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第二話シンデレラ、ゲームの世界だと気付きました
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私はどうやら、気絶してからきっちり3日間寝込んだらしい。
寝込んでいる間、私は川西穂香ではないエラについての記憶を思い出していた。
エラ・ウェッダー、御年3歳。
ウェッダー公爵の一人娘であり、父公爵のヘンリー・ウェッダー、母公爵夫人のマーガレット・ウェッダーからもそれは可愛がられてきた。
家族構成としては、父は公爵の仕事で忙しくしているが、母のことを心から愛しており、母に似た一人娘であるエラのこともたいそう可愛がっているため、社交界でも話題の仲の良い家族と言われている。
母はエラを生む前からも病弱で有名だが、比較的調子の良い時には社交界に出ており、父とは社交界で出会い、今でもとても仲が良い。ただ、エラを生んでから調子が悪く、寝込むことが多い。
父の弟である叔父、ハインツ・ウェッダーは医者と騎士を重ねて行っている。公爵家に来る頻度は多いが、多忙なため大体は病弱なマーガレットの診察をして、すぐ帰ってしまう。
そしてエラ・ウェッダー。私はこの名前を知っている。
なぜなら、エラ・ウェッダーは私が前世で死ぬ直前までプレイしていた乙女ゲーム、「ガラスに映る貴方」のヒロイン・・・のライバル、悪役令嬢だからである。
ただの同性同名かと思ったが、私が気絶する直前に見た家族の顔がゲーム上の「おまけ!悪役令嬢の家族説明!」にのっていたイラストとそっくりだったのだ!
このゲームは乙女ゲームによくある、中世をモデルにした、攻略ゲームだ。
だいたいのあらすじは、ヒロインが5人の攻略対象から愛をささやかれ、その恋をかなえるために、奔走する、というものだ。
ヒロインは平民で、魔力が多かったために男爵家の人間となった、美少女ちゃんである。
名前は「フローラ・クロー」。その純真無垢たる性格で男を次々落としていく・・・って、こう言うと悪い女に聞こえてしまうな・・・。
しかし、完全にこの世界が乙女ゲームの世界だと決めつけるのは早い。
そう判断した私は3日間寝込んだ病み上がりの状態で今、私室のテーブルと向き合っていた。
家族には今日は一人になりたいと伝えてあるから、部屋に急に入ってくることは無いだろう。心配そうな顔をみるのは心が痛んだが・・・。
「取りあえず、攻略対象を整理するか」
引き出しにあったノートのようなものと万年筆のようなものを取り出す。
「あれ?インクがないなあ・・・」
万年筆があるなら、インクがないと書けないじゃないか、と思い探してみたが、何も無かった。
無いなら仕方が無い、とノートにペンを滑らせると、おお!インクがでた!
インクをいちいち付けないでいいってのは、良いね!
ああ!!インクに感動してないで、それよりもまず、どんなゲームだったか、はっきり思い出さなきゃ。
このゲームの大まかな内容は、シンデレラストーリーと似ているが、大きく違うところはこの世界に魔法があるところだ。
魔法はテンプレの「火・水・土・風・光・闇」で、平民は大多数が属性を持たないため、持つ人物は商人となることが多い。
火は持つものが多く、次に水、土、風となる。
そして光と闇の属性を持つものはとても少なく、大体がそれぞれの国に保護される。
貴族も高位の人物ほど貴重な属性を持つが、稀に2つ、3つの属性を持つ人物がいる。
ただ、悪役令嬢はあまり魔法を使っているところがゲームには出てきていない。
だから知らないのだが、今後のために知っておいた方が良いだろう。
「また属性を確認しなきゃ。測定できるものってあるのかな」
今度お父さまに聞いてみるとするか。
私の属性はとりあえず置いておいて、攻略対象は今私が知っている中では5人。
1人目は第2王子である「アレック・アンダスター」
