65 / 66
第十五章 フィナーレ
第十五章 フィナーレ(2)ぼくがほしかったもの
しおりを挟む
惑星オルガルム宙域での最後の戦いから、一ヶ月が経過した。
旧・統合宇宙政体の側も、旧・ギデス大煌王国の側も、どちらも政治的・軍事的機能が麻痺していて、混乱を極めていた。
『ビシュバリクの墓場』と呼ばれる宙域に、リリウム・ツーをはじめ、特務機関シータの艦船がやって来ていた。
ここはもともと連邦政府機能ステーション・ビシュバリクがあった場所で、いまでもステーションの残骸が浮遊している。
これまでどれほどの命が失われただろうか。けれど、長かった戦いも、機動要塞ベルクレスの消滅という形で、ようやく終わりを迎えたのだ。
ビシュバリクの墓場には、旧・統合宇宙政体サイドの残存艦隊が集結していた。といっても、軍事行動が取れるほどの規模も武装も残っていないようなものだ。
ここでぼくらは、戦勝記念パーティーを行うのだ。以前のような、戦いもまだ半ばだったのに浮かれて行ったパーティーではなく、ギデス大煌王国を完全に倒したという、正真正銘の戦勝記念パーティーを……。
いや、肝心の統合宇宙政体も失われてしまったのだから、勝ったも負けたも本当はなにもないのだ。もはや、何を祝っているのかもわからない。
……もしかすると、祝ってるんじゃなく、弔っているのかも。
そんななか、ぼくには機械の身体が与えられた。リッジバックのようにサイボーグになったと言いたいところだけれど、ぼくの場合、頭脳も機械製だったのだから、ロボットとか、アンドロイドとかのたぐいと言うしかないのだろう。
ブリッジまで来ると、誰よりも早くぼくの姿を見つけたネージュが、すぐさま駆けつけ、ぼくに飛びついた。
「ユウキ、よかった!」
ネージュの脚は、一ヶ月弱の治療ですっかり治っていた。いまでは歩くのも跳ねるのも、以前と同じようにできる。けれど、レクトリヴ能力だけは戻らなかった。
彼女は軍服ではなく、カジュアルな、それでいて落ち着いた衣服を身にまとっていた。どこの軍もまともに機能していないのだから、格好だけ軍人をしているのも変な話なのはわかる。
「……本当に、無事でよかった」
そう言いながら。まるで大事なものにでも触れるように、ネージュはぼくの髪を触った。
正直なところ、ぼくのことは「無事」の範疇に入れてしまっていいものかどうか、悩んでしまう。
身体はない、脳もない、過去の記憶だって嘘だらけだ。どこの誰だかも結局わからないようなやつ。それを無事と評してくれるなんて……。
ネージュに連れられ、ケータリングの食事が並べられているところへとやってくる。
カイも、ジロンも、そして彼らの部下たちも、他愛のない世間話をしながら食事を皿に乗せ、そして食べている。
「ユウキ、大変だったよな。俺も努力はしたけど、やっぱりお前はすごいやつだよ」
鼻の頭を掻きながら、カイはぼくにそう言った。やっぱり、カイがぼくのことを褒めてくれるのにはなれない。
ぼくは昔ずっと、カイはぼくのことを見下しているのだと思っていた。その心の傷は残っている。……いまさら、その記憶が全て作られたものだとわかっても、なかなか気持ちが付いてこない。
でも――
「ありがとう、カイ。きみのおかげで、助けられた。恩にきるよ」
いまのぼくは、素直に彼に礼を言うことができる。
カイは照れたような笑顔だった。きっと、ぼくもそうだったに違いない。和解まで、ずいぶん長かったな、と思う。
ゴールデン司令とランナ博士が、食事の台の近くで手招きする。
「おお、ユウキ君、お目覚めかね!」
「こっち来て食べましょうよ!」
僕はふたりに手を振り返した。ここでは誰もが、ぼくを迎え入れてくれる。
司令たちの周りには、ザネリウスやタケシマ老人も来ていた。彼らは特務機関シータのメンバーではなかったけれど、すっかりと馴染んで食事を楽しんでいる。……もちろん、二足歩行のキツネのブニも一緒だ。
