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第五章 ザイアス宙域
第五章 ザイアス宙域(4)あれはお前がやったのか
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時空跳躍を抜けた先 ―― 惑星ザイアス周辺宙域において、艦隊戦が始まった。
リリウム・ツーにも武装は積んできたものの、艦隊戦となれば統合宇宙軍艦隊をあてにするしかない。
リリウム・ツーは前に出すぎず、統合宇宙軍第六、第七、第八艦隊の背後に隠れて、はぐれ出てきた敵の戦闘機などだけを相手にすることになる。
もっとも、宙域戦のあと、地上降下作戦が主なミッションになるという点では、戦闘艦隊の後ろに控えているほとんど無力な輸送艦隊とさして変わるところはない。
統合宇宙軍の三隻の機動母艦から無数の艦載機が飛び立つ。時を同じくして、ギデス艦隊からも艦載機が飛んでくる。幸いなことに、数では我がほうが勝っているようだ。
「リリウム・ツーからエージー、ビーエフの各艇に伝達。これより本艇は戦闘機動に入る。両艇は無理せず輸送艦とともにあること」
スズランが宣言すると、リリウム・ツーは速度を増した。ぼくらの後方に向けて抜けていこうとする戦闘機を落とすのだ。
「敵戦闘機群を確認! その数、四!」
統合宇宙軍兵士が叫ぶ。スズランが腕を振るい、指示を出す。
「電磁障壁アトラス展開!」
リリウム・ツーの表面に、電磁気的な障壁が展開される。これで敵の攻撃はいくらか被弾しても損傷を押さえられる。
「甲三三誘導弾発射!」
撃ち出された誘導ミサイルが敵戦闘機を追ったが、四機中一機のみを撃墜できた。
戦闘機側からはブラスターキャノンが撃ち込まれるが、幸い、さしたる損傷はないようだ。電磁障壁のおかげだ。
確実に攻撃を当てようと、戦闘機がリリウム・ツーのほうへと飛んでくる。三機、それぞれ別の方向からだ。
「陽電子砲ハーブシュトレゲン撃て! 同時にバルカン砲斉射!」
敵機のうち二機が陽電子砲を受けて爆散し、残り一機がバルカン砲で蜂の巣となって宇宙の藻屑と消えた。
そのとき、宇宙空間に巨大な爆炎が上がった。
『ベイル級機動母艦一隻大破! 作戦運用続行は不可能! 戦線から離脱!』
統合宇宙軍側の機動母艦が一隻やられたらしい。数で勝っていたはずなのに、あっという間に機動母関数は同数、戦闘機数ではまだ勝っているが、フリゲート艦とコルベット艦では数で劣る形になってしまった。
『ガリア級フリゲート艦一隻轟沈。キバ級コルベット艦四隻大破、二隻中破』
『敵機動母艦に猛攻撃も健在。敵フリゲート艦二隻大破。コルベット艦二隻大破。戦闘機隊は機動母艦に集中攻撃せよ』
「あたしも敵の艦を沈める!」
スズランがまた、無茶なことを叫び始めた。リリウム・ツーはその艦種にしては重武装だが、だからといって戦闘艦を相手にまともに戦えるわけではない。
「スズラン! 落ち着いて! この船は特務機関シータの司令部なんだ! 司令部が敵の群れに突っ込んでいくなんてこと――」
「でも、この艦はまだ戦える! 重武装なんだ! フラウロスだってまだ使ってないっ!」
スズランに反論したのはランナ博士だった。
「スズラン艦長、フラウロスは一発っきりなのよ。撃つのはいまじゃないわ。見極めて」
「……ごめん。どうかしてた」
そこへ、統合宇宙軍兵士の声が割り込む。
「敵戦闘機群を確認! その数、六!」
