「欠片の軌跡」②〜砂漠の踊り子

ねぎ(塩ダレ)

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第四章「独身寮編」

一つになった日 ★

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「たいちょーさん……もうひとりにしないで………。」

シルクはギルの首に腕を絡めてすがり付いた。
体から発せられる、あの言葉に出来ない香りを深く吸い込む。
それを嗅ぐと体が反応する。
発情期が来たように中が熱くなる。

「寂しかった……1つになれたと思ったのに……たいちょーさん……処置だって言うから……何も言えなかった……。」

「済まない……お前を傷つけたくなかった……。」

「俺をもらうって……本当?」

「ああ……誰にも渡さない……俺のものにする……嫌か?」

「嬉しい……。」

涙が溢れた。
やっと1つになれた。
あの時、繋がったと感じたのは嘘じゃない。
この人の腕の中にいることが、とても深く安心できた。

「シルク……。俺の部屋に行こう……。」

「うん……。」

「お前とちゃんと1つになりたい……。」

強く抱き締められ、ギルの雄の興奮を押し付けられる。
背筋がゾクッとした。
脳内にスパークが起きて目の前がチカチカした。

「あ……っ。」

欲しくてたまらない。

体が疼く。
中が濡れてくる。

その人の雄が欲しくて涎を垂らしている。
下半身の濡れた感覚に、シルクは身を捩った。

「……連れていって……俺、歩けない……。」

「わかった。」

明らかに欲情の色を見せ、足に力が入っていない。
あの日、自分を投げ飛ばした男と同じ人物であるとは嘘のようだった。
ギルはあの夜のようにシルクを抱き上げた。



部屋のソファーにシルクを寝かせる。
熱っぽい目でシルクがギルを見上げていた。
ギルは何も言わず上を脱ぐ。
世明かりにその肉体が陰影をつけた。

「あああぁ……っ!」

その肉体美にシルクはため息をつくと同時。
脱いだ事でギルの匂いを強く感じ、シルクは小さく叫んで体を痙攣させた。

「シルク!?大丈夫か!?」

「ダメ……きちゃう……。」

「え?」

「たいちょーさんの匂いで……俺…発情しちゃう……っ!」

ギルは驚いた。
だが確かにシルクはあの日のように熱に溺れていた。
艶かしい表情で堪えるように指を噛んでいる。

「発情期が終わってなかったのか!?」

「違う……たいちょーさんのためだけに……発情してる……たいちょーさんが欲しくて……体が準備してる……。」

欲情した瞳がギルを上目遣いに見上げ、ゆっくりと瞬きした。
色っぽい仕草をしながらそう言われ、ギルは自分が滾るのを感じた。
シルクの甘い匂いに酔いそうになる。

そうか、この甘い匂いは花の香りだ。
受粉のために誘き寄せられているんだと理解した。

「シルク……。」

ギルは妖艶なシルクを抱き起こし口付けた。
はじめからぬるりと舌が絡まり合う。
シルクは唾液が溢れるのを気にしない。
垂れ流れるまま好きにした。
シルクの指がギルの体を艶かしく撫でる。

「あぁ……。」

うわ言のように声を漏らし、ギルの胸板に顔を埋める。
匂いに酔ったように、赤い舌で体を舐める。

「美味しい……。」

シルクはうっとりとそう言って、ギルの大胸筋に吸い付く。
何度も軽い音をさせ舌で味わう。

「シルク、俺の事は後で好きなだけ食わせてやるから服を脱げ。熱いだろう?」

「うん……熱い……。」

シルクは火照った息を吐き出しながら、催眠にかかったように服を脱ぎ始める。
ギルはシルクが上を脱ぐのを眺めながらズボンのベルトを外し、腰を抱き上げて脱がした。

何も身に纏わない、艶かしい褐色の肌。
情緒を煽るには十分だった。

ソファーに座ったシルクを跪いたギルが見上げる。
そしてドロリと溶けた顔に深く口付けた。
びくり、とシルクが震える。

「ああぁ……っ!たいちょーさん……イっちゃうからっ!気持ち良くてイっちゃうから!もうキスしないでっ!!」

「……イけばいい。これから何度もそうなるんだ。全て終わるまで、何度でもイけばいい。」

「や……っ!ダメだからぁっ!!」

ギルは強く抱き締め生身の肌を合わせると、シルクの口の中を貪った。
肌が直に擦れあい、シルクが痙攣する。

「~~~~っっ!!」

ガクガクと震えるシルクの髪を撫で、顔を覗き込む。
熱に魘された濡れた顔をしていた。

「……イったのか?」

「あぁ……気持ちいい……。」

シルクは答えず、とろんとした顔でそう言った。
視線を下げれば白濁した欲が放たれている。

クッとギルは喉の奥で笑った。
なんてはしたなく、愛しくてたまらない男だろう?

