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第七章 丘の上の屋敷
第七章 丘の上の屋敷(4)ミューの名前はミュー
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店内じゅうに金属フレームの棚が所狭しと設置されていて、そのすべてに機械部品が乱雑に積み上げられていた。ぼくたちは、その機械部品の山の間の狭い通路を歩いて行った。
途中、棚の陰に、先ほどの髪の長い女性がうずくまって震えていた。彼女はぼくたちのほうを見上げる。
だけど、なんと声をかければいいものか、わからない。
店の奥の部屋に入ると、そこには稼働中のコンピューターが数台置かれていた。作業室といったところだろうか。
「ん」
男は椅子に座ると、ネージュに向かって手を出した。だが、あまりにも説明がないので、彼女は対応に困っているようだった。
「何だ?」
「識別票だよ、シキベツヒョー。ここでデータ吸い出すからよ」
「ああ、わかった」
ネージュは首から提げている折れ曲がった識別票を外すと、その男に手渡した。男はひったくるように識別票を受け取ると、非接触式の情報リーダーに掛ける。
男はコンピューターの画面に映し出された情報を読んで、ほくそ笑み。
「ふうん、ギデス天幻部隊の中尉様かあ……。これはこれは」
ネージュは明らかな不快感を示す。
「おい、それは私の個人情報だ。あまり見るな」
「フヒヒ……失礼」
まっとうに通じたか怪しいものだが、この男に任せるしかないだろう。
ふと、ぼくがコンピューター用デスク脇のゴミ箱に目をやると、そこに識別票らしきものが捨てられていることに気がついた。ネージュの識別票は情報リーダーに載っているから、これは他の誰かのものだろう。
「これって……」
屈んで、ゴミ箱の中の識別票を取ろうとすると、途端に店主の男が烈火のごとく怒り始めた。
「おいてめえ! 勝手に触ってんじゃねえ!」
「う、うん……」
「ここは俺の城だ! ここでは俺の言うことに従ってもらうぞ!」
「わかったって」
先ほどからずっとそうだが、この薄汚れた店主の情緒は安定していない。やりとりをするにしても、いちいち不快だ。
「それで、サルベージはいつごろ完了するんだ?」
ネージュはそう質問した。言外には、彼女はあまり長い間ここにいたくないという気持ちが表れていた。ぼくも同じ気持ちだった。
「六時間くらいは掛かるな」
「六時間? あまりにも掛かりすぎだろう」
「何言ってんだ、中尉様よ。このスラムにまともなコンピューターがあるわけないだろうが。ポンコツぶん回してやってんだ。文句言うんじゃねえよ」
「……仕方がない。じゃあ六時間でやってくれ。私たちは店の外か、街のどこかにいる」
「よし決まりだ。じゃあ出て行ってくれ。邪魔だ」
いちいち癇にさわる物言いをするが、この薄汚れた男とここで争っても意味がない。ネージュとぼくは、店の外の路地に出ることにした。
◇◇◇
ぼくたちはジャンク屋の外へ出たものの、空いた時間にどこへ行こうかを決めかねていた。
「どこかへ行ったとしても、六時間後にはここに戻ってこないといけないわけだし」
足止めを食ってしまった形になる。でも、リリウム・ツーとはまだ連絡がとれないし、連絡が取れれば迎えに来てもらえるだろうから、焦ることはない。
ぼくたちは結局、しばらくこの路地に設置されている箱やら建物の土台やらに腰掛けて、時間が過ぎるのを待つことにした。
幸い、この場所は日陰になっていて、惑星ザイアスの暑い気温を考えると、かなり過ごしやすい場所だといえる。
「そうだな。基本的にここにいることにしよう。六時間も待っていれば腹も空くだろうから、そのときは市場に戻って何か買おう」