「ユウキ君、ついにゴールデン司令は、ネージュさんと一緒に暮らせるようになったのよ」
ランナが嬉しそうにそう言うと、ゴールデン司令は照れ臭そうにハゲ頭を掻いた。
「まだ家族だったころの記憶は戻らんそうじゃが……、この老いぼれを可哀想と思ったのか、孫として暮らしてくれることになってのう」
すべてが落ち着くというのは、かなり先のことになるだろう。いや、いつも何かが起こっていることを考えれば、すべてが落ち着くなんてありえないのかもしれない。
それでも、ネージュは自ら、物事を前進させることを選んだのだ。解決は待つだけでは訪れないことがある。彼女は解決させようと努力しているんだ。
「それで、ユウキ君。きみもうちの子にならんかね? ユキもいることだし、きみもいれば賑やかになるじゃろう」
唐突なお誘いだった。ぼくがゴールデン司令の家の子になる? 考えたこともなかった。
でも考えてみれば、ユウキとしてのぼくは、どこにも身寄りがいない。家族をもつのもいいことかもしれない。
けれど、そう思ったとき、ランナ博士が止めに入る。
「ダメですよ、司令。ユウキ君を家族に迎えるのは、あとあと良くないです。ネージュさんに怒られますよ」
「いや、ユキもユウキ君のことをえらく気に入っているようじゃから、喜ぶと思うんじゃが……」
「仲がいいからダメなんです!」
「もしかして、ユキからなにか聞いておるのかね?」
「うっ……、少なくとも、ユウキ君がネージュさんの家族になるのは、今じゃないんですって! 少なくとも今は!」
車椅子生活になって、ランナ博士との接触が多くなっていた間に、ネージュはぼくについて何を話していたのだろう。
知りたいような、怖いような。
司令たちのそばには、そこには腕を組んで仏頂面をしたリッジバックが立っていた。視線を向けられたので、何かを言われるのかと少し構えたが、意外にも、彼からは手が差し出された。
「これで俺と同じ立場だな。サイボーグは便利だが、反面なにかとメンテナンスが必要なものだ。定期検査の受けかたなど俺が教えてやろう」
拍子抜けしたけれど、ぼくは彼の手を取る。
「ありがとう。サイボーグというのとはちょっと違うんだけど……」
「機械のパーツが多いほど、手入れは多くなるものだ。怠るなよ」
「う、うん。ありがとう……」
「それから、無事帰還、おめでとう」
また拍子抜けだ。ぼくはまだ、リッジバックという人物がどういう人なのか、理解していないのかもしれない。
それも、これからだ。
「よっす、ユウキ!」
ふと、背後から声がかかり、後ろから突進してきたスズランに肩を組まれる格好になった。
「スズラン」
「これでようやく元どおりだな。これでまた、存分に遊べるな!」
元どおりじゃないんだけど……、とまた言おうとして、やめた。そんなことを気にしているのは、どうやらぼくだけみたいだ。
ぼくが欲しかったものは、力でも肩書きでもなかったんだと解った。ぼくは長らく、それらさえあればすべて解決するのだと思っていたけれど……。
けれど、いまは違うとわかる。
いまや、ぼくは、人間であるということさえも失った。肩書きだって、もう無意味だから使っていない。
ぼくがほしかったもの、それは、ただの自分――人工の人格に機械の身体を備えただけの自分を――それでもいいと認めてくれる、自分自分の心だったんだ。
「遊ぶって、どうやって遊ぶのさ?」
ぼくが問い返すと、スズランはにんまりと笑った。
「あたしの国、あたしたちの国をつくるのさ!」
◇◇◇
旧・統合宇宙政体の側も、旧・ギデス大煌王国の側も、どちらも政治的・軍事的機能が麻痺していて、混乱を極めていた。
『ビシュバリクの墓場』と呼ばれる宙域に、リリウム・ツーをはじめ、特務機関シータの艦船がやって来ていた。
ここはもともと連邦政府機能ステーション・ビシュバリクがあった場所で、いまでもステーションの残骸が浮遊している。
