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第四章「独身寮編」
Shall We Dance?
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「シルクさん!」
儚げな顔をして、いつもどこかを見ている。
哀しげで、切なくて、艶やかで。
名前を呼ぶと、困ったように笑う。
「何だよイヴァン、変な顔して?」
ふと、感じる淋しげな色気。
変な顔をしているのは、僕ではなく、あなたです。
ライバルは、サークさんだけだと思って油断していました。
彼はあなたにそういう感情は持っていないから。
なのに……。
誰が、あなたの心に入ったんですか?
そんなにも深く……。
「え?祭り?」
「はい。今夜町で行われるんです。」
「へ~、面白そうだなぁ。」
「行きませんか?一緒に?」
いつものように爽やかな笑みでイヴァンがそう誘ってきた。
シルクはじっとイヴァンを見つめる。
「どうしました?」
「別に~。」
シルクはいつも通りつれない態度をとった。
でも本当は迷っていた。
あの後、あの人は変わらない。
何も言わない。
何もしてこない。
稽古にも来なくなった。
別宮にすらあまり来ていないようだ。
会っても変わらない。
口数少なく、大丈夫か、と聞くだけ。
優しさなのはわかっている。
その目が、ただ慈しむように揺れるだけ。
寂しくて、悲しくて、愛しくて。
でもきっと駄目なのだ。
あの人は応えてはくれない。
はじめに拒んだのは自分だから。
あの人は応えないという優しさで応えたのだ。
だから、きっと……。
もう、新しく始めなければいけないのだ。
けれど、そんな理由でイヴァンの手をとってもいいのだろうか?
「シルクさん……。」
「あ、うん、ごめん。」
話の途中なのに違う人の事を考えていた。
知られたくなくて、シルクは視線を反らした。
「正直に言います。僕はあなたが心配です。」
「何で?」
「何があったのかは聞きません。でも、今のあなたを僕は放ってはおけないんです。」
イヴァンはいつもの笑顔ではなく真剣だった。
その眼を覗き込んだら、すがってしまいそうで怖かった。
だからシルクはいつも通りな感じで答えた。
「何、言ってるんだ?イヴァン?」
そう言ったのにちゃんと笑えている自信がない。
イヴァンはため息をついて、ツンとシルクの額を指でつついた。
「そう言うの、空元気って言うんですよ?」
「……………。」
「僕に何ができるかはわかりません。でも、少しずつでも、笑って欲しい。」
「イヴァン……。」
「だからね、行きませんか?祭り?」
砕けた感じでそう言われ、シルクは少しだけ笑った。
「何でそこに繋がるんだよ?」
「ちょっとした気晴らしですよ。美味しいもの食べて、面白いものを見て、楽しい雰囲気を感じて……。僕はあなたを元気付けたい。だから、一緒に行きませんか?」
明るい口調で話しているがイヴァンの眼は真剣だった。
真っ直ぐにシルクを見つめる視線。
その目の中に不安が揺れている。
ああ、こんなにも真剣に想いをぶつけてくれているんだ。
この手を取ったら抱き締めてくれるだろう。
寂しさを埋めてくれるだろう。
もう、イヴァンに対しても、答えを出さなければならない時に来ているのだと思った。
「わかった。行くよ。」
ため息混じりにそう言うと、ほっとしたようにイヴァンは笑った。
「約束ですよ?」
「わかったよ!しつこいな!」
なんだか急に恥ずかしくなって、つっけんどんに返した。
でもイヴァンはとても嬉しそうだ。
「仕事が終わったら、独身寮の玄関で待ち合わせましょう!」
「はいはい。その前に仕事だから。そろそろみんな集めて。」
「承知しました。」
これでいいんだ。
シルクはそう自分に言い聞かせた。
嬉しそうなイヴァンの笑顔とは裏腹に、シルクは自分の影に少しだけ怯えた。
「へ?祭り?」
シルクの唐突な話しに、サークはキョトンとした。
またまたこれは急展開だな~と思う。
「そうだよ、主。知らないの?」
「そんな時期か~。毎年、リグにつれ回されたな~。」
「……リグって誰!?」
「前の職場の後輩。……って?!何でふて腐れてるんだよ!?」
「知らな~い。主なんか嫌い~。」
「はぁ!?」
シルクはたまに駄々っ子のように嫌いだと言い出す。
そう言えば、リグにも理由もなく不機嫌になられた事があったなと思い出した。
こういう時は何を考えているのだろうか?