もう一度軽く口を吸い、手と舌をゆっくりと胸元に伸ばす。
乳首はその存在を主調していて、ギルはそれに触れた。

「あっ!ダメ……っ!!」

「お前はダメばかりだな?嫌か?」

「違う……気持ち良くて馬鹿になっちゃうから……いっぱいしないで……。」

「されたいの間違いだろ?違うか?」

「されたい……たいちょーさんが欲しい……ぐちゃぐちゃにされたい……っ!!」

「ぐちゃぐちゃにする……お前が嫌がっても……。」

ギルはそう言うと、悩ましく捩る体を強引に押さえた。
乳首に吸い付き、片手でもうひとつをつねり上げる。

「いいいぃ……っ!!あぁっ!!痛い!!たいちょーさんっ痛い!!……痛いのにっ!!ちんこにくるっ!!」

「ストレートな物言いだな?思ったより悪くない。」

「あああああぁぁ~~っ!!」

シルクの体は襲いかかる快楽の波にガクガクと震えた。
もう、頭がどうにかなりそうだった。
ギルの前で生まれたままの姿になり、お互いの生肌が触れあう。
匂いに頭が犯され、何もかもが気持ちいい。
はしたなくぺニスから精液を吐き出しても、それはまだはじまりで終わりではない。
次から次へと快楽が押し寄せる。

何より怖いのは、自分がそれを強く望み、貪欲に求めていることだ。
底知れぬ快楽が恐ろしい。
なのに激しく求めている。

「ああぁっ!!たいちょーさんっ!!もうお願いっ!!俺を犯してっ!!ぐちゃぐちゃにして!!もう我慢できないっ!!」

シルクはギルの頭に夢中で腕を回しながら叫び、我慢出来ずに両足を折り曲げ、秘所を晒した。
背もたれに身をゆだね、それをねだる。

「妖艶な男だな……シルク……。今後は俺以外、誘うなよ?」

「誘わないっ!誘わないからっ早くちょうだいっ!俺をたいちょーさんのものにして……っ!!」

熱に犯されて発情しているシルクの口を、ギルは塞ぎ、犯した。
ぬちゃり、と奥まで貪る。

「~~!ああぁ……っ!!気持ちいい……っ!!」

「お前は淫ら過ぎて頭がおかしくなりそうだ……。乱暴にされたいのか?」

「されたい……っ!滅茶苦茶にされたい…たいちょーさんにぐちゃぐちゃにされたいよっ!!」

「まったく、いやらしくて最高に可愛いな……シルク……。」

ギルはそう言って自分のベルトを外した。
シルクはじっとギルが雄を取り出すのを見ていた。

そしてぎょっとする。

「……たいちょーさん……それ……。」

シルクは言葉が出なかった。
さすがのシルクでも、それは初めて見るものだった。
あまりに大きすぎる。

「……驚いたか?」

「それ……俺に……入れるの……?」

ぼうっと夢うつつに自分の雄を見つめるシルクに、ギルは苦笑した。

「……多分無理だろ。」

ギルはさんざんサークに鬼殺しと比喩された自分の逸物を握った。
シルクを壊したい訳じゃない。
筋肉のつきかたがバネのようなシルクに、これを無理に押し込むのは気が引けた。

「どうするの……?」

「少し付き合ってくれればいい。お前は自分が気持ち良くなることだけ考えていればいい……。」

シルクはぽうっとそれを見ていた。

凄く大きい。

さすがに壊れてしまう気がする。
でも自分の痴態に興奮して蜜を溢すそれを見て、口に唾液が溢れた。


「……それ……欲しい……。」


口からそう漏れていた。
凶悪でグロテスクなそれが堪らなく欲しい。
腹の奥が濡れた。
体の中が切ないほど蠢き求め始める。

「さすがに今日は無理だろう……。ゆっくり時間をかけよう。いいな?」

ギルは苦笑して、宥めるようにシルクを撫でた。
シルクは諦めきれず体を開いた。

「平気……見て……俺のここ、こんなに濡れて柔らかくなってる……。たいちょーさんのを飲み込むために……。」

自ら晒した蕾をまさぐり広げて見せた。
ギルの目はそれに釘付けになる。
女性のようにぐちりと濡れたそこは、シルクが数本の指でまさぐってもまだ余裕がありそうだ。
何より見せつけるように開かれた肉に激しい衝動を覚えた。