完璧王子とも言われており、その名のとおりなんでも軽々こなしてしまう。
王家にでる色素である黒を色濃くついでおり、黒髪黒目だが、ここまで黒いのも何百年無いと言われ、好奇の目で見られ続け、人の目が怖くなってしまったが、これは王子として人に隠し、完璧王子を演じている。
魔力属性はさすが王族というべきか3つ持っており、火・水・土である。
2人目は第4王子である「カイル・アンダスター」
双子であった第3王子を亡くしてからは、天真爛漫であった性格が変わり、黒髪であった髪が色素の限りなく薄い灰色となってしまい、王家の黒では無いと噂され、ひねくれてしまった。
目は緑色だが、片方の左目は第3王子を亡くしたとき、暗殺されかけたときに無くしてしまった。
それからは眼帯をしている。ワイルド系。
魔力属性は闇。
3人目は宰相の息子の「ブラウン・コールダー」
長い金髪と青い目を持ち、勤勉家。
実力で成り上がった宰相の息子なだけあって、優秀を絵に描いたような人物。
婚約者になろうとする令嬢を山のようにいるが、本人はまるで気付かず、毎日のようにファンを製造している。
母とは確執があり、仲がとても悪い。
魔力属性は水と土。
4人目は王国騎士の「キャバノー・ヴィクルー」
白髪に赤目。剣の腕は一流で有名。
実力で成り上がり、その過去は謎に満ちている。孤児院に足繁く通っており、慈善を絵に描いたような人物。
魔力属性はなし。
5人目は暗殺者の「フィッツ・エドワード」
僅か15歳と言われている。栗毛に紫目でやわらかい雰囲気を持つが、腕は一流。
エラを暗殺に来たところで一目惚れというシチュエーション。
魔力属性は風。
そしてライバルキャラ、つまり、私以外の悪役令嬢はエラの義理の姉達「カレン・フロー」「アン・フロー」
二人は姉妹では無く、本はそれぞれ子爵家の令嬢で落ちぶれたところを後にエラの義理の母親となる「エメラル・フロー」に拾われる。
そこでエメラルに大きな恩を感じており、エメラルのためにエラの邪魔をする。
カレンの魔力は火と風、アンは土と水。
そして肝心の私、メイン悪役令嬢。「エラ・ウエッダー」
攻略対象、『アレックス・アンダスター』の婚約者である、公爵令嬢。
親から甘やかせられすぎたため、高慢ちきな令嬢となった。
ヒロインが攻略をすすめる内に、登場する定番悪役だ。
ちなみにこのゲームはハッピーエンドになることが極端に少ない。
そう聞くと、悪役令嬢が幸せだと思うだろうが、全くの見当違いだ。
ここが一番肝心な所だが、ハッピーエンド・バッドエンドになると、エラはひどいことになる。
1人目、アレック王子は国外追放のはてにフィッツの手により、暗殺される。
首を持って帰られ、「これで君は永遠に変わらない・・・。愛してる」と魔法によって保存され、愛でられるのだ。
2人目、カイル王子は精神を病み、心中を攻められ、断ったら「どうして?僕は君のことを愛してるのに」と詰め寄られ、闇のなかで発狂してもなお閉じ込められる。
3人目、ブラウンは国家反逆者として処刑される。処刑された後に公爵家はとりつぶされ、一家が路頭に迷うこととなる。そのときのセリフは「君はおとなしくしていれば良かったのに・・・。困ったなあ」
4人目、キャバノーは散歩をしている時に人気の無いところに連れ込まれ、問答無用で斬り殺される。
「やっと君を殺せたよ・・・。」
5人目、フィッツは自宅の地下室に監禁される。「君の目には僕だけが映っている・・・。これって最高じゃない?」
・・・はははは。乾いた笑い声しか出ねえよ。どんだけ鬼畜なんだ、このゲーム。
おい、悪役令嬢に救いがねえな。
ゲームをノートに書き、まとめた後の私はすくっと立ち上がり、公爵家の書室に走った。
どうやら、エラとして生きた3年間は体が覚えているようだ。
しかし、私の体は3歳児。書室にメイドやらを避けながらたどりついたときには、息が切れていたがそんなことにはかまってられない。
