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全ては神の導きのままに
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はじめましての方ははじめまして。2回目の方はまたお会いしましたね。
これを読んでいると言う事は解説を知りたいのでしょう。良いですともお話して差し上げます。私は常に監督であり脚本家でありエンターテイナーですが、案外解説者も悪くはありませんね。
さて、全ての始まりは彼等の時代から数億年時を遡ります。人類が誕生する以前より宇宙から知的生命体がこの星に降り立ち工場運営を行っておりました。
種族的に日光に弱い彼等は地下に都市と工場を建て、発掘した鉱物を原料に工場で製品化しては他の星に売って生計を立てておりました。彼等の星は資源に乏しいので金銭を得る為にまだ知的生命体が誕生しておらず鉱物資源が豊富な星で製品を作り、素材となる鉱物を取り尽くせばまた次の星へと移動するとても温和な種族でした。タラスティナと呼ばれている土地の地下は当時彼等にとっては非常に住みやすい条件が揃っておりまして、そこを本拠地として活動していたそうです。
この星の人間が瘴気と呼ぶものは工場を稼働させている際に放出される副産物で、人間の技術に例えるならば工場から出る排気ガスのようなものです。彼等の生活圏である地下では対策をしていても地上には関与しなかったという事ですね。
彼らは、次の星へと移動する際に工場内の全ての機器をストップさせました。ですがこの時代より1万年前。大陸移動で後のタラスティナとなる半島が大陸と衝突した際に起きた大地震で工場内の機器が再び作動してしまったのです。
もう少し衝撃が強ければ機器は耐えきれずにすぐさま壊れていたでしょう。しかし辛うじて耐えきり尚且つスイッチが作動してしまった。こうして装置の近くの土地は折角確立していた生態系も途絶え、再び瘴気に覆われる不毛な土地となったのです。土地によって瘴気の濃度に差異があるのは地形の違いの他にもこのような事情もあった訳です。
私がこの星を覗き見た時、ちょうどタラスティナの先祖達が祖国によって例の土地へと追いやられていました。そこで私はとあるゲームを思いついたのです。吹けばすぐに倒れてしまうような小国をプレイヤーたる私が干渉する事で大国へと押し上げるゲーム。人間のみなさんの中にはプレイしたことがあるでしょう?あれを実際の国を使って再現しようとしたのです。
瘴気を払い、魔術を授けば途端に彼らは私の言う通りにせっせと働きだしました。人口が増えてリーダーが台頭し、徐々に国のような体制が作られていく様は興味深いものでした。きっと人間もこのような過程が面白くてプレイしているのでしょうね。
もちろん奉仕するだけではありません、働くからにはちゃんと給料はもらわないと。生贄は既に他星の数多いる信者から受け取っているので、欲を満たせる女性達を所望しました。生贄を求めるよりずっと人道的でしょうし、何せこの私の子を産めるのです。これ程名誉な事はありませんよ。
ただ脆弱な精神では子どもを産む際どうしても発狂は免れないみたいですが。どうやら子ども達は生まれる際に母体の精神を食ってしまうようなのですよ。
ええ、当時は真実名誉な事でしたよ。神に触れてもらえて神の子を産めるなど、望んで望んで望み続けてとうとう与えられずに生涯を終える王女も居たくらいですから。当時の父親が出産後に発狂した娘を殺したのは速やかに殺してあげる事で魂も私に召される名誉の上乗せをする為です。
それなのに干渉に飽きて浄化を聖女に任せている間にこれ程までに価値観が変わってしまうなんて。人間の変わり身の早さといったら悲しいです。
人間は子どもの事を「愛の結晶」と言ったりするのでしょう?だったらあの子達も私達の愛の結晶で神の子です。それを悍ましいだのなんだの、挙句の果てにはあの子達の姿をあんな不出来なものに描き換えてしまうなんて何て罰当たりなんでしょう。
私の事も慈悲だけ与える存在に仕立て上げるだなんて、そちらの方が悍ましい行為だと思いません?対価も差し出さずに恵みだけ享受しようだなんて単なる搾取と変わりませんよ。
干渉していた国があったなと最近思い出して覗き見てみればこれです。やはり人間は我々の威光を定期的に知らしめていかないと直ぐに付け上がってしまう。その極みが教会ですよ。私を権力を高める為の都合の良い駒扱いしたのですから。
近々聖女が召喚される時期でもありましたから、このタイミングがゲームの完成に丁度良いとアレクサンドラとして人間に混じる事にしたのです。永遠に存続する国などありはしませんから、作り上げたら滅亡を見届けるまでが建国系ゲームの醍醐味でしょう?