これまでどれほどの命が失われただろうか。けれど、長かった戦いも、機動要塞ベルクレスの消滅という形で、ようやく終わりを迎えたのだ。
ビシュバリクの墓場には、旧・統合宇宙政体サイドの残存艦隊が集結していた。といっても、軍事行動が取れるほどの規模も武装も残っていないようなものだ。
ここでぼくらは、戦勝記念パーティーを行うのだ。以前のような、戦いもまだ半ばだったのに浮かれて行ったパーティーではなく、ギデス大煌王国を完全に倒したという、正真正銘の戦勝記念パーティーを……。
いや、肝心の統合宇宙政体も失われてしまったのだから、勝ったも負けたも本当はなにもないのだ。もはや、何を祝っているのかもわからない。
……もしかすると、祝ってるんじゃなく、弔っているのかも。
そんななか、ぼくには機械の身体が与えられた。リッジバックのようにサイボーグになったと言いたいところだけれど、ぼくの場合、頭脳も機械製だったのだから、ロボットとか、アンドロイドとかのたぐいと言うしかないのだろう。
ブリッジまで来ると、誰よりも早くぼくの姿を見つけたネージュが、すぐさま駆けつけ、ぼくに飛びついた。
「ユウキ、よかった!」
ネージュの脚は、一ヶ月弱の治療ですっかり治っていた。いまでは歩くのも跳ねるのも、以前と同じようにできる。けれど、レクトリヴ能力だけは戻らなかった。
彼女は軍服ではなく、カジュアルな、それでいて落ち着いた衣服を身にまとっていた。どこの軍もまともに機能していないのだから、格好だけ軍人をしているのも変な話なのはわかる。
「……本当に、無事でよかった」
そう言いながら。まるで大事なものにでも触れるように、ネージュはぼくの髪を触った。
正直なところ、ぼくのことは「無事」の範疇に入れてしまっていいものかどうか、悩んでしまう。
身体はない、脳もない、過去の記憶だって嘘だらけだ。どこの誰だかも結局わからないようなやつ。それを無事と評してくれるなんて……。
ネージュに連れられ、ケータリングの食事が並べられているところへとやってくる。
カイも、ジロンも、そして彼らの部下たちも、他愛のない世間話をしながら食事を皿に乗せ、そして食べている。
「ユウキ、大変だったよな。俺も努力はしたけど、やっぱりお前はすごいやつだよ」
鼻の頭を掻きながら、カイはぼくにそう言った。やっぱり、カイがぼくのことを褒めてくれるのにはなれない。
ぼくは昔ずっと、カイはぼくのことを見下しているのだと思っていた。その心の傷は残っている。……いまさら、その記憶が全て作られたものだとわかっても、なかなか気持ちが付いてこない。
でも――
「ありがとう、カイ。きみのおかげで、助けられた。恩にきるよ」
いまのぼくは、素直に彼に礼を言うことができる。
カイは照れたような笑顔だった。きっと、ぼくもそうだったに違いない。和解まで、ずいぶん長かったな、と思う。
ゴールデン司令とランナ博士が、食事の台の近くで手招きする。
「おお、ユウキ君、お目覚めかね!」
「こっち来て食べましょうよ!」
僕はふたりに手を振り返した。ここでは誰もが、ぼくを迎え入れてくれる。
司令たちの周りには、ザネリウスやタケシマ老人も来ていた。彼らは特務機関シータのメンバーではなかったけれど、すっかりと馴染んで食事を楽しんでいる。……もちろん、二足歩行のキツネのブニも一緒だ。
「ユウキ君、ついにゴールデン司令は、ネージュさんと一緒に暮らせるようになったのよ」
ランナが嬉しそうにそう言うと、ゴールデン司令は照れ臭そうにハゲ頭を掻いた。
「まだ家族だったころの記憶は戻らんそうじゃが……、この老いぼれを可哀想と思ったのか、孫として暮らしてくれることになってのう」
すべてが落ち着くというのは、かなり先のことになるだろう。いや、いつも何かが起こっていることを考えれば、すべてが落ち着くなんてありえないのかもしれない。
それでも、ネージュは自ら、物事を前進させることを選んだのだ。解決は待つだけでは訪れないことがある。彼女は解決させようと努力しているんだ。