「――っ! 甲三三誘導弾、撃て! 回避機動!」
スズランが即座に命令を発する。リリウム・ツーは敵のブラスターキャノンの集中砲火を浴びないよう、回避を行いながら誘導ミサイルを連発した。
「陽電子砲ハーブシュトレゲン!」
今度も、わずかな被弾と損傷で、敵の戦闘機群を全機撃墜した。やはり、電磁障壁アトラスの働きには目覚ましいものがある。
「ふむ……」
ゴールデン司令は何やら意味ありげな溜息をつく。
「スズラン君、レーダー上のその位置……。敵のコルベットが二隻だが、奇妙な動きをしていないか?」
「これは……迂回挟撃を狙っている? 狙いはこちらのベイル級か」
『リリウム・ツー、こちらはベイル級機動母艦ガンユアン司令官、モルディスだ。貴艦の応援を要請する。敵のコルベット分艦隊に割く余力がない。頼む』
「こちらリリウム・ツー艦長、スズラン。貴官の要請を受諾した。即刻、敵コルベット二隻を攻撃する」
『ああ、一隻で構わない。もう一隻はなんとかこちらで――』
「本艦が二隻を受け持つ。貴官は昼寝でもしていろ!」
スズランが言い放つ。彼女が目標地点を指さすと、リリウム・ツーは針路を変え、敵コルベット艦二隻が目標としている予測ポイントへと全速力で向かった。
「目標、敵コルベット艦二隻。これより、本艦に近いほうから順にアルブ、ベーソスと呼称。まずはアルブを落とす。取り舵!」
「敵戦闘機、二機飛来! どうします?」
「船速落とすな。陽電子砲と甲三三誘導弾撃て!」
ギデスの戦闘機を一機撃墜しながら、リリウム・ツーは敵アルブのほうへと距離を詰める。だが、詰めすぎもよくない。敵艦の攻撃に晒されてはひとたまりもない。
いまのところ、敵アルブ、ベーソスがこちらのことを戦力外と見てくれているのは助かっている。両艦は意識がガンユアンに釘付けになっており、リリウム・ツーのことを構っていない。
「艦長、アルブ、射程圏内です」
「よし、陽電子砲ハーブシュトレゲン一斉掃射!」
リリウム・ツーに搭載している十六門の陽電子砲が、一様に敵アルブに向けられる。そして、十六筋の光の束が敵艦に向かって照射される。
「どうだ!」
「陽電子砲のいくらかは敵シールドを抜け、損害を与えた模様。ただし規模は不明」
「シールドが邪魔なら、リニアレールガン・トールハンマーを撃て!」
先ほどの陽電子砲とは違って、今度は金属の塊をふたつ打ち出す。時を置いて、敵アルブ側面から爆発が起こるのが見えた。
「トールハンマー、全弾命中!」
「やったか!」
「まだです! それに敵戦闘機が!」
「近い! バルカン砲撃て!」
「アルブ、目標をこちらに切り替えました。陽電子砲、来ます」
「エネルギーをアトラスに回せ! 被弾予測箇所の強化! それから回避!」
リリウム・ツーは敵艦の攻撃をかすりながら、急速旋回で致命的な損害を回避する。この回避行動の間に、迫り来る敵戦闘機を撃墜した。
「もう一度トールハンマーだ! 主機関狙え! 敵シールドが裂けたら陽電子砲を一掃射!」
「了解!」
敵アルブに鉄の塊が撃ち込まれ、火の手が上がったところに陽電子砲十六門の一斉掃射だ。
「アルブ沈黙! しかし、ベーソスも目標をこちらに切り替えています。陽電子砲および反陽子砲の一斉掃射です!」
「回避! 回避! 反陽子砲なんか食らったらひとたまりもないぞ!」
「艦長、ダメです! 間に合いません!」
「シールド全開!!」
強烈な衝撃。切り裂かれる電磁障壁。
もうダメか、と思ったとき、ぼくの手が“それ”を掴んだのを感じた。