考えても俺にはわからない。
「まあいいけど。……イヴァンと行くのか?」
「そ。元気付けたいんだって。」
「……いいヤツじゃん。」
「うん。俺もそう思う。」
本当いい奴だ、イヴァンは。
シルクに何かあった事は勘付いてる。
けれどわかっているからこそ、態度を変えない。
そしてさり気なく気遣っている。
けれど……。
あれこれ知っているサークの心中は複雑だ。
正直言って、どっちとくっついてくれた方が安心かといえばやはりイヴァンだ。
隊長は特殊だ。
シルクも特殊なタイプだ。
だから良い時はいいだろうが、何かの弾みで予想打にしない事を起こしそうな組み合わせに感じてしまう。
しかもそれは周りを巻き込んだ大惨事になる予感がプンプンするし、間違いなくその大惨事に自分は巻き込まれるだろう。
(どうしたもんかなぁ~。かと言って口出しする事でもないしなぁ~。)
だが、当のシルクは少し哀しげに、でも落ち着いた顔をしていた。
その顔に覚悟のようなものがあった。
「……シルク。」
「ん?大丈夫だよ、俺。」
「そうか……。」
もう何も言うまい。
サークはそう心に決め明るく笑った。
「気をつけて行ってこいよ?後、門限守れよ?」
「は~い。行ってきま~す。」
シルクはそう言って出掛けていった。
いつも通り明るく出て行ったが心配ではあった。
はぁ、とため息がでる。
何だかんだ、今日、一つの答えが出そうだ。
シルクは覚悟を決めていた。
イヴァンも恐らくある程度の勝負を仕掛けてくるだろう。
なのに。
あの馬鹿は結局、狡いままだったようだ。
シルクが選ぶことだ。
それが何でも、受け止めてやろう。
「は~、何だか年頃の娘を持った気分だ~。」
サークはそう言って、机に突っ伏した。
町にはランタンが飾られ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
人々が笑い、音楽が流れる。
たくさんの出店が並び、美味しそうなもの、見たことのないものを売っている。
町のあちこちに不思議なモニュメントが立っていて、見つける度、イヴァンが1つ1つ説明してくれた。
たくさん買い込んだ食べ物の中に物凄く酸っぱい物があり、シルクは嫌がるイヴァンの口に無理矢理二人分のそれをねじ込んだ。
普段の好青年ぷりっからは想像も出来ない顔をしたので、シルクは大笑いした。
苦しむイヴァンの背中をバンバン叩き、追い討ちをかける。
噎せて大変なイヴァンだったが、落ち着きを取り戻すとシルクを見つめた。
「やっと、笑った……。」
そう言ってイヴァンはシルクの顔を両手で包んだ。
シルクは黙ってイヴァンを見つめた。
「笑って?シルクさん……。今だけでもいいから……。」
「イヴァン……。」
「あなたの泣きそうな顔を見ているのは辛いです。泣きたいなら僕の胸を貸します。辛いならずっと手を握っています。あなたに時間が必要なら、ずっと待っています。」
イヴァンはそう言って、シルクの額にキスを落とし、そっと抱き締めた。
「本当は唇にしたいですが、今、それをするのは卑怯な気がするので、やめておきます。」
シルクはイヴァンに抱き締められ目を閉じた。
イヴァンは暖かい。
いつだって昼間の太陽のように笑ってくれる。
こんなにも自分の心に寄り添ってくれる。
こんなにも、愛してくれている。
それで十分だ。
他に何を望むと言うのか。
イヴァンの事は好きだ。
これに嘘はない。
はじめから好きだった。
あの夜も、補佐となってからも。
色々あって素直になれなかっただけだ。
ふと、近くで演奏が始まった。
数人のカップルが、それにあわせて踊り出した。
くるくると回る。
シルクはそれを見ていた。
一曲目が終わった。
その時。
ヴァンが立ち上がってシルクの手を取った。
「……踊って頂けますか?シルクさん?」
シルクはぼんやりと、幻想的な街を背にするイヴァンを見つめていた。
儚げな顔をして、いつもどこかを見ている。
哀しげで、切なくて、艶やかで。
名前を呼ぶと、困ったように笑う。
「何だよイヴァン、変な顔して?」
ふと、感じる淋しげな色気。
変な顔をしているのは、僕ではなく、あなたです。
ライバルは、サークさんだけだと思って油断していました。
彼はあなたにそういう感情は持っていないから。
なのに……。
誰が、あなたの心に入ったんですか?