「それで、ユウキ君。きみもうちの子にならんかね? ユキもいることだし、きみもいれば賑やかになるじゃろう」
唐突なお誘いだった。ぼくがゴールデン司令の家の子になる? 考えたこともなかった。
でも考えてみれば、ユウキとしてのぼくは、どこにも身寄りがいない。家族をもつのもいいことかもしれない。
けれど、そう思ったとき、ランナ博士が止めに入る。
「ダメですよ、司令。ユウキ君を家族に迎えるのは、あとあと良くないです。ネージュさんに怒られますよ」
「いや、ユキもユウキ君のことをえらく気に入っているようじゃから、喜ぶと思うんじゃが……」
「仲がいいからダメなんです!」
「もしかして、ユキからなにか聞いておるのかね?」
「うっ……、少なくとも、ユウキ君がネージュさんの家族になるのは、今じゃないんですって! 少なくとも今は!」
車椅子生活になって、ランナ博士との接触が多くなっていた間に、ネージュはぼくについて何を話していたのだろう。
知りたいような、怖いような。
司令たちのそばには、そこには腕を組んで仏頂面をしたリッジバックが立っていた。視線を向けられたので、何かを言われるのかと少し構えたが、意外にも、彼からは手が差し出された。
「これで俺と同じ立場だな。サイボーグは便利だが、反面なにかとメンテナンスが必要なものだ。定期検査の受けかたなど俺が教えてやろう」
拍子抜けしたけれど、ぼくは彼の手を取る。
「ありがとう。サイボーグというのとはちょっと違うんだけど……」
「機械のパーツが多いほど、手入れは多くなるものだ。怠るなよ」
「う、うん。ありがとう……」
「それから、無事帰還、おめでとう」
また拍子抜けだ。ぼくはまだ、リッジバックという人物がどういう人なのか、理解していないのかもしれない。
それも、これからだ。
「よっす、ユウキ!」
ふと、背後から声がかかり、後ろから突進してきたスズランに肩を組まれる格好になった。
「スズラン」
「これでようやく元どおりだな。これでまた、存分に遊べるな!」
元どおりじゃないんだけど……、とまた言おうとして、やめた。そんなことを気にしているのは、どうやらぼくだけみたいだ。
ぼくが欲しかったものは、力でも肩書きでもなかったんだと解った。ぼくは長らく、それらさえあればすべて解決するのだと思っていたけれど……。
けれど、いまは違うとわかる。
いまや、ぼくは、人間であるということさえも失った。肩書きだって、もう無意味だから使っていない。
ぼくがほしかったもの、それは、ただの自分――人工の人格に機械の身体を備えただけの自分を――それでもいいと認めてくれる、自分自分の心だったんだ。
「遊ぶって、どうやって遊ぶのさ?」
ぼくが問い返すと、スズランはにんまりと笑った。
「あたしの国、あたしたちの国をつくるのさ!」
◇◇◇
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
死んだ一人の少女と死んだ一人の少年は幸せを知る。
タユタ
SF
これは私が中学生の頃、初めて書いた小説なので日本語もおかしければ内容もよく分からない所が多く至らない点ばかりですが、どうぞ読んでみてください。あなたの考えに少しでもアイデアを足せますように。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
令和の中学生がファミコンやってみた
矢木羽研
青春
令和5年度の新中学生男子が、ファミコン好きの同級生女子と中古屋で遭遇。レトロゲーム×(ボーイミーツガール + 友情 + 家族愛) 。懐かしくも新鮮なゲーム体験をあなたに。ファミコン世代もそうでない世代も楽しめる、みずみずしく優しい青春物語です!
第一部・完! 今後の展開にご期待ください。カクヨムにも同時掲載。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる