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本編
落花の情、湧き水に届き始める
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短縮授業だった今日の授業が終わり、帰ろうと廊下に出ると、A組の前の廊下でウィルとシルクが寄り添って何か話していた。
なんというか……花が咲き乱れてキラキラしている。
二人揃うと本当、オーラが別次元でキラキラしているから。
皆、それに当てられ顔を赤くし、近寄る事もできずに遠巻きに眺めている。
「……え?!」
だがびっくりしたのはそこではない。
シルクが泣いているのだ。
それをよしよしとウィルが慰めている。
シルクの様子が最近おかしかったのは気づいていたので、俺は思わず駆け寄った。
「え?!何?!シルクどうしたの?!」
俺が来た事で二人はチラリとこちらを見たが、シルクは余計にウィルの腕の中に顔を突っ込んでしまった。
困ってウィルの顔を見る。
「え?どうしたの?シルク??」
「ちょっとね。」
その「ちょっとね」は、なんというか、女子同士が話してて、「男子には関係ないから」と言う意味合いで言われたようなニュアンスがあった。
ただでさえ特別な雰囲気に包まれているウィルとシルクなのだ。
そう言われてしまえば突っ込めない。
「……あ~、うん。お呼びじゃなかったね、ごめん……。」
「ふふっ。何だよそれ。」
居づらくなって後ずさった俺をウィルが笑った。
その顔に思わず見とれる。
ウィルが笑うの、久しぶりに見た気がする。
「……見すぎだ、サーク。」
「あ、ごめん……。」
ぽけっとウィルの顔を見ていた俺に、ウィルが困ったように眉を寄せた。
好きだったんだと自覚したせいだろうか?
そんな顔すら綺麗だと思った。
「……俺の事すっ飛ばして、イチャイチャしないでよ。」
そこに泣き顔のシルクがツッコミを入れる。
ウィルはぷっと吹き出し、俺は焦ってアワアワした。
「イチャイチャ?!」
「もう!サークなんか嫌い!!大嫌い!!」
「……大、嫌い……。」
好きだの嫌いだの言われ慣れているシルクだが、ここのところ様子がおかしかった事や泣いている事から、その「大嫌い」がグサッと胸に突き刺さった。
ショックを受ける俺を置いてけぼりに、ウィルはシルクをギュッと抱きしめなだめる。
「ごめんごめん。」
「ウィル~!ごめんね~!ごめんね、俺~っ!!」
「だからいいってば。気にするなよ。」
「……言ってるそばから俺、こんな事してるのに??ウィル、怒んないの??」
「怒んないよ。俺もずっとシルクの気持ち知ってたから。だから、ね、おあいこ。それでいいよね?」
「ウィル~!ごめんね~!!大好き~っ!!」
……………………。
俺は……何を見せられてるんだ??
そもそもここにいていいのか??
そして二人のバックに咲き乱れる大輪の百合の花々をどうしたらいいのだろう??
完全に蚊帳の外状態の俺は、咲き乱れる背景の花の幻の圧に追いやられる。
周囲で二人を見ている奴らには、俺は邪魔な電信柱か、むしろそこにあっても目に入らない石ころみたいに見えるだろう。
「……よ、よくわかんないけど……二人が幸せならそれで……。」
妙な言葉を口走りながら後ずさる。
ウィルがぷっと吹き出し、シルクにイーッと睨まれた。
ひ、酷い……。
何にもしてないのに……。
大嫌いとか、流石にショックだったんだからな……。
傷心の俺にウィルは苦笑いして言った。
「シルク、今日はちょっと情緒不安定気味だから、特に急ぎの用がなかったら……。」
「あ、うん……。泣いてたから様子見に来ただけだから……。」
「そっか。じゃ、また明日。」
「うん。また明日な……。」
そう言われてすごすごと退散する俺。
何か、凄く虚しい……。
考えた事なかったけど……。
もしもウィルとシルクが実は両想いとかだったら、俺、どうしたらいいんだろう……。
そりゃ二人の事、好きだし大事に思ってるから祝福するけど……。
一人寂しくその場を去っていく俺の背中には、「哀愁」の貼り紙がしてあったに違いない……。
リオからのメッセージに返信して顔を上げると、ムスッとした顔が俺を睨んでいた。
「……え?何??」
「普通、デート中に他の人に返信します?!」
「しないのか??」
「もう!先輩のバカ!!やけ食いしてやる!!」
そういうとリグは回転寿司の注文タブレットをいじり始める。
俺はいつぞやの約束を果たす為に、リグと帰りに回転寿司に寄っていた。
むくれたリグは俺の目の前でラーメンの中でも一番高いヤツをポチった。
「あ~!!安い皿だけでラーメンはなしって言っただろ?!」
「何言ってるんです?高級皿を何枚も食べる訳じゃなし。ラーメン食べた分、寿司を食べる量が減るんですよ?どっこいどっこいでしょ?」
「まあ……そうだけど……。せめて素うどんにしろよ……。」
「嫌です。ていうか、先輩。そういう微妙なところわかんないと、誰かと付き合ったとしてもフラレますよ?!」
「……フラレる…………。」
俺はその言葉にシルクに「大嫌い」と言われ塩対応を受けた事を思い出し落ち込んだ。
シルクでもこんなに落ち込むのに、付き合ってる好きな人にあんな態度されたら俺、立ち直れないかもしれない……。
「……え?どうしたんです?!先輩?!……まさか!恋人できたんですか?!」
「違う……。ただやっぱ、俺が無自覚に傷つけるような事したみたいで……泣いてるシルクに大嫌いって言われたから……。」
「……ちょっと先輩。ノラ猫に何したんです?!事と次第によったら、中学時代の先輩の黒歴史、バレンタイン合戦前に全学年に言い広めますからね?!」
「やめて?!それだけはやめて?!バレンタイン合戦関係なく、それだけはやめて?!」
リグならではの俺の弱みを指摘され、思わず真っ青になる。
というか、なんだかんだ言いながらリグってシルクの事嫌いじゃないよな。
とはいえ急所を掴まれた俺は逃げ場もなく項垂れ、ラーメンを啜るリグに今日あった事を話す。
それを聞いたリグはふーんと気のない返事をした。
いつの間にか注文していたフライドポテトをレーンから取り、食べ始める。
「ふーんって……。俺、結構、ショックだったんだぞ?!なんか知らないけど泣いてたし……。」
「うん。先輩が関係ないとは言わないけど、多分、今回に限っては先輩が無自覚に傷つけるような事した訳じゃないと思うからさ。」
「ならなんで泣いてたんだよ??で、なんで俺は大嫌いって言われたんだよ?!」
「そこはなぁ~。やっぱ先輩って無自覚に無神経っていうか。」
「無自覚に無神経?!」
「俺とデートしてるのに、他の人とのデートの約束の返信するとかさ~。無神経って言われてもしかたなくない?!」
「いや!リオとは遊ぶ約束してたから!その返信しただけだろ?!」
「そういうところ~。家族とかバイト先とかなら、ちょっと返信していい?って言われて返信しても気にしないけど。俺とデートしてるのに他の人とのデートの約束に返信するとかありえないから。」
「デートデートって!別にデートじゃないだろ?!」
「先輩がそう思っててもね?相手はどう思ってるか考えないと。」
その言葉にズキリとする。
確かに俺は自分の事ばっかりだ。
ウィルの気持ちも、シルクの気持ちも考えてなかった。
「………………ごめん。」
「ふーん。なんかそういうの思い当たるようになったんですね、先輩。」
「悪いかよ……。」
「悪くないですよ。先輩も成長したんだなぁってだけで。」
どうぞ、とばかりにリグはポテトの皿を俺の方に押した。
それを摘んで齧った。
ある程度腹が満足したのか、リグはしみじみとお茶を啜っている。
「天然無自覚の先輩がねぇ~。人知れず泣かされてきた皆に教えてあげたい!!」
「おい?!俺がいつ誰かを泣かせたって?!」
「本当~これだから天然物の無自覚は手に負えないんですよ~。」
「はあ?!」
「それより、俺に聞きたい事あるんでしょ?聞かなくて良いんですか??」
なんだかうまくはぐらかされた感があったが、確かに聞くなら今しかないと俺は深呼吸してリグに向き直った。
そんな俺をチラリと横目で見るリグ。
「……エドの事、知ってたら教えてくれないか?」
真剣な俺の顔をリグはしばらく見つめていた。
そしてふぅと息を吐くと、また注文タブレットをイジり出した。
「期間限定のスイーツ、一通り頼んでもいいですか?」
「…………。わかった。好きなだけ食え!!」
「毎度あり~♪」
ニコニコと注文をするリグを眺めながらため息をつく。