そんなにも深く……。
「え?祭り?」
「はい。今夜町で行われるんです。」
「へ~、面白そうだなぁ。」
「行きませんか?一緒に?」
いつものように爽やかな笑みでイヴァンがそう誘ってきた。
シルクはじっとイヴァンを見つめる。
「どうしました?」
「別に~。」
シルクはいつも通りつれない態度をとった。
でも本当は迷っていた。
あの後、あの人は変わらない。
何も言わない。
何もしてこない。
稽古にも来なくなった。
別宮にすらあまり来ていないようだ。
会っても変わらない。
口数少なく、大丈夫か、と聞くだけ。
優しさなのはわかっている。
その目が、ただ慈しむように揺れるだけ。
寂しくて、悲しくて、愛しくて。
でもきっと駄目なのだ。
あの人は応えてはくれない。
はじめに拒んだのは自分だから。
あの人は応えないという優しさで応えたのだ。
だから、きっと……。
もう、新しく始めなければいけないのだ。
けれど、そんな理由でイヴァンの手をとってもいいのだろうか?
「シルクさん……。」
「あ、うん、ごめん。」
話の途中なのに違う人の事を考えていた。
知られたくなくて、シルクは視線を反らした。
「正直に言います。僕はあなたが心配です。」
「何で?」
「何があったのかは聞きません。でも、今のあなたを僕は放ってはおけないんです。」
イヴァンはいつもの笑顔ではなく真剣だった。
その眼を覗き込んだら、すがってしまいそうで怖かった。
だからシルクはいつも通りな感じで答えた。
「何、言ってるんだ?イヴァン?」
そう言ったのにちゃんと笑えている自信がない。
イヴァンはため息をついて、ツンとシルクの額を指でつついた。
「そう言うの、空元気って言うんですよ?」
「……………。」
「僕に何ができるかはわかりません。でも、少しずつでも、笑って欲しい。」
「イヴァン……。」
「だからね、行きませんか?祭り?」
砕けた感じでそう言われ、シルクは少しだけ笑った。
「何でそこに繋がるんだよ?」
「ちょっとした気晴らしですよ。美味しいもの食べて、面白いものを見て、楽しい雰囲気を感じて……。僕はあなたを元気付けたい。だから、一緒に行きませんか?」
明るい口調で話しているがイヴァンの眼は真剣だった。
真っ直ぐにシルクを見つめる視線。
その目の中に不安が揺れている。
ああ、こんなにも真剣に想いをぶつけてくれているんだ。
この手を取ったら抱き締めてくれるだろう。
寂しさを埋めてくれるだろう。
もう、イヴァンに対しても、答えを出さなければならない時に来ているのだと思った。
「わかった。行くよ。」
ため息混じりにそう言うと、ほっとしたようにイヴァンは笑った。
「約束ですよ?」
「わかったよ!しつこいな!」
なんだか急に恥ずかしくなって、つっけんどんに返した。
でもイヴァンはとても嬉しそうだ。
「仕事が終わったら、独身寮の玄関で待ち合わせましょう!」
「はいはい。その前に仕事だから。そろそろみんな集めて。」
「承知しました。」
これでいいんだ。
シルクはそう自分に言い聞かせた。
嬉しそうなイヴァンの笑顔とは裏腹に、シルクは自分の影に少しだけ怯えた。
「へ?祭り?」
シルクの唐突な話しに、サークはキョトンとした。
またまたこれは急展開だな~と思う。
「そうだよ、主。知らないの?」
「そんな時期か~。毎年、リグにつれ回されたな~。」
「……リグって誰!?」
「前の職場の後輩。……って?!何でふて腐れてるんだよ!?」
「知らな~い。主なんか嫌い~。」
「はぁ!?」
シルクはたまに駄々っ子のように嫌いだと言い出す。
そう言えば、リグにも理由もなく不機嫌になられた事があったなと思い出した。
こういう時は何を考えているのだろうか?