「うん、そうしよう」
そんな会話をしていると、店の中から、例の髪の長い女性がふらふらと歩いて出てきた。
彼女はぼくたちを見つけると、柔らかく微笑む。
「ふふ、ごきげんよう」
「えっと……」
ぼくもネージュも戸惑った。この女性は先ほど、あの薄汚れた男に、店の外に出ていたことで怒鳴られ、棒で殴られていたからだ。
出てきて大丈夫なのだろうか。
「ご、ごきげんよう」
「ふふ、あなたいい人ね。あいさつできる人、ミュー好きよ」
「その、ミューってのは、名前?」
「ミューの名前はミュー」
ぼくとネージュは顔を見合わせる。初めて言葉が通じた。
「ええと、ミューさん、店の外に出てきて大丈夫なの?」
「お日様がいいの。狭いの怖い」
そういえば、さっきも店内が狭いことを嫌がっていたような気がする。
ミューはやはり、店先のゴザの上に座り込む。そこはさしてお日様が豊かな場所ではないけれども。
「何の話をしていたの?」
「話って?」
「ふたり仲良し」
ミューの目には、ぼくとネージュが仲良しに見えるらしい。本当は戦争中の統合宇宙軍軍人とギデス軍人で、仲良しのはずはないんだけど。
ネージュが子供に話すような口調で話す。
「私たちは、しばらくここにいることにしたんだよ。でも、そのうちお腹が空いてしまうから、市場に行こうという話をしていたんだ」
「お腹、ミューも空く」
「昼に何か食べなかったのかい?」
「なにも」
「いつもごはんはどうしてるの?」
「いつもご主人様ののこり」
「ん? のこりって? ご主人様って?」
なんだかきな臭い感じがしてきた。ネージュの表情からも、笑顔がすっかり抜け落ちてしまっている。一方のミューは、こんな話を笑顔のまま話している。
「ご主人様はご主人様。食べ物はのこり。カボチャのスープ、ない」
「おいテメエ!」
また店内から、すごい剣幕で店主が怒鳴りながら出てきたのだった。店主は太い木の棒を持ち、それを振り回している。
さきほど殴られたばかりだというのに、ミューは怒鳴られてもまったく動じない。振り向きさえしない。言葉が聞こえているのかどうか怪しいくらいだ。
「店の外に出るなと言っただろうが!」
薄汚れた格好の店主は木の棒を振り上げる。それでミューの頭を殴りつけようとしているのだ。
ぼくより先に、ネージュが立ち上がった。彼女は松葉杖をついていたけれど、ミューと店主の間に割り込むと、振り下ろされた木の棒を左手で撥ねのけた。
もちろん、ネージュの左手には天幻知覚レクトリヴでつくりだした衝撃波が載っていた。
ガコン、と鈍い音を立てて、木の棒が地面に落ちた。
自分よりも小柄な少女が想像以上の力で棒を跳ね飛ばしたので、店主はたじろぎ、一歩下がった。
ネージュは店主をにらみつける。
「私の前で暴力を振るうのはやめてもらおうか」
「う、うるせえ。そいつは俺のもんなんだ。俺が何をしようと――」
「治安の擾乱は犯罪だ。傷害罪で牢屋に入りたいのか?」
ネージュの至極まともな言いぶりに、店主はボソボソと小さい声で抗議する。
「……軍のエリート様はつまらねえことを言いやがる」
「なんだと?」
「な、なんでもないです。だが、そいつは店の中に入れなきゃならねえ。外にいるのはまずい」
「何がまずいんだ」
「それはあんたには関係ねえ。首を突っ込まないでもらいたいね」
「……ならば穏便にな」
ネージュは深い溜息をつき、ミューの前から退く。松葉杖をついているので、方向転換には少しだけ時間が掛かった。
店主の男はミューの腕を掴み、座っている彼女を引き起こそうとしたが、彼女は「いやー」と言ってその手を振りほどく。それで男は彼女を殴ろうとしたが、ネージュが睨んでやめさせた。
何度か手を振りほどかれながら、店主はミューを店内に引き連れていった。そして、店の入口をぴしゃりと閉める。