それから私はこれまた3日間ほど書室にこもり、歴史書などを貪るように読んだ結果・・・、ココが乙女ゲーム、「ガラスに映る貴方」の世界だと証明してしまったのだ
寝込んでいる間、私は川西穂香ではないエラについての記憶を思い出していた。
エラ・ウェッダー、御年3歳。
ウェッダー公爵の一人娘であり、父公爵のヘンリー・ウェッダー、母公爵夫人のマーガレット・ウェッダーからもそれは可愛がられてきた。
家族構成としては、父は公爵の仕事で忙しくしているが、母のことを心から愛しており、母に似た一人娘であるエラのこともたいそう可愛がっているため、社交界でも話題の仲の良い家族と言われている。
母はエラを生む前からも病弱で有名だが、比較的調子の良い時には社交界に出ており、父とは社交界で出会い、今でもとても仲が良い。ただ、エラを生んでから調子が悪く、寝込むことが多い。
父の弟である叔父、ハインツ・ウェッダーは医者と騎士を重ねて行っている。公爵家に来る頻度は多いが、多忙なため大体は病弱なマーガレットの診察をして、すぐ帰ってしまう。
そしてエラ・ウェッダー。私はこの名前を知っている。
なぜなら、エラ・ウェッダーは私が前世で死ぬ直前までプレイしていた乙女ゲーム、「ガラスに映る貴方」のヒロイン・・・のライバル、悪役令嬢だからである。
ただの同性同名かと思ったが、私が気絶する直前に見た家族の顔がゲーム上の「おまけ!悪役令嬢の家族説明!」にのっていたイラストとそっくりだったのだ!
このゲームは乙女ゲームによくある、中世をモデルにした、攻略ゲームだ。
だいたいのあらすじは、ヒロインが5人の攻略対象から愛をささやかれ、その恋をかなえるために、奔走する、というものだ。
ヒロインは平民で、魔力が多かったために男爵家の人間となった、美少女ちゃんである。
名前は「フローラ・クロー」。その純真無垢たる性格で男を次々落としていく・・・って、こう言うと悪い女に聞こえてしまうな・・・。
しかし、完全にこの世界が乙女ゲームの世界だと決めつけるのは早い。
そう判断した私は3日間寝込んだ病み上がりの状態で今、私室のテーブルと向き合っていた。
家族には今日は一人になりたいと伝えてあるから、部屋に急に入ってくることは無いだろう。心配そうな顔をみるのは心が痛んだが・・・。
「取りあえず、攻略対象を整理するか」
引き出しにあったノートのようなものと万年筆のようなものを取り出す。
「あれ?インクがないなあ・・・」
万年筆があるなら、インクがないと書けないじゃないか、と思い探してみたが、何も無かった。
無いなら仕方が無い、とノートにペンを滑らせると、おお!インクがでた!
インクをいちいち付けないでいいってのは、良いね!
ああ!!インクに感動してないで、それよりもまず、どんなゲームだったか、はっきり思い出さなきゃ。
このゲームの大まかな内容は、シンデレラストーリーと似ているが、大きく違うところはこの世界に魔法があるところだ。
魔法はテンプレの「火・水・土・風・光・闇」で、平民は大多数が属性を持たないため、持つ人物は商人となることが多い。
火は持つものが多く、次に水、土、風となる。
そして光と闇の属性を持つものはとても少なく、大体がそれぞれの国に保護される。
貴族も高位の人物ほど貴重な属性を持つが、稀に2つ、3つの属性を持つ人物がいる。
ただ、悪役令嬢はあまり魔法を使っているところがゲームには出てきていない。
だから知らないのだが、今後のために知っておいた方が良いだろう。
「また属性を確認しなきゃ。測定できるものってあるのかな」
今度お父さまに聞いてみるとするか。
私の属性はとりあえず置いておいて、攻略対象は今私が知っている中では5人。
1人目は第2王子である「アレック・アンダスター」
完璧王子とも言われており、その名のとおりなんでも軽々こなしてしまう。
王家にでる色素である黒を色濃くついでおり、黒髪黒目だが、ここまで黒いのも何百年無いと言われ、好奇の目で見られ続け、人の目が怖くなってしまったが、これは王子として人に隠し、完璧王子を演じている。