光が止んだとき、リリウム・ツーは完全な状態で残っていた。右翼に少しばかりの損傷を受けたようだが、それでも大筋問題はない。
統合宇宙軍兵士のオペレーターが叫ぶ。
「電磁障壁アトラス、八十パーセント維持できています。エナジーシェル残量五十五。右翼の損傷箇所の自動消火は完了。……ほぼ健在です!」
「本当か! 敵は?」
「敵艦ベーソス、……大破しています。艦長、敵艦大破です」
「どういうことだ、ガンユアンがやったのか?」
「いいえ、ガンユアンの攻撃でもありません。というか、統合宇宙軍の兵装ではありえません。ベーソス、前部と後部に引き裂かれています」
「そんなバカな」
そこへ、ベイル級機動母艦ガンユアン司令官モルディスからの通信が入る。
『リリウム・ツー、こちら機動母艦ガンユアン。敵コルベット艦二隻の無力化を確認した。ご協力感謝する』
「あ、ああ。こちらこそ。諸君らの健闘を祈る」
そう言い終えたスズランは、急に気が抜けたのか、艦長用の椅子に座って、大きな溜息をついた。無理もない。リリウム・ツーよりもはるかに大きな艦を二隻も沈めたところなのだから。
ぼくはスズランのところは歩み寄って、ねぎらいの言葉を掛けた。
「スズラン、おつかれさま」
「ああ? ああ……」
「リリウム・ツーとしては大戦果をあげたんだ。残りは統合宇宙軍艦隊に任せておいて大丈夫だよ」
「そうだな。あたしたちとしては、期待以上のことをやった……」
「うん」
それからスズランは両目を手で塞いで、また大きく深呼吸をした。
「あれ、お前がやったのか?」
「え?」
「いや、いい。まさかな」
スズランは頭を左右に振る。
にゃーん、という啼き声がして、ぼくが振り返ると、そこにはあの黒猫がいた。
黒猫のペシェは――だけど人の言葉を喋らずに――後ろ足で頭を掻いているところだった。
「お前、まさか、あれは、ぼくが――?」
黒猫はにゃーんとだけ答える。
リリウム・ツーにも武装は積んできたものの、艦隊戦となれば統合宇宙軍艦隊をあてにするしかない。
リリウム・ツーは前に出すぎず、統合宇宙軍第六、第七、第八艦隊の背後に隠れて、はぐれ出てきた敵の戦闘機などだけを相手にすることになる。
もっとも、宙域戦のあと、地上降下作戦が主なミッションになるという点では、戦闘艦隊の後ろに控えているほとんど無力な輸送艦隊とさして変わるところはない。
統合宇宙軍の三隻の機動母艦から無数の艦載機が飛び立つ。時を同じくして、ギデス艦隊からも艦載機が飛んでくる。幸いなことに、数では我がほうが勝っているようだ。
「リリウム・ツーからエージー、ビーエフの各艇に伝達。これより本艇は戦闘機動に入る。両艇は無理せず輸送艦とともにあること」
スズランが宣言すると、リリウム・ツーは速度を増した。ぼくらの後方に向けて抜けていこうとする戦闘機を落とすのだ。
「敵戦闘機群を確認! その数、四!」
統合宇宙軍兵士が叫ぶ。スズランが腕を振るい、指示を出す。
「電磁障壁アトラス展開!」
リリウム・ツーの表面に、電磁気的な障壁が展開される。これで敵の攻撃はいくらか被弾しても損傷を押さえられる。
「甲三三誘導弾発射!」
撃ち出された誘導ミサイルが敵戦闘機を追ったが、四機中一機のみを撃墜できた。
戦闘機側からはブラスターキャノンが撃ち込まれるが、幸い、さしたる損傷はないようだ。電磁障壁のおかげだ。
確実に攻撃を当てようと、戦闘機がリリウム・ツーのほうへと飛んでくる。三機、それぞれ別の方向からだ。
「陽電子砲ハーブシュトレゲン撃て! 同時にバルカン砲斉射!」