違和感があった。
ここへ来たときからずっと開け放していた店の入口を、店主はいま、閉めていったのだ。
◇◇◇
「おーいたいた」
下卑た笑い声をふくんだ男たちの声が聞こえた。
途中、棚の陰に、先ほどの髪の長い女性がうずくまって震えていた。彼女はぼくたちのほうを見上げる。
だけど、なんと声をかければいいものか、わからない。
店の奥の部屋に入ると、そこには稼働中のコンピューターが数台置かれていた。作業室といったところだろうか。
「ん」
男は椅子に座ると、ネージュに向かって手を出した。だが、あまりにも説明がないので、彼女は対応に困っているようだった。
「何だ?」
「識別票だよ、シキベツヒョー。ここでデータ吸い出すからよ」
「ああ、わかった」
ネージュは首から提げている折れ曲がった識別票を外すと、その男に手渡した。男はひったくるように識別票を受け取ると、非接触式の情報リーダーに掛ける。
男はコンピューターの画面に映し出された情報を読んで、ほくそ笑み。
「ふうん、ギデス天幻部隊の中尉様かあ……。これはこれは」
ネージュは明らかな不快感を示す。
「おい、それは私の個人情報だ。あまり見るな」
「フヒヒ……失礼」
まっとうに通じたか怪しいものだが、この男に任せるしかないだろう。
ふと、ぼくがコンピューター用デスク脇のゴミ箱に目をやると、そこに識別票らしきものが捨てられていることに気がついた。ネージュの識別票は情報リーダーに載っているから、これは他の誰かのものだろう。
「これって……」
屈んで、ゴミ箱の中の識別票を取ろうとすると、途端に店主の男が烈火のごとく怒り始めた。
「おいてめえ! 勝手に触ってんじゃねえ!」
「う、うん……」
「ここは俺の城だ! ここでは俺の言うことに従ってもらうぞ!」
「わかったって」
先ほどからずっとそうだが、この薄汚れた店主の情緒は安定していない。やりとりをするにしても、いちいち不快だ。
「それで、サルベージはいつごろ完了するんだ?」
ネージュはそう質問した。言外には、彼女はあまり長い間ここにいたくないという気持ちが表れていた。ぼくも同じ気持ちだった。
「六時間くらいは掛かるな」
「六時間? あまりにも掛かりすぎだろう」
「何言ってんだ、中尉様よ。このスラムにまともなコンピューターがあるわけないだろうが。ポンコツぶん回してやってんだ。文句言うんじゃねえよ」
「……仕方がない。じゃあ六時間でやってくれ。私たちは店の外か、街のどこかにいる」
「よし決まりだ。じゃあ出て行ってくれ。邪魔だ」
いちいち癇にさわる物言いをするが、この薄汚れた男とここで争っても意味がない。ネージュとぼくは、店の外の路地に出ることにした。
◇◇◇
ぼくたちはジャンク屋の外へ出たものの、空いた時間にどこへ行こうかを決めかねていた。
「どこかへ行ったとしても、六時間後にはここに戻ってこないといけないわけだし」
足止めを食ってしまった形になる。でも、リリウム・ツーとはまだ連絡がとれないし、連絡が取れれば迎えに来てもらえるだろうから、焦ることはない。
ぼくたちは結局、しばらくこの路地に設置されている箱やら建物の土台やらに腰掛けて、時間が過ぎるのを待つことにした。
幸い、この場所は日陰になっていて、惑星ザイアスの暑い気温を考えると、かなり過ごしやすい場所だといえる。
「そうだな。基本的にここにいることにしよう。六時間も待っていれば腹も空くだろうから、そのときは市場に戻って何か買おう」
「うん、そうしよう」
そんな会話をしていると、店の中から、例の髪の長い女性がふらふらと歩いて出てきた。
彼女はぼくたちを見つけると、柔らかく微笑む。
「ふふ、ごきげんよう」
「えっと……」
