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第1章 始まる恋 編
1話 ここから恋が始まった
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これは、今の俺からすればとても恥ずかしい恋の話をここに書き込むこととする。
俺の人生においてこんなにも色々な恋をしたと振り返るために記す。
この物語がハッピーエンドで終わるかはわからない。
なにせよ、未来は誰にもわからないのだから。
小学生の俺、明智 隆之は、無口であり、人見知りが激しかった。
何かそうさせる理由があったわけではないと思う。
多分、俺の遺伝子がそうなのだろう。
朝起きたら、身支度を済ませ、集団登校のため早めに集まる。
そして、学校につき、周りの友達とあまり喋ることもなく、授業が始まるのをただ待つ。
授業が始まれば、ぼーっと聞き、終業のチャイムが鳴れば下校する。
そんな小学生ながらつまらなそうな男の子であった。
特に仲の良い友達がいないだけで話せる友達はいた。
ただ、例えば4年生の時にクラスで転校になる平井結という女子がいたが、みんな悲しいと言って泣いている人が多かったが、俺はぼーっと座っていた。
俺は、感情を人前で出すのが嫌だったのだ。
これは、プライドではなく恥ずかしいことだと思っていたからだと思う。
そのためか、あまり話すことに距離をとっていた。感情を読み取られないために。
5年生に上がる時にクラス替えがあり、自分のクラスである3組の教室に行き席に腰かけた。
クラスは友達が多いようで一安心した。
しかし、それは束の間であった。
横の席に日向 歩という女の子がしゃべりかけてきたのだ。
歩は、肩くらいまで髪が伸び、前髪を花の髪留めで留め、目はでかく、身長は低い女の子であった。
常々、席替えの時は物静かな女子が良いと常日頃思っていた俺からすれば最悪なことであった。
歩「今日からよろしくね! たかゆき君と同じクラスになるのは初めてだよね?」
隆之「うん..」
歩「元気すくないな、いつもそんな感じ?」
隆之「い、いや、まぁそうかな..」
歩「笑 そうなんだ、たかゆき君面白いね。」
面白い?正直意味が分からなかった。
早く席替えしてくれ先生と心の中で願い続けた。
―授業中―
歩「ねぇ、練ケシ持ってる?」
隆之「なにそれ?」
歩「私のはこれ」
それは、色がついていて粘土のように自在に形を変える消しゴムであった。
隆之「へぇ、そんなのあるんだ」
歩「知らないの?(大声)」驚いたようにそう言った。
先生「あゆみ、たかゆき静かにしなさい」
歩「ごめんなさい」
隆之「(笑)」
なぜ俺も怒られるんだと思いながらも少し笑ってしまった。
歩「何笑ってるの?」
隆之「ごめん、ごめん(笑)」
歩「まだ笑ってる、たかゆきのせいで起こられたじゃん」
隆之「えっ、俺のせい?」
歩「そうだよ、まさか知らないなんて.. 笑った罰として練ケシ買ってくること」
隆之「なんでやねん!」
歩「ツッコミできるんやね」
恥ずかしくて、自分の顔が赤くなっていることに気が付いた。
歩「めっちゃ真っ赤になってる。かわいい(笑)」
隆之「やめて、買ってくるから」
歩「それでよし(笑)」
授業中にもしゃべりかけてくるのに正直疲れるなと思いつつ、少し明るくなっている自分に驚いた。
歩とは、練ケシの良さや香りがするマーカーの話や先生の癖を数えるや絵しりとりを強制的に授業中にさせられた。
昔の俺からすれば理解できないような会話や出来事が日向歩と隣になってから一ヶ月ぐらい続いた。
そんなくだらないことをしているからか自分に話しかけてくれる友達や「一緒にサッカーしようぜ」と誘ってくれる友達などとたくさんの友達が増えていた。
そんな楽しいと思える日常になっていた。
これも、日向歩が変えてくれたのだと思った。
―数日後―
とうとうあの時間がやってきた、そう“席替え“である。
俺は、複雑な気持ちであった。こんな感情を抱いたことはなかった。
だが、当時の俺はそれが何か分からなかった。
歩「席替え今日だね」
隆之「あ..そうだね」
歩「緊張するーー(笑) どこの席がいい?」
隆之「左側の後ろかな」
歩「だよね みんななんであそこが好きなんだろ(笑)」
隆之「そだな..」
明らかに俺はテンションが低かった。俺は、感情が明らかに丸わかりの男子だった。
歩「たかゆきどしたの? あっ、私と離れるの嫌だなーってこと?(笑)」
隆之「違うし!」 強がりだった。
先生「よぉーし席替えするぞー」
クラスのみんな「やったー! 後ろになりてぇー 前だけはやめてくれ!」
先生「一番右の列の女子からくじ引きに来て」
当時は、男女が横になるようにするため、男子と女子を分けてくじを引きに行くのであった。今はどうなっているか分からないが。
歩「じゃあ、引いてくるね!」楽しそうにくじを引きに行った。
すごく不安で緊張した。何か終わりそうなそんな予感がした。
次々と前の黒板に女子の席が書き込まれる。そして、歩の席は左後ろだった。
歩「ねぇ、たかゆき、めちゃいい席になった いいやろ!(笑)」
隆之「いいなぁー」
歩「隣誰になるかなー」
隆之「…」
ついに自分の番がやってきた。
そして、とある願いを込めてくじを引いた..
