姫、始めました。〜男子校の「姫」に選ばれたので必要に応じて拳で貞操を守り抜きます。(「欠片の軌跡if」)

ねぎ(塩ダレ)

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本編

人魚姫は涙を持たない

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「ほい。おまたせ。」

「……ん。」

「でも何か意外だなぁ~。」

「そうか?」

そんな会話をしながら歩く。
ちょうど空いてるベンチがあったので二人で座った。

「……ていうか、絶対、俺、ガスパーのパシリだと思われたよな?」

「何でだよ?!」

思わずいうと、キツイ目がギロリと睨んでくる。
そしてぷいっと反らされた。
手にしているトッピング盛り盛りのクレープが小さな花束みたいな事もあり、なんか可愛い。

ガスパーに色々なお礼を兼ね何か奢ると言ったら、電車に乗って大きな公園につれて来られた。
何かと思ったら、こういう所に集まっているキッチンカーの食べ物を食べてみたかったんだそうだ。
特にクレープ等は一人で買うのは躊躇われ、食べたくても食べれなかったんだそうだ。

「ガスパーがこういうクレープ食うとか意外……。」

「うっさい。」

「いや、甘い物のイメージあんまりなかったからさ。」

「そうか?結構、甘い物よく食うぞ?糖分は脳によく効くからな。」

「なるほど。そう言われるとメチャクチャ納得する。」

「ただまぁ、こんなところで野郎二人が仲良くベンチで食うもんじゃないな。写真撮る訳でもないし。……ていうか、これ、どこから食やいいんだよ?!」

そう言って少しおっかなびっくり、溢れんばかりのクレープと格闘している。
鬼のように溢れるクリームとそれを埋め尽くす大きめの花のように可愛らしいトッピングのフルーツたち。
ガスパーははじめはおとなしくスプーンですくって食べていたが、面倒になったようだ。
ただガッツリスプーンですくおうにも、ゴロゴロと大きなフルーツが落ちそうになるし、かと言ってかぶりつくとなるとクリームを口や顔にくっつける事になる。

「欲張るからそうなるんだよ。」

俺は自分の普通サイズの生チョコ&キャラメルアイスにナッツをトッピングしただけのシンプルな……いや、それでもその辺のクレープ屋のクレープよりデカイんだけど……を食べ始める。
うっま。高いしでかいしカロリー気になるけど、さすがに旨い。
そんな俺を恨めしそうにガスパーが睨む。

「うっさい。やっと食えるってなったんだから仕方ないだろ?!次、いつ食えるかわかんねぇんだし!!」

そう、ガスパーはそれまで食べたくてもひと目が気になって食べれなかった分なのか、メチャクチャ悩んだ挙句、あれこれ増量・トッピングを追加したせいでエラい事になっているのだ。
本当にミニブーケの様に素敵な出来栄えになったクレープ。
もう持手が紙では収まらなくて、紙を巻いた後Lサイズの紙コップに突き刺さっているのだ。
2個に分ければ?とも言ったのだが、馬鹿デカイのを食べるのも夢だったらしくこうなってしまったのだ。
とはいえやってみたら食べにくい事に今更気づいたガスパー。
困った挙句、俺の方をちらりと見てくる。

「……むこう向いてろ。」

「はいはい。」

俺が視線を反らすと、えいっとばかりに豪快にかぶりついた。
あんなに悩んでたのに意外と潔く行ったな。
なのに噛んだ所からクリームが逃げて思わぬ方から噴き出して、慌てふためいてる。

「うわっ?!やべっ!!」

「あはは!!ほら!ペーパー!!」

「サンキュー……って!!こっち見んなって言っただろ?!」

口周りを拭いながら真っ赤になってガスパーは怒った。
でもクリームを拭ききれてなくて全然怖くない。

「まだここについてる。」

「~~っ!!もういい!どうせつくんだし!!」

そう言って再度クレープと格闘し始めた。
孤高のヤンキー姫が可愛らしい盛り盛りクレープを頬張る様はなかなか見れるものではない。

「ガスパー?」

「あ?!」

俺はその姿を自撮りついでに激写した。
びっくりして固まっているガスパー。

「おま……っ?!何撮ってんだよ?!」

「え~?!ガスパーがクレープ食ってる可愛い姿を残しておこうかと。」

「……かっ?!可愛?!」

クリームをもつけたまま真っ赤になって固まるのも可愛いのでとりあえず撮っておく。

「だから撮んな!!」

「いいじゃん。ガスパーのこんな姿、珍しそうだし。」

「馬鹿!死ね!!」

怒ったガスパーはそう言ってそっぽを向いて食べ始めた。
なんか普段と違った一面が見れて面白い。

「……どうせ撮るなら食う前の綺麗な時にしろよ、たくっ。」

「ええ?!そんなのつまんないだろ?!メニュー表じゃないんだから!食ってワイワイしてるのが面白いんだし。」

「そうかよ。」

ツーンとして黙々と食べ始めるガスパー。
俺は自分のクレープを齧りながら立ち上がった。

「サーク?」

「ちょろ、まっれれ。」(ちょっと待ってて。)

そしてそのまま買ったクレープ屋さんに行く。
売り子のお姉さんと話しているのをガスパーは不思議そうに眺める。

「おまたせ~。」

「何??」

「さっき、お前のクレープが凄かったから、お姉さんに写真撮って上げていいかって聞かれたんだよ。」

「……は?!」

「だからどこに上げたのか聞いてきたんだよ。ほら……。」

お店のインスタには、ガスパー特注のギガ盛りクレープが、とても綺麗な花束のように写真に撮られ上げられていた。
それをぽかんと眺めるガスパー。

「な?これで食べる前の綺麗な写真もあるだろ?」

「……あ、うん。」

「でも俺は食ってる写真の方が好きだな~。躍動感が違うし。」

「躍動感ってなんだよ?!馬鹿にしやがって!!」

「バカにしてないって、ほら!良くないか?!」

俺達はクレープを食べながら、さっき撮った写真を一緒に見る。
そこにはちょっと間の抜けた日常が切り取られていた。

「お前!!この写真!誰にも見せんなよ?!」

「見せないよ!見せたら「俺にもギガ盛りクレープ奢って!」とか言われそうじゃんか!!」

「そこかよ!!」

「後でガスパーには送っておくな~。」

「……勝手にしろ。」

ちょっと拗ねた様な照れたような顔をして、クレープの残りを口に頬張るガスパー。
なんかやっぱり「クレープを食べてる自分」というのが恥ずかしかったみたいだ。

「やべっ、さすがに腹に来た……。」

「まぁ……あの量のクリームとフルーツ食ってんだもんな。動けるなら腹ごなしに少し歩こう。」

「いいけど……。」

ちょっと気持ち悪そうにしているガスパーの手を引っ張った。
そうやって公園内をふらふら歩きながら、キッチンカーを見ていく。

「あ!!ステーキ丼だってさ!!旨そ~!!」

「お前……クレープ食ったのに丼物食う気かよ……。」

「俺は別に鬼盛りじゃなかったし。でも流石に丼はキツイかな。」

「だよな?」

「でも塩っぱいものは食べたいんだよなぁ……あ!ぐるぐるポテト!!」

「揚げ物かよ?!」

歩きながらお試し程度に食べ物を買ってぶらぶらする。
はじめはコーヒーだけで十分と言っていたガスパーも、腹が落ち着いてきたのか摘むようになってきた。

「で?こんなにいろんな店があんのに、最終的にこれかよ……。」

「だってこれなら分けやすいし。」

辺りが暗くなってきたせいか、人も少なくなってくる。
公園で遊んでいた家族は家に帰り、もう少し遅くなると仕事終わりの人とかが増えるんだろうなと言う、公園のちょっとした間の時間。
空いているテーブル付きのベンチに座って、俺はたこ焼きのフタを開けた。
文句を言いつつも、摘んで来るガスパーがなんか面白い。

「……熱っつ!!」

「あはは。ガスパーがたこ焼き食ってるとか、ミスマッチだな。」

俺はまたそれを写真に撮った。
ムスッとしながらもたこ焼きが熱くて何も言い返せなくて面白い。
ゲラゲラ笑いながら俺もたこ焼きを頬張った。

「熱っっ~!!」

「はは!天罰だ、バ~カ。」

ガスパーはそう言って仕返しのように俺の写真を撮った。
そんな応酬がバカやってるなぁと楽しくなる。

「……なぁ、サーク。」

「ん??」

「…………何で……俺を誘ったんだ、今日?」

「ん?言ったじゃん?お前には凄い世話になってるしさ、こんな事でお礼になんないのはわかってるけど、何かしたかったって言うか。」

「……ふ~ん。」

たこ焼きを口に放り込みながら俺は言った。
ガスパーはじっと俺を見つめた後、何かを諦めたようにため息をついた。

「どうした?」

「……別に?」

「食べたい物があるなら言えよ。」

「俺はそんなに食わねぇよ!!お前じゃあるまいし!!」

「え?何それ?俺ってメチャクチャ食う人?!」

「自覚ないのかよ……。」

「そんなに食うかなぁ??普通だと思うけど……。」

「いや……それが普通って事はねぇよ。」

「……たこ焼き、最後、食っていい??」

「ブッ!!好きにしろって。」

そんな俺にガスパーはブッと吹き出した。
よく食うなぁと笑われてしまった。

とはいえ、調子に乗って食べすぎた感は否めない。
少し休みたいと言うと、ガスパーはふ~んとだけ言った。

冬至を過ぎてだいぶ日は伸びてきているが、2月の寒さはピカイチだ。
ちょっと寒くなってきたので、ホッカイロを出してガスパーにも渡す。
カイロと一緒にしまっていたマフラーや手袋をカバンから出すと、ガスパーがちょっと驚いたような顔をした。