どんなに強大な国でも時代と環境と事情が変わればあっという間に瓦解してしまうもの。貴族からの解放という発想を覚えた平民、欲に塗れたアダムと彼から洗脳教育を受けた短絡的思考のレオナルド、本当にトントン拍子に事は運びました。
そうそう、聖女の部屋に配置したヒントのことを忘れていましたね。ほら、彼女達もいきなり違う星に連れてこられて大変でしょう?勝手に呼び出しておきながら帰れないなんてフェアじゃないじゃないですか。だから努力次第で帰れるよう救済措置を施した訳です。私じゃないとこうはなりませんよ、他の方は人間に興味なんて無いので。
確かに数人は無事に帰ったはずですがね。中には間に合わずに時間切れになった方や推理不足で間違えた方も居ましたが、あくまで正解のルートを見つけて帰れるかは本人の努力次第であって絶対に帰れるとは言っていません。「神とは試練を与えるもの」でしょう?
だというのにアイラは流されやすい性格なのか意志薄弱なのか、待っている家族も友人も居るのにすぐに諦めて聖女としての役割を務めようとしたのですよ。
これじゃあつまらないまったく持ってつまらない。だから最後のチャンスをあげました。初めてですよこんなサービスをしたのは。
アダムを刺したところまでは良かったんですがねぇ、次元を開けた時はもう少し疑ってもらわないと。だって私日本に帰すとは言いましたけれど、彼女の時代の彼女の家に帰すとは一言も言っていないんですよ。
まぁ、これで片付けも全て完了しゲームも終わりました。後は残された方々次第です。
あら結末を見たんですね。フフフ、私は何もしておりませんよ、わざわざ手を下さずとも彼等自身が有史以来持ち得る欲で自滅したのですから。人間は人間である限り、どんなに戒めようとも自らの欲で自滅する。これはどの国でもどの時代でも歴史が証明しております。
遺物の奪い合いは今後どのような展開になっていくのでしょうかねぇ。500年位経ったら新しい国が出来ているかもしれません。その時にまた覗いてみましょうか。
え?スラムの人達はどうなったかですって?…………彼等は確かに飢えや貧しさから永遠に解放されました。それで良いではありませんか。
これを読んでいると言う事は解説を知りたいのでしょう。良いですともお話して差し上げます。私は常に監督であり脚本家でありエンターテイナーですが、案外解説者も悪くはありませんね。
さて、全ての始まりは彼等の時代から数億年時を遡ります。人類が誕生する以前より宇宙から知的生命体がこの星に降り立ち工場運営を行っておりました。
種族的に日光に弱い彼等は地下に都市と工場を建て、発掘した鉱物を原料に工場で製品化しては他の星に売って生計を立てておりました。彼等の星は資源に乏しいので金銭を得る為にまだ知的生命体が誕生しておらず鉱物資源が豊富な星で製品を作り、素材となる鉱物を取り尽くせばまた次の星へと移動するとても温和な種族でした。タラスティナと呼ばれている土地の地下は当時彼等にとっては非常に住みやすい条件が揃っておりまして、そこを本拠地として活動していたそうです。
この星の人間が瘴気と呼ぶものは工場を稼働させている際に放出される副産物で、人間の技術に例えるならば工場から出る排気ガスのようなものです。彼等の生活圏である地下では対策をしていても地上には関与しなかったという事ですね。
彼らは、次の星へと移動する際に工場内の全ての機器をストップさせました。ですがこの時代より1万年前。大陸移動で後のタラスティナとなる半島が大陸と衝突した際に起きた大地震で工場内の機器が再び作動してしまったのです。
もう少し衝撃が強ければ機器は耐えきれずにすぐさま壊れていたでしょう。しかし辛うじて耐えきり尚且つスイッチが作動してしまった。こうして装置の近くの土地は折角確立していた生態系も途絶え、再び瘴気に覆われる不毛な土地となったのです。土地によって瘴気の濃度に差異があるのは地形の違いの他にもこのような事情もあった訳です。
私がこの星を覗き見た時、ちょうどタラスティナの先祖達が祖国によって例の土地へと追いやられていました。そこで私はとあるゲームを思いついたのです。吹けばすぐに倒れてしまうような小国をプレイヤーたる私が干渉する事で大国へと押し上げるゲーム。人間のみなさんの中にはプレイしたことがあるでしょう?あれを実際の国を使って再現しようとしたのです。