敵機のうち二機が陽電子砲を受けて爆散し、残り一機がバルカン砲で蜂の巣となって宇宙の藻屑と消えた。
そのとき、宇宙空間に巨大な爆炎が上がった。
『ベイル級機動母艦一隻大破! 作戦運用続行は不可能! 戦線から離脱!』
統合宇宙軍側の機動母艦が一隻やられたらしい。数で勝っていたはずなのに、あっという間に機動母関数は同数、戦闘機数ではまだ勝っているが、フリゲート艦とコルベット艦では数で劣る形になってしまった。
『ガリア級フリゲート艦一隻轟沈。キバ級コルベット艦四隻大破、二隻中破』
『敵機動母艦に猛攻撃も健在。敵フリゲート艦二隻大破。コルベット艦二隻大破。戦闘機隊は機動母艦に集中攻撃せよ』
「あたしも敵の艦を沈める!」
スズランがまた、無茶なことを叫び始めた。リリウム・ツーはその艦種にしては重武装だが、だからといって戦闘艦を相手にまともに戦えるわけではない。
「スズラン! 落ち着いて! この船は特務機関シータの司令部なんだ! 司令部が敵の群れに突っ込んでいくなんてこと――」
「でも、この艦はまだ戦える! 重武装なんだ! フラウロスだってまだ使ってないっ!」
スズランに反論したのはランナ博士だった。
「スズラン艦長、フラウロスは一発っきりなのよ。撃つのはいまじゃないわ。見極めて」
「……ごめん。どうかしてた」
そこへ、統合宇宙軍兵士の声が割り込む。
「敵戦闘機群を確認! その数、六!」
「――っ! 甲三三誘導弾、撃て! 回避機動!」
スズランが即座に命令を発する。リリウム・ツーは敵のブラスターキャノンの集中砲火を浴びないよう、回避を行いながら誘導ミサイルを連発した。
「陽電子砲ハーブシュトレゲン!」
今度も、わずかな被弾と損傷で、敵の戦闘機群を全機撃墜した。やはり、電磁障壁アトラスの働きには目覚ましいものがある。
「ふむ……」
ゴールデン司令は何やら意味ありげな溜息をつく。
「スズラン君、レーダー上のその位置……。敵のコルベットが二隻だが、奇妙な動きをしていないか?」
「これは……迂回挟撃を狙っている? 狙いはこちらのベイル級か」
『リリウム・ツー、こちらはベイル級機動母艦ガンユアン司令官、モルディスだ。貴艦の応援を要請する。敵のコルベット分艦隊に割く余力がない。頼む』
「こちらリリウム・ツー艦長、スズラン。貴官の要請を受諾した。即刻、敵コルベット二隻を攻撃する」
『ああ、一隻で構わない。もう一隻はなんとかこちらで――』
「本艦が二隻を受け持つ。貴官は昼寝でもしていろ!」
スズランが言い放つ。彼女が目標地点を指さすと、リリウム・ツーは針路を変え、敵コルベット艦二隻が目標としている予測ポイントへと全速力で向かった。
「目標、敵コルベット艦二隻。これより、本艦に近いほうから順にアルブ、ベーソスと呼称。まずはアルブを落とす。取り舵!」
「敵戦闘機、二機飛来! どうします?」
「船速落とすな。陽電子砲と甲三三誘導弾撃て!」
ギデスの戦闘機を一機撃墜しながら、リリウム・ツーは敵アルブのほうへと距離を詰める。だが、詰めすぎもよくない。敵艦の攻撃に晒されてはひとたまりもない。
いまのところ、敵アルブ、ベーソスがこちらのことを戦力外と見てくれているのは助かっている。両艦は意識がガンユアンに釘付けになっており、リリウム・ツーのことを構っていない。
「艦長、アルブ、射程圏内です」
「よし、陽電子砲ハーブシュトレゲン一斉掃射!」
リリウム・ツーに搭載している十六門の陽電子砲が、一様に敵アルブに向けられる。そして、十六筋の光の束が敵艦に向かって照射される。