とはいえ、これで誰も教えてくれないような情報を教えてくれるというのは、かなり良心的な友達料金と言えるのだろう。
「さて。どこから話しましょうかね……。」
注文タブレットを置いたリグは、少しだけ慎重に声を潜めた。
なんというか……花が咲き乱れてキラキラしている。
二人揃うと本当、オーラが別次元でキラキラしているから。
皆、それに当てられ顔を赤くし、近寄る事もできずに遠巻きに眺めている。
「……え?!」
だがびっくりしたのはそこではない。
シルクが泣いているのだ。
それをよしよしとウィルが慰めている。
シルクの様子が最近おかしかったのは気づいていたので、俺は思わず駆け寄った。
「え?!何?!シルクどうしたの?!」
俺が来た事で二人はチラリとこちらを見たが、シルクは余計にウィルの腕の中に顔を突っ込んでしまった。
困ってウィルの顔を見る。
「え?どうしたの?シルク??」
「ちょっとね。」
その「ちょっとね」は、なんというか、女子同士が話してて、「男子には関係ないから」と言う意味合いで言われたようなニュアンスがあった。
ただでさえ特別な雰囲気に包まれているウィルとシルクなのだ。
そう言われてしまえば突っ込めない。
「……あ~、うん。お呼びじゃなかったね、ごめん……。」
「ふふっ。何だよそれ。」
居づらくなって後ずさった俺をウィルが笑った。
その顔に思わず見とれる。
ウィルが笑うの、久しぶりに見た気がする。
「……見すぎだ、サーク。」
「あ、ごめん……。」
ぽけっとウィルの顔を見ていた俺に、ウィルが困ったように眉を寄せた。
好きだったんだと自覚したせいだろうか?
そんな顔すら綺麗だと思った。
「……俺の事すっ飛ばして、イチャイチャしないでよ。」
そこに泣き顔のシルクがツッコミを入れる。
ウィルはぷっと吹き出し、俺は焦ってアワアワした。
「イチャイチャ?!」
「もう!サークなんか嫌い!!大嫌い!!」
「……大、嫌い……。」
好きだの嫌いだの言われ慣れているシルクだが、ここのところ様子がおかしかった事や泣いている事から、その「大嫌い」がグサッと胸に突き刺さった。
ショックを受ける俺を置いてけぼりに、ウィルはシルクをギュッと抱きしめなだめる。
「ごめんごめん。」
「ウィル~!ごめんね~!ごめんね、俺~っ!!」
「だからいいってば。気にするなよ。」
「……言ってるそばから俺、こんな事してるのに??ウィル、怒んないの??」
「怒んないよ。俺もずっとシルクの気持ち知ってたから。だから、ね、おあいこ。それでいいよね?」
「ウィル~!ごめんね~!!大好き~っ!!」
……………………。
俺は……何を見せられてるんだ??
そもそもここにいていいのか??
そして二人のバックに咲き乱れる大輪の百合の花々をどうしたらいいのだろう??
完全に蚊帳の外状態の俺は、咲き乱れる背景の花の幻の圧に追いやられる。
周囲で二人を見ている奴らには、俺は邪魔な電信柱か、むしろそこにあっても目に入らない石ころみたいに見えるだろう。
「……よ、よくわかんないけど……二人が幸せならそれで……。」
妙な言葉を口走りながら後ずさる。
ウィルがぷっと吹き出し、シルクにイーッと睨まれた。
ひ、酷い……。
何にもしてないのに……。
大嫌いとか、流石にショックだったんだからな……。
傷心の俺にウィルは苦笑いして言った。
「シルク、今日はちょっと情緒不安定気味だから、特に急ぎの用がなかったら……。」
「あ、うん……。泣いてたから様子見に来ただけだから……。」
「そっか。じゃ、また明日。」
「うん。また明日な……。」
そう言われてすごすごと退散する俺。
何か、凄く虚しい……。
考えた事なかったけど……。
もしもウィルとシルクが実は両想いとかだったら、俺、どうしたらいいんだろう……。
そりゃ二人の事、好きだし大事に思ってるから祝福するけど……。
一人寂しくその場を去っていく俺の背中には、「哀愁」の貼り紙がしてあったに違いない……。
リオからのメッセージに返信して顔を上げると、ムスッとした顔が俺を睨んでいた。
「……え?何??」
「普通、デート中に他の人に返信します?!」
「しないのか??」
「もう!先輩のバカ!!やけ食いしてやる!!」
そういうとリグは回転寿司の注文タブレットをいじり始める。
俺はいつぞやの約束を果たす為に、リグと帰りに回転寿司に寄っていた。