考えても俺にはわからない。
「まあいいけど。……イヴァンと行くのか?」
「そ。元気付けたいんだって。」
「……いいヤツじゃん。」
「うん。俺もそう思う。」
本当いい奴だ、イヴァンは。
シルクに何かあった事は勘付いてる。
けれどわかっているからこそ、態度を変えない。
そしてさり気なく気遣っている。
けれど……。
あれこれ知っているサークの心中は複雑だ。
正直言って、どっちとくっついてくれた方が安心かといえばやはりイヴァンだ。
隊長は特殊だ。
シルクも特殊なタイプだ。
だから良い時はいいだろうが、何かの弾みで予想打にしない事を起こしそうな組み合わせに感じてしまう。
しかもそれは周りを巻き込んだ大惨事になる予感がプンプンするし、間違いなくその大惨事に自分は巻き込まれるだろう。
(どうしたもんかなぁ~。かと言って口出しする事でもないしなぁ~。)
だが、当のシルクは少し哀しげに、でも落ち着いた顔をしていた。
その顔に覚悟のようなものがあった。
「……シルク。」
「ん?大丈夫だよ、俺。」
「そうか……。」
もう何も言うまい。
サークはそう心に決め明るく笑った。
「気をつけて行ってこいよ?後、門限守れよ?」
「は~い。行ってきま~す。」
シルクはそう言って出掛けていった。
いつも通り明るく出て行ったが心配ではあった。
はぁ、とため息がでる。
何だかんだ、今日、一つの答えが出そうだ。
シルクは覚悟を決めていた。
イヴァンも恐らくある程度の勝負を仕掛けてくるだろう。
なのに。
あの馬鹿は結局、狡いままだったようだ。
シルクが選ぶことだ。
それが何でも、受け止めてやろう。
「は~、何だか年頃の娘を持った気分だ~。」
サークはそう言って、机に突っ伏した。
町にはランタンが飾られ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
人々が笑い、音楽が流れる。
たくさんの出店が並び、美味しそうなもの、見たことのないものを売っている。
町のあちこちに不思議なモニュメントが立っていて、見つける度、イヴァンが1つ1つ説明してくれた。
たくさん買い込んだ食べ物の中に物凄く酸っぱい物があり、シルクは嫌がるイヴァンの口に無理矢理二人分のそれをねじ込んだ。
普段の好青年ぷりっからは想像も出来ない顔をしたので、シルクは大笑いした。
苦しむイヴァンの背中をバンバン叩き、追い討ちをかける。
噎せて大変なイヴァンだったが、落ち着きを取り戻すとシルクを見つめた。
「やっと、笑った……。」
そう言ってイヴァンはシルクの顔を両手で包んだ。
シルクは黙ってイヴァンを見つめた。
「笑って?シルクさん……。今だけでもいいから……。」
「イヴァン……。」
「あなたの泣きそうな顔を見ているのは辛いです。泣きたいなら僕の胸を貸します。辛いならずっと手を握っています。あなたに時間が必要なら、ずっと待っています。」
イヴァンはそう言って、シルクの額にキスを落とし、そっと抱き締めた。
「本当は唇にしたいですが、今、それをするのは卑怯な気がするので、やめておきます。」
シルクはイヴァンに抱き締められ目を閉じた。
イヴァンは暖かい。
いつだって昼間の太陽のように笑ってくれる。
こんなにも自分の心に寄り添ってくれる。
こんなにも、愛してくれている。
それで十分だ。
他に何を望むと言うのか。
イヴァンの事は好きだ。
これに嘘はない。
はじめから好きだった。
あの夜も、補佐となってからも。
色々あって素直になれなかっただけだ。
ふと、近くで演奏が始まった。
数人のカップルが、それにあわせて踊り出した。
くるくると回る。
シルクはそれを見ていた。
一曲目が終わった。
その時。
ヴァンが立ち上がってシルクの手を取った。
「……踊って頂けますか?シルクさん?」
シルクはぼんやりと、幻想的な街を背にするイヴァンを見つめていた。
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