥ!」
「おい、レティ!?」
途端に、レティシアの胸の呪痕が暴れ出した。
――呪いは深夜十二時を超えた時間に発動する。
アンドレアスの症状と同じだ。
「なんだ、レティ? 胸が痛むのか?」
オースティンはレティシアの服を剥き、左胸の呪痕を確認すると顔を顰めた。
「これは……王家の呪いの……何でお前に?」
そう言ってるうちに、どんどん痛みが酷くなる。苦悶の表情を浮かべ、悶え苦しむレティシアに、オースティンは麻酔効果のある魔法をかけた。
痛みが落ち着いてきたレティシアに、オースティンが声をかける。
「レティ、一体何があったか話せ」
「……師匠、後で話します。早く、王都を出ましょ……う……」
「……おい! レティ?」
その瞬間、体力も魔力も使い果たしたレティシアが気絶した。
「……チッ」
オースティンは気を失ったレティシアを抱え、王都を後にした。
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