むくれたリグは俺の目の前でラーメンの中でも一番高いヤツをポチった。
「あ~!!安い皿だけでラーメンはなしって言っただろ?!」
「何言ってるんです?高級皿を何枚も食べる訳じゃなし。ラーメン食べた分、寿司を食べる量が減るんですよ?どっこいどっこいでしょ?」
「まあ……そうだけど……。せめて素うどんにしろよ……。」
「嫌です。ていうか、先輩。そういう微妙なところわかんないと、誰かと付き合ったとしてもフラレますよ?!」
「……フラレる…………。」
俺はその言葉にシルクに「大嫌い」と言われ塩対応を受けた事を思い出し落ち込んだ。
シルクでもこんなに落ち込むのに、付き合ってる好きな人にあんな態度されたら俺、立ち直れないかもしれない……。
「……え?どうしたんです?!先輩?!……まさか!恋人できたんですか?!」
「違う……。ただやっぱ、俺が無自覚に傷つけるような事したみたいで……泣いてるシルクに大嫌いって言われたから……。」
「……ちょっと先輩。ノラ猫に何したんです?!事と次第によったら、中学時代の先輩の黒歴史、バレンタイン合戦前に全学年に言い広めますからね?!」
「やめて?!それだけはやめて?!バレンタイン合戦関係なく、それだけはやめて?!」
リグならではの俺の弱みを指摘され、思わず真っ青になる。
というか、なんだかんだ言いながらリグってシルクの事嫌いじゃないよな。
とはいえ急所を掴まれた俺は逃げ場もなく項垂れ、ラーメンを啜るリグに今日あった事を話す。
それを聞いたリグはふーんと気のない返事をした。
いつの間にか注文していたフライドポテトをレーンから取り、食べ始める。
「ふーんって……。俺、結構、ショックだったんだぞ?!なんか知らないけど泣いてたし……。」
「うん。先輩が関係ないとは言わないけど、多分、今回に限っては先輩が無自覚に傷つけるような事した訳じゃないと思うからさ。」
「ならなんで泣いてたんだよ??で、なんで俺は大嫌いって言われたんだよ?!」
「そこはなぁ~。やっぱ先輩って無自覚に無神経っていうか。」
「無自覚に無神経?!」
「俺とデートしてるのに、他の人とのデートの約束の返信するとかさ~。無神経って言われてもしかたなくない?!」
「いや!リオとは遊ぶ約束してたから!その返信しただけだろ?!」
「そういうところ~。家族とかバイト先とかなら、ちょっと返信していい?って言われて返信しても気にしないけど。俺とデートしてるのに他の人とのデートの約束に返信するとかありえないから。」
「デートデートって!別にデートじゃないだろ?!」
「先輩がそう思っててもね?相手はどう思ってるか考えないと。」
その言葉にズキリとする。
確かに俺は自分の事ばっかりだ。
ウィルの気持ちも、シルクの気持ちも考えてなかった。
「………………ごめん。」
「ふーん。なんかそういうの思い当たるようになったんですね、先輩。」
「悪いかよ……。」
「悪くないですよ。先輩も成長したんだなぁってだけで。」
どうぞ、とばかりにリグはポテトの皿を俺の方に押した。
それを摘んで齧った。
ある程度腹が満足したのか、リグはしみじみとお茶を啜っている。
「天然無自覚の先輩がねぇ~。人知れず泣かされてきた皆に教えてあげたい!!」
「おい?!俺がいつ誰かを泣かせたって?!」
「本当~これだから天然物の無自覚は手に負えないんですよ~。」
「はあ?!」
「それより、俺に聞きたい事あるんでしょ?聞かなくて良いんですか??」
なんだかうまくはぐらかされた感があったが、確かに聞くなら今しかないと俺は深呼吸してリグに向き直った。
そんな俺をチラリと横目で見るリグ。
「……エドの事、知ってたら教えてくれないか?」
真剣な俺の顔をリグはしばらく見つめていた。
そしてふぅと息を吐くと、また注文タブレットをイジり出した。
「期間限定のスイーツ、一通り頼んでもいいですか?」
「…………。わかった。好きなだけ食え!!」
「毎度あり~♪」
ニコニコと注文をするリグを眺めながらため息をつく。
とはいえ、これで誰も教えてくれないような情報を教えてくれるというのは、かなり良心的な友達料金と言えるのだろう。
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