「……それ。」

「あ、うん。せっかくだからすぐつけてみた。こんな時だし、
ご利益もらえるなら早いほうが良いかなって思ってさ。」

「そっか……。」

「でもこれ、可愛い音がするよな。何か落ち着く。」

「…………そっか……。」

ガスパーはそう言うと寒いのか丸まってしまう。
耳が赤くなってて痛そうだ。
耳当てって持ってたかなとカバンを漁ってみる。

「…………もう、平気なのか?」

そんな中、ぼそっとガスパーはそう言った。
俺は手を止めてガスパーの方を向く。

「事件の事か?」

「まぁ……うん。」

「ん~、多分な。ただ今回の事で、自分の事って意外と自分ではわかってるつもりでわかってない事がわかってさ。」

「うん。」

「だから大丈夫かと聞かれてもはっきりと大丈夫って言い切っていいかわかんないんだよなぁ。でも、突発的な何か以外は大丈夫だと思う。うなされる事もなくなったし。」

「そうか。」

ガスパーは体を丸めていた。
その様子が何となく胸に痛くて、俺はマフラーを外してぐるぐるガスパーの頭に巻きつけた。

「おい?!何すんだよ?!」

「……ゴメンな。」

「え……?」

「俺、お前にこんなに力になってもらったのにさ……。」

「サーク……。」

「俺は……お前が辛かったり苦しかった時、それに気づいてやる事もできなかった……。」

「………………。」

「ゴメンな、本当……。自分がこうなってみて、きっとあの頃、お前は苦しかったんだろうなって……。こんなに助けてもらってるのに、俺はお前に何もしてやれなかったって……お前の気持ちに気づいてやる事もできなかったって……そう、思ってたんだよ……。」

ポツポツと語る俺の言葉を、ガスパーは巻き付けられたマフラーの隙間から見ていた。
ただじっと俺を見つめて、何も言わなかった。

「……何で今日、誘ったのか、聞いたよな、お前……。」

「ああ……。」

「お前に世話になったからっていう気持ちもあった。何か返したかったっていうのも本当。……でも……。」

「うん。」

「……罪悪感だよ。多分。」

「うん……。」

「ゴメンな、卑怯で……最低で……。俺は……お前がこんなにも力になってくれているのに……あの時、何も気づかずお前に何もできなかったって言う気持ち……罪悪感があって……。多分、それから逃れたかったんだ……。」

「……うん。」

「ごめん……。」

「うん。」

ガスパーは何も言わなかった。
ただ、スッと上を見上げた。

立冬を過ぎ、暦の上では春なのに、空にはまだ冬の星座が輝いていた。

ガスパーは本当は少し泣きたかった。
でも辛そうに懺悔する想い人を目の前に、泣く事ができなかった。
ここでもし自分がそうしたら、サークに気負わせるだけだとわかっていたから。

だから空を見上げた。
バカみたいに巻かれたサークのマフラーのお陰で表情は見られないのはありがたかった。

同じ体験をしている。
だから、自分が一番、サークの心に寄り添えると思っていた。

けれど残念ながらそうではなかった。
サークは自分の痛みを自覚する度に、同じ痛みをガスパーが感じていたのに何もできなかったのだと自分を責めているのだ。

目を閉じ、グッと奥歯を噛んだ。

自分はサークの側に寄り添うべきじゃない。
少なくとも今は……。

ガスパーはそれを理解した。
理解してしまえた。

この人が大事なら、今はある程度の距離を持って自分は接するべきだ。
でなければ、自分の痛みをガスパーの痛みでもあると、余計に傷を深めてしまう。
手を差し伸べ過ぎれば、何もできなかった過去の自分を責めてしまう。

「……優しすぎんだよ、お前は……。」

やっと出た言葉はそれだった。
そんな事を気にせず、自分の痛みとだけ向き合えばいいのに。
周りに迷惑がられるほど甘えればいいのに。
サークにはそれができないのだ。

何もできなかった?