ぼくもネージュも戸惑った。この女性は先ほど、あの薄汚れた男に、店の外に出ていたことで怒鳴られ、棒で殴られていたからだ。
出てきて大丈夫なのだろうか。
「ご、ごきげんよう」
「ふふ、あなたいい人ね。あいさつできる人、ミュー好きよ」
「その、ミューってのは、名前?」
「ミューの名前はミュー」
ぼくとネージュは顔を見合わせる。初めて言葉が通じた。
「ええと、ミューさん、店の外に出てきて大丈夫なの?」
「お日様がいいの。狭いの怖い」
そういえば、さっきも店内が狭いことを嫌がっていたような気がする。
ミューはやはり、店先のゴザの上に座り込む。そこはさしてお日様が豊かな場所ではないけれども。
「何の話をしていたの?」
「話って?」
「ふたり仲良し」
ミューの目には、ぼくとネージュが仲良しに見えるらしい。本当は戦争中の統合宇宙軍軍人とギデス軍人で、仲良しのはずはないんだけど。
ネージュが子供に話すような口調で話す。
「私たちは、しばらくここにいることにしたんだよ。でも、そのうちお腹が空いてしまうから、市場に行こうという話をしていたんだ」
「お腹、ミューも空く」
「昼に何か食べなかったのかい?」
「なにも」
「いつもごはんはどうしてるの?」
「いつもご主人様ののこり」
「ん? のこりって? ご主人様って?」
なんだかきな臭い感じがしてきた。ネージュの表情からも、笑顔がすっかり抜け落ちてしまっている。一方のミューは、こんな話を笑顔のまま話している。
「ご主人様はご主人様。食べ物はのこり。カボチャのスープ、ない」
「おいテメエ!」
また店内から、すごい剣幕で店主が怒鳴りながら出てきたのだった。店主は太い木の棒を持ち、それを振り回している。
さきほど殴られたばかりだというのに、ミューは怒鳴られてもまったく動じない。振り向きさえしない。言葉が聞こえているのかどうか怪しいくらいだ。
「店の外に出るなと言っただろうが!」
薄汚れた格好の店主は木の棒を振り上げる。それでミューの頭を殴りつけようとしているのだ。
ぼくより先に、ネージュが立ち上がった。彼女は松葉杖をついていたけれど、ミューと店主の間に割り込むと、振り下ろされた木の棒を左手で撥ねのけた。
もちろん、ネージュの左手には天幻知覚レクトリヴでつくりだした衝撃波が載っていた。
ガコン、と鈍い音を立てて、木の棒が地面に落ちた。
自分よりも小柄な少女が想像以上の力で棒を跳ね飛ばしたので、店主はたじろぎ、一歩下がった。
ネージュは店主をにらみつける。
「私の前で暴力を振るうのはやめてもらおうか」
「う、うるせえ。そいつは俺のもんなんだ。俺が何をしようと――」
「治安の擾乱は犯罪だ。傷害罪で牢屋に入りたいのか?」
ネージュの至極まともな言いぶりに、店主はボソボソと小さい声で抗議する。
「……軍のエリート様はつまらねえことを言いやがる」
「なんだと?」
「な、なんでもないです。だが、そいつは店の中に入れなきゃならねえ。外にいるのはまずい」
「何がまずいんだ」
「それはあんたには関係ねえ。首を突っ込まないでもらいたいね」
「……ならば穏便にな」
ネージュは深い溜息をつき、ミューの前から退く。松葉杖をついているので、方向転換には少しだけ時間が掛かった。
店主の男はミューの腕を掴み、座っている彼女を引き起こそうとしたが、彼女は「いやー」と言ってその手を振りほどく。それで男は彼女を殴ろうとしたが、ネージュが睨んでやめさせた。
何度か手を振りほどかれながら、店主はミューを店内に引き連れていった。そして、店の入口をぴしゃりと閉める。
違和感があった。
ここへ来たときからずっと開け放していた店の入口を、店主はいま、閉めていったのだ。
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