番号を確かめる。
手が震えるのが自分でもわかった。
そして、黒板に名前を書き込み、席に戻った。
歩「また、隣の席やね(笑) また一ヶ月よろしく」
隆之「あぁぁ、よろしく」
心から喜びが込み上げた。
必死に笑顔にならないように舌を噛んでいた。
俺の人生においてこんなにも色々な恋をしたと振り返るために記す。
この物語がハッピーエンドで終わるかはわからない。
なにせよ、未来は誰にもわからないのだから。
小学生の俺、明智 隆之は、無口であり、人見知りが激しかった。
何かそうさせる理由があったわけではないと思う。
多分、俺の遺伝子がそうなのだろう。
朝起きたら、身支度を済ませ、集団登校のため早めに集まる。
そして、学校につき、周りの友達とあまり喋ることもなく、授業が始まるのをただ待つ。
授業が始まれば、ぼーっと聞き、終業のチャイムが鳴れば下校する。
そんな小学生ながらつまらなそうな男の子であった。
特に仲の良い友達がいないだけで話せる友達はいた。
ただ、例えば4年生の時にクラスで転校になる平井結という女子がいたが、みんな悲しいと言って泣いている人が多かったが、俺はぼーっと座っていた。
俺は、感情を人前で出すのが嫌だったのだ。
これは、プライドではなく恥ずかしいことだと思っていたからだと思う。
そのためか、あまり話すことに距離をとっていた。感情を読み取られないために。
5年生に上がる時にクラス替えがあり、自分のクラスである3組の教室に行き席に腰かけた。
クラスは友達が多いようで一安心した。
しかし、それは束の間であった。
横の席に日向 歩という女の子がしゃべりかけてきたのだ。
歩は、肩くらいまで髪が伸び、前髪を花の髪留めで留め、目はでかく、身長は低い女の子であった。
常々、席替えの時は物静かな女子が良いと常日頃思っていた俺からすれば最悪なことであった。
歩「今日からよろしくね! たかゆき君と同じクラスになるのは初めてだよね?」
隆之「うん..」
歩「元気すくないな、いつもそんな感じ?」
隆之「い、いや、まぁそうかな..」
歩「笑 そうなんだ、たかゆき君面白いね。」
面白い?正直意味が分からなかった。
早く席替えしてくれ先生と心の中で願い続けた。
―授業中―
歩「ねぇ、練ケシ持ってる?」
隆之「なにそれ?」
歩「私のはこれ」
それは、色がついていて粘土のように自在に形を変える消しゴムであった。
隆之「へぇ、そんなのあるんだ」
歩「知らないの?(大声)」驚いたようにそう言った。
先生「あゆみ、たかゆき静かにしなさい」
歩「ごめんなさい」
隆之「(笑)」
なぜ俺も怒られるんだと思いながらも少し笑ってしまった。
歩「何笑ってるの?」
隆之「ごめん、ごめん(笑)」
歩「まだ笑ってる、たかゆきのせいで起こられたじゃん」
隆之「えっ、俺のせい?」
歩「そうだよ、まさか知らないなんて.. 笑った罰として練ケシ買ってくること」
隆之「なんでやねん!」
歩「ツッコミできるんやね」
恥ずかしくて、自分の顔が赤くなっていることに気が付いた。
歩「めっちゃ真っ赤になってる。かわいい(笑)」
隆之「やめて、買ってくるから」
歩「それでよし(笑)」
授業中にもしゃべりかけてくるのに正直疲れるなと思いつつ、少し明るくなっている自分に驚いた。
歩とは、練ケシの良さや香りがするマーカーの話や先生の癖を数えるや絵しりとりを強制的に授業中にさせられた。
昔の俺からすれば理解できないような会話や出来事が日向歩と隣になってから一ヶ月ぐらい続いた。
そんなくだらないことをしているからか自分に話しかけてくれる友達や「一緒にサッカーしようぜ」と誘ってくれる友達などとたくさんの友達が増えていた。
そんな楽しいと思える日常になっていた。
これも、日向歩が変えてくれたのだと思った。
―数日後―
とうとうあの時間がやってきた、そう“席替え“である。
俺は、複雑な気持ちであった。こんな感情を抱いたことはなかった。
だが、当時の俺はそれが何か分からなかった。
歩「席替え今日だね」
隆之「あ..そうだね」
歩「緊張するーー(笑) どこの席がいい?」
隆之「左側の後ろかな」
歩「だよね みんななんであそこが好きなんだろ(笑)」
隆之「そだな..」
明らかに俺はテンションが低かった。俺は、感情が明らかに丸わかりの男子だった。
歩「たかゆきどしたの? あっ、私と離れるの嫌だなーってこと?(笑)」
隆之「違うし!」 強がりだった。
先生「よぉーし席替えするぞー」
クラスのみんな「やったー! 後ろになりてぇー 前だけはやめてくれ!」
先生「一番右の列の女子からくじ引きに来て」
当時は、男女が横になるようにするため、男子と女子を分けてくじを引きに行くのであった。今はどうなっているか分からないが。
歩「じゃあ、引いてくるね!」楽しそうにくじを引きに行った。
すごく不安で緊張した。何か終わりそうなそんな予感がした。
次々と前の黒板に女子の席が書き込まれる。そして、歩の席は左後ろだった。
歩「ねぇ、たかゆき、めちゃいい席になった いいやろ!(笑)」
隆之「いいなぁー」
歩「隣誰になるかなー」
隆之「…」
ついに自分の番がやってきた。
そして、とある願いを込めてくじを引いた..
番号を確かめる。
手が震えるのが自分でもわかった。
そして、黒板に名前を書き込み、席に戻った。
歩「また、隣の席やね(笑) また一ヶ月よろしく」
隆之「あぁぁ、よろしく」
心から喜びが込み上げた。
必死に笑顔にならないように舌を噛んでいた。
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