それは違う。
確かにあの時、辛かった。

でも、あの時助けてくれたのがサーク、お前だったから……。

自分なんか助けてくれる奴などいないと思っていた。
だからあの時、絶望した。
助けなんてこない。
自分でなんとかしなければならないのに、三対一でどうにもできない。

殴られるならまだ良かった。
俺はあいつらの一人からの告白を蹴っていた。
だからアイツらは強硬手段に出たんだ。
既成事実を作ってしまえなんて、いつの時代だって話だ。

でも、どうにもできなかった。
面倒で人付き合いもしてこなかった。
孤高のヤンキー姫なんて、別にそうしようと思ってそうしてたんじゃない。

誰とも話が合わなかっただけだ。
誰にも理解されなかっただけだ。

だから面倒で誰とも話さなかっただけだ。

だって話したって変な顔をされる。
言っている事を理解してもらえない。
自分が普通にわかる事が周りにはわからない。
理解されない。

親でさえ、周りの大人でさえ。

だからどうでも良かったんだ。
話すのも面倒だったし。

でも……だから……。

誰も助けてなんてくれない。
そんな相手がいない。

だからびっくりした。

鍵のかけられた空き教室のドアを、ドアごと外して開けられた時。
脳天気に「変質者がいる!露出狂がいる!」と大声で叫びながらカメラを連射してきた見覚えのない平凡な生徒。
言ってる事はバカっぽいのに、自分を助けようと、対して強くもなさそうなのに戦ってくれた。
隙をついて連れ出してくれ、何も言わず、何も聞かずにジャージをかけてくれた。
泣いている自分にひどく驚き、アワアワしている姿は間抜けで笑えた。

そして抱きしめられた。
人の腕の中はこんなにも温かいのだと知った。

何か見返りを求めている訳でもない。
ラティーマー家の恩恵を受けたいとか、自分に興味があるとか、そういった事を一切持たず、ただ助けたかったから助けたと言うその人。

本当に、どこにでもいる凡人だった。
何一つかっこいい所なんかなかった。

でも、優しかった。
アワアワしていても、かっこ悪くても、その行動の節々にその腕の中と同じ温かい優しさがあった。

誰も自分なんか見ていないと思っていたのに、見つけてくれた人。
柄でもないのに助ける為に奮闘してくれた人。
迎えが来るまで何も言わずに一緒にいてくれた人。

サークを好きなのだと自覚したのは、同じクラスになってからだ。
俺に気づき、すぐに声をかけてくれた。

でも俺は恥ずかしくて何も言えなかった。

心臓がバクバクして、冷静でいられなかった。
言葉は何も出てこず、それを誤魔化すのに無視するしかなかった。

それをサークは構ってほしくないんだなととったようで、それ以降、無理に話しかけて来なかった。
少し寂しかったが、初めて抱いた恋心を自覚して慣れるまでの期間としてはちょうど良かった。
サークが同じ教室にいる。
目が合えばちょっと微笑んでくれる。
それだけで俺は救われたんだ。
お前に対する恋心が。
俺を救ってくれていたんだ。

サークがドイル教員に助けられて悪夢を見なくなったように、俺はその件を思い出す度に、同時に助けてくれた平凡男の事を思い出したんだ。
いわゆる吊橋効果もあった。
事件を思い出して恐怖に心臓が掴まれても、お前を同時に思い出すから、ぎゅっとなる心臓が恐怖のせいなのか、お前に対する恋心からくるものなのか、だんだんわからなくなった。

そして毎日毎日、お前は教室にいる。
心臓は毎日ギュッと縮んだが、いつしか事件の事はほとんど思い出さなくなっていた。

それに、アイツらには自分の方法で復讐すると決めていた。
アイツらがサークに手出しをしていると気づいた時、アイツらに対する恐怖は消え去り、許しがたい怒りだけが冷たく鋭く俺の中に芽生えたのだ。

だから、サーク。

お前は何もしてなくないんだ。
ちゃんとあの時も、俺を救ってくれた。

そして俺が持っている自分の武器を思い出させ、それを手にするキッカケをくれた。
だから俺は強くなれた。

お前の事が……好きだから……。

だから強くなれた。
自分の武器を手に戦う道を思い出させてくれた。

でも……。

今、その話をしても、きっとサークの心には届かない。
本人の言う通り、サークが思っているほど、サークは回復してはいない。
だから、自分の痛みを感じる度、俺に何もできなかったと自分を責めるのだ。

同じ経験がある。
だから一番、サークをわかってやれる。

だから自分がサークに寄り添えば、一番助けになれると思っていた。

でも、サークは優しすぎる。
自分が痛みを感じる度、俺の事を気にかけ、傷ついてしまうのだ。

ガスパーはそれを理解した。
だからわかってしまった。

自分は今、サークに寄り添うべきではないのだと……。

誰よりも側にいて、助けたい。
けれど今、それを自分はすべきではない。

想っているからこそ、ガスパーは身を引く事を決めた。
何も言わず、今は一歩離れて見守ると。

その決断は悲しく、胸が傷んだ。

でも、ガスパーは何もサークに告げる事なくそれを選んだ。
それが純真なガスパーのサークへの想いだった。
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