「どうだ!」
「陽電子砲のいくらかは敵シールドを抜け、損害を与えた模様。ただし規模は不明」
「シールドが邪魔なら、リニアレールガン・トールハンマーを撃て!」
先ほどの陽電子砲とは違って、今度は金属の塊をふたつ打ち出す。時を置いて、敵アルブ側面から爆発が起こるのが見えた。
「トールハンマー、全弾命中!」
「やったか!」
「まだです! それに敵戦闘機が!」
「近い! バルカン砲撃て!」
「アルブ、目標をこちらに切り替えました。陽電子砲、来ます」
「エネルギーをアトラスに回せ! 被弾予測箇所の強化! それから回避!」
リリウム・ツーは敵艦の攻撃をかすりながら、急速旋回で致命的な損害を回避する。この回避行動の間に、迫り来る敵戦闘機を撃墜した。
「もう一度トールハンマーだ! 主機関狙え! 敵シールドが裂けたら陽電子砲を一掃射!」
「了解!」
敵アルブに鉄の塊が撃ち込まれ、火の手が上がったところに陽電子砲十六門の一斉掃射だ。
「アルブ沈黙! しかし、ベーソスも目標をこちらに切り替えています。陽電子砲および反陽子砲の一斉掃射です!」
「回避! 回避! 反陽子砲なんか食らったらひとたまりもないぞ!」
「艦長、ダメです! 間に合いません!」
「シールド全開!!」
強烈な衝撃。切り裂かれる電磁障壁。
もうダメか、と思ったとき、ぼくの手が“それ”を掴んだのを感じた。
光が止んだとき、リリウム・ツーは完全な状態で残っていた。右翼に少しばかりの損傷を受けたようだが、それでも大筋問題はない。
統合宇宙軍兵士のオペレーターが叫ぶ。
「電磁障壁アトラス、八十パーセント維持できています。エナジーシェル残量五十五。右翼の損傷箇所の自動消火は完了。……ほぼ健在です!」
「本当か! 敵は?」
「敵艦ベーソス、……大破しています。艦長、敵艦大破です」
「どういうことだ、ガンユアンがやったのか?」
「いいえ、ガンユアンの攻撃でもありません。というか、統合宇宙軍の兵装ではありえません。ベーソス、前部と後部に引き裂かれています」
「そんなバカな」
そこへ、ベイル級機動母艦ガンユアン司令官モルディスからの通信が入る。
『リリウム・ツー、こちら機動母艦ガンユアン。敵コルベット艦二隻の無力化を確認した。ご協力感謝する』
「あ、ああ。こちらこそ。諸君らの健闘を祈る」
そう言い終えたスズランは、急に気が抜けたのか、艦長用の椅子に座って、大きな溜息をついた。無理もない。リリウム・ツーよりもはるかに大きな艦を二隻も沈めたところなのだから。
ぼくはスズランのところは歩み寄って、ねぎらいの言葉を掛けた。
「スズラン、おつかれさま」
「ああ? ああ……」
「リリウム・ツーとしては大戦果をあげたんだ。残りは統合宇宙軍艦隊に任せておいて大丈夫だよ」
「そうだな。あたしたちとしては、期待以上のことをやった……」
「うん」
それからスズランは両目を手で塞いで、また大きく深呼吸をした。
「あれ、お前がやったのか?」
「え?」
「いや、いい。まさかな」
スズランは頭を左右に振る。
にゃーん、という啼き声がして、ぼくが振り返ると、そこにはあの黒猫がいた。
黒猫のペシェは――だけど人の言葉を喋らずに――後ろ足で頭を掻いているところだった。
「お前、まさか、あれは、ぼくが――?」
黒猫はにゃーんとだけ答える。
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