瘴気を払い、魔術を授けば途端に彼らは私の言う通りにせっせと働きだしました。人口が増えてリーダーが台頭し、徐々に国のような体制が作られていく様は興味深いものでした。きっと人間もこのような過程が面白くてプレイしているのでしょうね。
もちろん奉仕するだけではありません、働くからにはちゃんと給料はもらわないと。生贄は既に他星の数多いる信者から受け取っているので、欲を満たせる女性達を所望しました。生贄を求めるよりずっと人道的でしょうし、何せこの私の子を産めるのです。これ程名誉な事はありませんよ。
ただ脆弱な精神では子どもを産む際どうしても発狂は免れないみたいですが。どうやら子ども達は生まれる際に母体の精神を食ってしまうようなのですよ。
ええ、当時は真実名誉な事でしたよ。神に触れてもらえて神の子を産めるなど、望んで望んで望み続けてとうとう与えられずに生涯を終える王女も居たくらいですから。当時の父親が出産後に発狂した娘を殺したのは速やかに殺してあげる事で魂も私に召される名誉の上乗せをする為です。
それなのに干渉に飽きて浄化を聖女に任せている間にこれ程までに価値観が変わってしまうなんて。人間の変わり身の早さといったら悲しいです。
人間は子どもの事を「愛の結晶」と言ったりするのでしょう?だったらあの子達も私達の愛の結晶で神の子です。それを悍ましいだのなんだの、挙句の果てにはあの子達の姿をあんな不出来なものに描き換えてしまうなんて何て罰当たりなんでしょう。
私の事も慈悲だけ与える存在に仕立て上げるだなんて、そちらの方が悍ましい行為だと思いません?対価も差し出さずに恵みだけ享受しようだなんて単なる搾取と変わりませんよ。
干渉していた国があったなと最近思い出して覗き見てみればこれです。やはり人間は我々の威光を定期的に知らしめていかないと直ぐに付け上がってしまう。その極みが教会ですよ。私を権力を高める為の都合の良い駒扱いしたのですから。
近々聖女が召喚される時期でもありましたから、このタイミングがゲームの完成に丁度良いとアレクサンドラとして人間に混じる事にしたのです。永遠に存続する国などありはしませんから、作り上げたら滅亡を見届けるまでが建国系ゲームの醍醐味でしょう?
どんなに強大な国でも時代と環境と事情が変わればあっという間に瓦解してしまうもの。貴族からの解放という発想を覚えた平民、欲に塗れたアダムと彼から洗脳教育を受けた短絡的思考のレオナルド、本当にトントン拍子に事は運びました。
そうそう、聖女の部屋に配置したヒントのことを忘れていましたね。ほら、彼女達もいきなり違う星に連れてこられて大変でしょう?勝手に呼び出しておきながら帰れないなんてフェアじゃないじゃないですか。だから努力次第で帰れるよう救済措置を施した訳です。私じゃないとこうはなりませんよ、他の方は人間に興味なんて無いので。
確かに数人は無事に帰ったはずですがね。中には間に合わずに時間切れになった方や推理不足で間違えた方も居ましたが、あくまで正解のルートを見つけて帰れるかは本人の努力次第であって絶対に帰れるとは言っていません。「神とは試練を与えるもの」でしょう?
だというのにアイラは流されやすい性格なのか意志薄弱なのか、待っている家族も友人も居るのにすぐに諦めて聖女としての役割を務めようとしたのですよ。
これじゃあつまらないまったく持ってつまらない。だから最後のチャンスをあげました。初めてですよこんなサービスをしたのは。
アダムを刺したところまでは良かったんですがねぇ、次元を開けた時はもう少し疑ってもらわないと。だって私日本に帰すとは言いましたけれど、彼女の時代の彼女の家に帰すとは一言も言っていないんですよ。
まぁ、これで片付けも全て完了しゲームも終わりました。後は残された方々次第です。
あら結末を見たんですね。フフフ、私は何もしておりませんよ、わざわざ手を下さずとも彼等自身が有史以来持ち得る欲で自滅したのですから。人間は人間である限り、どんなに戒めようとも自らの欲で自滅する。これはどの国でもどの時代でも歴史が証明しております。
遺物の奪い合いは今後どのような展開になっていくのでしょうかねぇ。500年位経ったら新しい国が出来ているかもしれません。その時にまた覗いてみましょうか。
え?スラムの人達はどうなったかですって?…………彼等は確かに飢えや貧しさから永遠に解放されました。それで良いではありませんか。
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