クレーマーは福の神？ アメリカのポテトチップスとミルクセーキに思うこと

クレーマーは福の神？ アメリカのポテトチップスとミルクセーキに思うこと

　ポテトフライの厚すぎるとクレームをつけるお客に怒ったシェフがごく薄切りにしてポテトを揚げたのがポテトチップスの始まりとか。
ポテトフライの厚みにこだわり過ぎてクレームをつけるお客さんのおかげでおいしい料理ができました。
　さて、ミルクセーキとクレーマーは関係あるのかしらと思う方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、少し話が脱線します。
　私には40年近くミルクセーキについてずっと疑問だったことがあります。40年程前、アメリカのボストンで働く親戚の家に遊びに行った時の事です。レストランでミルクセーキを頼むと必ずガラスのコップに2杯分出てくるのです。値段的には他のドリンク類と差はなく、2杯分いただけるという事でとてもお得な気になりました。味はさほど甘くもなく美味しかったように記憶しています。ボストンに滞在中、私が美味しいと思ったのはメイプルシロップで作った砂糖菓子とミルクセーキと言っても過言ではありませんでした。
地元の人気のステーキハウスのお肉は味は自分でつけるようでした。おまけに、サラダだけで満腹になりました。グリルした鯛も味がありません。これも自分で味をつけて食べるのです。食べきれない鯛はお持ち帰りして和風の甘辛い味付けにしておいしく頂きました。東海岸はシーフードもおいしいのですが、レストランの生ガキももう少し丁寧に下処理してほしいと思ったものです。
肝心のミルクセーキの件です。何故2杯出てくるかというと、当時ミキサーにかけると空気が含まれてかさが増すからと説明された気がしますが、なんとなく腑に落ちなかったのです。
最近、ある方の料理ブログにミルクセーキが出てきました。こちらは西海岸です。やはり、ミルクセーキを頼むと2杯出てくるのです。ただし2杯目は金属のカップに半分弱位です。ミキサーに残った分を2杯目のカップに入れるのだそう。ネイティブによると、東海岸でも2杯出てくることに驚かれたようでした。
日本にはない習慣です。ミクサーにかけたら、かさが増えるので2杯にするべきとクレームをつけたお客さんがいたのでしょうか。
ともかく、丁寧に回答してくださったブロガーさんのおかげでミルクセーキ2杯の謎が解けてすっきりしました。
「お客様は神様です」は極端にしても、相手の心に寄り添ってみるのがビジネスの基本かなと思うのです。それで生まれたポテトチップスやミルクセーキを2杯出す習慣はお客様を増やすビジネスチャンスになったのではないでしょうか。
クレーマーと称してお客様と敵対する風潮もありますが、一旦は相手の話を聞いてみるのは大切かもしれません。
　意外でに思われるかもしれませんが、クレーマーさんもきちんと話を聞いてあげることで味方になってくれます。ただし他のお客様に迷惑がかかったり、際限なく要求を増やすクレーマーには「どうぞ、ご遠慮ください」と毅然とした態度をとる必要がありそうです。