魔力属性はさすが王族というべきか3つ持っており、火・水・土である。
2人目は第4王子である「カイル・アンダスター」
双子であった第3王子を亡くしてからは、天真爛漫であった性格が変わり、黒髪であった髪が色素の限りなく薄い灰色となってしまい、王家の黒では無いと噂され、ひねくれてしまった。
目は緑色だが、片方の左目は第3王子を亡くしたとき、暗殺されかけたときに無くしてしまった。
それからは眼帯をしている。ワイルド系。
魔力属性は闇。
3人目は宰相の息子の「ブラウン・コールダー」
長い金髪と青い目を持ち、勤勉家。
実力で成り上がった宰相の息子なだけあって、優秀を絵に描いたような人物。
婚約者になろうとする令嬢を山のようにいるが、本人はまるで気付かず、毎日のようにファンを製造している。
母とは確執があり、仲がとても悪い。
魔力属性は水と土。
4人目は王国騎士の「キャバノー・ヴィクルー」
白髪に赤目。剣の腕は一流で有名。
実力で成り上がり、その過去は謎に満ちている。孤児院に足繁く通っており、慈善を絵に描いたような人物。
魔力属性はなし。
5人目は暗殺者の「フィッツ・エドワード」
僅か15歳と言われている。栗毛に紫目でやわらかい雰囲気を持つが、腕は一流。
エラを暗殺に来たところで一目惚れというシチュエーション。
魔力属性は風。
そしてライバルキャラ、つまり、私以外の悪役令嬢はエラの義理の姉達「カレン・フロー」「アン・フロー」
二人は姉妹では無く、本はそれぞれ子爵家の令嬢で落ちぶれたところを後にエラの義理の母親となる「エメラル・フロー」に拾われる。
そこでエメラルに大きな恩を感じており、エメラルのためにエラの邪魔をする。
カレンの魔力は火と風、アンは土と水。
そして肝心の私、メイン悪役令嬢。「エラ・ウエッダー」
攻略対象、『アレックス・アンダスター』の婚約者である、公爵令嬢。
親から甘やかせられすぎたため、高慢ちきな令嬢となった。
ヒロインが攻略をすすめる内に、登場する定番悪役だ。
ちなみにこのゲームはハッピーエンドになることが極端に少ない。
そう聞くと、悪役令嬢が幸せだと思うだろうが、全くの見当違いだ。
ここが一番肝心な所だが、ハッピーエンド・バッドエンドになると、エラはひどいことになる。
1人目、アレック王子は国外追放のはてにフィッツの手により、暗殺される。
首を持って帰られ、「これで君は永遠に変わらない・・・。愛してる」と魔法によって保存され、愛でられるのだ。
2人目、カイル王子は精神を病み、心中を攻められ、断ったら「どうして?僕は君のことを愛してるのに」と詰め寄られ、闇のなかで発狂してもなお閉じ込められる。
3人目、ブラウンは国家反逆者として処刑される。処刑された後に公爵家はとりつぶされ、一家が路頭に迷うこととなる。そのときのセリフは「君はおとなしくしていれば良かったのに・・・。困ったなあ」
4人目、キャバノーは散歩をしている時に人気の無いところに連れ込まれ、問答無用で斬り殺される。
「やっと君を殺せたよ・・・。」
5人目、フィッツは自宅の地下室に監禁される。「君の目には僕だけが映っている・・・。これって最高じゃない?」
・・・はははは。乾いた笑い声しか出ねえよ。どんだけ鬼畜なんだ、このゲーム。
おい、悪役令嬢に救いがねえな。
ゲームをノートに書き、まとめた後の私はすくっと立ち上がり、公爵家の書室に走った。
どうやら、エラとして生きた3年間は体が覚えているようだ。
しかし、私の体は3歳児。書室にメイドやらを避けながらたどりついたときには、息が切れていたがそんなことにはかまってられない。
それから私はこれまた3日間ほど書室にこもり、歴史書などを貪るように読んだ結果・・・、ココが乙女ゲーム、「ガラスに映る貴方」の世界だと証明してしまったのだ
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