ギシッとギルはシルクに覆い被さる。
濡れるそこに指を這わす。

「……お前のここはどうなってるんだ!?」

「わかんない……多分、つがいの為に発情するとこうなるみたい……俺も知らなかった……。」

「つがい……?」

「俺の唯一の人だよ。その人だけなんだ。こうなるの……。」

「俺はお前の唯一の男なのか?」

「そうだよ、たいちょーさん……。」

ギルは場違いにも感動し、シルクを抱き締めた。
愛しさがこみ上げ、そっと額に口付ける。

「……ギルだ。ギルバート、俺の名前だ。」

「知ってるよ?」

「その……何だ。……たいちょーさんというのも、クるものがあって好きなんだが……たまには名前で読んでくれ。唯一の男なんだろ?俺が。」

「わかった……。ギル……俺を愛して……。」

名前を呼ばれた瞬間、ドクンと心臓が跳ねた。
感情が押さえられなかった。
乱暴にシルクの足をギルが掴む。

「すまないっ。我慢が効かない!試させてくれっ!!」

「早く来て……大丈夫だから……。」

シルクの妖艶な香りと自分の中の衝動に飲み込まれ、ギルは自身をシルクの蜜壺にあてがった。

「~~ぁああああぁぁっ!!」

シルクが叫ぶ。
肉にめり込んだ雄の圧迫感に息ができない。
ゆっくりと挿入されるそれは熱く脈打っていて、卑猥な生き物のようだった。

「あぁ……シルク……お前の中は気持ちがいいな……熱く濡れていて溶かされてしまいそうだ……。」

まだ半分だが、こんなにすんなりいくとは思わなかった。
無理矢理ねじ込んで、激しく突き上げたい衝動を覚える。
だが一方的な押し付けは、絶対にしないと決めたのだ。
ギルは鉄の意志で一旦止まり、シルクの様子を伺う。

そして目を疑った。

自分の凶悪な竿を突き立てられてもなお、シルクは淫らで美しかった。
入れられたモノを下の口で味わい欲情していた。
はっはっと荒く息を吐きながらも、腸壁はさらに飲み込もうと絡みつき蠢いている。

「ギル……もっと欲しい……最後まで来て……っ。」

もう、衝動を止める理性は残っていなかった。
駄目だとわかっていても、ギルは乱暴に奥まで貫いた。

「んああああぁ~~っ!!」

シルクが叫んだが止まらなかった。
腰を掴み、思うがまま打ち付ける。
抜き差しする度に、シルクの中から密が溢れて、互いの体を濡らした。

シルクは目の前がチカチカしていた。
猛狂った獣の雄が中を引っ掻き回す。
シルクでさえ経験のない最奥まで突き上げられる度、快楽が襲う。
堪らなかった。

「ああぁっ!!気持ちいいっ!!気持ちいいよっ!!しかもこんな奥!俺、知らないっ!!あぁっ!助けてっ!!死んじゃうっ!!」

中をぎちぎちに犯す熱く脈打つ肉棒に、シルクは涎を垂らした。
こんなに苦しくて、切なくて、止めどないほど気持ちがいいのは初めてだ。
奥の方が蕩け、なのに疼いて仕方ない。

堪らなかった。
未知の最奥を犯されたからだけじゃない。
恐ろしく気持ちが高揚し、心が満たされ、その中で絶え間なく快楽が押し寄せ、際限なく高まっていく。

「ああああぁ~っ!!」

快楽に体を反らす。
今までしてきたものがセックスなら、これは何なのか?
激しく揺さぶられ、もう何も考えられない。

「ああぁっ!!ギルっ!!中、気持ちいい!ギルの雄でめちゃくちゃにされるの気持ちいいっ!!」

「シルク……っ!」

「大きいのが奥までくるっ!!助けてっ!!ぐちゃぐちゃになっちゃうっ!!」

「まだ煽るのか!?止められなくなるだろう!!」

「ああああぁ~~っ!!」

ギルはシルクの腰を抱え、覆い被さるようにプレスしてさらに奥深くに己の雄を突き刺した。

「ああぁっ!!いやあぁぁ~~っ!!」

あまりに奥まで犯され、シルクは悲鳴を上げた。

気持ちいい。
気持ちいい。

それ以外何もない。
犯されながら、中がじゅんっと濡れるのがわかる。
ギルの竿かびくびくと震えた。

「ああぁっ!!ギルっ!!中にちょうだいっ!!ギルのものだってっ!!俺にわからせてっ!!たくさん注ぎ込んでぇっ!!」

自分が何を言っているのかわからなかった。
恐らく、卑猥な事を言ったのだろう。
ギルの額から汗が落ちる。
それすらも舐め取って、自分のものにしたかった。

腰を押さえるギルの腕に爪を立てる。
たくましい体が自分に打ち付ける度筋肉が動く。
ギルの雄の顔が堪らなかった。

あぁ、この人のものになる。
そしてこの人は自分のものになる。

ガツンと最奥までねじ込まれ、ギルが押さえ込むようにシルクを抱き締めた。
口を塞がれ舌が絡み合う。
汗ばんだ肌と肌が隙間なく合わさった。


「~~~~~っっ!!!!」


今までで最高の快楽が押し寄せ、体が硬直した。
中でギルの肉棒体が熱い体液を注ぎ込んでいる。
言葉は直接、ギルに飲まれてしまった。

ひとつになった。
全てが欠けることなく繋がった。

熱く濡れて繋がったまま荒い息をして、お互いそのまましばらく過ごした。
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